OVERLORD 自衛隊彼の地にて・・・   作:ラルク・シェル

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リザードマン攻防戦

「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」

 

ついにリザードマンの同盟軍とナザリックのアンデッド軍の戦争が起きて、お互い敵に向かって進軍していった。

そしてお互い交戦を始める。数が多いアンデッド軍に翻弄されるが、怯まずに同盟軍は敵を何体か潰していく。

そしてザリュース達族長達は砦で様子を見ていた。

 

「おいおい、奴らは舐めてんのか?」

「弓兵も騎兵も動きはしないし、スケルトンはまだしもゾンビも動きが変だな?」

「もしや…指揮官は近くにいないのか…」

 

アンデッド軍に指揮する者がいないと気づくザリュース。

 

「んじゃあ、奴らはただの木偶か?」

「見くびられたものだな…」

 

シャースーリューはゼンベルと一緒になって、アンデッド軍が自分達を舐めてると思い怒り出す。

 

「落ち着いてくれ、敵が油断しているなら好都合だ。それで、儀式の方は?」

「はい、異なる部族の祭司達が力を合わせているから、いつもより速く進んでいるわ」

 

後ろで魔法陣を囲みながら魔法の準備をしている祭司達。

 

「協力する事って、スゴイ事なのね」

「ああ、クルシュの言う通りだ」

 

ザリュースとクルシュはお互いの尻尾を絡ませながら戦場を見続ける。

 

「ところで、スーキュ殿。2人の様子は?」

「未だに隠れています。もしも騎兵が動いたのなら」

「おっ、なんか動いたみたいだぞ」

 

ゼンベルの言う通り、アンデッド軍の騎兵隊がスケルトンの馬を走らせながら攻めてきた。けれども、別の所に隠れていたリザードマン2人が、アンデッド軍の騎兵隊が進撃する様子を確認。

 

「奴らは目的の場所に近づくぞ!」

「周りに味方はいないから行くぞ!」

 

他のリザードマンがいないことを確認すると、2人が手に持っているコードが繋がったリモコンみたいな装置のスイッチを押した瞬間。騎兵隊が走っていく二か所が大爆発。当然、強い爆風が起きて爆発に巻き込まれたスケルトンの欠片が飛び散る。

 

「やったぞ!」

「早く戻ろう」

 

喜んだが、すぐさま2人がこの場から立ち去った。砦で爆発の様子を見ていたザリュース達は

 

「やった…あれが本当に効いたのですな!」

「すごいいりょく…みどりのひとたち、すごい」

 

スーキュもキュクーも爆発の威力に驚いた。それからスリングショットを持ったリザードマンの遠距離戦闘部隊も、2人のように周りに味方がいないことを確認。

 

「良し…じゃあ俺達も、緑の人から貰ったこれで戦うぞ!」

「「「「「おーーー!!!」」」」」

 

さっそくM26手榴弾の安全ピンを外してスリングショットで飛ばした。その為、手榴弾の爆発でアンデッド軍に大きな打撃を見せる。

それでも動き続けるアンデッド軍だが、今度は普通に石を飛ばして攻撃を続ける。

しかし砦ではコキュートスが遠隔視の鏡でリザードマン達の戦闘を確認した。そしてリザードマン達が爆弾を使う事に疑問を持つ。

 

[ドウナッテイル…ナゼ、リザードマンニ爆弾ガ?マサカ!]

 

これは自衛隊の仕業だと、コキュートスは気づいた。

それからザリュース達側も。

 

「けれども、あんなものが本当に使うるなんてな」

「全く凄すぎるな…自衛隊の力は」

 

あれは昨日。

リザードマンを集めた伊丹は持ってきたある物の説明をしていた。

 

「みなさんが、自分達の力で戦う気持ちはよく分かりました。ですが、せめてこれの使い方を教えます」

 

それはM26手榴弾とプラスチック爆弾改めC4だった。リザードマン達は興味を持って触ってみたり、なかにはC4を食べ物だと勘違いして食べようとするのもいる。

 

「待って、待って!そのままだと爆発しなくても、食べたら中毒になるから」

「うげっ!?」

 

それを聞いたリザードマンは驚いて手放してしまう。それでも伊丹は全員に分かりやすく、C4の使い方を説明した。

 

「これはこねる程に威力が増すんだ。その後、埋める場所を決めたら浅めに埋める」

「さらに雷管っていう起爆用火薬を繋ぐ必要があるですけど、それらは私達でやっておきますね」

 

さっそくザリュース達は自衛隊が用意してくれた、C4を良くこねて2つの木箱に入れる。次に戦いの場になる湿地に向かい。

 

「では、決めた場所にこれを埋めるけど…雷管を繋げる必要があるので待っていてくださいね」

 

伊丹は1人でC4に雷管と起爆回路を繋ぐ作業を行った。なぜなら、特戦の時になんども教わったので。

 

「やれやれ…俺1人で地味な作業なんてな…」

 

少し惨めに感じる伊丹であった。一方、栗林は一緒に持ってきた手榴弾の使い方を教える。

 

「このM26手榴弾は安全ピンを抜いて4秒で爆発します」

「じゃあ、4秒以内に投げればいいんだな?」

「そう言う事になります。もちろん、周りに味方がいないのを確認する事。とりあえず、40個ほど渡しますので、ちゃんと安全に管理したうえで無駄使いせずに!!」

 

大声で念入りに説明する。そして伊丹の作業が無事に終了して、雷管と繋がったC4入り木箱の蓋を閉めて2か所に埋めた。

 

「さてと、この起爆装置のスイッチを押すだけだが…君達、大丈夫かい?」

 

伊丹は爆破担当のリザードマン2体に尋ねる。

 

「心配ないさ。俺達は隠れるのは得意だし」

「こう見えても、責任感は強い方だから安心できるさ」

 

胸を張って大丈夫だと宣言する。

 

「そっか…じゃあ、任せますよ」

「「おぅ!」」

 

という訳だった。

それからアンデッド軍の弓兵も矢を放って、さらにオオカミや猪や熊のアンデッドビーストも現れる。すぐに手榴弾を投げたが、素早く避けられてしまう。

しかし祭司達が泥で出来た湿地の精霊(スワンプ・エレメンタル)を召喚して、アンデッドビーストを次々と倒していった。

 

「リザードマン共ガ、ココマデヤルトハナ…」

 

再びコキュートスが戦場の様子を確認して、ここまで自分達が押されている事に信じられずにいた。しかたなくデミウルゴスにメッセージする。

 

「デミウルゴスカ?」

《そうだ友よ。君が私にメッセージを飛ばしてくるとは、いったい何事だね?》

「知恵ヲ貸シテホシイ」

 

コキュートスはリザードマン達が予想以上に強く、さらに自衛隊の持ってきた武器を使用していると話した。

 

《なるほどね…じゃあ尋ねるけど、アインズ様はなぜ君に弱い戦力を与えられたか分かるかい?》

「ソレガ、全ク分カラン…」

《コキュートス…恐らく、重要なのは勝利ではなく結果ではないのか?君が自分の意志で相手を調べるとか》

 

さらにデミウルゴスは話を続けた。コキュートスが攻める前にちゃんとリザードマンの兵力を調べたか、ナザリックの名を伏せたりとかは、自分自身でどういう動きをしながらも目的を達成するのかと。

 

「デハ、ソノ為ニアインズ様ハワザト私ニ勝テナイ兵力ヲ与エラレタノカ?」

《そう言う事だね。おっと、なんか急ぎの用事が出来たみたいだから君の勝利を祈っているよ》

 

そう言いながらデミウルゴスはメッセージを切る。しかし隣でエントマの頭部に貼っていた札が崩れ落ちたのを知り、彼女が邪魔をしたと確認した。

 

[モハヤ後ニハ退ケヌトイウ訳カ…ダッタラ切リ札ヲ出スシカナイナ!]

 

コキュートスは覚悟を決めて今度は別の相手にメッセージをした。

 

「指揮官タル死者ノ大魔法使イ(エルダーリッチ)ニ命令ヲ下ス。リザードマン共ニ力ヲ見セツケロ!」

 

コキュートスの命令を聞いた死者の大魔法使い(エルダーリッチ)はこれを待っていたと不気味な笑みを見せた。




リザードマンが手榴弾とプラスチック爆弾を使う展開にして見ました。次回は自衛隊の園遊会を入れてみようかと思います。

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