すでに対処しましたが、もし混乱させた方がいたら申し訳ありませんでした。
僕は後悔していた。
あの時、どうしてあんな事をしてしまったのだろうかと・・・・
「翔~」
「なんスかアニキ、えらく悄気た顔して」
それは新学期初日の夜、十代のアニキがちょっとばかり部屋から出ていってから数分後の事だった。
「さっき電話でさ、ジュンコにエドとデュエルしたって話をしたらさ・・・・「なんでサインもらってないんじゃーっ!あたしエドのファンなのに・・・・馬鹿馬鹿っ!十代の馬鹿っ!!」って、ひたすら馬鹿連呼で怒られた・・・・」
「そ、それはドンマイッス」
「お前もか十代・・・・」
「万丈目君?!部屋入る時くらいノックしてよ!!」
「さっき浜口に電話で似たような話をしたら・・・・怒りはしなかったが明らかにションボリされた・・・・」
「そうか、お前もか、万丈目ェ・・・・」
「十代・・・・」
「「はぁ~・・・・」」
なにこのリア充共の共感、いいから爆発しろよッス。
そんな事を考えながら、僕はある人物に近況報告もかねて、たった一文だけのメールを送りました。
それが、災厄の始りだったとも知らずに・・・・
《ド☆ン》
皆様こんにちは、セラです。
早いもので新学期が始まってから1ヶ月が経過しました。混沌の根源(天上院吹雪)が居ないにも関わらず、相も変わらずトラブルがいっぱいでした。
いきなり変な言い掛りをつけられてデュエルを挑まれ、敗北したら電波な捨て台詞を吐いていくプロデュエリスト少年を始めとして・・・・万丈目君がブルー寮への復帰をかけ元中等部のトップとデュエルし、おジャマシリーズ5体展開からの《団結の力》フィニッシュをぶちかましたり。
プロ少年の前に私に挑んできた恐竜君が、十代君に喧嘩をふっかけるも返り討ちに遇い舎弟化したり。
丸藤翔君がブルーのインセクトプリンス先輩()を攻撃力4000の、なんか凄そうな融合モンスターでフルボッコにして、ラーイエローに昇格したりなんかもありましたね。
あとみ、み、み・・・・・あっ六沢君!六沢君が・・・・ごめんなさい、忘れました。
「ついに三の方が変化してきただと!?」
そんなこんなで退屈しない学園生活を送っています。
さて、本日は生徒一同が一堂に会して、ある番組を観ることになりました。
なんでテレビ番組ごときに集会を、とお思いでしょうが・・・・
『アメリカ海馬ランド・青眼ドームよりお送りします。本日はプロリーグの待ちに待った注目カード・・・・エド・フェニックスvsカイザー亮!!』←TVMC
「「「「「ワアアアアアアアッ!!」」」」」
はい。
そんなわけで今日はプロリーグの注目の対戦。ちょっと前に壊れてから卒業したばかりの丸藤亮さん対エド・フェニックス君ってことで、みなさんhighになられております。
「なぁなぁ、どっちが勝つと思う?!」
「当然、お兄さんッス!」
「そうだな、カイザーはデビューしてから10戦無敗、エドよりランクが上のプロ相手にも勝利している」
「だが対するエドも30戦無敗。しかも今回は今まで温存していた本当のデッキを披露するとゆう・・・・」
「あ、七沢君。いたんだ」
「いつのまに背後に紛れてたザウルス!?」
「最初からいた!」
「対象の背後に音もなく紛れて込む・・・・どうやら貴方も「こちら側」の人間だったようね」
「うわっ!?机の下から出てくるなよ明日香!!」
「君と一緒にしないでくれ!!」
私からしたら、カイザーさんもフェニックス君もどっこいどっこいなんですよねぇ・・・・
『司会はこの私メリッサと、解説に前回エド・フェニックスに破れたプロデュエリスト、Mr.タイタンをゲストに招いてお送りします』
『よろしくぅ、頼むぅぅぅ・・・・』
「ブーッ!?」
「あいつ、何やってんだ・・・・?」
随分個性的なしゃべりの仮面な方が紹介されたと思いきや翔君が吹き出した。反応からして十代君とも知りあいのようですね・・・・
『いや~先日の対戦は熱かったですね~、怒濤のデーモンラッシュでエド・フェニックスをあと一歩の所まで追い詰めて・・・・』
『否ぁ、旗から観れば最初は私が有利だったのかぁもしれんがぁ・・・・あ奴は終ぅ始こちらの攻撃を綺麗にいなし続けてきた、完敗だぁぁ・・・・』
あ、見た目に反して紳士っぽい。セラ的にはポイント高いです。
『そ、そうなんですか?・・・・それでは入場してもらいましょう!プロリーグ30戦無敗!若き天才デュエリスト・・・・
『エドォォォォォォ、フェニィィィィックス!!』
「タイタンが呼ぶのかよ!?」
なんか解説の方のせいで、一気にプロレスっぽくなりましたね・・・・
そんかことはお構いなしと言わんばかりに、女性ファンの歓声に手を振りながら
済ました顔で入場するフェニィィィィックス君。
彼が電波な事を知ったら彼女達はどんな顔をなさるんでしょうね・・・・
『ちょっ、Mr.タイタン。私の仕事を取らないで下さい・・・・た、対するは!この夏にプロデビューして以来10戦無敗!学生時代の通り名に偽り無し!カイザー亮選手だー!!』
・・・・あれっ?
「カイザー、出てこないな・・・・」
「お兄さん・・・・?」
『ど、どうした事でしょう!?カイザーこと丸藤亮、リングコールがかかったにも関わらず、姿を現しません!!』
どうやらカイザーさん不在のご様子。どうしちゃったんでしょう、あの真面目系(!?)デュエル馬鹿が逃げ出すなんて事は絶対にないと思うのですが・・・・
『すまない司会者ぁ、あ奴に昨日頼まれてなぁ・・・・照明OFF!!』
「か、会場の電気が・・・・」
「消えたドン!」
『またぁー!?私こんなの聞いてなーい!!』
紳士仮面さんの合図で会場の電気が落ちたらしく、TVモニターには闇しか映らなくなったその時だった・・・・会場に聞覚えのある声で、聞き慣れない高笑いが響いたのは。
『フフフフフ、ハハハハハハハハハハッッ!!』
『ライトアァァップ!!』
(SE)パッ、パッ、パッ
『こ、今度は何?』
『エドォフェニックスに対するわぁ・・・・愛を求め「彼女と同じ色」、つぅまりぃ、闇に染まりし皇帝・・・・ヘルカイザァァァァァァァァ、亮ォォォォォォ!!』
『フハハハハハハハハハハハ!!!』
そこには何故かブルーの制服を着ていたカイザーさんではなく、漆黒の衣を身に纏い、雷鳴と供に走れ電光の・・・・じゃなくて。幻魔事変の時に、姐さんとデュエルした時の姿のカイザーさんが・・・・事情を大体知ってるアカデミアメンバーは、思わず口を揃えて言いました。
「「「「「またなっちまったーっ!!?」」」」」
続くゥ・・・・
↓翔君の亮さんへのメール
「ジュンコさん、エドのファンらしいッス」