鎮守府警備部外部顧問 スネーク   作:daaaper

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朝投稿したのは量が少ないので今日は二本立てです

……ナゼだ! 何故まだガッコウがあるんだ!!




報道

 

「………で、お前ら気が済んだのか」

 

「……事前に何か言えっ」

 

「エアー、文句があるなら今言えよ」

 

「……気は済みました」

 

「マーリンはどうだ」

 

「BOSSが言うなら!!」

 

「……そうか、フォレストはどうなんだ」

 

「すでに私はティムとは和解してますから」

 

「一応聞くが、ウェーバーはどうだ」

 

「俺は何の関係もありませんが……ドローンの実地試験だったと思えばいいんじゃないですか?」

 

「なら全員、文句はないな?」

 

『ハイ!』

 

提督を防衛省に届けた翌日、点呼が始まる前…………予想通り4人が俺を待っていた。

正しくはフォレストがグラウンドでティムを拘束し朝礼時間まで待ち、他の2人が俺らと一緒に来た

そんなことになるだろうと予想し、05:30に行ってみたがそれより前に決着は付いていた

 

ティム自身から身の安全を確保、事態の説明をフォレストを介してあの2人にしてもらう、

といった流れを考えたが、全くその通りに事は運んだ。

もっとも、俺が帰ってきていたという事と、思ったよりフォレストも容赦なく縛り上げてきた事は

ティムも予想外だったようだがな

 

事態はティムからの説明で収束した

本人いわく

「いや〜、午前中のうちで自衛隊のドローンが上手く改造できたんで……その…………実戦データが

欲しかったんで、艦娘の娘たちを驚かすついでにマーリンたちに動いてもらおうと思った」らしい

もっとも、駆逐艦の連中が喜びはしたものの他の艦娘は苦笑いだったらしい。

そりゃ 説教を受けていた側が説教した側に勝っていたら……なんとも言えない気分になるだろう

それに反省内容も内容だ……なおさら複雑だろう。

 

 

「……俺からは色々と話したい事はあったが今は後回しだ、まず艦娘のフォローはしたのか?」

 

「すでに秋月は元通りにはなりました……まあ少し残念がってましたけど」

 

「エアー、お前はやる事があるだろう?」

 

「……ええ、ですが—–」

 

「構わん、午前の訓練は俺とウェーバーだけでやる」

 

「BOSS!!わたしは!?」

 

「……お前もエアーと一緒に動かざるをえないだろう」

 

「? てか エアーは何がしたいのさ」

 

「……そう言えば言ってなかったわね、昨日巡洋艦の娘たちに山で奇襲かけたじゃない?」

 

「うん」

 

「で、あまりにもガラ警備だったでしょ?」

 

「うんうん……あっ昨日言ってたショットガン以外の“もう1つ”?」

 

「そういう事、手伝ってくれる?」

 

「もちろん!ティムにはいつか徹底的にやり返すとして!!」

 

「!?」

 

……それも当然だろう、忘れた頃にやり返すのが定石だ

 

「……ティムは1からドローンの開発—–いや、設計か?」

 

「……まあそうですね、今日1日工廠に籠らせてくれれば望み通りのドローンが完成します」

 

「……聞くが、無駄に俺らの技術は使ってないよな?」

 

「当然です、自衛隊が持っている機材と軽量化だけですよ」

 

「…………軽量化だけであんなに詰め込めるのか」

 

「? ウェーバー、なんか言ったか?」

 

「……いや大した事ない」

 

「フォレストは頼んだ事をしてくれ」

 

「了解」

 

「……そろそろ全員来る、点呼が終わったら全員用がある奴に声かけろよ」

 

『ハイ!』

 

言った途端放送が流れ始めた

……全く間がいい事だ

 

 

 

 

 

「___ 以上だ」

 

いつも通り

 

敬礼し

礼をし

解散した

 

もっとも、今日は俺らは解散と共に用がある連中に声をかけた。

エアーとマーリンは高雄姉妹全員と川内・球磨・多摩・木曾

俺は秋月に声をかけた

 

「秋月、ちょっといいか?」

 

「え? あ、スネークさん。どうかしました?」

 

「いやまぁ、昨日のことで謝りたい事はあるが、それではなく誘いだ」

 

「…………はい?」

 

「まあ訓練の誘いだ、だいぶ前に言っていた爆弾の迎撃訓練、提督に昨日確認を取った。

ウェーバーが今空母の連中に暇な奴がいるか確認している。

午後になったらその訓練をするんだが……お前は午後出られるか?」

 

「はぁ……まあ今週は遠征任務も任されない様なので訓練に出られますけど……」

 

「そうか」

 

「BOSS、確認とれました。一航戦・二航戦・五航戦・大鳳がやってくれるみたいです」

 

「せせ正規空母の皆さん全員ですか!?」

 

「軽空母の連中は?」

 

「どうやら遠征任務があるみたいです、3.4組でローテションを組んで回しているようで

昨日休んだために今日は無理だと」

 

「……妙に仕事量が多くないか?

提督の配慮で事件に関わった艦娘が休まされてるとはいえ、軽空母が働かされていないか?」

 

「……どうやら鳳翔さんが“逃げた罰”として忙しくしているみたいで」

 

「そうか……まあ提督からの許可は降りている、深海凄艦が襲撃して来なければ訓練を行う。

14:00に始める」

 

「りょ了解……です」

 

「大丈夫ですよ秋月さん、今回は反省とかじゃなくて射撃技術の話だから。

他にも対空戦闘に興味ある娘に声をかけてくれても良いから」

 

「わかりました……食堂で声をかけてみます」

 

「じゃ時間厳守で」

 

そう言って俺らは一旦集合した

秋月は食堂に向かった

 

「こっちは大丈夫でした、巡洋艦の娘たちも時間はある様なので今日1日みっちりやります」

 

「……怪我させるな」

 

『当然です!!』

 

「あと泣かすなよマーリン?」

 

「……はは、善処します」

 

『あなた(おまえ)は善処って言葉が似合わない』

 

「ちょっと!なんでウェーバーにまで文句言われなきゃいけないの!!」

 

「……そうだな」

 

もう面倒くさいのは誰もが思う所だろう、さっさと食事を済ませてやる事をやるか。

すでにティムは工廠に夕張と向かった。

 

「……フォレストは外出届を出しとけ」

 

「了解、明日ぐらいまでかかります」

 

「そうか、まあ連中に俺の事はよろしく伝えといてくれ」

 

「大丈夫ですよ、みんなよく働いてます」

 

いや、働いているのはよく知っている

……だが色々と心配なだけだ、マーリンを見ていると特にそう思う

 

「……よろしく言っといてくれ、なら各自やる事をやれ」

 

『了解』

 

ひとまず俺らは食堂に向かった

フォレストだけは中央庁舎に向かい手続きに行った、恐らく許可は降りるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ私の出番か………できれば私より、加賀やスネークが活躍した方がいいんだがなぁ……

まあ、誰も私の代わりは出来ない、やりたいとも思わないだろう。

大本営が動いてくれているだけありがたい かねぇ〜

…………ん?

 

コンコン

 

「お時間です」

 

「……そうか」

 

“お時間” か

言われて部屋を出て下の会場に向かう。

すでにマスコミが私達が登場するのを待っているだろう

……言いたい事だけ言って立ち去る政治家、言いたい事に情報を曲げていくマスコミの対応

一体どっち方が面倒なんだろうな?

 

政治家や国会の方はどうにかなりそうだ

何より議員が得られる情報では深く追求する事はまず出来ない、闇雲に憶測を並べれば自分の立場が

無くなりはしなくとも、選挙で“勝たせて”もらえなくなるだろう。

だが、全く関係の無い話にまで吹っ飛ぶ事が多い、予算の話にまで及ぶとわけがわからなくなる。

……まあ今回は大本営の金庫番も付いて行くらしい、問題は無いだろうな

代表質問に答えるのも島田さんだ、あの人は態度も問題無い。

 

一方で、マスコミは何を質問してくるか完全には予想できない

質問された事だけを答えれば良いだけだが、なにせ今回は面倒な案件だ。

艦娘が事件、よりによってテロに巻き込まれたという事

護衛の自衛官が存在し、5人全員が負傷し死者まで出した事

なぜ艦娘が外に居たのか

…………非難材料は腐るほど、栄養過多なぐらいにある。

それに初めて私は世間に出る、色々と聞きたい事があるだろう。

 

 

「マスコミ対応はいつになっても緊張しますね〜」

 

 

エレベーターに乗り合わせた自衛隊の広報官が声をかけてきた…………だが

 

「あなた、空自ですか?」

 

「ええ、今回は多少なりともコッチも関わってましたから……あなたは横須賀の方ですね!」

 

「はい、そうですが____ 」

 

「いつもお世話になっています」

 

「・・・え?」

 

突然何を言い出すんだ?

……昨日の訓練で確かにお世話にはなったが、それ以外で関係は……無かったハズだ。

 

「……失礼ですが、何かお礼を言われる様な事をした覚えはありませんが?」

 

「いえ、本来なら我々が出動すべき任務にあなた方が対処してくれている事に対する礼です」

 

「……それは私ではなく彼女たちが任務にあたっているからであって____ 」

 

「いいえ、貴方が居なければ“彼女たち”もまともに活動出来ていないでしょう?

その苦労はお察しします……私も似た様な経験は何度かあるんでね〜」

 

見た目からしてもうすぐ定年になりそうな広報官……米軍機の墜落や、自衛隊の対応についての説明を

この人は経験しているのだろう。

……確かに似た様な経験だ、彼女たちがまともに活動出来なくなる事も見抜いている

 

「……全くもって、こんな事で私が活躍などしたく無いのですがね」

 

「ええ本当です、マスコミに発表するなら勝利宣言の方が気持ちが良いでしょうね〜」

 

「……勝利宣言、というより縁起の良い事を発表したいものです」

 

「ふははは!縁起ですか!!確かに私達がそんなことを言える様になりたいですね〜」

 

「まったくです」

 

「……ですがココは踏ん張り所の1つ、ですよ?」

 

「ええ、お互い耐え抜きましょう」

 

「耐えますか〜」

 

扉が開いた途端、スキップしながら出て行った……不思議な人だ、定年に近い歳だと思うが

……………一体あの人は何の役回りなんだ?

 

そう思いながら右に曲がり会議室に入る

すでに記者会見に臨むもう2人は手前に座っていた

向かい側には陸上自衛隊の幕僚長と広報部長・課長がいた

今回記者会見に臨むのは陸上自衛隊の広報官2人と、私だ

 

「コレで全員ですよね?」

 

「ええ、最終確認を始めます」

 

「……そうは言っても、私は聞かれた事を答えるだけですが」

 

「それでも確認はさせてもらいます」

 

だが、そう言っても昨日スネークと話し合った内容とほとんど同じだ

基本的に何を話すのか、話してはいけないのか、どうなれば退くのか 等々

事前に知らされる作戦行動の注意事項とは内容が違うが、まあ似た様なものだ。

 

「では、11:00に記者会見です、よろしくお願いします」

 

起立、敬礼

そして向かい側の3人は出て行き、私達3人と資料作成・配布を担当する人間が出入りしていく

 

「あと13分ですか」

 

「わざわざ私達が会見する必要があるんでしょうか?」

 

「……すいませんね、彼女たちの事で巻き込んでしまって」

 

「いえいえ!むしろ警察の方が大変そうですし……」

 

『……ああ……』

 

昨日から例の事件への警察による対応は、自衛隊や大本営が処理しているモノよりは多いだろう

なにせ特殊部隊による最初の強行突入、それによる負傷者

そもそも犯行を未然に防げなかった事

犯人の身元・犯行動機・武器の流入元

事件捜査・マスコミ対応・参考人招致も受けている……あっちも厄介事を大量に抱え込んでいるだろう

捜査に関しては警視庁・警察庁・防衛局捜査一課、内閣調査室まで動いているらしい

 

「……向こうは結構厳しそうですからね」

 

「捜査、というか調査で挽回できるかどうかですね……コッチは下手すれば世界の危機ですけど」

 

「まったく、何で艦娘を責めるんだか……」

 

「確かに不可思議な存在ですし、見た目はかわいいですからね……変な噂もたちますよ」

 

「…………変な噂ですか」

 

「しかし国家機密でもありますしね、なかなか公開するわけにもいかないのもわかりますけど」

 

来年、自衛隊祭りでは無いが鎮守府祭の開催を計画はしているが、艦娘の技術がもし漏洩すれば

……確実に世界の軍事バランスは崩壊しかねない

もっとも、本人たちも理屈がわかっていない“全て妖精さんのせい”らしい。

技術開発研究所も苦戦している。

 

「……彼女たちのために他に役立てる事って無いんですかね……」

 

「あ〜……役立てる、というか後で相談はあります」

 

『?』

 

「とにかく今は踏ん張りましょうか」

 

「……ですね」

 

相談はある、もっとも彼ら2人が動かせる案件では無いが

……まあいい、まずは目の間の事態を対処するしかない

 

 

 


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