4月○○日
今日からまた騒がしい1週間が始まった。
私たちの学園に活気があるのはいいことなのだがやはり部活勧誘でこのばか騒ぎは行き過ぎだと思う。
問題の対処をするこっちの身にもなってほしい。
まぁ起こる問題は基本的に風紀委員と部活連、あとこういう時に使え……頼りになるはんぞーくんがいるから私は事情を聴くだけなのだけど…
そんなことよりも比企谷君だ。
大した問題もなく暇になってうろついていると何か考え事をしている彼を見つけ、話しかけたのだが反応がなく、今度は急に話しかけてきて、そのままどこかに行ってしまった。
問題なのは私が話しかけたのに気付かなかった、のではなく(おそらくなのだが)気づいて無視していたという点だ。
殿方に無視されるのは初めての体験であったがこんな初めては体験したくはなかった。
………私彼に嫌われること何かしたのかしら?
自分に問いかけてみましたがやはり答えはわかりませんでした…
「うーん…」
今日の日記を書いていたのだが、ここで筆が止まってしまった。
少し考えてみたくなったのだ。
どうして彼が今日わたしを無視したのかを…
「今までにあった彼との出来事を思い出してみましょう…」
まず入学式の日
お昼休み中にうろうろしてた彼を見つけ忠告をするために生徒会室に呼ぶ。
その時入学式に私がしたスピーチの内容を…そもそも私を覚えていないことが判明。
あーちゃんのキャラ崩壊
若干引いてる比企谷君…
サイオン量が多いため狙われたりしないように注意したところ目に見えてめんどくさそうな顔もしていたわね…
その日の夜のことは全く持って記憶にない。
無いったら無い。
日記には一言「Mじゃあない」と書かれていた、なんて事実は存在しないのだから。
しばらくたって一年の一科生と二科生が校門で対立をしていて問題になった時も特に彼に嫌われるようなことはしてないと思うけど…
じゃあ最近の生徒会&風紀委員勧誘の時かしら?
「あの時は確かはんぞーくんと司波君、比企谷君の3人で戦ったのよね…」
結局比企谷君は用事があったのか、かなり急いだ様子で走って行ってしまったけど…
あ、そう言えば途中で逃げたのだから言っていたペナルティーを考えなきゃ。
放課後は残れないみたいなことを言ってたから朝、または昼に生徒会の手助けをさせるのがいいかしら?
でもそれだと単純でつまらないし、彼の魔法について一度徹底的に研究させてもらうっていうのもありね。
っと、考えが逸れてしまっているわ、
今は何で比企谷君が私を無視したのかをかんが…かんが、え・・え…?
「もしかして、これ…?」
ここで私は気が付いた、気が付いてしまった。
もしかして比企谷君はあの時言ったペナルティーが恐ろしくて私と会話をしないことでその内容を聞かないようにふるまっていたのかしら…
彼は私がどんな命令をすると考えているのだろうか…?
強大な権力を持った生徒会長。
目の前で(一方的なものではあるが)約束破り。
お互いの性格を知るほど付き合ってもいない。
…あれ、もしかして本格的に正解なのではないかと思えてきた。
もしそうならば今日の比企谷君はずっとおびえていて、私が無視をされても話しかけ続けた時にこれ以上無視するのはまずいと思い急に部活動の話を振って逃げたということ…?
だとしたら今もおびえているのかもしれないわね…
「私ったら、なんてことを…」
顔面が青くなっているのを実感する。
よく考えたら個人的なことに生徒会の名を使ってペナルティーを課すなんて思いっきり権力の乱用ではないか…
とりあえず彼に真偽を確かめるため携帯を開く。
だけど私は重要なことを忘れていたのだ。
「彼の連絡先…」
そう、連絡先の交換など一切していなかった。
時刻は深夜1時となっており彼の連絡先を知っているあーちゃんは2時間ほど前に寝ているだろう。
私はどうしようもない絶望感のまま書き途中の日記に頭を乗せてうなだれるのであった…。
ホント、どうしましょう…
「お兄様、今日は大手柄だったそうじゃあないですか!」
いつもは一緒に帰っているのだが、部活勧誘期間中はさすがに生徒会と風紀委員で帰る時間が違う。
家に着くと挨拶もそこそこ深雪がそんなことを言ってきた。
「いや、ただ職務を全うしただけだよ。それよりも深雪だって生徒会の仕事で疲れたんじゃないかい?」
「いえ、私はまだ新米ということで会長と一緒に回ってましたから、そんなに大変ではありません。…そうそう、会長といえば」
思い出したかのように少し気まずそうな顔をする深雪。
何か心配事でもあるのだろうか…
「見回りをしているときにですね、比企谷君を見つけたのですが、なんと比企谷君は七草会長を…その…シカト…というか無視というか…を」
「なんだ、そんなことか…」
「そんなことなんてひどいですよ、お兄様。七草会長は彼が去ってから5秒くらいフリーズしていたのですから!」
まるで自分の魔法が暴発したのではないかと不安になったといったように焦った顔をする深雪。
「いいかい深雪、比企谷八幡はめんどくさいことからとことん逃げる傾向にあるんだ。学校の休み時間は寝て、行事は基本風邪をひき、休日は家から出ない。そう言うやつだ」
「あ…あの、なんでお兄様がそんなことを…は!?まさかお兄様、ダメですよそんなの!!」
「何を想像してるかわからないし、わかりたくもないけどそれはない。こないだ調べた時にいろいろ出てきてね」
通信簿のデータとか学校の裏掲示板とか…とは言えないが…
「まぁだから、魔法科高校の生徒会長、それも十師族の娘に積極的にかかわろうともしないんだよ、ただでさえいろいろ面倒事が多い部活勧誘期間なんだから」
「そうですか、まぁそれならよかったです?」
「疑問形なのは気になるけど、気にしないのが一番だ」
自分が比企谷を面倒事に巻き込んだのはやっぱり深雪に後ろめたいのか、そのことに全く触れずにその会話を終わらせたのだった。
「…………………………」
「ちょ!お兄ちゃん!!帰ってきて無言で3回も小町のチャーミングな頭を叩くなんて何事!?ディーブイディーだ!これ保険の授業でやった!ディーブイディーだ!」
「ふぅよかった・・・」
「何がよかったの!お兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」
「いや、そもそもお前に育てられた覚えないし…いやなに、頭をチョップしてもこれ以上馬鹿になることはないんだと再確認できたからな」
「それってどういう意味!」
うがーといい両手を上にあげる我が妹。
「お前今日のメールの件忘れてただろ…」
「あ…」
「そもそも俺を勝手に貸す約束してそれを忘れるって…お兄ちゃん本気で小町の将来が心配だぞ?」
「うわぁ~ここで自分が物扱いされて怒るんじゃあなくて、小町の心配って…小町的にポイント高いけど…ちょっと引くね」
「おい!引いちゃうのかよ!そこはポイント高いまででいいだろ…」
「まぁその件に関してはごめんなさい」
こういうところでしっかりと謝るのだから怒るに怒れずに困る。
まぁ本気で怒っていたわけではないからいいが…
「………今回だけだからな」
「ありがとうお兄ちゃん!愛してる~」
「はいはい、俺も世界一好きだよ~」
「わーなげやり…」
そりゃ本気で言ったらアウトだからな。
まぁ俺が好感情持っている人間なんてほとんどいない。
そう言う意味では相対的に全く持って嘘なんてついてはいないのだが。
「じゃあさお詫びに今日の放課後何があったのか聞いてあげるよ!」
「いや、それお前が聞きたいだけだろ…」
「まぁいいじゃん!話して~」
「はぁしゃーねーな」
俺たち兄妹の会話は親が帰ってきて早く寝ろ!と怒られるまで続いていった。
親父、息子に嫉妬に狂ったような目を向けるなよ…
テストあってちょっとお休みしてました~
逃げてないよ!
もし…あれ?これ逃げたんじゃね?とか思ったらメッセージやらで確認取ってください。
テスト期間中でなければ1日1回はマイページ確認してますのでw