やっぱ、戦闘を描写するのは難しいです(^_^;)
では、投稿です。
本編をどうぞ。
あれから悠斗は、様々な国を転々としていた。 今悠斗が居る国は、
悠斗は街一角の石段に座り、先程購入したリンゴを口にしてた。
『……お前、何個目だ』
今話しかけてきたのは、悠斗の中に眠る黄龍だ。
「たしか、三個目だっけ?」
『四個目だ』
どうやら、麒麟が答えを言ってくれたらしい。
あれから悠斗の親代わりになっているのは、眷獣たちなのだ。 特に、黄龍と麒麟がメインである。
『今日はどうするんだ?』
「違う場所に移動しようか、かなりの情報も手に入ったし」
そう、欲していた
『はあ、最近の趣味が情報集めだとはな』
「溜息を吐くなよ、黄龍。 将来、役に経つ日が来るかもしれないだろ」
悠斗は石段から立ち上がり、
ちなみに、現在の悠斗は、茶色のローブを羽織り顔が見えないようにフードを被っている。
「君かな、
「はあ、何で真祖にはバレるんだよ……」
悠斗は既に、第三真祖にも露見し戦闘になったのだ。
結果は、悠斗の勝利。 だが、止めを刺す事はなかった。 その一番の理由は、世界の均衡が崩れてしまうからだ。
「何のようだ?」
「ぜひ、君と手合わせしてくてね。 紅蓮の織天使」
悠斗は溜息を吐いた。 どうやら、朱雀と融合した所を見られ、この二つ名がつけられたらしい。 悠斗は、あまり好きじゃない二つ名らしいが。
「え、嫌だよ。 疲れるし」
悠斗は平然にそう答え、踵を返した。
青年はニヤリと笑った。
「嫌でも、僕と戦ってもらうよ――
青年が召喚したのは、超高圧水流で構成された海蛇だ。 その海蛇は、青年の頭上を旋回するように漂っている。
その蛇は、悠斗に向かって高圧された水流を放った。 並みの吸血鬼なら、一撃で絶命する攻撃だ。
「面倒くさいな……。――
悠斗は振り返ってから左手突き出し、掌から深紅の焔を放った。 それは水流と激突し、相殺された。
「ハハハハッ! 眷獣も召喚せず、攻撃を相殺するとはね! 最高だよ、君!」
「……望み通り戦ってやるよ。 でも、お前じゃ俺に勝てない」
青年は、好戦的な笑みを浮かべる。
悠斗はローブを仕舞い、左手を突き出した。
「――降臨せよ、朱雀、青龍!」
悠斗の左側には紅蓮の不死鳥が、右側には天を統べる龍が召喚された。
「へぇ、それが君の眷獣か。 僕は――――
青年は
龍は降下し悠斗に襲いかがるが、当の悠斗は平静を保っていた。 相手の攻撃を分析してるようにも見える。
「――
青龍が凶悪な口から雷球を放ち、それは龍と衝突した。
そして、この均衡に敗北した龍は、跡形も無く消え去った。
「なッ!?」
青年は心底驚いたようだった。
まさか、消し飛ばされるとは思わなかったのだろう。 悠斗は立て続けに指示を出す。
「――
青年は朱雀の焔によって弱まり、その場で片膝を突いた。
この勝負は、完全に悠斗が有利に立っていた。
「もういいか? 勝負は見えてるぞ」
「ふふふ、あはははは! 最高だ、これだよ! この高揚感が、僕が求めてた戦いだよ! 自己紹介が遅れたね。 僕の名前は、
「……神代悠斗だ」
ヴァトラーは眉を寄せた。
「……神代だって。――あの一族の生き残り……。 ハハハッ、これは面白い!」
ヴァトラーは一通り笑うと、
「安心してくれ。 この事は他言しないヨ。 続きをしようじゃないか。――
ヴァトラーが召喚したのは、鋼の刃で覆われた蛇だ。 無数の剣の鱗を持つ蛇は、悠斗に突撃した。
これならば、
「――
悠斗は、正面に結界張って攻撃を防ぎ、大きく後方へ跳んだ。 悠斗がヴァトラーを見ると、歓喜の笑みを浮かべていたのだ。
悠斗はすぐさま反撃に移った。
「――
「――
青龍がヴァトラーに放った無数の雷撃は、禍々しい緑色の蛇の瞳から放たれた無数の閃光に、全て相殺させた。
地形は、攻撃余波により地面が抉られ、あちこちに巨大なクレーターが生まれていた。 最早、最初の原型は留めていない。
「君も、そいつら以外に召喚したらいいじゃないカ?」
ヴァトラーは挑発的にそう言ってくる。
悠斗は、このような挑発に乗る事はないのだが、今は違ったのだ。
「――降臨せよ、白虎、玄武!」
ヴァトラーが命じ、
悠斗も、白虎に命じる。
「――切り裂け!」
白虎は、
だが、悠斗の攻撃はまだ終わっていない。
「――
玄武がヴァトラーを無に還えす為、巻き付いた蛇を動かし空間の一部を食らった。 だが、それを察知してたかのようにヴァトラーは後方に大きく跳び回避。
「ッチ」
悠斗は始めて舌打ちをした。
今の一撃でヴァトラーを無に還し、勝負を決めて終いたかった。 ヴァトラーは合掌していた。 楽しくてしょうがない。と言ってるようにも見える。
悠斗はこのままでは埒が明かないと思い、言葉を紡ぐ。
「紅蓮を纏いし不死鳥よ。 我の翼となる為、我と心を一つにせよ――来い、朱雀!」
悠斗と朱雀は融合し、悠斗の背部からは、二対四枚の紅蓮の翼が出現した。
その姿は、天界に住むと言われる
「行くぞッ!」
「フフッ、こっちこそ」
悠斗とヴァトラーは眷獣を連れ、同時に飛び出した。 序盤は拮抗していたが、悠斗が徐々に圧していくようになった。 悠斗は、ヴァトラーの反撃を強引にねじ伏せ、防御を粉砕し、容赦なく攻撃を叩き込んでいく。 ヴァトラーが身に纏うスーツは、無数の斬撃で傷が生まれ、裂けた皮膚から鮮血が噴き出る。
ヴァトラーと悠斗は、
「君は今まで殺ってきた中で、一番強いよ、悠斗。 それに、まだ余力を残しているのだろ?」
「まあな」
「フフ、そうでなきゃね。 こいつを召喚するのは、久しぶりだネ。――
ヴァトラーが召喚した三体の蛇が螺旋状に絡み合い、一体の龍へと変わった。
剣の鱗と、炎の鬣を持つ龍だ。この龍は、先程ヴァトラーが創り出した龍とは次元が違う。 その龍が旋廻するだけで、大地に深い傷が穿たれる。
「こいつは、君の
「ああ、その通りだ。――降臨せよ、黄龍!」
悠斗の隣に召喚されたのは、黄金に輝く龍だ。
ヴァトラーも、黄龍を見て目を見開いた。 黄龍は、四神たちを凌ぐ力を有しているのだから。
「――
ヴァトラーの蛇と、黄龍が凶悪な口から放った黄金の渦が衝突した。
状況は拮抗したまま変わらない。 だが――、
「まだだ!――黄龍!」
黄龍の黄金の渦が勢いを増し、拮抗が崩れ、眷獣を消し飛ばし、黄金の渦ヴァトラーに直撃した。 ヴァトラーは片膝を突けたが、まだ戦意を消滅させていなかった。
だが、黄龍の一撃を受けたので、最早、体力が底を尽きかけてるはずだ。
「ふふ、アハハハハハハハッッ! 最高だヨ!」
高笑いするヴァトラーを見て、悠斗は眉を寄せた。
この状況でのヴァトラーの態度は、明らかに異常なものだ。
「……お前、狂ってるな」
「僕も自覚してるサ。 これが僕の最後の眷獣ダ。――――
ヴァトラーはそいつを召喚した。 そいつは、大地を突き刺さる樹木。 根元には蛇の尾。 九体の蛇の眷獣が絡み合い、全長数百メートルの樹を作り上げている。 ヴァトラーは最後の力を振り絞り、蛇の鎌首に登って片膝を突けた。 そう、美しい黄金の障気が漂っているのだ。
悠斗は顔を歪めた。 また、こいつは真祖以上の眷獣なのだ。
「……お前、とんだ隠し玉を持ってたのな」
「……フフ、凄いだろ」
「……なら、こちらも切り札を使わせてもらう」
悠斗が左手を掲げると、大地が揺れ、雷鳴が轟いた。
「――全てを司る神獣よ。 今こそ我と一つになり、黄金の輝きを与えたまえ。 四神の長たる黄金の龍よ!――来い、黄龍!」
悠斗と黄龍は融合し、悠斗は黄金の衣に包まれた。
その背からは、朱雀から付与された紅蓮の翼。
「――降臨せよ、麒麟」
悠斗は、黄龍と同格の麒麟も召喚させ、再び左手を掲げると、目を奪われるような、美しい龍が召喚される。
悠斗は左腕を振り下ろした。
「――
火、水、風、雷、地が入り混じった龍は、
「――
麒麟は光の渦を創り出し、追撃を下す。
天侯が回復し、爆炎の煙が晴れると、
だが、悠斗も片膝を突けた。 黄龍との融合攻撃に、麒麟の攻撃。 悠斗の
「はあ……はあ」
悠斗は、荒い息を吐いた。
数メートル先には、この勝負を仕掛けたディミトリエ・ヴァトラーが横になっていた。 悠斗は、呼吸を整えてから立ち上がり、その場へ歩み寄る。
「……俺の勝ちだ、蛇野郎」
「……君の勝ちだ、悠斗。 ふふ、
ヴァトラーは、満ち足りた笑みを浮かべていた。
今のヴァトラーは、半殺し状態にある。 なので、追撃は不可能だろう。 悠斗は、そうか。と頷き、ローブを羽織りフードで顔を隠した。
「僕を殺さないのかい?」
「まあな。 無防備な奴を殺すのは気が引ける」
ヴァトラーは、喉をくっくっと鳴らした。
「君は優しいネ。 誰譲りだい?」
悠斗には、肉親に関する記憶がないのだ。
このような質問をされても、わからない。としか言いようがない。 なので悠斗は、言葉を濁した。
「さあ、誰だろうな。 俺に勝ったら教えてやるよ。 つーか、救援が来るまで、そこで大人しく寝てろ」
「フフ、悠斗には借りができたネ」
「なら、後で返せよ。 その借りってやつを」
悠斗は踵を返し歩き出した。
紅蓮の織天使vsディミトリエ・ヴァトラーの勝負は、紅蓮の織天使の勝利に終わったのだ。
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悠斗が旅をしていると、ある一ヵ所に吸い付けられるように移動していた。 そこには、岩場の麓。 祭殿と思しき石造りの洞窟だ。 その洞窟は、赤茶けた石灰岩は雨嵐に侵食させ抉れており、周囲には破壊された車両の残骸が散らばっている。
だが、そこからは、ただならぬ気配が漂っていたのだ。――王気にも似た威圧感が。
「あれは……何だ? いや、
『その通りだ。 調べてたものに、すぐに会えるとはな』
黄龍がそう言った。
あの洞窟は、聖殲の遺産で間違えない。 悠斗が洞窟に近づくと、三人の中の一人が口を開く。 それは、この洞窟に関するものだった。
『……――
「……十二番目……」
悠斗は、静かにそう呟いた――。
蛇遣いとの戦闘を書いてみました。
上手く書けただろうか?不安です(-_-;)
悠斗君、この時から聖殲の知識を持っていたなんて、驚きですね(笑)
てか、黄龍の攻撃を受けたのに消滅してないヴァトラー凄ぇ。ま、何かで身を守ったんでしょうね。
ではでは、感想、評価、よろしくお願いいします!!