OVERLORD 自衛隊彼の地にて・・・ 作:ラルク・シェル
戦闘から2日が立った頃。ザリュース達はせっせと砦の補強や武器の補充をしていた。しかしいつの間にか彼らの知らないときに、鎧で武装したスケルトンの軍団が列を作っていたことに。しかも前の列は茶色い鎧だが、真ん中の列は銀色で後ろの列は金色で強そうな鎧。
「あれは…」
「いつも間にそんな!?」
「しかも、あれは魔法武具じゃねぇか」
ザリュースもクルシュもスケルトンの軍団に現れたり、ゼンベルは鎧が魔法の武具だと気付いたりした。すると今度は肌寒い風が起き始める。
「これって、この風は第6位階魔法コントロールウィザー!」
クルシュはすぐにこれが魔法によるものだと気づく。だが、リザードマン達はスケルトン兵士と、この魔法が第6位階だと知って少し怯えだす。
「落ち着け!」
するとシャースーリューが壁の上から大声で叫んだ。
「戦士達よ怯えることは無い!決して多くの祖霊を失望させるような行為を慎むように」
そのまま降りるとザリュース達の所に合流すると、スケルトン兵が動き出した。だが、攻撃ではなく真ん中を開くようにすると、そこにはアインズが禍々しいオーラを放ちながら立っている。
「あれが偉大なる御方…死の支配者か?」
するとアインズは自分の周りに魔法陣を展開し始めると、一瞬にして沼を凍りつかした。それもザリュース達のいる地にまで届き足を氷が張りつく程に。
「これも魔法なのか?!」
「私…あんな魔法しらない!?」
「全員、早く上に!」
「これは奴が偉大なる御方ってのは、確実だな?」
シャースーリューは急いでリザードマン達を砦に避難させて、すぐに祭司達が凍傷の手当を始めた。
さらに今度は巨大な地響きが聞こえてくる。
「なんなんだあれは?」
「まさか、ゴーレム!?」
地響きの正体はガルガンチュアで、大きな足音を上げながら歩いてきた。当然、リザードマン達は巨大なゴーレムに度キモを抜かれたが、ガルガンチュアは四角形の巨大な岩を凍った沼の真ん中に投げ込む。投げ入れた衝撃で氷が割れて水柱が起きる。
今度はスケルトン兵が岩の前に来ると組体操のように自分達の体で、階段の形にし始めた。
さらに金の鎧のスケルトン兵が左右から旗槍を掲げて、まるでパレードのようにするとアインズとアルベド達が進み始める。スケルトンの階段も上がり、アインズは玉座を出して座った。
「なんてことだ…まさに死の支配者に相応しいようだ…」
さらにアインズは
『偉大なる御方の言葉を伝える。偉大なる御方は対話を望まれている』
『対象となる物は即座に歩み出よ!』
『無駄な時間の経過は偉大なる御方を不快にさせるだけと知れ』
配置されたモンスターがリザードマン達に代表者を連れて来いと言いだして、シャルティアが手を叩くと消えた。
「まさか、それだけの為にモンスターを…」
モンスターがただ伝える為に出して消されたという事で、まさに暴君だと感じていた。するとシャースーリューはザリュースに目を向けて
「一緒に来てくれるか?」
「兄者…当然だろ」
「ザリュース」
「クルシュ…行ってくる」
心配かけないようにクルシュに言って、シャースーリューと一緒に凍った沼を歩いてアインズ達の所に進む。
「すまんな」
「謝ることはないさ。それよりも」
ザリュースは物凄い威圧を放つアインズを見る。
「俺はリザードマンの代表、シャースーリュー・シャシャ!そして我が弟でリザードマン最強!」
「ザリュース・シャシャ!」
2人が目の前の相手に屈しないように大声で自己紹介をする。だが、デミウルゴスが口を開き。
「平伏したまえ!そして抵抗するな!」
「「ぐおっ!?」」
デミウルゴスのスキル・支配の呪言でザリュースとシャースーリューは、この場で頭が地面に着くほど土下座をして跪いた。まるで強い重力をかけられたみたいで、動けない様子。
「アインズ様、聞く姿勢が整ったようです」
「よろしい。デミウルゴス」
「頭を上げる事を許可する!」
なんとか頭だけ解除されてザリュースとシャースーリューは顔を上げた。そしてアインズも自己紹介を始める。
「私はナザリック地下大墳墓の主、アインズ・ウール・ゴウン」
[アインズ・ウール・ゴウン]
[あれが、偉大なる御方]
2人は改めてアインズがとんでもない存在だと確信する。
「さて、本題に入るが…私の支配下に入れ」
「なっ!?」
「と言っても、素直に聞く訳ではないだろう?故に4時間後に私の信頼する側近、コキュートスが攻めに行く。もし勝利したのなら完全に君達から手を引くと約束しよう」
なんとアインズは4時間後にコキュートスと戦って勝ったら手を引いて、負けたら支配下になれと言って来た。完全な暴君に怒りを見せる2人。
「降伏は?」
「ただの降伏をするようなつまらん考えは、しないで欲しいな」
降伏という提案を却下されてしまう。
「とにかく話は終わりだ。4時間後にたっぷりと楽しんでくれ」
「この氷は解けるのか?」
「それか…泥で汚れるのが嫌だからな。後で魔法は解いてやる。ゲート!」
そのままアインズは砦に通じるゲートを開いて最初に潜った。
「さようなら、リザードマン」
「じゃーねー♪」
「さらばでありんす」
「あの…元気でいてください」
〔では、さようなら〕
その後にアルベド、アウラ、シャルティア、マーレ、ヴィクティムの順でゲートを潜り。最後のデミウルゴスが
「自由にしてよい」
ザリュースとシャースーリューを解放した。
「さて、たっぷり楽しんでくれたまえ。リザードマン達」
そう言ってゲートを潜ると消滅して、同時に空も曇りから晴れに戻る。すぐに族長会議が始まった。
「んで、どうすんだよ?」
「たしかに4時間後になぁ…」
何かいい作戦はないか考えるザリュース達。するとクルシュは申し訳なさそうに手を上げた。
「あの…関係ない事ですけど」
「なんだクルシュ?」
「じつは先程から、大地が大きな揺れを起こそうと感じました」
なんと地震が起きるかもしれないと予知をする。
「揺れただと?」
「はい、あの方向に」
クルシュが外に出て指を刺した方向にザリュースは驚愕する。
[あっちは確か…ヤオや自衛隊達がいる国のはず]
それはセクフィア帝国の帝都がある方向だった。
「その揺れはいつ起きる?」
「分かりませんが…恐らく夜だと」
「しかし、今はそんな事を言ってる暇ではないと思うが?」
「大体、その揺れも本当に起きるのか分からねぇしな」
「たしかに、申し訳ありません」
軽く謝罪をしてシャースーリュー達は再び小屋に戻るが、ザリュースは帝都の方に目を向けた。
[なんだか…不安になるな]
ヤオや伊丹達自衛隊が無事か心配になる。
一方、ナザリックの砦ではヴィクティムを帰らせてアインズは人間椅子のシャルティアに座っていた。
この前の罰らしいけど、本当はデミウルゴスの作った骨の玉座に抵抗あったらしい。シャルティアはかなり喜んで、アルベドは嫉妬に満ちている。
「リザードマン達、無駄に準備をしてますね」
遠隔視の鏡で村の様子を確認して見る。せっせと4時間後の戦いに向けて準備をしているリザードマン達だが、ザリュースとクルシュの姿がいない事に気づく。
[あの魔法の武器を持った奴と白いのがいない?]
小屋にいると思ってスクロールによる感覚器官作成の魔法を使う。さっそく小屋の中を見てみると、なんかザリュースとクルシュとお楽しみの最中だったので、すぐに消して見なかったことにした。
[あちゃ~~~]
「まったく不快な奴らですよ!これからコキュートスが攻めに行くというのに…」
「そうです!きっと自分達が勝てると思って油断してますよ!」
「はぁ…はぁ…奴らに…罰を与えるべきでありんす…」
「あの…その…えっと……」
「ああ…羨ましい…じゃなかった。憎たらしい」
見てはいけないものを見て少し後悔と感じたアインズと、怒ったり本音を吐く面々。
「まぁ、どうせ奴らは死ぬんだ!種族維持本能が目覚めたのだなぁ」
とりあえず適当な事を言って全員を静かにさせるしかないアインズたった。
それから所変わって、セクフィア帝国を調査しているナザリックの一般メイド2名。今彼女たちは帝都のスラム街、通称・悪所の少し近くにいた。そこでは医療と看護資格を持つ自衛官の黒川茉莉が診療を頼まれている。
「帝都もこういう場所ってあるんだね?ミューム」
「あんまりウロチョロしないの。この先は危ないらしいよテホラ」
ポニーテールの少し活発そうなテホラを、ボブカットで真面目なミュームが叱る。しかしそんな時にテホラは何かを感じた。
「どうしたのテホラ?」
「なんだか分からないけど、この国に大きな揺れ…地震が起きる気がする」
「え?地震が」
「うん、でも本当によく分からないから…」
テホラが少し誤魔化す感じで笑い出しながらも、2人はこの場から離れていった。
なんとかひさしぶりに投稿出来ました。
今回は一般メイドのオリキャラを出して見ました。とりあえず帝都の地震を感じたのは、クルシュとオリキャラのテホラとミュームです。