鎮守府警備部外部顧問 スネーク   作:daaaper

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宣戦布告(仮)

 

「……本気か?」

他の艦娘も驚いている、提督や鳳翔までもがだ。

だが、加賀は続ける

「ええ。もちろん実弾は使えませんから演習弾で交流戦を行います

そちらもそのような武器がありましたよね?」

「ああ、……だがお前らに有効なのかわからんぞ」

鳳翔が言うには、恐らく実弾は有効だ。

だが、ゴム弾が彼女達に効くのか?

「いえ、有効です。多少丈夫とはいえ痛みは同じですから」

加賀が答える。

「その根拠は?」

「駆逐艦の娘が虫歯になった時、同じく痛がっていました」

「……命取りだぞ、歯を大事にしないのは」

昔からそうだが兵士には衛生面のケアは欠かせない。

特に歯はそのケアを怠りやすいが、歯の環境が悪いと人は死ぬ。

死にはしなくとも戦場で注意力の低下は命に関わる。

昔、軍医の他に歯科医が従軍するのはその為だ。

「大丈夫です。その後、歯磨きを徹底させましたから。」

「そうか」

日本人は歯を大切にする気持ちが少ないとは聞いていたが

本当だったか……

 

「……わかった、なら場所や禁止事項なんかを決めたいんだが」

とにかく まずそれを決めなければ、どちらも準備がしにくい

「わかりました。では 朝の点呼が終わった後、ここで話し合いましょう。」

時刻はすでに05:50を過ぎようとしている。

「ああ、わかった。あと赤城と那智も来てくれ。何ができて何が無理なのか、俺が理解しやすい。」

「わかった、点呼の後だな」

「あのー、朝ごはんは……」

「赤城さん?」

加賀が赤城を見る。いや、睨む。

「…ハイ」

不満らしいが、答える。

「では、ひとまず解散だ。私も点呼には参加しないといけない。」

提督が、そう言った。

そういえば、ここの点呼に俺も出るべきなのか?

「……俺もか?」

「正しくは、俺たちも、だ。すでに5人には伝えてある。

昨日から出るべきだが、私も伝えていなかった。だから、懲罰は受けない。安心しろ」

……面倒だが仕方ない。

そんなんで懲罰を受けるのは、BOSSとして見られてたまるか

「では、点呼の後ここに集合してくれ」

『了解』

「では、解散」

それぞれ部屋を出る。

 

 

 

 

「俺も出る、ということは自衛官も出るのか?」

「ええ、提督は一応ここの司令にもなります、なので艦娘も自衛隊も同じです」

 

点呼、堅苦しく言わないなら朝礼が行われるグランドに向かいながら赤城に聞く。

「艦娘の場合は、私達のように夜中に帰ってくることもあるので

夜勤明けということで、出なくてもいい時もあります。」

そんな事を聞いている内に着いた。

提督室がある中央の建物からは近い。

しかし、まだ人がいない。

「もうすぐ、06:00だが……」

「ええ、06:00になってから皆さん来ますから」

「それは、どういう」

ことだ、と言い切る前に起床を知らせる音が聞こえる、恐らく放送だ。

「点呼、点呼。全員集合せよ。繰り返す。」

そんな放送も入る。

そういえば軍とはそういうもんだったと

傭兵だったおかげで、そういう規則的な生活を忘れていた。

……規則の重要性を忘れたことは無いが

そんなことを思い出しているうちにまず自衛官達が揃い始めた。

遅れて艦娘もその隣に並び始める。

すでに6人ともそっちに並んでいた

『おはようございます!BOSS!!』

こっちにも5人集まった

「ああ、場所は聞いているか?」

「ええ、真ん中だそうです。」

真ん中は、ここだ。

すでに全員が揃ったらしい

人が誰も来なくなった

聞こえるのは、確認する怒号にも聞こえる点呼だ。

 

それが止むと静寂が訪れる

同時に音楽と共に旗が揚がる

周りは捧げ銃の形

 

国旗掲揚らしい

国歌はわからないが同じく捧げ銃をする

 

海沿いだからか旗がよく波打っている

中間地点で、日の丸が陽に当たる

音を立てて波打つ

 

国旗掲揚が終わり再び静寂が訪れる

同時に今度は革靴で台に登る音が聞こえる

そして話し始める

 

「諸君、おはよう。いつもならここで終わるが、昨日新しく5人 着任した。」

事前に言われていたらしい、5人が躊躇なく前に出る

「この5人は、スネークの部下だ。

今まで彼らの扱いがどういうものか正式に発表していないので、ここで言う。

彼らは、ここの外部顧問だ。既に上は了承している。

彼らには実践教育と警備の改善をしてもらう。

しかし階級は無いから気軽に接してくれ。」

 

その通りだ。上の人間として接してもらうのは勘弁だ

俺は1人の傭兵に過ぎない

「また、3日後に歓迎会を行う。そこで、加賀をリーダーとした交流戦も行う。」

周りはどよめく、

真ん中だから左からは自衛官の声が、右からは艦娘達の声が聞こえる

前にいる5人は、特に変化が無い。

……事前に知らされていたのか?

「ついては、各艦種長と部隊長はこの後私のところに来てくれ。

詳しいことは今日中に張り出す。 以上だ。」

提督が敬礼し、周りも号令の後に敬礼し返し、そのまま足早に解散する。

 

「どういう事ですか、BOSS?」

戦闘班から諜報班に移った奴が聞いてくる。

「お前ら、事前に聞いていたんじゃないのか?」

「いいえ、職業病でそう見えただけでしょう。」

確かに、ポーカーフェースは諜報員にとって必要なものだ。

常にそうであってもおかしくは無い

「そうか、今日の朝決まった事だ。俺たち6人と艦娘6人で模擬戦をやるらしい」

「……内容は?」

瞬間、全員が臨戦態勢になる

目には獲物が来れば処理する闘志

武器がなくとも、ある程度はやれそうだ。

3日後と言っていたはずなんだが…

「……まあ、落ち着け。提督も言っていたが2日後だ。

内容は確かに模擬戦だが、交流戦だ。……忘れたか?」

聞くと全員が元に元に戻ってきた。

……本当に忘れたらしい

「心意気はなかなかのもんだが、使い所が間違っているぞ」

ここでは、敵意を向ける必要は無い。

「そうでした……。すいません」

「いや、解ればいい」

「…しかし、BOSS内容は重要ですよね?」

元気な部下が聞いてくる、口調は少し重い

「まだ詳細は決まっていない、それを今から決める。

お前らは飯を食ってからやる事をやれ」

『了解』

「決して、敵対行動は起こすなよ。」

「わかっていますよー」

こいつらは、好戦的では無い方だが、何が起きるか知れたものでは無い。

念のために言っておいてから、集まっている所に向かう。

 

 

 

 

「さて加賀、模擬戦を行うわけなんだが」

全員が集まってから話を始める

艦種長は

戦艦 長門

空母 加賀

重巡洋艦 高雄

軽巡洋艦 天龍

駆逐艦 響・陽炎・秋月 の計7人

ついでに赤城に那智いる

そしてスネークと各部隊長がここに集まっている。

「そのルールを決める、ですよね」

「そもそも、なにするんだ?交流戦って」

天龍が誰もが抱いているであろう質問をする

「……全力で模擬戦をする」

スネークの言葉に全員どよめく

___まぁ事実であるんだが

「まあ、とりあえずそうだ。で、集まってもらったのはルールの作成だ」

今いる場所は私の提督室。

さすがに外で長話は無理がある

「どこを戦場として、何をしてはいけないのか。それさえ解れば、お互い準備ができる。

……なのにどうして、さっきのメンバーだけじゃなく、他も呼んだ?」

スネークが質問する。

理由は、ちゃんとしている。

殺されかける事は無いはずだ……ハズだ。

 

「ああ、そもそも銃器を扱う場所については彼らの方が知っている」

そう言って、自衛隊の各部隊長を見る。

「そして、6対6の模擬戦はローテーションして彼女達にあなた達の実力を実感してもらう。」

各艦種長の方を見る

「……すでに俺は経験済みだ」

「そうなのか天龍?」

「……だよな、響?」

「ああ、強い」

珍しく響がためらいなく断定した

「どの位強いの?表現できる?」

喰い付いたのは陽炎だ。

その答えは衝撃的だった

「…逃げようとした暁の頭横にナイフを投げようとしていた位」

「……その言い方は誤解を招く、実際には奪った弓を投げただけだ」

「しかし、奪っていなかったらナイフを投げていたんだろう?」

「まあな」

……2人が話をしているが、どちらも淡々と話しているから怖い。

スネークは当たり前のように衝撃的な事をしようとしていたし、

響もそんな事をしようとしていた彼に何の抵抗もなく話している。

……ただ者じゃ無いなやっぱり2人は

「あは…はははは……はは」

陽炎、それは人を見る目でも顔でも無いぞ

あと後退するのをやめろ

「だが、全員がそれを知っているわけじゃ無い」

これ以上続けさせるとマズイため、無理やり元に戻す

周りがドン引きするのは面倒だ

「そのために他を呼んだ。何か問題はあるか?」

「……いや、無い」

向こうも察してくれた、

こちらの話に戻ってこれた。

 

「では、決めようか」

 

 

 

 

 

 

約1時間で決まった内容を整理する

 

 

⒈禁止事項

刃物の使用

実弾・殺傷性のある武器の対人使用

グレネード・C4等の擲弾や爆発物の使用

迫撃砲等の制圧・後方支援射撃(艦娘が無双可能になってしまうため)

室内での戦闘(後処理が面倒)

建物の半壊以上の破壊活動(一部損壊は免れないと判断)

事前の妨害活動

06:00〜18:00間の諜報活動

 

⒉会場(戦場)

範囲は自由

艦娘側の希望で、当日まで秘密

ただし、工廠付近と鎮守府の外に流れ弾が出ない場所

 

⒊参加者

今までこういった機会がなかったため、

・各部隊から選抜選抜されたメンバーで2チーム

・スネーク達の1チーム

の計3チームに対して

艦娘側は

・空母を中心とした艦隊

・戦艦を中心とする艦隊

・軽巡や駆逐艦による艦隊

の計3チーム

1チームあたり6人で編成し

合同でそれぞれ闘う

 

⒋ルール

制限時間は3時間

全員を無力化するか

時間内で残っているのが多い方が勝利

 

 

重要事項はそれぐらいだ。

俺らにはあまり影響が無い。

とにかく、これに全員が同意して

5人に説明すれば_____

「あの〜」

いきなり別の声が聞こえた。

その方向を見ると、1人の駆逐艦がいた。

「どうした、秋月?」

提督がその駆逐艦に聞く

「この歓迎会に1つ提案が……」

「それは、ルールについてか?」

「ハイ、そうです。あのですね_____」

それを聞き終わった後、

全員がその提案に賛成し、解散した後全員通常通りの任務に戻った。

俺達も第五小隊に訓練を行った。

その日の昼に内容はほとんど張り出され、

俺も5人に説明した。

 

 

 

 

さて、戦闘準備だ

 

 

 

 


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