穂乃果の奇妙な冒険 ミューズオブヘブン   作:マキシマムダンガル

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皇帝の蒼と赤い茨

穂乃香たち一行は花陽に事の説明をするため、ホテルに泊まっていた

 

「って言うことなの、分かった?」

 

花陽は既にオーバーヒートしていた

 

「まぁ、初めはそんな感じよね」

 

「すぐに理解したにこっちがおかしいだけやもんね」

 

「ぬぁんですってぇ!」

 

六人は和気藹々と話していると

 

「!」

 

穂乃果はどこからともなく凄まじい殺気を感じ取った

 

(敵!)

 

穂乃果は周囲を見渡し敵がいないかを確認した

 

(いない、誰も、だったら、この凄まじい殺気は一体どこから・・・)

 

周囲を見渡し構えていると

 

「ヒュン!」

 

窓の方から風を切る音が聞こえ、そっちに目を向けると矢が飛んできた

 

「μ's!」

 

穂乃果は咄嗟にスタンドを出して、矢を弾いた

 

「外!」

 

穂乃果は、急いで外へ出た

 

「誰?一体どこから・・・」

 

外へ出て周囲を見渡していると、見覚えのある赤髪の少女の姿が

 

「真姫ちゃん!」

 

しかし、真姫の腕には紫色の茨が絡みついている

 

「それって、もしかして・・・」

 

「えぇ、お察しの通り、私のスタンドハーミットパープル」

 

真姫の右腕から、紫色の茨がうねうねと動いている

 

「じゃあ、さっきの矢は、も、もしかして!?」

 

穂乃果が最後まで言い切る前に

 

「遂に会えましたね。穂乃果!」

 

青髪の弓道着を着た女性が表れた

 

「海未ちゃん!そんな、海未ちゃんまで操られて・・・」

 

穂乃果がショックでうろたえていると

 

「さて、あなたを始末させていただきましょうか」

 

海未は冷酷な目つきで弓を出した

 

「私のスタンド、蒼帝《エンペラー》の前にひれ伏しなさい」

 

弓を構えると同時に矢が現れ弦を引っ張り、キリキリと音を立てた

 

「死ね!」

 

無慈悲にも矢を放った、その時

 

「シルバーチャリオッツ!」

 

チャリオッツが穂乃果の背後から飛び出し矢を真っ二つに切断した

 

「ノンノンノンノン」

 

絵里がドヤ顔をしながら穂乃果の前に立った

 

「まったく、幼馴染に手を上げるなんて、海未も酷い事するようになったのね」

 

うふふ、と余裕の表情で笑って見せた

 

「ハーミットパープル!」

 

海未の隣に立っていた真姫が奇襲を仕掛けるように突然攻撃を繰り出した

 

「マジシャンズレッド」

 

ハーミットパープルが絵里に到達する前に炎の壁が立ちふさがった

 

「くっ」

 

「真姫ちゃん、不意打ちはもっと考えてやらんとあたらんよ?」

 

希がマジシャンズレッドを隣に立たせてやってきた

 

「希ちゃん!絵里ちゃん!」

 

「穂乃果、ここは私たちに任せなさい」

 

「三年生の力を見せてやるやん」

 

絵里と希はそう言って構えた

 

「わかった」

 

穂乃果は言われるまま後ろに下がった

 

「まさか、貴方達が出てくるとは思いませんでしたよ」

 

「うち的には、海未ちゃんが敵に回る方が驚きやわ」

 

「絵里、貴方に私を倒すことが出来るかしら?」

 

「ふふ、真姫、私が勝算も無しに戦いを挑むと思う?」

 

互いに互いをにらみ合い

 

「先手必勝!シルバーチャリオッツ!」

 

絵里が誰よりも先に飛び出しスタンドで高速攻撃を繰り出した

 

「ハーミットパープル!」

 

それに合わせるように真姫もスタンドを出した

 

「そんなツタ切り刻んであげるわ!」

 

そう言って、チャリオッツがハーミットパープルを切った

 

「ソレソレソレソレ!」

 

目にも止まらぬスピードで切っているが、次第に減速していく

 

「あ、あら?」

 

よく見るとハーミットパープルは切れているのではなく、剣に絡みついていたのであった

 

「ポンコツーチカで本当に助かるわ、そして喰らえ!」

 

真姫が右腕から出ているハーミットパープルに左手で触ると

 

「波紋疾走《オーバードライブ》!」

 

そう言うと、電流のようなものがハーミットパープルを渡って絡みついたチャリオッツの剣に流れると

 

「アババババ!!」

 

文字通り絵里の体に電流が流れた

 

「ふふ、私にはもう一つの秘策、波紋疾走《オーバードライブ》があるのよ!」

 

そして、真姫が手を離すと電流は止まった

 

「そして、次にあなたは「そんなもの、私には効かないチカ!」と言う」

 

真姫がにやりと笑うと、それに対して絵里がアフロ状態で

 

「そんなもの、私には効かないチカ!・・・っは!」

 

「私の十八番、これは私の勝ちね」

 

その頃、隣では

 

「エンペラー!」

 

海未は大量の矢を一気に放った

 

「焼き尽くしてやるやん!」

 

希は赤い荒縄《レッドバインド》をマジシャンズレッドの腕に巻きつけ鞭のように振り回し矢を燃やした

 

「スタンドっちゅうのは、使い手の精神力で力が決まってくる。うちの精神力を侮ってもらっちゃ困るで」

 

「だったら、サウザントアロー!」

 

海未が大量の矢を投げつけたと思いきや、その場で静止した

 

「なっ!どうなってるんや!?」

 

「この大量の矢を全て避けきれますか?」

 

海未はそう言って、静止する大量の矢の中、一本だけその場でキリキリと引っ張り、矢を放つと、一斉に矢が希を目掛けて飛んできた

 

「クッ、K・F・H・S《クロス・ファイヤー・ハリケーン・スペシャル》!」

 

十字の業火を大量に飛ばし矢を燃やすが、何本かが残り希に飛んでくる

 

「なんの!」

 

希は横に転がりギリギリ避けることが出来たが、足にかすってしまった

 

「っつ!」

 

「ふふ、残念ですね。私には気高き武士の魂があります、貴女のようなゆるふわ系女子のような精神では私に勝つ事など万に一度もあり得ません」

 

「そうやな、でも、海未ちゃんに勝つ方法は思いついたで」

 

「ほぉ、ならば、試してみてください!!」

 

弓を構えて、希に狙いを定めると

 

「あなたのハートを打ち抜くぞー、ラブアローシュートー」

 

希がポーズまで付けてそう言うと

 

「ブッ!!」

 

海未は顔を真っ赤にしてスタンドを引っ込めた

 

「あ、貴女!なんてことを言うんですか!!」

 

「あっ、そこは記憶として残ってるんやね」

 

「私の昔のことを蒸し返すなんて、万死に値します!!」

 

「あはは、こら余計なこと言ってもうたみたいやね」

 

苦笑いをしていると

 

「希!そっちは大丈夫!?」

 

颯爽と絵里が現れた

 

「あぁ、エリチそっちは・・・大丈夫そうやね」

 

アフロ状態の絵里を見て何かを確信した希であった

 

「こっちは、一旦引いてきたんだけど」

 

「こっちはこっちでまずい状態なんやけどね」

 

絵里の目線の先には海未がいて、希の目線の先には真姫が立っている

 

「私の背中は任せたわよ」

 

「じゃあ、エリチはうちの背中を任せるよ」

 

そう言って、お互いクロスするように走り出した

 

「赤い荒縄《レッドバインド》!」

 

「ハーミットパープル!」

 

二人のスタンドのロープのようなものは互いに絡み合った

 

「焼き尽くしてやるやん!」

 

「波紋疾走《オーバードライブ》!」

 

互いのスタンドを伝わり業火、波紋が伝わっていく

 

「エンペラー!」

 

「シルバーチャリオッツ!」

 

二人のスタンドは構え、そして

 

「サウザントアロー!」

 

「甲冑を外したスタンド、シルバーチャリオッツ!」

 

大量の矢に対して、光おも掴むスピードで矢を切り刻んでいく

 

「残念だったわね海未、私のスタンドならあなたの攻撃を全て切り刻むことくらい造作もないわ」

 

絵里はそう言うと、チャリオッツを分身させ構えた

 

「さてと、まずはあなたから再起不能にさせてもらうわ」

 

「調子に乗らないでください!!」

 

海未は身構え矢を飛ばした

 

「遅すぎるわよ、海未、貴女が矢を一本飛ばすうちに私は百回はあなたを斬っているわ。こんな風にね!!」

 

絵里が大量の矢を通り過ぎると一瞬にして真っ二つに分かれた

 

「止めを刺させてもらうわ」

 

分身したチャリオッツが、一斉に海未に襲い掛かった

 

「ま、まだ・・・まだやれます!」

 

そう言って海未は弓矢を構えるが、その前にチャリオッツの斬撃が海未を襲った

 

「今度の剣捌きはどうだぁぁ!!」

 

「アパウゥゥゥ!!」

 

海未は凄まじい威力の斬撃を受けてその場に倒れた

 

「ふぅ、後は穂乃果のスタンドで治癒してもらうとして」

 

絵里は倒れた海未を壁にもたれさせて

 

「希の方は大丈夫かしら」

 

希の方へ向かってみると

 

「ふぅ、そのビリビリ結構厄介やん」

 

「天才マッキーを舐めないでほしいわ」

 

二人は一進一退の攻防戦をしていた

 

「希、大丈夫!?」

 

「エリチ、問題ないで」

 

「エリーも来たようね、二対一は分が悪いわね」

 

「撤退はさせへんけどね」

 

希がそう言うと

 

「炎の監獄《フレイム・プリズン》!」

 

三人を囲むように火のドームが出てきた

 

「希、例のあれ頼むわ」

 

「分かったやん、マジシャンズレッド!」

 

マジシャンズレッドが火を吹き、シルバーチャリオッツの剣に火がまとわり付いた

 

「メルシー希」

 

炎の剣の状態になったチャリオッツが高速で真姫の懐まで飛び込み

 

「私の剣をしゃぶりなさい!!」

 

高速で斬るのではなく、分身し四方八方から突き刺したすると、火のトゲの様なものがくっきりと残った

 

「今よ!」

 

「行くで!」

 

希は腕をクロスさせ

 

「業火の結晶《フレイムクリスタル》」

 

そして、クロスした手を握り

 

「クラッシュ!」

 

希がそう叫ぶと、結晶の形になった炎が爆破した

 

「マジシャンズレッドに、弱点は無いんや」

 

爆風でたなびく髪を押さえながらそう言った

 

「希って、もしかして、超強い?」

 

「手加減はしてあるから、早いこと穂乃果ちゃんに治療してもらお」

 

二人を運び穂乃果に治癒してもらった

 

「ふぇぇ、一気に二人も治癒すると凄まじくしんどい(;´Д`)」

 

スタンドの能力を連続で使い、穂乃果はヘロヘロになっていた

 

「ん?海未ちゃんの服のなかに入ってるこれって」

 

希が海未の服のなかに手を入れると、中から聖なる遺体が出てきた

 

「これは、両眼部や」

 

干からびた包帯にくるまれた眼球を持ちながらそう言った

 

「これって、部位とかあったの?」

 

「穂乃果ちゃんが最初に貰った部位が腹部、多分真姫ちゃんも持ってると思うよ」

 

希に言われにこが真姫の服を探ると

 

「何か長い包帯に包まれた物が」

 

「それは両足部、大分部位が集まってきてるんやな」

 

感心するように聖なる遺体を並べている希に、にこが

 

「あんた、このミイラとかこれ以外にも知ってることがあるじゃない?」

 

「ん?知りたい?」

 

希は急に妖艶な顔でそう言って

 

「エエで。どうせいつかは話さなあかんかったし」




にこの疑問に対し語り出す希
そこに突如表れるスタンド使い
そのスタンド使いとは一体だれなのか

次回「時空を越える翼」

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