OVERLORD 自衛隊彼の地にて・・・ 作:ラルク・シェル
アインズとの会話が終了したシャルティアは背中から、今生えている白い翼とは別に黒いコウモリの翼を生やし戦闘態勢に入る。
「
アインズが大型で鮫がいる竜巻を出してシャルティアを包み込んだ。しかし4枚の翼を羽ばたかせて打ち消すと、そのままスポイトランスでアインズの胴体を貫く。
「
しかしアインズが戦う前から自分にかけていた防御魔法でダメージを無効化させた。続けて次の魔法を発動させた。
「
シャルティアの前に武器を持った大量の骸骨の壁が出現。
「
だが、負けずにシャルティアも魔法衝撃波で骸骨壁を消し飛ばしたけども、周りから魔法陣が展開する。
「なっ?!」
「解放!
同じく仕掛けていた
「鬱陶しい…
相手の魔法攻撃を打ち消す
「ついに来たか。シャルティア最大の切り札…
このスキルは魔法とかは使えないが、戦闘能力だけなら全く同じというもの。つまりアインズは2人の戦闘レベル100の相手を1人で戦うという事になる。
「眷属招来!」
「眷属もだと!」
さらに自分の眷属モンスターの
「なんだっ!なんでシャルティアも戦わな…!?」
アインズはシャルティアの行動に驚く。なぜなら分身体の方を戦わせて、本人はスポイトランスで眷属モンスターを攻撃し生命力を回復していた。
[汚ねぇ!
だが、驚きを通り越して呆れながらも分身シャルティアの攻撃を避けたりする。そしてついに自分のスキルも発動しようと考えた。
一方その頃、伊丹はXLR250Rを走らせながらも、なんとかロゥリィを背負ったまま栗林達の所に急いで向かっていた。
「たく…無茶しやがって!」
「心配いらないからぁ…ちゃんと回復が進んでいるわぁ」
「それとこれとは別問題だ!」
ボロボロになるまで戦っていたロゥリィを叱ったりする伊丹だったけど、その途中でテレパウィンドからアインズの声がした。
《伊丹さん、伊丹さん!》
「アインズさん、いきなりなんなんですか?!シャルティアは倒したのですか」
《いや、それはまだ…でも、一つ聞きたいのですが今アナタはどこまで離れているのですか?》
「え?今なんとか進んでいるけど…」
《なるべく早くもっと離れてください。絶対に!》
「あ…はいはい」
アインズに念入りに言われたのでスピードを上げて森を突き進んだ伊丹。
[良し…ではこっちもスキル発動]
その時、アインズの背後に巨大な時計が出現した。これは
「
背後の巨大時計の長針が動いて、12時に到達した瞬間に強化された即死魔法を発動。魔法の悲鳴と一緒に辺り一面が一度光に包まれた。
「今度は何だ?!」
かなりギリギリの所まで栗林達の待機場所に近づく事が出来た伊丹は、悲鳴と光に驚きながらもバイクを走らせる。これには当然、栗林達も気づいていた。
「あれは?!」
「アインズ様の即死魔法だ…」
「しかも強化された」
すぐにアインズの魔法だと理解したアウラ達。だけど、丁度よく伊丹とロゥリィが戻って来た。
「隊長。ご無事でしたか?先程、ヘリが戻ってきましたよ」
「って、ロゥリィ!その体っ?!」
栗林が全身ボロボロのロゥリィに驚く。
「ちょっと…無理しちゃった」
「なにがちょっとよ!なにが!」
当然、栗林からも怒られるロゥリィ。だが、ふとアインズとシャルティアの居る場所を見てみると、そこはなんと砂漠となっていた。
これがアインズの
「これは流石はアインズ様。ですが、MPはほとんど使い果たしてしまったようですね?けれど、私の体力は満タンですよ?」
またもや無傷で自慢げに言うシャルティアで、じつはペロロンチーノから蘇生アイテムを貰っていたのだ。
「と言いたいところだけど、私のMPもスキルの使用回数も尽きてしまいましたが…魔法詠唱者のアインズ様と私が戦ったらどっちが勝つか明白ですわ。それで、言い残したいことは?」
「…そうだな」
そしてこれからアインズの口から出た言葉にシャルティアは驚愕するのだった。
「私のMPが尽きれば勝利は確実。と判断してくれた事に感謝する」
「……え?」
それはまるで自分が立てた計画通りに進んでくれたかのような反応。しかもどう見ても不利な状況で、全然アインズが距離をとろうとしない事にも疑問を持つ。
「PvPにおいて大切なのは、相手に偽の情報を掴ませることだ…たとえば、神聖属性が効くように見せかけて、炎属性が弱点だと悟られないようにするといった具合に」
アインズの言っているのが正しいとすれば、つまり今までの戦いは全てが演技。
「これを可能にするためには、相手の情報把握がポイントだ。かつてペロロンチーノはお前を作った時に、俺に色々と教えてくれたんだ」
「では……私のスキルを知らないというのは…」
「……嘘に決まっている」
これはまさにシャルティアにとっては大きなショックとなる。自分のスキルを知らない振りして、計算して戦っていた事になる。シャルティアは信じられずについ無意識にスポイトランスで襲い掛かった。
「そしてじつは私は、接近戦で決着をつけるつもりだったんだ」
なんといつのまにかアインズは白銀に輝く鎧に身を包んでいた。それはナザリックで戦いの様子を見ている、アルベドとデミウルゴスとコキュートスも驚きを隠せない。
「馬鹿ナ!アレハたっち・みー様ノ!?」
それはかつてアインズがモモンガだった頃に、他のプレーヤーに襲われて時に助けてくれた恩人で、セバスを制作した至高の四十一人の1人たっち・みーの装備。コンプライアンス・ウィズ・ローとアースリカバー。だが、たっち・みーの職業はワールドチャンピオンで、アインズはネクロマンサーとチョーセン・オブ・アンデッドとエクリプスと全く違うもの。
「これは確か戦士化の魔法、
「ここまでお考えだったとは…」
デミウルゴスが
それからアインズが巨大な雷を纏った刀を使ってシャルティアの胸を切り裂く。
「がっ!そっ、それは…建御雷八式!?」
この刀はコキュートスを製作した武人建御雷の建御雷八式という武器。
「言ったよなシャルティア。アインズ・ウール・ゴウンに敗北はないとな?そして知るが良い…今、お前の前には…アインズ・ウール・ゴウンの四十一人の力が集まっているという事を!」
シャルティアの目には、アインズの後ろに至高の四十一人の姿が見えていた。
ついに次回でシャルティア編を終了します。ラストスパートという奴です。