鎮守府警備部外部顧問 スネーク   作:daaaper

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歓迎会

 

時刻は18:30

無事に歓迎会を始められそうだ

もっとも加賀からの発言で始まった交流戦は

事前に考えていた事だったが、加賀から言ってくれた事でむしろ好都合だった。

……俺から言ったら殺されるだろうしな

それに秋月の

 

「負けた陣営……艦娘が負けたら艦娘が、

自衛官さん達が負けたら自衛官さん達が、

漁師さんのお手伝いに行ってお魚を分けてもらいましょう!」

 

は、食費を浮かす良い考えだ

この前、さんま漁で漁場場の安全確保の時に漁協とパイプが出来た

そこを使うとは、秋月もなかなか考えたと、未だに思う

 

 

……艦娘が負けるのはある程度わかっていたがここまで完敗するのか………

本当にあの時、自衛官を一個中隊だけ寄越してもらって正解だった

上や国会では、鎮守府の警護は艦娘たちでやるべきだと言われていた

 

 

だが、それは国内だから言える事だ

 

 

スネークの指摘通り、彼女達が陸上で作戦展開するのは難しい

それに、これからは泊地の建設も考えられている

それを実現・維持するには上の理解と自衛官達に自覚してもらわなければいけない

 

 

我々の敵は深海凄艦だけでは無いんだ、と

 

 

人類の敵は深海凄艦だ

だが、それを倒すのは我々では無く艦娘だ

そんな彼女達に対して当然ながら利用を考えている奴も少なく無い

暴動が起きて鎮守府が標的になったり、避難者が来てもおかしく無い

スネークと初めて会った時に聞いた、「ここを守れますか?」と。

答えは「不可能だ」った

彼は自衛官の油断を指摘したが、それは違う

 

誰も艦娘が弱い事を知らないだけだ

 

それは本人達も知らない、

確かに彼女達は強い

陸上でも鍛えている隊員並みに駆逐艦でも力はある

武力も展開できる

だが、彼女達の武力は確実に死者が出る

怪我をさせて制圧するという生易しいものでは無い

それに対処するための訓練をする時間は無い

 

だから彼に来てもらった、彼女達を守るために

 

今日をきっかけに、上では意識改革が始まるハズだ

何せ最強だと思っていた艦娘が負けたのだ

……外部顧問という存在があったが、それでも半分は自衛官達が倒した

仮に自衛官達だけでも、脱落者が何人か出るだけで艦娘が結局は負けただろう

そう説明した

 

だが、今からは歓迎会だ

楽しむ事にしよう

 

 

 

 

 

 

 

時間は18:30

あの後は飯を食べ、食べる場所のセッティングをした

女3人は調理の準備に回った

あいつら全員、三ツ星シェフのスキルがあるらしい

ガンスミスのやつは夕張と共に機材の調整をしに行った

俺と狙撃手・自衛官たちで机を並べる

場所はグラウンド

何せ講堂で食事をするには多い

9月だが夜中でも少し涼しく感じるぐらいでこの国は済むらしい

でなければ外で食べる事にはならないだろう

……何故、台があった場所にステージがあるのか謎だが

 

すでに全席満員

警備部担当の自衛官が200人

自衛隊から技術者や物資搬入の担当者などが50人

所属艦娘が51人

佐世保から来たのが2人

提督に俺らを合わせて7人

合計310人

机は10列あるから………1列31人か

小さめの学校だな

 

調理も外でやっている

どうやら自衛隊の基地でも祭りがあったらしい

そのため、鉄板や業務用のガスボンベがあった

そこで、部下3人と鳳翔・龍鳳や食堂の連中が仕事をしている

何故彼女2人が調理するのか聞くと

「私は、ほとんど出撃する事はないので

駆逐艦の子達の遠征のお弁当とか作ったり、夜は居酒屋もやってますしね」

「私は、もともと軽空母じゃなくて潜水母艦だったんで、

なぜだか家事全般が他の方達より得意なんです。

料理は鳳翔さんに負けますけど……」

 

と言いながら、2人とも手を休まず魚を捌いていた

その魚は食堂の連中と部下3人が調理する

料理は個人で取って運び、座って食べる

しかしその前に舞台で提督が話すらしい

 

 

「さて、今宵は歓迎会だ。全員、遠慮しないで食ってくれ、食費は今回は安いからな!」

 

『いただきまーーす!!』

 

……食べよう

 

 

 

 

 

 

「さ〜て、お食事中のところ……」

「那珂ちゃんと!」

「わたし青葉が!」

 

『インタビューしちゃいま〜す!!』

 

「…………お前ら、やるのはいいが嫌われるなよ?」

「多分手遅れだぜ、提督?」

「な!?摩耶、何言ってるんですか?嫌われるわけ無いでしょ」

「そうだよ!艦隊のアイドルである那珂ちゃんが〜、嫌われるわけ無いよ〜」

 

〔いや、めんどくさいから嫌われるんだよ……〕

〔おい摩耶!喋るな、バレる!!〕

〔いや、だって事実だろ……〕

〔そうだとしても、言ったら当分落ち込むぞ、お前それを面倒見れんのか?〕

〔は!?んなの無理だ!〕

〔だったら………耐えろ……〕

 

「あの〜2人とも何をしゃべってるんですか?」

「ん?いや………スネークッテツヨイヨナーッテ」

「アア、ツヨカッタナーテ」

「そうそう!本当に強かったよ〜」

「おい那珂!あんた山頂を守るために踊ってたのに、転んだとこやられたんでしょうが!!」

「……何のことかなー」

「おい!無視するんじゃ____」

「姉さん、落ち着いて……」

 

 

「……じゃあ、まずこっちの話を聞きましょうかね〜」

「ん、俺らですか?」

「構いませんよ〜」

「……女部下3人は今調理で忙しいくていないが、いいのか?」

「ええ!問題ありません、後でも話は聞けますから!!」

「それで、あっちが落ち着くまで何を聞くんだ?」

「そうですね・・・皆さんの過去の話とか____」

「却下だ、俺らは傭兵だ。話せる事は無い」

「…それじゃあ、いつ気づいたんですか、私たちの弱点って」

「それは、直線上にしか撃てないことか?」

「え……ええ」

「アレは輸送中の事だ、敵の航空機に襲われたんだが____」

「……スネークさんって襲われてたんですか!?」

「ああ、そうだ。深海凄艦も見たぞ」

「……それで、なぜわかったんですか?」

「航空機を相手に水面に平行に撃っていたからだ、

それより下の角度に狙いを定めたことが無かったからだ」

「え?それって普通なんじゃ無いんですか、BOSS?」

「主砲は分かるが、機銃まで並行に向くか普通?」

「しかし、それでも確証は得られませんよね?」

「まあアレだけ射撃練習の風景みれば理解できるだろう」

「……はあ……」

 

実際、この時青葉は何も理解していない

何となく頷いただけだ

 

「で、他になんかあるか?」

「……じゃあさっき言われた弱点って空母にはほとんど影響無いと思うんですよ

立ち回りさえわかれば勝てるんじゃ無いですか?」

「ああ、それは無いですね」

「それはティムさん、なぜですか?」

「……いや、夕張さんに艦載機のカタログスペックを教えてもらったんですけどね、

明らかに速度・旋回性ともにそのスペックより落ちてたんですよ」

「それってつまり____」

「やっぱり、艦娘が1番性能を発揮するのは海上だけ、って事なんだろうね」

「じゃあ、私たちが陸上であなた達に勝つのは____」

「俺たちっていうか、訓練された人間に勝つのは結構難しいかなぁ」

「そうなんですね〜」

「ていうか、性能が落ちるのは知ってるんじゃ無いんですか?」

「まあそうなんですけどね、どの位落ちるのかは実感したこと無いんで」

「そりゃあそうだ、実感したことがあったら俺らに加賀が

交流戦を仕掛けたりしないだろう」

「え!?加賀さんが交流戦をやろうって言い出したんですか!」

「そうだが……どうした?」

〔これはいいネタになります……ふふ〕

「……俺からも1つだけいいか?」

「ええ!もちろん!!何でしょう?」

「全国にある鎮守府ってどうゆう配置や役回りになってるんだ?

お前は……佐世保だったか?」

 

「そんなことですか?

まあ、構いませんよ

 

まずここ横須賀鎮守府、

空母部隊が中心の艦隊です

それなんで、ほとんどの正規空母はここに属しています

 

次に私たちがいる佐世保鎮守府

佐世保は水上打撃部隊を管理している鎮守府です

主力は戦艦で、1番燃費が悪い鎮守府でも有名ですね

横須賀の艦隊と連合艦隊を組んだりもします

 

後は舞鶴鎮守府

ここは軽巡・駆逐艦中心で輸送作戦や護衛任務を担っている鎮守府です

艦娘の大量の物資を確保・輸送の中枢です

あと、潜水艦を用いいた特殊作戦を担ってますね〜

……提督がロリコンってウワサですけど

 

それと鎮守府ではないですけど、呉にもあります

あそこには、いわゆる訓練センターみたいなのがあって

新たな艦娘や改造した艦娘は、一旦そこで訓練してから各鎮守府に派遣されたり戻ったりします

 

そんな感じです

わかっていただけました?」

 

「……そうか、ありがとな」

「いえいえ、構いませんよ〜それじゃまた〜」

「……取りに行くか」

「そうですね、ちょうど混雑も解消されてますし」

 

 

「さ〜て、那珂ちゃん終わったか〜い!」

「うん!姉さん結構頭にきやすいから神通が撫でめてくれたよ〜」

「……神通さんが1番大変そうですけど」

「じゃあ隊員さん達に聞きに行きましょう!」

「……そうだね、新聞の記事になるし!」

 

 

 

このあと、那珂ちゃん人気になった

 

 

 

 

 

「あの、聞いても宜しいですか?」

「ん?ああ、構わないが」

 

青葉から解放されたあと、丁度女3人が席に着いた

混雑も解消され、休憩がてら食べに来た

次は食器との戦いだろう

それと同時に先ほど戦った艦娘3人から声をかけられた

川内・神通・秋月、全員軽巡だったはずだ

 

「何かありました?」

「いえ、あの倒れちゃう前の事なんですけど

お二人が赤城さん達の急降下爆撃を防いでたような、落としていたような……」

「ああ、こっちの2人のことね〜」

 

それをやっていたのは女部下3人のうち、いつも静かな2人だ

もっとも、ここにいる5人全員が出来ることだろうが

 

「けど、それ聞いてどうすんの?」

「この娘、防空駆逐艦ていう艦種で

私たちみたいに、近づいて敵をやっつけるじゃなくて、守るのが仕事なの」

「それで、参考にしたいらしいんですけど……」

「聞こうと思ったら夕張がやらかしたからね〜、怖じ気ついちゃって聞けなかったんだって」

「そういうわけなんですが………」

『______________』

 

全員が秋月の方を見る

……理由は分かるが、そこまで関心を持ってどうする……

まあ、女3人が特に関心があるらしい

 

「あの、秋月さん、でしたっけ?」

「はい、……そうですけど」

「防空、駆逐艦って言いましたよね?」

「え?はい、そうですけ____」

「嘘だ!!絶ったいに嘘だ!!軽巡洋艦じゃないの!?」

「ふぇ!?あ、え……駆逐艦ですけど」

「負けた…………」

 

……こんな事で落ち込まれたら困る

まあ確かに駆逐艦と言われてもわからん

 

「……ごめんね、この3人意外と女子で体型をね……気にしてるんだ」

「そういうわけだ、気にするな」

「まあ、確かに駆逐艦には思えませんよね、身長的に」

 

ガンスミスの言う通り、身長はこの国の平均身長

……かどうかは知らないが、少なからず駆逐艦の艦娘より明らかに大きい

成長仕切った感じがある

 

『……………………』

「……お前ら2人、質問に答えなくて良いのか?」

「そうですね」

「……えっと、私たちが急降下爆撃にどう対処したかを知りたいんですよね」

「そうです……あんまり記憶はないんですけど」

「そりゃあそうですよ、BOSSにすぐ眠らされたんですもの」

 

2人はどうにか元に戻った

……あと1人のうるさいのは2人がなだめるだろう

一応、暴れさせないようには言っておいた

 

「それで、アレは艦載機を狙ってスネークさんが加賀さんに近ずく道を開いたんですか?」

「道を開いたのは確かです、けれど艦載機を狙ってはいません」

「うん、そうね、違うわ」

「……そう言えば、私も少しだけみたけどなんか____爆弾の方?」

「そういう事です、急降下爆撃は確かに命中率が高い。

けれど、今回は爆風の影響はゼロですからね。」

「BOSSの頭に当たるやつだけを狙ってただけよ?」

 

艦娘がスマートボムを扱えたらそんな事は出来ないが

無誘導弾なら十分影響を無いものに出来る

 

「じゃあ、仮に爆風の影響があるなら____」

「そんなの、投下する前に撃って爆発させれば良いだろ?」

「…………」

「ウェーバー?何言ってるの、それが出来るのは簡単じゃ無いのよ?」

「だが、訓練すれば出来る。俺らだって最初からこんな腕は無いよ」

「……生まれ持った才能にもよるが、ある程度のところまでは行ける

お前は、防空駆逐艦で今もそうなんだろ?」

「はい、そう…ですけど……」

「ならできるかもな。俺が教えてやっても良い」

「ハイ!お願いします!!」

「……まあ、提督と相談してからだな」

 

ウェーバーも話に入ってきたならどうやら、あいつも元に戻ったらしい

実際、よく食べている

……心は女子だったな

 

「あのね、私たちからも良い?」

「……何だ?」

「長門から聞いたんだけど、あんた達後ろから出てきたんだって?

1時間半の間に移動したの?」

「ん?……ああ、アレね」

「____アレね」

 

極めて怪しくなる5人、

まあ、無理も無い

まさかの事態だった

 

「私たちは工廠から、あなた達は事務棟から行動開始したんでしょ?

けど、山は私たちが居たし鎮守府の方は長門達と偵察機が居たし……」

「それに大鳳さんがやられた後、すぐに私たちや長門さん達の部隊に仕掛けて来ました

なぜ場所を悟られる事なく、けれどこちらの場所は分かったのですか?」

「____誰が開始場所を決めていた?」

 

 

『……あ!?』

 

 

まあ、そうなるよな

 

俺らは工廠から始めた……始めようとした

だが、彼女達がやってきた

……後はダンボールを被って待機していただけだ

 

「つまり、それって____」

「それって作戦や活動場所がバレてたって事なんですか!?」

「そうだ」

 

「……そりゃあバレるよね!?」

「セコイです!」

「え!?川内さん、神通さん!?どこに行くんですかー!」

 

 

 

 

こうして彼女達2人は焼け酒に入ったらしい

……後始末はしてやった


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