ストライク・ザ・ブラッド ~紅蓮の熾天使~   作:舞翼

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書いてしまった、書いてしまったぞ。
だが、後悔はしていない。

この小説を書く経緯は、ストライク・ザ・ブラッドの小説の中に、凪沙のヒロインが無くね?と思いまして書いた次第です。

ストライク・ザ・ブラッドは、原作を途中までしか読んでないから、不安ッス。
アニメは見ましたが。てか、うろ覚えになってるかも(汗)

これは駄文になる確率大ですね。(あらすじにも書いてあるが)
矛盾があったら、そこはゴリ押ししちゃいます(笑)

前置きはこれくらいにしておきましょう。
それでは、本編をどうぞ。


聖者の右腕
聖者の右腕Ⅰ


神代悠斗(かみしろ ゆうと)は自室のベットで安眠をしていた。

 

「ほら、悠君。 起きて。 ご飯出来てるよ」

 

今、悠斗に声をかけたのは、隣に住む暁古城の実の妹、暁凪沙(あかつき なぎさ)だ。

最近までは自分で起きて家事を行っていたんだが、悠斗の生活ぶりを見た凪沙が、『お節介』を焼いているのだ。

その為、悠斗は部屋の合鍵を渡している。

 

「……あと、五分はいける。 今日は、予定がないんだし」

 

「もう、今日は、古城君たちと宿題とか言ってなかったっけ?」

 

凪沙の言葉を聞き、悠斗は布団を剥いで上体を起こした。

時計を見たら、午前九時半だ。 約束の時刻は、午前十時。

 

「や、やば、そうだった。 メシは、いや、まずは顔を洗ってから歯を磨かなくちゃ」

 

悠斗はベットから飛び上がるようにして起き上がり、洗面所へ向かった。

悠斗の後ろ姿を見た凪沙は、溜息を吐いていた。

 

「朝ご飯は、パンが焼いてあるからね」

 

「おう、食いながら行くわ。 サンキューな、凪沙。 いつも助かる。 あ、悪い、鍵頼んだわ」

 

凪沙は苦笑しながら、

 

「はいはい。――さてと、今日は天気もいいし、お布団を干そうかな」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「流石凪沙。 バターが塗ってある」

 

悠斗は、リビングのテーブルの上に乗せてあった皿から出来たてのパンを取り、口に咥えてから家を出た。

ダッシュで走り目的地に到着した。

時刻は、午前十時十五分。 十五分の遅刻だ。

 

「遅いわよ」

 

藍羽浅葱。

華やかな髪形と、校則ぎりぎりまで飾り立てた制服。

スタイルは抜群でモデル並だ。 一言でいうなら美少女だ。

 

「まあまあ、今に始まったことじゃねぇしな」

 

矢瀬基樹。

短髪をツンツンに逆立て、ヘッドフォンを首に掛けた男子生徒だ。

 

「てか、古城は」

 

「ほら、自販機の陰に居るわよ」

 

浅葱の指を差した方向には、暁古城が自販機の陰で唸っていた。

 

「熱い……焼ける。 焦げる。 灰になる……」

 

白いパーカーを羽織り、彩海学園の制服を着ている。

悠斗は、再び視線を戻した。

 

「てかよぉ、お前、また凪沙ちゃんに起こしてもらったんだろ」

 

「まあそうだけど。……いや、なんで基樹が知ってるんだ?」

 

「いや、知ってるも何も、一部の人間の間では結構有名な話だぜ」

 

「は? なんで?」

 

凪沙が悠斗にお節介をし出したのは、約一ヶ月だ。

 

「まあ、この話は置いといて、行こうぜ」

 

「まあいいか」

 

「ほら、古城、行くわよ」

 

「……お、おう」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

時刻は午後四時。

午後四時という事は、約六時間、宿題をこなしている時間になる。

 

「熱い……焼ける。 焦げる。 灰になる……」

 

白いパーカーを羽織った男子生徒が、弱々しく唸っていた。

向かいに座る悠斗が、突っ込みをいれる。

 

「古城。 それ、午前中も聞いたぞ」

 

「だってなー、暑いもんは暑いんだ。 てか、今何時」

 

「今は、午後四時だ」

 

「……もうそんな時間かよ。 明日の追試って朝九時からだっけか」

 

古城が追試を命じられたのは、英語と数学二科目ずつを含む合計九教科。 プラス、体育実技のハーフマラソン。

その為、テーブルの上には、結構な数の教材が置いてある。

これだけの量を、夏休み最後の三日間にこなすのは無理があるかもしれない。

 

「なんでオレは、こんな大量に追試を受けなきゃなんねんだろうな? オレに恨みでもあんのか?ってか、この追試の出題範囲広すぎるだろ!!」

 

古城の悲痛な叫びを聞き、三人は顔を見合わせた。

基樹が呆れたように口を開いた。

 

「ま、あるわな、恨み」

 

この言葉に悠斗が続く。

 

「毎日毎日、平然と授業をサボるからだ。 舐められてると思っているんじゃないか? 教師陣は。おまけに、夏休み前のテストも無断欠席だしな」

 

「お、お前こそ追試だったじゃねぇか。 何で、クリアしてんだ」

 

「……まあ、色々あってな。 追試は、数学しかなかったし。 てか、古城は起こしてもらってるんだろ。 凪沙に」

 

「に、二度寝しちまってな。ははは……。 でも、これは不可抗力なんだって。 いろいろ事情があったんだよ。 だいたい、今の俺の体質に朝イチのテストはつらいって、あれだけ言ってんのに、あのちびっ子担任は……」

 

「体質ってなによ。 古城って、花粉症なんだっけ」

 

浅葱が不思議そうに聞いた。

古城は、自分の失言に気付き、

 

「ああ、いや。 つまり、夜型っていうか、朝起きるの苦手ってつうか」

 

「それって体質の問題? 吸血鬼じゃあるまいし」

 

「だよな。……はは」

 

悠斗は古城が第四真祖である事を知っている。

古城も、悠斗が吸血鬼であることも知っている。

 

「ま、俺は帰るわ。 宿題も写させて貰ったし」

 

「私も帰るわ。 てか、バイトの時間だし。 んじゃ、古城、悠斗、またね」

 

その時、悠斗のスマホから着信音が鳴った。

ディスプレイには、暁凪沙の文字だ。

悠斗は通話ボタンをタップし、耳に通話口を当てた。

 

『あ、悠君。 今日私のお家でお鍋をしようと思ってるの! さっき材料を買いに行ったんだけど手違いで多く買いすぎて、私と古城君だけじゃ食べきれないから、もし良ければだけど、悠君もどうかな? いや、やっぱり来てね。 材料余ったらもったいないし。 あ、飲み物を買ってくるの忘れたんだった! やばい、どうしよう。 古城君は勉強で手が離せないかもだし、うーん、私はこれから下準備があるし、良ければ悠君に頼みたいんだけど、どうかな?』

 

古城が頷いたのを確認してから、悠斗は要点だけを纏めて、口を開いた。

 

「わかった、お邪魔するよ。 帰りに飲み物も買って行くから、そこは心配しないでいいぞ。 大丈夫そう?」

 

『うんうん、大丈夫だよ。 凪沙、張り切ってお料理を作るね。 それじゃあ、お飲み物お願いね。 また夜に』

 

通話が終わると、スマホをポケットにしまった。

一息吐いてから、古城に話し掛けた。

 

「いつも通りのマシンガントークだったな」

 

「な、なんかスマンな」

 

「別にいいさ。 それに、皆で食べた方が旨いしな。――さてと、俺たちも帰るか?」

 

「そだな」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

絃神島は、太平洋の真ん中、東京の南方海上三百三十キロ付近に浮かぶ人工島だ。

そして、絃神島にはもう一つの名称がある。

 

――魔族特区。

 

絃神島では、獣人、精霊、半妖半魔、人工生命体、吸血鬼――。自然破壊の影響や人類との戦いによって数を減らし、絶滅の危機に瀕した魔族が公認され、保護されているのだ。

――絃神島は、その為に造られた人工都市なのだ。

 

「にしても、この暑いのだけは勘弁してくんないかな、くそっ」

 

パーカーのフードを眼深に被って、日差しに抵抗しながら、古城は悪態をつく。

 

「ま、造られた都市だからな。 仕方ないちゃ、仕方ないさ」

 

悠斗と古城は歩きながら近場のショッピングモールに向かっていた。

古城は金を持っていない為、悠斗の奢りになるが。

悠斗が、後で貸しにしようかな。と考えていたら、ファミレスから出た時に見かけた、ギターケースを背負った少女が、約十五メートル後方を歩いていた。

この少女は、彩海学園の制服を着ていた。 襟元がネクタイでは無くリボンという事は、中等部の生徒だろう。

 

「尾けられてる……んだよな?」

 

「たぶんな。 古城に用があるんじゃないか。 古城を、眼を離さないように見てるし」

 

「……マジか。 てか、凪沙の知り合いか?」

 

「どうだろうな」

 

「様子……見てみるか」

 

「……了解」

 

悠斗と古城はショッピングモールに入り、少女の動きを見る事にした。

その少女は、店の眼の前で足を止めていた。

古城の姿は見失うのは避けたいが、かといって店内に入ってしまえば、古城と顔をばったり合わせる可能性が高くなる。

そのような葛藤の板挟みになっているのだろう。

 

「……なあ、古城。 俺、罪悪感がハンパないんだけど」

 

「……オレもだ。 はあ、しゃあない、出るか」

 

悠斗と古城は出口目指して歩き出した。

入れ違いで声をかけよう作戦だ。

 

「だ……第四真祖!」

 

少女は、上擦った声で叫んだ。

 

「用があるのは俺じゃないみたいだ。 じゃあ、後は任せたぞ」

 

「お、おい。 待ちやがれ。 悠斗」

 

「いや、用があるのは古城だろ。――んじゃ、俺は行くな」

 

そう言って、悠斗は海沿いの道を歩き出した。

後方を見てみると、少女がナンパされていた。

 

「……古城を逃がした後ナンパされたと」

 

悠斗は少女を助けるため走り出した。

 

「(てか、よりにもよってD種かよ……)」

 

――D種。

それは、様々な血族に別れた吸血鬼の中でも、特に欧州に多く見られる“忘却の戦王”を真祖とする者たちを指す。

 

「――灼蹄(シャクテイ)! その女をやっちまえ」

 

吸血鬼の男が絶叫し、その直後、男の左脚から何かが噴き出した。

 

「――雪霞狼(せつかろう)!」

 

「(――あの槍は、獅子王機関の秘奧兵器、七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)か!? まったく、面倒事に巻き込まれたな、古城)」

 

悠斗はスピードを緩めず右手で拳を作り、眷獣を殴った。

眷獣は跡形もなく消え、残ったのは焼け焦げたアスファルトだけだ。

 

「う……嘘だろ!? 俺の眷獣を、一瞬で、一撃で消し飛ばしだと!?」

 

「見逃すから、早く此処を去れ。 それとも続きがしたいか?」

 

「わ、わかった。……す、すまん」

 

少女は悠斗を睨んでいたが、悠斗は深い溜息を吐いた。

 

「あんたも、それは過剰防衛じゃないか。 そもそも、先に手を出したのはお前だろ? まあ、俺の勘だが」

 

少女は槍をギターケースに仕舞ってから、

 

「そんなことは――」

 

反論しようとして、途中で黙り込んでしまった。

やはり、先に仕掛けたのは少女の方らしい。

すると、いつの間にか、古城がやって来ていた。

 

「代わりに割り込んでくれてサンキューな、悠斗」

 

「そんなつもりはなかったんだが、体が勝手に動いたんだよ」

 

少女が、おずおずと話し掛けてきた。

 

「あ、あの」

 

「ああ、俺の名前か。 俺の名前は神代悠斗。古城の友人だ。 こいつが暁古城。第四真祖だ」

 

「お、おい! 何言ってんだ」

 

「別にいいだろ。 ここに獅子王機関の剣巫が居るって事は、監視されるんだろ。 古城の正体はバレてるって事だ」

 

「まあ、そうかもしれんが……」

 

少女は眼を見開いていた。

 

「な、なんで、私が獅子王機関の剣巫って分かったんですか!?」

 

「ま、まあ、俺は少しだけ獅子王機関の事を知ってるからな。 で、君の名前は?」

 

「え、はい。 私は姫柊雪菜といいます」

 

と、少女雪菜は言い、ペコリと頭を下げた。

 

「とりあえず、ここから離れようぜ。 面倒事は御免だ」

 

二人は頷き、近場のファーストフード店へ向かった。




えー、古城君たちは何で休みの日なのに制服なの?と思いますが、まあ、そこは原作沿いということで、眼を瞑ってください(>_<)

まあ、原作沿いに行くと思いますので、とうぶんは戦闘がないと思いまする。
ご了承くださいm(__)m
てか、オリ主の二つ名、中二すぎるね(笑)

それでは、感想、お願い致します!!

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