穂乃果の奇妙な冒険 ミューズオブヘブン 作:マキシマムダンガル
にこと真姫は気絶した雪穂、アリサを背負いながら外へ出た
「ふぅ、それにしても、皆どこに行ったのかしら」
二人はアリサ、雪穂をベンチらしき所に二人を寝かせた
「もしかしたら、相当遠い場所に飛ばされた可能性も・・・」
二人は他のメンバーの行方を予想していると
「あっ!真姫ちゃんににこちゃん!おーい!」
二人の耳に聞きなれた声が聞こえてきた
「穂乃果?」
にこが振り向くと、穂乃果らしき人物の姿があった
「穂乃果、なのかしら?」
にこはいち早く異変に気づいた
「探したよぉ~、二人ともどこかに行っちゃうんだもん」
(見た目は確かに穂乃果だけど、何か違う、この穂乃果は圧倒的に何かが違う!)
にこは穂乃果を睨み付けるように観察した
「ん?どうしたのにこちゃん?穂乃果の顔に何かついてる?」
「あなた、本当に穂乃果なの?」
「何言ってるのさぁ、私は正真正銘の高坂穂乃果だよ」
穂乃果は胸を張ってそう言った
「だったら、私の姉妹の名前を全員当ててみて」
「にこちゃん、いくらなんでも疑いすぎよ、疑心暗鬼になってるんじゃあない?」
真姫がにこを説得するように言うが、にこは目もくれなかった
「どうなの?本物の穂乃果なら答えられるはずよ!」
にこは穂乃果に詰め寄り問いただした、すると
「はぁ・・・」
穂乃果は大きくため息を吐いて、頭を抱えた
「にこちゃんは記憶を改変するのに時間かかったから、再度かけるのにも時間を労するみたいだね」
やれやれと呆れた顔でそう言った
「にこちゃんの姉妹?ここあ、こころ、虎太朗でしょ?まぁ、私の世界では虎太朗、ここや、ここみって名前だけど」
「何それ、何を言っているの?」
にこは聞いたことのない名前を出され混乱し始めた
「にこちゃんの精神力が強いのか、それともまた別の何かがあるのか、それは知らないけど、どの道私の洗脳からは、いや、真実を書き換える能力からは逃れられないけど」
「真実を書き換える?」
穂乃果は今まで見たことのないスタンドを出した
「なに、そのスタンド・・・」
そのスタンドのオーラは、まるで殺意を形にしたかのようだった
「私は第13の平行世界から来た穂乃果、つまりはドッペルゲンガーって奴だね」
「ドッペルゲンガー?平行世界って?」
「なぁんだ、ツバサから何も教えてもらってないんだ、あいつも中々酷いことするねぇ」
クスクスと微笑を浮かべながらそう言った
「まぁ、今から再改変するから関係ないか」
穂乃果がそう言うと、真姫が背後から、にこを羽交い締めにした
「ちょ!真姫ちゃん!?」
「にこちゃん、私の能力は真実の改変、真姫ちゃんを私の操り人形にすることも出来るんだよ」
「ひ、卑怯よ!」
「うーん、卑怯って言われると反論できないなぁ」
穂乃果は腕組みしながら考え込むと
「じゃあ、こうしよう、今から真姫ちゃんを戻してから、私がにこちゃんに改変を仕掛けようとする、それを掻い潜って私の聖なる遺体を奪えれば、にこちゃんの勝ちってことで」
「あなたが最後のひとつを持っていたのね」
「特別に右手に握り締めたままで戦ってあげるよ」
穂乃果は聖なる遺体を軽く握りヒラヒラと振りながら見せた
「余裕でいられるのも今のうちよ」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
穂乃果がスナップすると、真姫、雪穂、アリサが黒い光に包まれて消えた
「じゃあ行くよ、よーいドン!」
穂乃果が掛け声と共に閃光のような速さでにことの距離を一瞬で詰めた
「えっ?」
にこが構える前に穂乃果が目の前に詰め寄り
「おっそーい!」
穂乃果がそう言って、スタンドで首を掴み持ち上げた
「話にならないよぉ、にこちゃん」
「クッ!」
「もうちょっと実力を付けてから私に挑んでよ、面白くなさ過ぎてそのほっそい首、へし折っちゃうよ?」
スタンドはにこの首を片手で持ち上げ、その手に力を少しだけ入れた
「っ!」
にこは必死な表情で抵抗するが、びくともしない
「そんなにジタバタしなくても、殺したりはしないよ。だって、にこちゃんも私の理想の世界には必要だもの」
穂乃果は優しく微笑むが次第にスタンドの掴む力は強くなっていった
「クッ、カハッ!」
何とかスタンドを動かそうとするが、首を掴まれ意識がもうろうとして、上手くスタンドが動かない
「私の世界に私を嫌うにこちゃん何て、私を嫌う人なんていらない!」
怒りの表情でスタンドの拳がにこの体を貫いた
「ゴハッ!」
にこの口から血が吹き出た、それと同時ににこは黒い光と共に消えていった
「私の世界には私を愛してくれる人しかいらない、私の世界は私が作り上げる」
穂乃果は不気味な笑みを浮かべ黒い光に包まれて消えていった
この穂乃果の目的とは一体
そして、別の場所に飛ばされた穂乃果たちはどうしているのか
次回「星屑の白金」