うむ。上手書けただろうか。
それでは、本編をどうぞ。
半透明な石の中には、誰かの“腕”が浮かんでいた。
ミイラのように干乾びた、細い腕だ。
「……あんたの目的は、西欧教会の“神”に仕えた聖人の遺体、か」
悠斗は腕を一瞥してから、アンカーの上から降り立った。
「ええ、そうです。 なので、そこから離れなさい。――紅蓮の熾天使よ!」
「……やっぱり、わかる奴には、わかっちまうか」
悠斗は頬を掻いた。
「何があったのかは知りませんが、貴方は、朱雀と言われた眷獣しか使えません。 その眷獣では、アスタルテを止める事は不可能です!」
「あー、確かに。 俺は、朱雀しか使役することが出来ないが。 それだけで決めつけるとはどうかと思うが」
「何を戯言を。――アスタルテ!」
「
沈黙を守っていたアスタルテが、微かな悲しみをたたえた声で答えた。
虹色の眷獣の輝きが増し、それに比例して撒き散らされる魔力の勢いが増す。
悠斗は、やっぱりこうなるのか、と嘆息し、黒い瞳が真紅に染まり、唇の隙間からは牙が覗いた。
だが、要石によって固定されたアンカーの上に立っている人物を見て、魔力を押さえた。
「来たか、古城」
そこには、破れかけた制服を着た少年と、銀色の槍を携えた少女が立っていた。
「待たせたな。 悠斗」
「お待たせしました。 神代先輩」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「聖遺物って言うんだってな。 やっぱりこいつが、あんたの目的だったわけか」
古城は、石柱の中に封印されている“腕”を見ながら言う。
「貴方たちが絃神島と呼ぶこの都市が設計されたのは、今から四十年以上も前のことです」
低く
その口調には、ロタリンギアの司教に相応しい威厳があった。
「レイライン。――東洋でいう龍脈が通る海洋上に、人工の浮島を建設して、新たな都市を築く。 それは当時としては、画期的な発想でした。 龍脈が流し込む霊力は住民の活力へと繋がり、都市を繁栄へと導くだろう誰もが考えた。 しかし建設は難航しました。 海洋を流れる剥き出しの龍脈の力は、人々の予想を遥かに超えていたからです」
絃神島が、本土から遠く離れた南の海上に建設された理由。
それが、――龍脈。
地球表面を流れる巨大な霊力経路の存在だった。
龍脈の上に築かれる土地には、霊力が満ち、それだけで通常よりも強力な霊術、魔力の実験が可能になる。
それは、魔族の研究を行う魔族特区にとって、理想的な条件だ。
龍脈上に都市を建設することが、人工島計画には、必須だったのである。
「都市の設計者、絃神千羅はよくやりました。 東西南北――四つに分割した
「要石の強度、だな……」
古城の呟きに、オイスタッハが重々しく首肯する。
「いかにもその通り。 絃神千羅の設計では、島の中央に四神の長たる
「供儀建材だな」
そう悠斗が呟いた。
絃神島の設計者は、工学的に息詰まった問題の解決手段として、呪術を頼った。
――人柱。
建造物の強度を増す為に、生きた人間を贄として捧げる邪法。
龍脈は自然の気の流れである為、生半可な呪術では耐えられない。
「彼が都市を支える贄として選んだのは、我らの聖堂より
静かに響く声で宣言し、オイスタッハが
「ゆえに私は、実力をもって我らの聖遺物を奪還します。 立ち去るがいい、第四真租よ。 これは我らと、この都市との聖戦です。 貴方といえども邪魔立ては許さぬ。 貴方もです。――紅蓮の熾天使よ!」
「紅蓮の熾天使!?」
雪菜は、眼を見開いた。
雪菜が驚くのも無理はない。 真租を越えるかもしれない存在が、第四真租と共に行動していたのだから。
正体を明かされた悠斗は宙を仰いでいたが、雪菜と古城に、秘密にしてもらえばいいか。という考えだった。
「気持ちはわかるぜ、オッサン。 絃神千羅って男がやったことは、たしかに最低だ」
それでも古城は、要石を守ってオイスタッハの前に立つ。
「だからって、何も知らずにこの島で暮らしている五十六万人が、その復讐のために殺されていいってのかよ! ここに来るまでにあんたが傷つけた連中も同じだ。 無関係な奴らを巻き込むんじゃねーよ!」
「この街が贖うべき罪の対価を思えば、その程度の犠牲、一顧だにする価値もなし」
オイスタッハが冷酷に告げる。
「もはや言葉は無用のようです。 これより我らは聖遺物を奪還する。 邪魔立てするというならば、実力をもって排除するまで」
古城の獰猛に歪めた唇の隙間から、牙が覗き、瞳が真紅に染まる。
「……けど、忘れてねぇか、オッサン。 オレはあんたに胴体をぶった斬られた借りがあるんだぜ。 まずは、その決着からつけようか」
古城の全身を稲妻が包む。
宿主の意志に呼応して、血の中に住まう眷獣が目覚めようとしているのだ。
「貴様……その能力は……」
「さあ、始めようか、オッサン――ここから先は、
雷光を纏った右手を掲げて、古城が吼える。
古城の隣を寄り添うように銀の槍を構えて、雪菜が悪戯っぽく微笑んだ。
「いいえ、先輩。 わたしたちの
悠斗は溜息を一つ吐いてから、古城の隣に立った。
「俺も手を貸すぞ。 俺と姫柊は人口生命体を、古城はオイスタッハをやるぞ」
「「おう(はい)!」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
最初に仕掛けたのは雪菜だった。
銀の槍が閃光のような速度でアスタルテへと向かった。
眷獣を纏ったアスタルテが、それを迎撃する。
雪霞狼に刻印された
雪菜は一度体勢を立て直す為、悠斗の隣まで後退した。
「くっ、やはり、同じ神格振動波駆動術式で相殺されてしまいます。――どうすれば……」
「手がないことはない。 二人の協力も必要になるが」
「な、何か手があるんですか!?」
「朱雀の力を解放すれば――」
だが、朱雀の力を解放すると、真租の連中たちには、完全に悠斗の存在が露見してしまう。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
悠斗と雪菜がアスタルテを相手に膠着状態になっている時に、古城は青白い稲妻を撒き散らしながら、オイスタッハに殴りかかる。
「ぬぅん!」
オイスタッハは、その巨躯からは想像もできない敏捷さで古城を躱し、
この攻撃をまともに喰らってしまえば、古城の肉体は引き裂かれてしまうだろう。
「たしかに凄まじい魔力ですが、浅はかな素人同然の動きですね、第四真租!」
「同然じゃなくて、本当に素人なんだよ!」
反論しながらも、古城はバスケで鍛えたフットワークで動きながら、魔力で作り出した雷球をオイスタッハへと投げつける。
「先程の言葉は撤回です。 認めましょう、やはり貴方は、侮れぬ敵だと――ゆえに覚悟をもって相手をさせてもらいます! ロタリンギアの技術によって造られし“
オイスタッハの攻撃速度が増し、装甲鎧が筋力を強化された。
黄金の光に視界を奪われた古城は、殆ど勘だけで回避する。
切り裂かれた頬から鮮血が散る。
「汚ぇぞ、オッサン――そんな切り札をまだ隠し持ってやがったのかよ! そういうことなら、こちらも遠慮なく使わせてもらうぜ。 死ぬなよ、オッサン!」
「ぬ……!」
オイスタッハが本能的に危険を察知し、後方へと跳ぶ。
オイスタッハ目掛けて突き出した古城の右腕が、鮮血を噴いた。
「
その鮮血が輝く雷光に変わる。
「
出現したのは、雷光の獅子。
荒れ狂う雷の魔力の塊。
その全身は眼が眩むような輝きを放ち、その咆哮は雷鳴のように大気を震わせる。
「これがあなたの眷獣か……! これほどの力をこの密閉された空間で使うとは、無謀な!」
獅子の前足が、オイスタッハを目掛けて振り下ろされる。
この攻撃で、オイスタッハが数メートル撥ね飛ばされた。
その攻撃の余波は、キーストーンゲートにも及んでいた。
「アスタルテ!」
オイスタッハがアスタルテを呼び、悠斗と雪菜を振り切って古城の前に立ちはだかる。
古城の意志を半ば無視して、
その瞬間、眷獣を包む虹色の光が輝き出し、
「うおおっ!?」
「きゃあああああっ!」
「おい、完全に制御したんじゃねぇのかよ」
制御を失った魔力の塊が爆発して、天井を襲い、分厚い最下層の天井が撃ち抜かれて砕け散った。
降り注ぐ瓦礫から逃げまどいながら、悠斗、古城、雪菜は声を上げる。
「くそっ……ダメが! オレの眷獣でも、あいつの結界は破れないってのかよ……!」
このまま攻撃を繰り返しても、恐らくは同じ結果だろう。
それにこれ以上の戦闘は、恐らく建物が耐えられない。
キーストーンゲートの外壁が破られたなら、水深二百二十メートルの水圧が一気に押し寄せてきて、雪菜は間違えなく即死。 悠斗、古城もどうなるかわからない。
「先輩……」
瓦礫に埋もれかけた古城を支えるように、雪菜がそっと寄り添ってくる。
「悪い、姫柊。 あいつは、倒せないかもしれない……!」
悠斗は古城の隣に立ち、
「諦めるな、バカ古城。――俺が朱雀の力を解放する。 後は頼んだぞ」
悠斗は一呼吸置いてから、黒い瞳を真紅に染め、解放の呪文を唱える。
「今こそ汝の力を解き放つ。 我を守護する為、再び力を解放せよ――降臨せよ、朱雀!」
悠斗の隣に莫大な魔力を纏った朱雀が降臨した。
「久しぶりにやるか。 最大火力で頼むぞ。――
朱雀は首をS字に曲げ、焔のブレスを吐き、人型の眷獣を弱体化させ、人型の眷獣の動きを停止させた。
「今だ! 古城、姫柊!」
悠斗がそう言うと、古城と雪菜は走り出す。
「――獅子の神子たる高神の剣巫が願い奉る」
銀色の槍と共に、雪菜が舞う。
神に勝利を祈願する剣士のように、あるいは勝利の予言を捧げる巫女のように。
「破魔の曙光、雪霞の神狼、鋼の神威をもちて、我に悪神百鬼を討たせ給え!」
粛々とした祝詞と共に、雪菜が携える槍が輝き始める。
「ぬ、いかん!」
雪菜の狙いに気付いたオイスタッハが、無防備な雪菜目掛けて戦斧を投げようとするが、古城の放った雷球が襲い、一瞬動きが止まった。
互いに刻印しているのは同じ神格震動波駆動術式だが、巨大な眷獣の全身を覆うアスタルテに対して、雪菜の槍は、その力を一点に集中していた。 相手の結界を貫く為だけに。
「雪霞狼!」
銀色の槍が、アスタルテの防護結界を突き破って、人型の眷獣の頭部に深々と突き刺さり、金属製の長い柄が雷を呼び寄せる避雷針のように――
「
雷に姿を変えた、獅子の黄金の魔力が、
魔力の塊である眷獣を倒す方法は、より強力な魔力をぶつけること――。
圧倒的魔力が、
「アスタルテ……ッ!」
眷獣を失った少女が、ゆっくりとその場に倒れ込む。
オイスタッハが、呆然とそれを見て呻く。
動揺するオイスタッハの眼前に、雪菜が着地する。
装甲強化服に覆われた腹部に、雪菜の掌が押し当てられた。
「響よ――!」
苦悶の呻きと共に、オイスタッハ長身が折れ曲がった。
そしてさらに、
「「――終わりだ、オッサン!」」
追い打ちのように、悠斗と古城がオイスタッハの顔面を殴りつけた。
これを喰らい、屈強なオイスタッハの体が吹き飛んだ。
何度かバウンドして、ついに倒れた。
オイスタッハは要石の方へ手を伸ばそうとして、そして力尽きたように沈黙した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
キーストーンゲート最下層には、静寂が訪れていた。
オイスタッハは動かない。 例え意識を取り戻しても、彼に戦いを続ける意志はないだろう。
この
悠斗は朱雀に、もういいぞ、と命じ、朱雀は姿を消していった。
「はー、疲れた。 俺は先帰るわ。 古城、その子は任せた。 その子に罪はないんだ」
「おう」
悠斗は踵を返し、右手を上げ地上へ戻った。
悠斗が地上に上がる時、キーストーンゲートの最深部から第四真祖の悲鳴が響き渡ったのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
週末を乗り越えた月曜日の放課後。
暁古城と神代悠斗は、学食の端の日当たりがいいテラス席に突っ伏していた。
「熱い……焼ける。焦げる。灰になる。……つか、追々試ってなんだ。 あのちびっ子担任、絶対オレのこといたぶって遊んでやがるだろ!」
「……俺もそれに同意する。 てか、英語クリアしたのに再テストってなんだよ。 範囲もメッチャ広いし……」
悠斗と古城は同時に溜息を吐いた。
古城は、夏休み最後に受けた追試の結果は、出席日数不足を埋め合わせるのに必要な点数には及ばなかったらしい。 おまけに、夏休み明け初日の授業をさぼった事を問題児され、結果的に下されたのが、追々試である。
まあ、悠斗も問題児扱いされる事になってしまったが。
「まったく、誰がこの島を救ったと思ってんだ」
「それは俺たちだが。 それとこれは別なんじゃないか。 てか、俺の居場所バレたよな」
「たぶんオレもだ。 真祖どもにはバレたんじゃないか」
「「はあ」」
悠斗と古城は、再び溜息を吐いた。
唯一の救いと言えるのは、あの事件以来、浅葱が優しいことだ。
今日も居残って、勉強を教えてくれるそうだ。
事件に巻き込まれていた彼女は、絃神島を救ったのを古城たちだという事を知っている。
その浅葱は、飲み物を買う為購買部の方へ向かった。
悠斗と古城は、浅葱が戻ってくるまでにやっておく問題集から、無意識に眼を逸らした。
「さっきから落ち着きがないが、姫柊が心配か?」
「ああ、あんなことしちまったし」
古城は、オイスタッハの戦いで眷獣を一体掌握したが、その為に雪菜に
それが気がかりになっているのだろう。
雪菜が此方に近づいてきた。
「先輩」
「ひ、姫柊どうだった?」
「はい、陰性でした。 月齢を計算して、あの日なら比較的安全だってわかってましたし」
「そ、そうか……。 オレは姫柊を血の従者にしちまったかと、気が気でなかったよ。 まあ、姫柊が無事でよかったよ」
古城が安堵の息を吐いた。
「すいません。 心配させてしまって」
「いや、……こちらこそなんていうか、悪かったな」
「せ、先輩が謝ることはないと思います。 あの時は、私のほうからして欲しいと誘ったわけですし……」
雪菜は恥じらうように顔を伏せ、小声で言う。 古城も照れくさい気分で頭を掻き、
「まあ、それはそうだけど。 姫柊にも痛い思いをさせたしな」
「大丈夫です。 あの時は、少し血が出ただけで、先輩に吸われた痕も、もう消えかけてますし」
悠斗が植え込みの方を見たら、この場が
「おーい、お二人さん。 その会話はまずいんじゃないか……」
雪菜の背後の植え込みから、ゆらりとゾンビのように立ち上がり、雪菜と同じ中等部の制服を着た女子生徒。 長い黒髪を結い上げた、活発そうな雰囲気の少女。――暁凪沙だ。
ちなみに、凪沙は怒るとメッチャ怖い。
「ふーん……古城君が、雪菜ちゃんのなにを吸ったって?」
低く怒りを圧し殺したような声で、凪沙が聞いてくる。
「な、凪沙? お前、どうしてここに?」
「さっき、購買部で浅葱ちゃんに会って、古城君と悠君が試験勉強してるらしいっていうから、励ましてあげようと思ってきたんだけど、そしたら古城君と雪菜ちゃんは、聞き捨てならない話をしてるみたいだったし。 その話、もう少し詳しく聞かせてほしいなあ、なんて」
凪沙の吊り上げた唇が痙攣してるのは、怒りが頂点に達している時のクセだ。
「ま、待て。凪沙。 お前はたぶん、なにか誤解してると思う。 なあ、姫柊、悠斗」
古城が必死に妹を制止しようとする。
その隣で、雪菜も首を縦に振っていた。
「おい、俺も巻き込むな。 はあ、わかった。 弁護してやる。――凪沙、お前が思ってることはz「悠君は、黙ってて」…………あい、すんません。……古城、姫柊、スマン。 俺には無理みたいだ」
悠斗はこの混沌から少し離れる事にした。
今から飛んでくるのは、火の粉ではなく火炎弾だ。
「ふーん、誤解。 どこが誤解なのかな? 古城君が雪菜ちゃんの初めてを奪って痛い思いをさせて、おまけに体調を気遣ちゃったりしてる話のどこが誤解する要因が……?」
「だから、そのお前の想像が、全部誤解なんだが。――そ、それよりも、浅葱とあったんだろ。 あいつは、どこに行ったんだ?」
古城は話題を変えようとするが、凪沙は冷ややかな口調で、
「浅葱ちゃんなら、さっきからずっとあたしと一緒に古城君の話を聞いてたけど?」
「え?」
凪沙の隣に、もう一人女子生徒が立っていることに古城は気付いた。
制服を粋に着こなした、華やかな顔立ちの少女である。
しかし今の彼女は、復讐の女神を思わせる冷たい怒りの炎だけが燃やしていた。
浅葱は古城を睨んでから、雪菜に詰め寄って、
「あなたも、いい機会だからはっきりさせておきたいんだけど、古城とどういう関係なの?」
「私は、暁先輩の監視役です」
雪菜が冷静に言い返す。
「監視? ストーカーってこと?」
「違います。 私は、先輩が悪事を働かないようにと思って」
「そのあなたが、このバカを誘惑してどうすんのよ!?」
「そ、それはそう……ですけど……」
心に疾しさがあるせいか、納得してしまいそうになる雪菜。
「違うだろ、姫柊。 そこは否定しろ!」
浅葱は、そんな古城を蔑むように冷ややかに眺めて、
「誰か、ここに淫魔が! 妹さんのクラスメイトに手を出す淫魔がいますよ――!」
「やめろ、浅葱! 少し話を聞けっ!」
「古城君のドスケベ! 変態っ! エロ!」
「ゆ、悠斗。 助けてくれ……」
古城は悠斗に助けを求めてくるが、
「俺はここに入っていく勇気はないぞ。 古城、逝って来い」
「ちょ、字が違う――!」
悠斗は勉強の教材を鞄の中へ仕舞い、この場から遠ざかっていく。
「前の俺の生活じゃ考えられなかったな。 大切な人がいて、俺を気に掛けてくれる友人がいる。――こんな生活が、いつまでも続きますように」
悠斗は静かにこう呟き、この場から離れた。
これにて、聖者の右腕編は終わりですね。
次回からは、戦王の使者編です。
後、二つ名等は二人に内緒にしてもらっています(笑)
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!
感想欲しいです(切実)