思い付いた物を書き連ねた何か   作:鎌鼬

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ロンドンピックアップで槍の父上が出ると聞いて、この小説を触媒として捧げましょう。




ハイスクールD×D+Fate

 

 

どうも、路樹輪廻(みちきりんね)と申します。駒王町という町で一人暮らしをしながら高校に通っていた私ですが、この度同居人が出来ました。

 

 

「アルトリアさん、ご飯出来ましたよ」

 

「……ん」

 

 

出来た料理をテーブルの上に並べながら声をかけると部屋の奥から毛布にくるまった女性が現れる。彼女はほとんど音になっていないようなか細い声で返事をするとちょこんと椅子の上に座った。

 

 

同居人というのは彼女のことで、なんとブリテンの王様だったアーサー王らしいのです。だけどそれは王としての名前で、本名はアルトリアだとか。どうして有名なアーサー王が我が家に居るのかというと一週間前に遡ります。

 

 

あの日、バイトを終えて帰る途中だった私は早く帰りたいと思って路地裏を通ることにしました。人気が無く、入り組んだ道ですが通ったことは一度や二度ではないのでスイスイと歩いていけます。そんな時、記憶上では袋小路になっている所から妙な気配を感じました。親父が悪魔とか天使とか堕天使とか、いわゆる人外が跋扈している裏事情に詳しい事もあり、私にも感覚的にですがその手の気配が分かるようになってます。

 

 

好奇心猫を殺すと言いますが好奇心が抑えられずにホイホイその袋小路に顔を出してみるとーーーそこには、新聞紙にくるまって座っていたアルトリアさんがいました。フリーズした私は悪くありません。てかフリーズしない人がいたら知りたいです。

 

 

私がアルトリアさんを見つめ、それに気づいたアルトリアさんが私を見つめて沈黙している……アルトリアさんの方からククゥっと音がしました。お腹が減っているのだと思った私は持っていた黒電気というチョコ菓子を差し出しました。それでどうしてこんな所に居るのかと聞くとアルトリアさんはか細い声で話をしてくれました。

 

 

・アルトリアさんは聖杯戦争とかいう儀式のために召喚されたサーヴァントという存在

・召喚されたサーヴァントは全部で七騎、それぞれクラスが割り振られていてアルトリアさんはランサーのクラス

・召喚されたは良いがとある事情から戦うのに恐怖心を持っていたアルトリアさんを召喚した魔術師は見限った

・帰る場所が無いのでこうしてここにいた

 

 

……それを聞いてふぁっきゅー魔術師と思った私は悪くありません。犬猫を捨てるのとは訳が違いますし、そもそも呼び出さなかったら良かったじゃないですか。

 

 

帰る場所が無く、路地裏で新聞紙にくるまっているアルトリアさんを見てて居た堪れなくなった私は……アルトリアさんを我が家に連れ帰ることにしたのです。しょうがないじゃないですか、あそこで見捨てるだなんて選択肢は出来ませんよ。

 

 

アルトリアさんとの生活は何というか妙なもので……アルトリアさんずっと家に引き篭もってますね。出不精とかそういうわけでは無くなんというか……何かを怖がってる感じですかね。まぁ無理矢理に外へ連れ出してもアルトリアさんへの精神的な負担が増えるだけなので彼女から外に出ようと思わない限りは無理強いはしませんよ。

 

 

幸いなことに金銭的な問題は親父が生活費を振り込んでくれますしバイトもしているので余裕はありました。他に問題があるとすれば……彼女、出ようとしないから服も買えないんですよね……適当に買ってサイズが合わなかったら勿体無いですし。今は私の着ていたジャージを気に入ったのか着てますが……胸部がパンパンで目に毒です。十八の男には辛いものがありますよ……

 

 

それ位なら鋼のように硬い鉄の意志を持ってすればどうにかなりますが問題はまだあります。

 

 

「……輪廻」

 

「はいはい、私はここに居ますよ」

 

 

食後のお茶を飲みながら読書をしていた私の膝の上にアルトリアさんが頭を乗せて横になりました。どうも彼女に懐かれたみたいで、私が家に居る時はこうしてスキンシップを求めて来るんですよ……甘えてくる年上のお姉さんとか誰得ですか!?私得ですよ!!本当にありがとうございます!!

 

 

片手で本を読みながら片手でアルトリアさんのサラサラの髪の毛を弄ってみる。それが気持ち良いのか、アルトリアさんは嫌がる素振りを見せずに目を細めて気持ちよさそうにしている。

 

 

「……そろそろお風呂が沸きますね。アルトリアさん、お先にどうぞ」

 

「……いっしょに入ろ?」

 

「グフッ!!」

 

 

お願いだから上目遣いでお願いするのは止めてください、私の本能はゴーサイン出してますけど私の理性がドロップキックして筋肉バスターを決めたことで本能は静まりました。サンキュー理性。

 

 

「ダメですよ、流石にそれをしたら私の理性が危ないですから。いつも通りに入り口で待ってますからそれで我慢してください」

 

「ムゥ……」

 

 

不満そうな顔をしながらもアルトリアさんは言うことを聞いてくれて一人でお風呂場に向かってくれました。そして扉を少し開けて、私はその前に本を片手に座ります。どうも彼女、怖がりなだけじゃなくて寂しがりも兼ね備えていて、誰かの目の届く範囲にいたい傾向があるみたいなのです。彼女の過去に何があったか分かりませんが私の理性が休まる時間がありません。

 

 

『何、大丈夫さ……ところで、あの河を渡ってしまっても構わんのだろ?』

 

 

待って理性さん、その河を渡ったらいけない。貴方が居なくなったら誰が本能を抑えるというんですか。ちゃんとした関係ならともかく成り行きでそういうことをしても互いに後悔するだけです。

 

 

「……上がった」

 

「分かりました」

 

 

河を渡りそうになっている理性をなんとか引きずり戻すことに成功するとアルトリアさんがお風呂から上がりました。濡れた髪と紅くなった頬がなんとも色っぽい……はっ!!

 

 

「いけませんね……」

 

 

お風呂場に入り、速攻でシャワーで冷水を浴びる。こうして無理矢理にでも頭を冷やさないとパンクしてしまいそうなんですよ。目の前には湯船がありますがそれには入れません。だってアルトリアさんが浸かった湯船ですよ?入ったら暴走してしまいそうです……

 

 

「上がりましたよ」

 

「……ん」

 

 

お風呂から上がった私にアルトリアさんが擦り寄ってきます……アルトリアさんから香る石鹸の香りが……はっ!!いけないいけない!!ここで手を出したら親父と同じ下衆野郎になってしまう!!

 

 

その後もスキンシップを求めて来るアルトリアさんをやり過ごしながら就寝の時間に。私が使っていたベットはアルトリアさんに使ってもらい、私は隣で布団を敷いて寝ます。初めは別々の部屋にしようとしたんですけどそうしたらアルトリアさんが夜中に泣き出したんですよね……

 

 

「お休みなさい」

 

「……ん」

 

 

電気を消して目を閉じる。そうして程よい眠気がやって来たところで誰かが布団の中に入ってきました。アルトリアさんです。彼女は布団の中に潜り込み、私の服を掴むと安心したように寝息を立てて眠りました。

 

 

「……安心してください、私は貴女の味方ですから」

 

 

親父や兄たちに聞かれたお人好しだとか言われそうですけど私にはそういうことしか出来ませんでした。これは彼女自身の問題で、部外者の私が何をしても彼女にそのつもりが無ければ効果はありません。

 

 

ですから、私は彼女の味方であり続けます。彼女の側にいて、彼女の支えになりましょう。それが、惚れた女性に私が出来ることです。

 

 

そう誓いながら、私はゆっくりと眠りに着きました。

 

 

 





路樹輪廻
オリ主、性別男。父親経由で裏の世界のことについては知っている。マスターに捨てられていたアルトリアに一目惚れ、そして彼女の処遇を知って家に連れて帰る。最近の悩みは理性がフライアウェイしそうなこと。

アルトリア
ヒロイン、サーヴァントでクラスランサー。聖杯戦争のために呼び出されたが、とある事情から戦うことに恐怖心を抱いていたので戦うことが出来なかった。それを知ったマスターに捨てられて、輪廻に拾われる。性格はダウナー系、懐いている人にスキンシップを求める寂しがり屋。


実はオリ主君はとある原作キャラの息子です。分かるかな?


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