穂乃果の奇妙な冒険 ミューズオブヘブン   作:マキシマムダンガル

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世界

穂乃果の目の前にいる彼は空条 承太郎と名乗った

 

「承太郎さん?」

 

「ジョジョでいい」

 

ジョジョは穂乃果を見下ろしながらそう言った

 

「えっと、ジョジョさん?は穂乃果に一体何のようで?」

 

「さんも付けなくていい。お前にあることを伝えに来た」

 

「あること?」

 

「この世界の理についてだ」

 

「理?」

 

ジョジョはスタンドを戻し

 

「この世界がお前達がいた世界とは違うことは分かってるな?」

 

「ま、まぁ」

 

「この世界はお前のいた世界とは動きがよく似た完全平行世界」

 

「完全平行世界?」

 

「互いに反発しあう平行世界が14個ある、お前がいた世界は第1世界、ここは第14世界、お前達の運命とは反対に事が進む世界だ」

 

「??」

 

穂乃果は承太郎の難しい話を全く理解できていない

 

「つまり、ここはお前と人生が真逆に進んでるんだ」

 

「えーと、だから、私と逆ってことはラブライブに優勝できなかった、こういうこと?」

 

「大体そういうことだ」

 

その時、穂乃果はふと思った

 

「じゃあ、ここにいる皆って、私のいた世界?と逆の運命をたどったてことなんだよね?」

 

「あぁ」

 

「でもなんで、私と会話が成り立ってるの?何かしら食い違うことくらいありそうだけど」

 

「さぁな、もしかしたら平行世界から来たもう一人のお前が何かしたんだろうな」

 

「うーん・・・」

 

「さて、そろそろ無駄話も終わりにして、お前にはやってもらいたいことがある」

 

承太郎が急に話を変えてそう言った

 

「やってほしいこと?」

 

「もう一人のお前はあるスタンドの力を持ったのを切っ掛けに平行世界を改変している。それは俺の世界にも手が回ってる」

 

「そうなの?」

 

「スタンドは元々俺がいた世界の力だ、もう一人のお前が改変させたせいで俺の存在は霊体のようになり、お前のスタンドμ'sの破片として残ってる」

 

「じゃあ、ジョジョはμ'sってこと?」

 

「まぁ、そういうことだな。それと、そいつは元々俺のスタンド、スタープラチナ、今は見た目が変えられてるがな」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

「それで、そいつにスタープラチナの力を貸してやろうと思ってな」

 

「本当に!?そんなことができるんだ!」

 

「ほら、こいつを着ていろ、それでスタープラチナの力が付く」

 

そういって承太郎が被っていた学生帽と学ランを渡した

 

「これを着たらいいの?」

 

「あぁ」

 

「うーん、じゃあ」

 

穂乃果は恐る恐る着てみると

 

「それじゃあ、あとは任せたぜ穂乃果」

 

着た瞬間、承太郎の一言と共に穂乃果は目を覚ました

 

「あ、あれ?ジョジョ?」

 

あまりに急だったため穂乃果は状況がすぐに飲み込めなかった

 

「そ、そうだ!希ちゃんたちのもとに行かなくちゃ!」

 

穂乃果は大声でそう言うと、外へ出た。すると、出た瞬間、希とバッタリ出会した

 

「穂乃果ちゃん!大丈夫?」

 

「希ちゃん、うん、穂乃果は大丈夫だよ」

 

「穂乃果ちゃん、その格好は?」

 

すると

 

「穂乃果ちゃん見つけた!!」

 

声のする方向へ顔を向けると、ことりがビルの上から飛んできた

 

「μ's!」

 

「ザ・ワールド!」

 

二人は同時にスタンドを出し、互いの拳をぶつけ合った、すると、ザ・ワールドが力負けし吹き飛ばされた

 

「っつ!」

 

「すごい、これがスタープラチナのパワー」

 

μ'sの新たな力に驚きつつ

 

「希ちゃん、花陽ちゃんと凛ちゃん達と合流しよう!」

 

「OK!」

 

二人は急いで花陽たちのもとへ向かった

 

「花陽ちゃん!凛ちゃん!」

 

「穂乃果ちゃんに希ちゃん!よかった、無事だったんだね」

 

穂乃果達は偶然橋の上で合流した

 

「穂乃果ちゃんその格好は?」

 

「そ、それより、ことりちゃんを何とかしないと」

 

「うちに名案がある」

 

「何?」

 

「それは・・・」

 

四人が話し合ってるなか

 

「見つけたよぉ!」

 

ことりが四人を見つけザ・ワールドを出し四人の方へ飛び込んだ

 

「それじゃあ、手筈通りによろしく!」

 

「「「うん!」」」

 

そして、四人同時に攻撃を避け、まず穂乃果が動いた

 

「μ's!パワー比べだよことりちゃん!」

 

穂乃果はことりの射程範囲まで飛び込みμ'sでラッシュを放った

 

「そっちに勝ち目はないよ!」

 

「オラオラオラオラオラァ!」

「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

μ'sとザ・ワールドの拳がぶつかり合う瞬間に地面に亀裂が入り衝撃波とも言える衝撃が二人の間に生まれていた

しかし

 

「うっ!」

 

ことりの目の前が急に歪み始めた

 

「な、何?き、気持ちが悪い」

 

ことりは違和感を感じながら足元を見てみると、花陽のハーヴェストがことりの足に何かを注入していた

 

「な、何これ、いったい何を・・・」

 

「ハーヴェストにお酒を含ませて直接血液にアルコールを流す、すると、通常より何倍も早く身体中にお酒が回ります」

 

花陽は仁王立ちしながら説明しているが

 

「だ、だから、今にょころりひゃんはよぱっらてりゅじょうひゃいなんれす・・・」

 

顔を真っ赤にしていた

 

「あぁ!ハーヴェストにお酒を含ませたから花陽ちゃんにもお酒が回ってる!しかもめっちゃお酒に弱い!」

 

「な、何をいいまるか、わらしは酔ってないれすぅ~」

 

花陽は酔いが回り呂律が回らずふらふらしている

 

「酔った人は皆そう言うから」

 

穂乃果がそんなツッコミを入れると

 

「うぅーん、暑いれすぅ、花陽脱ぎまーす!」

 

ふらふらのまま大きく手を上げてそんなことを言い始めた

 

「いや、ダメだから!タグにR-18って入れなきゃならなくなるし、それに偉い人に怒られちゃうから!」

 

「ふへぇ、眠い・・・Zzz」

 

花陽は色々言った後、眠った

 

「あぁ!そんな典型的な寝方を」

 

ことりはあからさまな怒りを見せた

 

「敵を目の前に随分油断しきってるけど、そんなので私は倒せないよ!」

 

そう言って、花陽の方へ飛び込むと

 

「油断?これは余裕ってやつだよ!」

 

穂乃果がニヤリと笑うと、花陽が目を覚まし

 

「うぇぇ、気持ち悪い、ダレカタスケテェ・・・」

 

「そのまま私が引導を渡してあげるよ!」

 

ことりはザ・ワールドを出し攻撃しようとすると、ことりは何かに足を掬われた

 

「うわっ!何!?」

 

急に両足が自分の意思とは関係無く前に大きく出た

 

「これは、ソックスにフックが掛けられてる!」

 

そして、フックに付いている透明の糸の先を見ると、二機の飛行機が飛んでいた

 

「これはまさか、エアロスミス!」

 

「かよちーーーん!チョットマッテテェ!!」

 

花陽を助けると言う使命感で感情が大きく動き、エアロスミスを二機出すことが出来た

 

「行っくにゃぁぁ!」

 

凛の大きな声を合図に、エアロスミスが前へ動きだし、ことりを引き摺りながら進んだ

 

「希ちゃん!出番もらうよ!」

 

穂乃果が希にそう言うと、μ'sを出し自分の方へ引き摺られてくることりを待ち構えた、しかし

 

「安っぽい手口だね、簡単に対処できるよ」

 

ことりは不敵に笑った、そして

 

「ザ・ワールド!」

 

ことりがザ・ワールドを出した瞬間、穂乃果がμ'sで攻撃しようとするが

 

「あれ?う、動きが・・・鈍い?いや、違う、時が・・・止まってる!」

 

μ'sが拳をザ・ワールドの顔面を捉えようとしている一歩手前で動けなくなった

 

「ダメだよ凛ちゃん、おいたが過ぎる、だよ」

 

ことりはそう言いながら、ソックスに付いているフックを外し

 

「そういう子にはお仕置きが必要だね」

 

そう言って、ザ・ワールドが拳で二機のエアロスミスを叩き潰した

 

「そして、時は動き出す」

 

ことりが指を鳴らすと、μ'sが動けるようになったが、その瞬間、エアロスミスが物凄い勢いで地面に叩き付けられ、それと同時に凛も地面に叩き付けられた

 

「グハッ!?」

 

凛は何が起きたか全く理解できなかった、ことりを引き摺り回していたはずが、気が付けば、自分が地面に叩き付けられていたのだ

 

「それじゃあ、一人目だね」

 

ことりは不気味な笑みを浮かべ、叩き付けられた凛の元へ向かうと

 

「スタンドを痛め付けてもいいけど、やっぱり、本体をいじめて反応を楽しんだ方がいいよねぇ」

 

「冷たい反応やなぁ、うちが暖めたげるわ」

 

何処にいたのか、凛のすぐ隣から急に希が出てきた

 

「クロス・ファイアー・ハリケーン!」

 

「クッ!」

 

ことりはギリギリの所で後ろにジャンプし避けた

 

「どお?暖まった?」

 

「いつの間に、まぁ、希ちゃんも一緒に葬ってあげる!」

 

そう言って、希の頭を狙って拳を降り下ろすが、酔いが回っているせいか簡単に避けられる

 

「流石にそんなにふらふらじゃあ当たらんよ」

 

「まったく、希ちゃんも煽るのが上手いなぁ」

 

ハァっとため息を吐き

 

「ザ・ワールドの射程範囲にいる時点で、私が手加減してるのに気が付いて欲しいんだけどな」

 

「何!?」

 

希が驚きつつ身構えたすると

 

「串刺しにしてあげる」

 

希が瞬きした一瞬のうちに四方八方ナイフが自分の方へ飛んできた

 

「なっ!?」

 

「さ・よ・う・な・ら♡」

 

咄嗟にスタンドを出し業火でナイフを弾こうとするが、数本のナイフが希の体に突き刺さった

 

「グッ!」

 

ギリギリ急所を外したものの、希はその場に膝をついた

 

「さっすが希ちゃん!奇襲をこうも容易く避けちゃうなんて」

 

身体中にナイフが刺さり、希は歯を食い縛りながら立ち上がった

 

「まったく・・・酷いなぁ・・・」

 

血を垂れ流し虚ろな目でことりを見た、しかし、微かな視界から捉えられたことりの表情は、不適な笑みだった

 

「それじゃあ、止めを・・・」

 

「そんな事はさせない!」

 

穂乃果が背後からことりを目掛けて飛び込んできた

 

「おっと!」

 

ことりは軽くひょいと避けた

 

「穂乃果ちゃん、いい加減終わりにしてあげるよ」

 

「さぁ、パワー比べだよ」

 

穂乃果はお互いの射程範囲に入った

 

「μ's!」

 

「ザ・ワールド!」

 

お互いのスタンドが全力の一撃を放った、そして、互いの拳がぶつかり合った

 

「穂乃果ちゃん、やっぱり、私の方が強いよ」

 

ぶつかり合った拳は、ザ・ワールドがジワジワと押していった

 

「さてと、行くよ」

 

ことりは不敵な笑みを浮かべ、ラッシュを放った

 

「無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

μ'sの体に何発もの拳がめり込んでいく

 

「ガハッ!」

 

あまりの衝撃に穂乃果はμ'sの動きを止めてしまう、そのままザ・ワールドのアッパーで空中に飛ばされた

 

(まずい、意識が朦朧としてきた・・・)

 

穂乃果が空中に吹き飛ばされ、打開策を考えていると

 

「やっほ」

 

ことりが穂乃果の真上に出た

 

「じゃあね」

 

ザ・ワールドは穂乃果の腹に拳をめり込ませた

 

「グッ!」

 

穂乃果は強烈な一撃に食い縛るも吐血しながら、地面まで一気に落ちていった

 

「ザ・ワールド!」

 

ブゥゥゥン

 

穂乃果が地面に叩き付けられる直前に、ことりが時間を止めた

 

「ま、まただ、このままじゃ、やられる・・・」

 

穂乃果は停止した時間のなか、ハッキリと意識が残り、攻撃がいつ来るか周囲を見ていると

 

「ロードローラーだぁぁ!」

 

穂乃果目掛けてことりがロードローラーを落としてきた

 

「な!」

 

「ぶっ潰れろよぉぉ!!」

 

「μ's!!」

 

穂乃果は咄嗟にμ'sの名を叫ぶと、静止した世界のなかμ'sが姿を出し、ロードローラーにラッシュを放った

 

「もう遅い!手遅れだよ!無駄無駄無駄無駄ァ」

 

「オラオラオラァァ!」

 

一瞬μ’sが優勢に思えたが、刹那のうちに押し返され

 

「ぶっ潰れろぉぉぉ!!」

 

止めの一撃に華奢な拳から想像もできない程の強力な一撃をロードローラーに放った

 

グシャ!

 

穂乃果はその絶大なパワーに負けてしまい、ロードローラーに押し潰された

 

「フフフ、ついに穂乃果ちゃん御一行様は私のザ・ワールドの前に崩れ去った!」

 

ことりは穂乃果が潰れた事を確信すると、高らかに笑いながらそういった

 

「不死身、不老不死、フフフ・・・スタンドパワー!この三つを手にしたことりの前に誰も為す術なく、ただ死ぬのみ!」

 

顔に手を当て大声で笑いながら、そう言い

 

「さてと、じゃあ、ついでに穂乃果ちゃんの死体でも拝もうかな。まぁ、その死体が残っているかどうか、だけど」

 

そう言って、ことりがロードローラーから降りようとすると

 

「あ、あれ?体の動きが鈍い?・・・いや、違う、体が鈍いワケじゃない!時が・・・時が止まっている!、そ、そんな、まさか!」

 

ことりが驚嘆していると、背後から鳥肌が立つくらいの殺気を感じた

 

「ほ、穂乃果・・・ちゃん・・・」

 

「私が時を止めた、そして、脱出できた。ザ・ワールドの時止め能力は長くて13秒くらいかな?動き出す2秒前にμ’sの能力が覚醒してよかったよ。て言っても、せいぜい4秒しか止められないけど」

 

「ま、まだだぁ!!」

 

ことりは執念とも言うべき力で、時が動き出した瞬間にザ・ワールドを出して、背後にいる穂乃果に拳を飛ばすが

 

「μ’s!」

 

まるで息を合わせたかのようにμ’sでその攻撃を相殺した

 

「さぁ、ことりちゃん、そろそろ終わりにしよう」

 

「それは・・・こっちの台詞だぁぁぁぁ!!!!」

 

ことりは倒しきれず、しかも、まるで自分が勝利をモノにしたかのような表情の穂乃果に憤慨し、怒濤のラッシュを放とうとするが

 

「でも、4秒でも、時は止まってるわけだけどね」

 

ことりが瞬きをした瞬間、穂乃果は視界から消え失せ、ことりの背後を取った

 

「少し、いや、かなり痛いかもしれないけど、我慢してね」

 

穂乃果は、表情を隠すように帽子を深くかぶった

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァ!!!!!!」

 

帽子のツバ越しに、誰にも見せたことのない怒りの表情がうっすらと見えた


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