遊戯王GX レイヴンズ-鳥使い共   作:トランス・D

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もう忘れられてる気がするけどこっそり更新。


Next8羽 「似てる二人」はなんとやら

あの頃の事は、もう朧気にしか覚えていない。

…いや、思い出すのを拒んでいるだけだ。

それだけ僕は、自分の弱さが嫌いだった。

 

幼い頃から病弱だった僕は、ろくに学校にもいけず家に引きこもりがちで、外で友人と遊んだ…なんてこともなかった。

毎日毎日、自室のベッドから見える公園で、無邪気に遊ぶ…

 

 

 

「ククク…お前一人でこの俺に勝てると思ったか、シュンコォ!!」

 

「くぅ…このあたしが、負けるなんて…」

 

「俺は慈悲深いからな、もう一度チャンスをやろう…モモと二人がかりでかかってきな!」

 

 

無邪気…

 

 

「そんなっ、バケモノ()なあなた方の戦場にこんなか弱い女子を放り投げる気ですか、トーヤ先輩!!」

 

「だれがバケモノじゃこらー!よーし、モモあんた前衛な。激しく動かないでいいから、ちょーっと危ういコースをボレー的な感じで返すだけでいいから」

 

「し、シュンちゃん…審判がいなくなりますよ!」

 

「あたしが負けてジュース奢らされてもいいっての!?モモの馬鹿っ!!今月あと300円なのにっ」

 

「ええ…」

 

「俺達の闘い(バドミントン)に審判なぞ不要!いくぞっ、シュン!モモォ!!」

 

「「デュエルッッ!!」」

 

 

「なんで掛け声それなんですか!?これただのバドミントンですよねぇ…」

 

 

 

無邪気…?に遊ぶ、ひとつ上の姉の姿を追いかけていた。

勝ち気で、活発で、風邪すら滅多にひかない。何もかも僕とは正反対の彼女を、怨めしくも感じていた。姉も薄々それを感づいていたのか、僕とはなるべく関わらないように過ごしていた。

 

ある日、姉が変わったものを買ってきた。

 

 

「遊戯王デュエルモンスターズ、ストラクチャーデッキ-烈風の覇者-…なんだこれ」

 

「あっ、すー君起きてる。どうかしたの?」

 

 

因みに、すー君とは僕の事だ。

 

 

「…姉さんこそ、これってカードゲームだろ?こんなもの買ってきてどうしたんだ」

 

「トーヤの奴がね~、昔やってたから皆でやってみないかって…うわ、なんかキモイの出た。《アルティメット・インセクトLV5》?よし、トーヤに押し付けよう…」

 

 

他にも適当にカードパックを買ったらしく、それを開封しながら楽しそうに語る。

トーヤ…トーヤトーヤと、いつもあんたはそいつの話ばかりだ。僕には構わないくせに…

 

 

「うーん、適当に買ったからなぁ…あっ、目玉っぽいのが出た!《ネフティスの鳳凰神》だって、不死鳥よ不死鳥!カッコよくない?!」

 

「う、うん…」

 

 

不死鳥って、僕に対する当て付けか何かか?昔少し学校に行けてた頃、名前をネタにいじめられていた事を知ってるくせに…

 

 

「これが欲しかったのよね~…はいこれ、すー君にあげる」

 

「はぁっ?これが欲しかったんじゃないの、「隼子姉さん」」

 

「だって、これならあんたも遊べるかなって…一緒にデュエル初めましょ?「朱雀」」

 

 

それから、僕の見る景色が少しずつ変わっていった。

姉の名前は松田隼子、僕の名前は…松田朱雀。通称「すー君」だ。

 

 

 

 

 

 

前回のあらすじ

 

 

 

えっ?

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…本当に姉さん?本気で本物の隼子姉さん??」

 

「なによ、信じられない訳?」

 

「だ、だって姉さんは…」

 

 

エド君は信じられないでいた、当然だ。彼はジュンコ君より遥か前に死んでいた(・・・・・・・・・)のだから。

自分が今生きる世界に、彼女がいるとは思いもしなかったはだろう。

 

 

「あら、だったらあたしでしかしりえない情報を…ここにあげましょうか?」

 

「えっ?」

 

「あんたが実は9歳までおね○ょしてたとか!!」

 

「ぐはっ!」

 

「初恋の人は幼稚園の先生だったとか!!」

 

「うぐっ!?」

 

「しまいにゃ夜寝る時は、熊のぬいぐるみを抱いていた。とかよ!!」

 

「ぐわあああああっ!!?」

 

 

エドLP3200→0

 

 

「どうよ…なんならまだまだネタがあるわよぉ?例えばある夏の夜…」

 

『も、モウヤメテ御姉様!とっくにマスターのライフは0ヨ!もう勝負はついたのヨ!!』

 

「ああん?なにアンタこのコのお付き(精霊)?筋肉ムキムキマッチョメンで翼が生えてるオネェとか…うちのホーク・ジョーとキャラ被ってんのよ出直してきなさい!!」

 

 

『ガーン…』

 

 

「くっ…この容赦の無さ、間違いなく姉さんだ…だが、弱みを握っているのが自分だけだと思うなよ!?」

 

「ッッ!?」

 

「中学入るまでは短髪過ぎて男子と見分けがつかなかったとか!」

 

「むっ」

 

「の、わりにはぬいぐるみをたくさん持っていて、それ全てに名前をつけてたとか!」

 

「ぐううっ…」

 

「普段口喧嘩ばっかりしてた割に…ケータイの待ち受けがトーヤ兄ィ(あの馬鹿)だったとか!!」

 

「ぎゃああああっ!それ1番の黒歴史ィィィ!!」

 

 

ジュンコLP2200→0

 

 

『じ、ジュンコ殿ォォォ!!?おのれ、我が主に根も葉もない罵詈雑言(!?)を浴びせおって…貴様ぁ、ただではすまさんぞ!!』

 

「五月蝿いぞ似非侍!お前さっきタクシーにされてた奴だろう…乗り物パシリがいちいち指図するな、唐○げにするぞ!!」

 

『ガーン…ノリモノパシリ…』

 

 

 

 

 

《クルック~》

 

 

 

 

「ぜぇ、ぜぇ…このままじゃ埒が明かないわね…」

 

「はぁ、はぁ…そうだな、互いに精神をけずるだけでデメリットしかない…」

 

「やはりここは、」

 

「あの頃のように」

 

 

「「デュエルで語るしかない!!」」

 

やぁ皆久しぶり!ナレーターBだよ!今回は僕が地の文を担当するね!

こいつら、何を言ってやがる…と、読者の皆さんは思うだろう。だがこの(元・松田)姉弟にはデュエルが一番丁度良い決着の付け方だった。

リアルファイトでは病弱虚弱弟と凶悪鬼畜姉では話にならないし…かといって頭脳戦では、脳ミソ鳥頭のジュンコ君は手も足も出なかった。

つまり…運とプレイング、ついでに愛と根性その他もろもろが絡むデュエルこそ、彼らにとっては一番平等なきょーだいげんか。だったのだ!

…まぁ、実は弟君の方が大分強かったのだが。

 

「だれが鳥頭だこらー!てめっ、ナレーターBって…正体バレバレじゃねーかどこにいんのよさっさと出てこいぶっ飛ばす!!」

 

「病弱虚弱はいくらなんでも言い過ぎだろう!人の傷口に塩どころかタバスコ塗りにきてるぞこのナレーション!!」

 

 

はっはっはっ。僕はあくまでナレーション、ただの地の文であって君たちは何事もなかったかのように話を進めなくてはならない!さぁ、周りには誰もいないのだから思う存分語り合うがいいさ!!

 

 

「めんどくせっ!このナレーション滅茶苦茶めんどくせっ!!」

 

「仕方ない、いちいち突っ込んでいたらそれだけで1羽使ってしまいそうだしな…そんなわけで、僕のターンから再開だ!」

 

 

 

あ、茶番フェイズ長かったので一応…フィールドの状況を改めて表記しておくよ!

 

「自由かっ!」

 

 

 

ジュンコ H1 LP2200

《玄翼竜ブラック・フェザー》(攻3200)

《BF-精鋭のゼピュロス》(攻1600)

セットカード

 

 

エド H1 L3200

《D-HERO ディストピアガイ》(攻2800)

《ネフティスの鳳凰神》(攻2400)

+《リビングデッドの呼び声》(永続)

 

 

 

「僕のターン…ドロー!メインフェイズに前のターン、ダイヤモンドガイのエフェクトでセメタリーに送った《終わりの始まり》のエフェクトのみを発動!デッキから3枚ドローできる!!」

 

 

インチキドローも大概にしやがれ!って言いたくなるね…それより、エフェクトとかセメタリーとか言いにくくないのかな?むしろ恥ずかしくない?

 

 

「ずっとこうやってデュエルしてきたから仕方ないだろう!いちいち揚げ足をとるな本っ当に面倒くさいなっ!!」

 

「ああ、気にしないようにしてきたのに、あたしも気になってきた…」

 

「ほらーっ!本編に影響が出てるじゃないか普通に地の文に徹してくれ!!」

 

 

はいはーい、エド君がダイヤモンドガイのエフェクトで3枚ドローしましたー…

 

 

「雑っ!?」

 

「急に雑になりすぎだろーがもうやだこのナレーションBAKA!」

 

 

 

『ああ、マスター…すっごくイキイキしてる。わたし嬉しいワ…』

 

『あれが、楽しそうなのか!?』

 

 

「あーもう…一気に行くぞ!ディアボリックガイのエフェクト発動!自身を除外し、最後のディアボリックガイを特殊召喚する!カモン、ディアボリックガイ!!」

 

 

《D-HEROディアボリックガイ》☆6 DEF800

 

 

「そして手札からっ!2枚目の《融合》発動!ディアボリックガイと手札のダッシュガイを融合!カモン!死の闇を誘いしHERO…《D-HERO デットリーガイ》!!」

 

 

『ヌゥゥン…』

 

 

《D-HERO デットリーガイ》☆6 ATK2000

 

 

「うっわ、ナチュラルに融合2体揃えてきたし…」

 

 

ディストピアガイとデットリーガイ、この2体の融合「D-HERO」の効果を合わせて攻めるのが、今の彼の基本戦術のようだね。

下級の攻撃力が不足しているから、手っ取り早く融合してガンガン行こうぜスタイルになったのかな?なるほどなるほど…

 

 

「デットリーガイ、エフェクト発動!手札1枚を捨て、セメタリーの「D-HERO」達の数×200ポイント、フィールドの「D-HERO」達の攻撃力をアップさせる、〈デットリー・チャージ〉!!」

 

 

《D-HERO デットリーガイ》 ATK2000→2600

 

《D-HERO ディストピアガイ》ATK2800→3400

 

 

「そしてディストピアガイのエフェクト発動!変化した攻撃力を元々の数値に戻し、フィールド上のカード1枚を破壊する、対象は玄翼竜だ!〈ノーブルジャスティス〉!!」

 

 

万能吸引機、もといディストピアガイの能力でブラック・フェザーを掃除にかかるが…

 

 

「させないし!リバース罠カード《迷い風》発動!特殊召喚モンスターであるディストピアガイの攻撃力を半分にして、効果を無効にするわ!!」

 

 

《D-HERO ディストピアガイ》ATK3400→1700

 

 

「《収縮》の上位版、しかも永続だと!?これはきついな…」

 

「ふふん、これじゃ玄翼竜は突破口できないでしょ。大人しくターンエンドしてもいいのよ?」

 

「それはお断りだ。フィールド魔法《ダーク・シティ》発動!」

 

「嘘っ!?」

 

 

マイナーなカードだろうから端的に説明しよう、スカイスクレーパーの「D-HERO」版である。しかし原作版スクレーパーと違い、こちらは原作でも攻撃した時のみの上昇となっているぞ。

 

 

「バトルフェイズ!デットリーガイで玄翼竜ブラック・フェザーを攻撃!〈デットリー・インパルス〉!!」

 

《D-HEROデットリーガイ》ATK2600→3600

 

ジュンコLP2200→1800

 

「くっ、まさかの正面突破してくるなんて…けど玄翼竜の効果は自身が破壊される時も適用されるわ!デッキの上から5枚を墓地へ送る!」

 

 

「構わない!ディストピアガイで精鋭のゼピュロスを攻撃!〈ディストピア・ブローッ〉!!」

 

 

「きゃああっ!?」

 

 

ジュンコLP1800→1700

 

 

「これでフィニッシュだ!ネフティスの鳳凰神でダイレクト…」

 

「フィニッシュだ!…じゃないわ!!墓地の《HC-サウザンド・ブレード》効果発動!戦闘ダメージを受けた時、墓地から攻撃表示で特殊召喚!!」

 

 

《HC-サウザンド・ブレード》☆4 ATK1300

 

 

「むっ…そんなモンスターを入れていたのか。他にも墓地から発動するカードは多そうだな…ネフティスでサウザンド・ブレードにアタック!〈フェニックス・プロミネンス〉!!」

 

「それたしか大徳寺先生がっ…てきゃああっ!!」

 

 

ジュンコLP1700→600

 

 

「メインフェイズ2に移行、

魔法カード《マジック・プランター》発動!リビングデッドを破棄し、2枚ドロー!!…リビングデッドの対象だったネフティスは破壊される…すまないな、ネフティス」

 

『キュオオゥ…』

 

 

「なんか、想像以上に大切にしてくれちゃってるけど…あんた、そんなにあたしの事好きだったの?」

 

「なっ、違っ…これは前世からの縁の品として大切にしてただけであってだなっっ!!」

 

「本当に~?」

 

『えっ、マスター毎日磨いたりするくらい大事にしてたわよネェ』

 

「余計な、事を、言うなっ!!」

 

『フベラッ!?顔面ストレートッッ!?』

 

 

余談だがエド君に吹っ飛ばされた駄天使を見てライキリは思った。『あ、こいつ自分と同じポジションだな』と…

 

 

「それを言うなら姉さんだってさっき…僕にいきなり抱き付いてきたじゃないか!」

 

「そらー…もう会えないと思ってたあんたに再開できたんだから…嬉しかったに決まってんでしょお姉ちゃんなめんなっ!!」

 

『逆ギレ!?』

 

『ジュンコ殿がおかしな方向にっ!!』

 

 

「あーもう…魔法カード《大欲な壺》発動!除外されてるカード3枚、ディアボリックガイ2枚とディヴァインガイをデッキに戻し、1枚ドローする!そして手札の《D-HERO ダーク・エンジェル》のエフェクト発動!この駄天使を捨て、なんだかんだで相手フィールドに特殊召喚する。逝ってこい駄天使!!」

 

『この扱いが、くせになるゥ!』

 

 

《D-HERO ダーク・エンジェル》☆1 ATK0

 

 

「げっー!こっちきたし…」

 

「フフフ、僕からのプレゼントさ。ただしそいつがフィールドにいる限り、コントローラーが発動した魔法エフェクトは無効とされ破壊されるけどね」

 

「いっらねーっ!?さっさと向こう帰りなさいよマゾ駄天使ッッ!!」

 

『ああんっ!きょうだい揃って責めがキツくてイイわぁ…』

 

「本気で何こいつキモッッ!?」

 

 

またライキリは思った。うん、こいつと同じ扱いだけは嫌だ。

 

 

「ハッハッハ、激しく同意だよ…カードを1枚セットする、エンドフェイズにデットリーガイのエフェクトは終了、これで僕はターンエンドだ。さ、せいぜい足掻いてみてくれ、ねーさん」

 

 

エド H0 LP3200

《ダーク・シティ》(F)

《D-HERO ディストピアガイ》(攻1700)

《D-HERO デットリーガイ》(攻2600→2000)

セットカード

 

 

 

「ああ、そういえば…僕が勝ったら貴女にできる事でなんでもやってくれるんだっけ?」

 

「うっわ、変なタイミングで変な事思い出してきやがった…何かご希望でも?」

 

 

あ、一応読者の皆に言っとくけどうちR-15だからね。

ちょっとエッチな展開を期待した人はハリセンが飛んで来るから気をつけろ!…まぁ、色気皆無なジュンコ君に限ってそれはないか。

 

 

「誰が色気皆無じゃほっとけーっ!聞こえてんのよナレーターB!おまっ、帰ってきたら覚えてなさいよ!!」

 

「…よし、じゃあ姉さんには僕のマネージャーでもやってもらおうかな、1ヶ月くらい」

 

「なんでよ!あんた確かマネージャーいたろ有名な奴!!」

 

 

因みにこれは、皆大好き斎王琢磨君の事である。まぁ読者の皆さんはだいたいわかるよね?

 

 

「いや、ねぇ…彼、占いばっかりで、マネージャーらしい業務ほとんどやらないし…ぶっちゃけ姉さんも、プロの世界を間近で見れていい勉強になるんじゃないか?」

 

「えぇ…これまた公欠取れそうな内容なのが辛い…あたし帰ってきたばかりなのに…」

 

 

クロノス臨時↑ィ校長なら喜んで送り出しそうな内容である…エド君へのご機嫌とりも兼ねて。

 

 

 

『マスターぶっちゃけ、せっかく会えた御姉様と別れたくないだけなんj…

「ふんっ!!」

ぎゃあああっ!?目がっ、目がぁあああっ!!』

 

 

エド君は駄天使の本体(カード)を、奴の顔面に向かい放った!ものすごく痛そうだ!!

 

 

「ふん…いいわよ、乗ってあげる。けどねぇ…ライフ600にして魔法封じた程度で、勝ったと思ったら大間違いよ!あたしのっターン!!」

 

 

しかし茶番フェイズが長すぎないかねジュンコ君!まだ4ターン目なんだが?

 

 

「「誰のせい(だ)よ!!」」

 

 

フウッッ、流石きょうだい息ぴったりぃ~。

 

 

「うざっ。行くわよ!チューナーモンスター、《BF-東雲のコチ》を召喚!」

 

 

《BF-東雲のコチ》☆4 ATK700

 

 

「あんた邪魔!レベル1の駄天使に、レベル4のコチをチューニング!!黒き烈風よ、絆を紡ぐ追い風となれ!シンクロ召喚!飛び立て、《A BF-五月雨のソハヤ》!!」

 

『タアッ』

 

 

《A BF-五月雨のソハヤ》☆5 ATK1500

 

 

「チッ、詰めの一手にと思ったのだが…結局役に立たん奴だ」

 

『ああ…ワタシの味方が誰もいない…だがそれがイイッッ!!』

 

 

「バカはほっといて先進めるわよ。ソハヤの効果、「BF」を素材とした場合チューナーとして扱え、召喚時に墓地から「A BF」を復活させる!来なさい《A BF-霧隠のクナイ》!!」

 

 

《A BF-霧雨のクナイ》☆5 ATK2100

 

 

「レベル5のモンスターが2体…いや、」

 

「クナイの効果!フィールドのシンクロモンスターのレベルを1~8の任意の数値に変更できる!ソハヤのレベルを2に変更し、レベル5のクナイにチューニング!」

 

《A BF-五月雨のソハヤ》☆5→2

 

「汝、率いしは我が漆黒の同胞。シンクロ召喚!《BF-T 漆黒のホーク・ジョー》!!」

 

『あらん、まさかの出番が来たわ』

 

 

《BF-T 漆黒のホーク・ジョー》☆7 ATK2600

 

 

「どーよ、これがうちのオネェ担当!あんたの駄天使より攻撃力、オネェ力、ツッコミ力すべてにおいて上回っているわ!!」

 

「そこ張り合う必要あったのか!?」

 

『アタシそんな事の為に呼ばれた訳!?』

 

 

「そ、そんなわけないじゃない…ホーク・ジョーの効果発動!墓地のレベル5以上の鳥獣族、ノートゥングを復活させる!〈ブラック・リボーン〉!!」

 

《BF-星影のノートゥング》☆6 ATK2400

 

 

「ノートゥング効果発動!特殊召喚時、あんたとディストピアガイに800ダメージを与えるわ!〈ホーミング・ソード〉!!」

 

 

エドLP3200→2400

 

《D-HERO ディストピアガイ》ATK1700→900

 

 

 

「クッ、シンクロ召喚時に限定されないのか…だがこの程度、僕の優勢に変わりは無いね!!」

 

「あら、そう…だったらまだまだ展開してあげるわよ!

墓地の《BF-大杯のヴァーユ》、効果発動!自身と他の「BF」を除外し、墓地シンクロを行うわ!墓地の《BF-漆黒のエルフェン》にヴァーユをチューニング!漆黒の翼濡らし、そぼ降る雨に響け、雷鳴の一撃!シンクロ召喚…突き抜けろ!《A BF-涙雨のチドリ》!!」

 

『うおおおっ!兄者より先にっ、参・上!』『解せぬ』

 

 

《A BF-涙雨のチドリ》☆7 ATK2600

 

 

「こいつは…乗り物にしてたもう1体!?単なる色違いでは無かったのか!」

 

『失礼な!双子ゆえに仕方ないがれっきとした別の個体だ!!』

 

「あ、あんたら双子だったん…まぁそんな事はさておき、ヴァーユの効果で呼び出したチドリの効果は無効になるわ。けどまだよ!墓地の《グローアップ・バルブ》効果!デュエル中1度だけ、デッキトップのカード1枚をコストに特殊召喚できる!」

 

 

《グローアップ・バルブ》☆1 DEF100

 

 

「レベル1の弱小モンスター.…いや、チューナーか!」

 

「そうゆうこと…さぁ、派手にぶっ飛ばすわよ!レベル6のノートゥングにレベル1のグローアップ・バルブをチューニング!漆黒の翼翻し、雷鳴と共に疾走(はし)れ!電光の斬撃!シンクロ召喚!降り注げ、《A BF-驟雨のライキリ》!!」

 

『我、推参!!』

 

 

《A BF-驟雨のライキリ》☆7 ATK2600

 

 

「見さらせ!これがあたしのデッキの主戦力、「BF」シンクロ三銃士よ!!」

 

『『『そんな呼ばれかた初めてされましたが!!?』』』

 

 

ジュンコ君、弟君の前で無意識に張り切っちゃっているようで…これ翌日とかに恥ずかしくなってくる奴だよね。

 

 

「魔法が使えず、実質手札1枚の状況からここまでの展開を…」

 

「あたしのエース、ライキリの力をご覧あれ!1ターンに一度、他の「BF」の数だけフィールド上のカードを破壊する!現在、フィールドにはホーク・ジョーとチドリの2体!破壊対象はデットリーガイとセットカード!〈ライトニング・エッジ〉!!」

 

『チェストォォォ!!』

 

 

二閃の雷刃がエド君のカードを襲う、これが決まれば彼のフィールドは壊滅的。けれど…

 

 

「ここまでは見事だったよ、姉さん…だが、勝つのは僕だ!リバースカードオープン!罠カード《戦線復帰》!!」

 

「むっ、最近出たリビデの上位ね…けれどあたしの「BF」達に対抗できるモンスターが落ちていたかしら?」

 

「フッ、プロは常に先を見越して戦略を練るものだ。戦線復帰のエフェクトにより、セメタリーからモンスターを特殊召喚!蘇れ…《D-HERO ドレッドガイ》!!」

 

『うがああああああっ!!』

 

 

《D-HERO ドレッドガイ》☆8 ATK?

 

 

「うっげ!?」

 

「その反応、よく覚えてるようだね…ドレッドガイのエフェクト発動!〈ドレッド・ウバリア〉!!」

 

『ああっ!拙者の攻撃が弾かれた!?』

 

 

「ドレッドガイの特殊召喚に成功したターン、僕の「D-HERO」達は戦闘・効果では破壊されず、バトルダメージも0となる。せっかく張り切って展開してくれたけど、無駄に終わっちゃったねぇ…」

 

「くっ…ターン…エンドよ」

 

 

ジュンコ H1 LP600

《BF-T 漆黒のホーク・ジョー》(攻2600)

《A BF-涙雨のチドリ》(攻2600)

《A BF-驟雨のライキリ》(攻2600)

 

 

「僕のターン、ドロー!このスタンバイフェイズ、前のターンにリビングデッドのデメリットにより破壊されたネフティスの鳳凰神が復活する!」

 

『キュオオオオッ!』

 

 

《ネフティスの鳳凰神》☆8 ATK2400

 

 

「特殊召喚時、エフェクト発動!魔法・罠カードを全て破壊する!といっても僕の《ダーク・シティ》だけなんだが…《D-HERO ディシジョンガイ》を召喚!」

 

 

《D-HERO ディシジョンガイ》☆4 ATK1600

 

 

「さて、ドレッドガイの攻撃力はフィールドの全ての「D-HERO」の攻撃値の合計となる。よって現在の攻撃力は…」

 

 

《D-HERO ドレッドガイ》ATK?→4600

 

 

「攻撃力、4600…」

 

「姉さんには聞きたいことがまだまだ沢山あるが…一先ずこれでフィニッシュだ!ドレッドガイで驟雨のライキリを攻撃!!」

 

 

さて諸君!突然だがここで

、原作のおさらいだ!

 

 

『よりによって拙者ぁ!?』

 

 

エド君のドレッドガイは、十代君を洗脳(?)したいがために某タクマクンに「占い」と称してよくわからない力を埋め込まれていたよね!

 

 

「〈プレデター・オブ・ドレッドノート〉!!」

 

 

ハネクリボーの加護のおかげだかなんだかで、十代君はカードが真っ白に見える、デュエルができなくなったで済んだけど…

 

 

『ぐあああああっ!?』

 

「きゃああああっ!!」

 

 

そのよくわからない力を、十代君以外の人間が受けていたら…どうなってしまうんだろうね?

 

 

ジュンコLP600→0

 

WIN エド

 

 

 

 

「僕の勝ちだ。まぁそう気に病むことはないさ姉さん。プロである僕相手に、よく善戦した方だと…」

 

「……」

 

「あ、あれ?姉さん…姉さん!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドレッドガイの攻撃により、意識を奪われたジュンコ君!まさかのシリアス展開か!?…次回へ続く!!

 

 

 

 

 

 




そんなわけで、エドの正体はただのジュンコ弟でした。

言動とか似せて書いてたつもりだったのですが、気付いてくれた方はいらっしゃったでしょうか?

因みにこのネタは、以前行った新キャラ募集アンケートで読者の方から頂いたものです。
最初はシスコン全快の予定だったのですが、ただでさえ馬鹿化したキャラクターが多く、収集つかなくなりそうだったので(手遅れ)性格もジュンコさんに寄せてみました。



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