リボーン×ニセコイ!-暗殺教室~卒業編~-   作:高宮 新太

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標的2 Lettera senza l'indirizzo(宛名のない手紙)

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 エミーリオ・ピオッティ(仮名)年齢、本名、出自、不明。

 ボンゴレファミリー傘下所属。暗殺者(アサシン)

 現在、命令により日本へと到着。追加の命令まで待機中。

 追って随時連絡あり。

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 便箋を受け取った。それもヴァリアーのベルとフランから。

 この依頼はどうにもきな臭い。所々異質、ある種の不気味さまで漂ってきた。

 沢田綱吉(さわだつなよし)。ボンゴレファミリー、現十代目。

 この便箋の送り主。

「なんだっていうんだ本当に」

 自室のベットに横たわり、便箋を天井に透かす。

 死ぬ気の炎の印がされているということは、まず間違いなくこの便箋は沢田綱吉本人から送られてきたということだ。会ったことはないが。

 しかし、本題である中身がない。

 いや、比喩なしに。中身のない内容とか、他愛のない話とか、そういうのではなく、本当に、中身がないのだ。

 真っ白。透かし、炙り、濡らしても、そこから何か重要な任務の内容を指し示すものが、出てこない。浮かび上がってこない。

 困惑も当然の反応というものだろう。

 加えて、彼、エミーリオはこの一週間で憔悴しきっていた。

 日本に来てから、一週間。どれだけいるのかはわからないが、枕詞に適しているのはまだ、という言葉だろう。

 まだ、一週間。だというのにこの疲れよう。

 原因ははっきりしている。あの小野寺春という女だ。それに付随して秋浪風という女。

 この二人。

 直接の原因でいえば小野寺春。厄介さでいえば秋浪風。

「ねね、エミーリオ君は日本にはなんで来たの?お父さんの転勤?それとも何か別のこと?」

 自らの白い髪と真っ赤に染まった深紅の目が珍しいことは重々承知していた。それで目立っていることも。

 どこに行ってもそうだったのだ。日本だけ例外なんてことはない。

 その考えはまさにその通りで、やはり、日本でも彼は目立っていた。

「春。エミーリオ君は一人でいたいんだよ。構うことないよ」

「風はそういうけどさー。エミーリオ君がそう言ったわけじゃないでしょ?」

「それは、まあそうだけど・・・・・・」

(・・・・・・はぁ。またか)

 ここ。ここでエミーリオは秋浪風から睨まれる。毎度のことだった。もはや見ずともわかる。

 彼は目立つ。しかし、自覚している分、コントロールすることはできる。変にさざ波を立てずに、風景の一部と化す。

 まるでそこにいるのが自然で、当たり前の烙印を自らに押す事。

 それが一番最初の仕事の準備。

 いつもやっていること、それを同じようにやった。

 失敗したことなどなかった。これさえ出来れば大抵の任務は楽にこなせた。

「あ、日本語もう覚えた?良かったら教えてあげよっか」

 ―――――――――――――――――はずなのに。

 にっこりと輝く笑顔は変わらない。曇ることなく、混ざることない。 

 この一週間で、その笑顔は変わったことがない。

 まるであの男のよう。彼に便箋を送ってきた、記憶の中の、あの男のよう。

(まあ、だから何だという話だが)

 日本語はこの一週間でかなりのレベルまで到達した。片言程度なら聞いて話すこともできる。

 こういう手合いにはこれまでだって何度か遭ってきた。同業の暗殺者。スペインの闘牛士。フランスのコック。

 けれども、そのどれもで任務失敗なんてしてこなかった。

 こういうやつらには、まどろっこしい真似はするだけ無駄。

 はっきりと言ってやる必要がある。

 頭の中で、イタリア語を日本語に翻訳する。

 そう。僕は、お前みたいなやつが一番嫌いなんだと。

 

「ふっふっふ。私の戦闘力は53万です」

 

 ・・・・・あれ?なんか違うな。こんなんだったっけ?

 口に出してから気づいた。なんか違う気がする。言いたかったことと、実際口に出していったことがまるで違う気がする。

「あははは!ほら!やっぱりエミーリオ君は仲良くしたいんだよ!」

「いや、春。多分あれ違うと思うわ。だってセリフあってないもの、見るからに嫌悪感を示した表情とセリフが、あってないもの」

 日本語を学ぶにはジャポーネの漫画が一番だと、ボスにそう教えてもらった。

 まさかその結果がこれだなんて。

 敵意を向け、距離を離すつもりがどうしてこうなった?

 雰囲気でわかる。むしろ距離が縮まってしまったと。小野寺春がキラキラとした瞳でこっちを見ているから。

 エミーリオは心に固く誓った。もう二度とあの漫画は開かないと。

「よし!じゃあ私の家で日本語教えてあげるよ!」

 なんとか聞き取れた単語が聞くからに不穏な響き。

 もう一度言おう。どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら!ここ!ここ私んち」

 そう言って小野寺春が示したのはひらがなで『おのでら』と書かれた和菓子屋。

 もう一回だけ言おう。どうしてこうなった。

 断るつもりだった。いや、事実断った。拒否した。 

 だというのに現実はこれだ。エミーリオはまんまと家の前まで来てしまった。

 無論、こんなことは初めてである。暗殺者として生きるようになって十年。その十年で初めてだった。

「あ、春ー。おかえりー・・・・・・!?」

 自動ドアから家へと入り、母親と思しき人と目が合う。

 その見開かれた眼がそっくりだと思った。

「ちょ!?なにあんた!?」

「お母さんお母さん。友達友達」

 見るからに不審者でも見つけたような反応だ。エミーリオの浮世離れした風貌を見れば致し方ないが。

「あ、ああ・・・・・・ええ!?」

 小野寺春の説明に、心底びっくりといった表情。

「あんた、こんな外国人のイケメンと友達だったの?」

「転校生なんだよ」

 まるで親子。いや、まあ実際親子なんだけど。それにしても仲の良い親子、そんな印象だった。

「ほら、上がってよ」

 ここまで来てやっぱり帰るというのは不自然だし、第一に逃してくれそうにもない雰囲気だった。 

 春にしてみれば、ただの親切心と外国人の友達というフレーズの高揚感がすべてを支配していたのだが、エミーリオにとってはありがた迷惑でしかない。

 階段を上がり、部屋の扉を開ける。

「やっほー。春」

「風!来てたの?」

 部屋の中央に鎮座ましましていたのは秋浪風。

「うん♪無理行ってお邪魔させてもらってた。ごめんね」

 しかし、エミーリオにはひしひしと伝わってくる。春の家で二人きりにさせてたまるかという怨念めいたものが。

「・・・・・・嫌な女(ボソッ)」

「何か言った?エミーリオ君」

「別に」

 こうして、奇妙な勉強会が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エミーリオは思った。

 適当に聞き流して、満足したところで用事があるといって抜けようと。

「そういえばエミーリオ君はさ。高校どうするの?」

 高校。そういえばそうだ。一体全体僕はどうするのだ?

 適当に決めてもいいのか、それとも指定した高校に入学しなければならないのか。勉強は?

 山積みになっていた問題が、改めて自らにのしかかってくる。

「って言ってもまだ日本に来たばっかりだからわかんないよねー」

 さきほどから、春は喋ってばかりだった。

 エミーリオは会話する気がないのか、ただ一人で黙々と日本語を勉強していた。完全に集中していたのに先の春の言葉で足元が揺らぐ感覚に陥る。

「春は並盛高校行くんでしょ?」

「うん!お姉ちゃんとおんなじとこ。風も一緒のとこだよね?」

「そうね。春と一緒のところ」

 完全に空気から締め出されている。それも意図的に。

 居心地が悪い。

 まあ、居心地が良かったことなんてこの人生で一度だってないのだが、にしたって悪い。悪すぎる。

 人生で三本の指に入るくらいには悪い。

「はぁ・・・・・・」

 思わずため息をつく。見えない不安と、慣れないことをしたせいで心労がたたっているのが嫌でもわかる。

 わかる分、なおきつい。

「あれ?エミーリオ君もしかして疲れた?・・・そうだ!今、甘い物持ってきてあげるね。ダイジョブ、家、和菓子屋だから」

 ドヤ顔。

 その顔は、自らの家を誇っているようで、自慢げだ。

 エミーリオは何も言っていないのに、どたどたと部屋を飛び出していく春に、また、ため息。

 窮屈だ。それでいて退屈だ。

 日本という国にきて、平和だと思った。 

 夜に、一人で出歩いていても平気だし、何かあっても大抵警察が何とかしてくれる。腰に財布を差していてもスられないし、危機感も緊張感もない。

 それはきっといいことなんだと思う。努力の結晶。平和バンザイ。

 だけど、退屈だった。彼は、彼には、退屈でしかなかった。

「ねえ、一体全体どういうつもりかしら?春と二人っきりで勉強会だなんて、一体なにを勉強するつもりだったのかしら。保健体育?」

「うるさい女だ」

「なんですって?」

 今度は聞こえるように言ったので、風の目線がきつくなる。

「別に、来たくて来た、違う。無理矢理、連れてこられた」

「あっそ」

 どうやらこちらの片言の意見など聞いてはいないようだ。

 どうあれ彼女は春と二人っきりになろうとしたその事実が腹立たしいらしい。

 ついでに春がエミーリオのために労力を強いられているのも起因しているだろう。

 強いた覚えはないのだが。

「はぁ・・・・・」

 また、ため息。

 今日何度目だ?

「もう、帰る」

 そうだ。なんで僕はこんなことに付き合っているんだろう。

 彼は馬鹿らしくなって自らの手荷物を肩に下げる。

 ここには仲良しこよしをしに来たわけじゃない。

「え?本当に?じゃあねー、バイバイ♪」

 見るからに弾んだ表情と、それに伴った声。

「・・・・・・・Donna veramente sgradevole(ホント、嫌な女)」

 ドアが完全に閉まったのを見計らって、口にした。

 聞こえるとまた厄介だから。

 そしてもう一人。小野寺春に帰るところを見つかってもまた厄介。

 ま、こういう時のための(ボックス)兵器だ。

「・・・・・・あ、リングとボックス没収されてるんだった」

 再度、ため息。

「・・・・・・・・・・ジーザス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 匣兵器がなくたって、任務はやれる。

 その証拠に、今だって小野寺春に見つからずにあの家を抜け出すことができた。

 だから今、彼は気分がよかった。

 先の見えない任務に対しての不安とか、道がないことの焦りも。とりあえず頭の隅っこに追いやるくらいには。

「やいやいやい。お前ちょっと面かせや」

 しかし、その良い気分も持って数分。やはり慣れないことはするものではない。

 分不相応だったのだ。まさに。

 和菓子屋を出て数分のところ。4、5人の男に囲まれ、路地裏に連れていかれた。 

 見たところ全員中学生。

「てめえ、小野寺とどういう関係だ!」

 見たところリーダー格の人間が大きな声で怒鳴り散らす。

 怒っているようだ。

「なんで二人っきりで家にお呼ばれしてんだって聞いてんだよ!」

 無視、というかあまりに早口でなんて言っているかまだ聞き取れない。

 厄介なことに巻き込まれた。ただそれだけが分かった。

「―――――――――――ぶべらっ!」

 瞬間、大声で喚いていた中学生をぶん殴る。

「あーあーあー、なんなんだよ。便箋には何にも書かれてねえし。次どうしろっつー命令も来ねえし。俺は一体なにすればいいんだおい!教えろよ!この豚がぁ!」

 馬乗りになって殴る蹴るの応酬。彼は完全に切れていた。

 度重なるストレスと、不安で彼の心は限界だった。

 加えて、せっかくいい気分だったのに妨害された。その気持ちが最後のスイッチを押してしまった。

 押させてしまった。

「あの女もちっとは空気読めや!近寄るなオーラビンビンにだしてんだろーがよお!」

「お、おい!やめろ!」

 側近と思しき男はすでに意識を手放したリーダーを見て、恐怖に足がすくみながらも勇気をもってエミーリオにタックルを仕掛けた。

 それは、リーダーを思っての純然たる仲間意識。助けたいという願いから起こった行動だ。

「・・・・・・ああ?」

 だが、彼には関係がなかった。

 タックルをかましてきた男の背中を両手で固定し、膝蹴りで鳩尾を一発。

 呻きながら体を曲げたところを、顔につま先で蹴りを一発。

 開いた上体を足で押し倒し、的確に急所をストンピング。

 

「・・・・・・・・」

 

 声もしなくなったところで、「「「う、うわああああああ」」」一気に男子たちはなだれかかってきた。

 恐怖でまともな思考が凍り付いてしまった。どうみてもそれは得策じゃなかった。

 襲い掛かってきた二人の頭をがっちりとヘッドロックし、もう一人を壁に足をつけ、体を一回転。 

 ぐるりと回る。当然、ヘッドロックを極められている二人も同じく一回転。そして勢いよく地面に叩きつけられる。

 そしてそのまま真下に全体重をかけ肘内。ゴキリという嫌な音が路地裏に響いた。

「ひっ。あ、ああああああああ!!」

 壁にされたもう一人は、絶叫しながら路地裏の奥に逃げようとする。

 仕込んでおいたナイフを握り、構える。

 逃がす理由は、ない。

 

 

 

「はーい。そこまで」

 

 

 ナイフを構えた手が動かない。

 見るとムチで巻き付かれていた。

「・・・・・・跳ね馬」

 路地に現れたのは、跳ね馬。跳ね馬ディーノ。ボンゴレファミリーと同盟を結んでいるキャバッローネファミリーの十代目ボス。

 通称『跳ね馬』。

「おーおー、派手にやったな」

 後ろに控えていたのはその跳ね馬の部下。名をロマーリオ。

 逃げ足が速いのか、もう逃げていった一人の影はない。

「・・・・・・、」

 ムチに絡まれた腕をだらりと下げ、天を乞う。

 狭い空。ビルとビルに挟まれた空は窮屈で空虚。

 真っ白なその外見に、まるで筆で散らしたように点々と赤が混ざる。

 その様はある種、妖艶で、ニタァと笑う姿が彼の異常さを際立たせていた。

「・・・・・・あーあ、やっちゃった」

 現在の自身における立場的に、こういうのはなるべく避けるべきだったのだが。彼に悔いはない。

 あるのは圧倒的快感。それのみ。

「相変わらずだな。ガキンチョ」

 笑いながら頭を撫で繰り回してくる跳ね馬に、彼は不機嫌になる。無駄に爽やかだ。まさにイタリア男子を具現化したような人物。

「やめろ、その呼び名。もう俺・・・・・・僕は子供じゃない」

「なあその一人称。なんか意味あんのか?」

 エミーリオには癖があった。興奮すると一人称が俺、になる。という変な癖が。

 彼はあまり俺という一人称を好まなかった。が、なによりいくら直そうとしても無理だったので、仕事のスイッチを入れるという意味で今は逆に徹底して一人称をわざと変えていた。 

「うるさい。で、なんだ。何の用だ」

「いや用ってわけでもないんだが、偶々通りがかったんでな」

 笑うその笑顔が嫌に眩しい。

 ていうか嘘くさい。

「ふん。じゃあもういいだろ。僕は帰る」

「その格好で?」

 赤い血が点々とこびりついている自らを見下ろす。

 確かに、このまま街に出ると多少ざわつきそうだ。

「良かったら、送っていこうか?」

 そういって指さすのは黒塗りのハイヤー。そっちはそっちで目立ちそうだ。

「・・・・・チッ」

 その快活な笑顔に舌打ちする。こうなってくると目の前でノびているこいつらもサクラだったんじゃないかと疑いたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?どうだ、もうこっちの生活には慣れたか?」

「ボチボチ」

「そっか、そりゃよかった。並中にはあいつ(・・・)もいるしまあ問題はないだろ」

「・・・・・・、」

「日本語は、もう少しってところかな」

「うるせえ」

 車から見える景色は瞬間、瞬間で切り取られていく。

 横の男がうるさい所為でせっかくの高級車が台無しだ。これならパトカーの中のほうがまだマシに思える。

 スッ、と車が止まる。どうやら着いたようだ。

 無言で降りて振り返りもせずそのまま歩いた。振り返るとまたとやかく言われそうだったから。

「じゃな!ガキンチョ」

「うるせえよおっさん」

「おいおい。俺まだ三十なんだけど?ま、お前らから見れば三十はもうおっさんかー」

 しまった。また火をつけてしまった。

 苦い顔になっている。マンションのガラスに映った自分の顔だった。

「本当にじゃあな。また明日」

 半ば聞き流し、オートロックを解除。

 したところで、違和感に気付いた。

「・・・・・また明日?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その明日。

 つまり今日。

「あ、エミーリオ君。昨日はごめんね、用事があったのに無理に誘っちゃって」

 小野寺春が開口一番謝っている。

 は?と、呆けた顔をしていると、後ろの風がべーっと舌を出しているのに気が付いた。

 昨日、風はいなくなったエミーリオの事を若干はフォローしていたらしい。

 彼にとって、いらぬ世話なのは変わりないが。

「はーい、君たち席についてー。新任の先生のあいさつをするよー」

 聞き覚えのある声、感じたことのある爽やかさ。背中がぞわっとする感覚。

 

 

 

「どうも、英語を担当することになりました。気軽にディーノって呼んでくれると嬉しいな。卒業までの短い間だけどよろしく♪」 

 

 

 

 女子どもの色めきだつ声と、男子どもの興味なさそうな反応。

 そのどれとも属さない彼の反応は、語らずともわかる。

 相変わらずの、苦い顔だ。 

                             To be continued.




 どうもアーマーゾーン(変身)高宮です。
 二話目にしてすでに書くことがありません。あとがきに書くネタなんてなあ!そうそう思いつかねえんだよ!
 リボーンではフランとベルが好きです。割とヴァリアーが好きです。だからこんな話ができたのかもしれません。関係ないかもしれません。すいません、適当に言いました今。
 ではまた。

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