ハイスクールD×D ―史上最強の存在―   作:黒鬼

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まずお詫びを。
えー、なんか決め技みたいなのがあった方がいいかなぁと悩んでいましたが、
どうも自分では思いつかないし、
これだけ「トキは強い」って感じにしてんのに弱そうな技だったら、
合わないってゆうか拍子抜けってゆうかってな感じでしたので、
技とかだけアイデアを拝借いたしました、申し訳ありません。

P.S 作者はKYO大好きです。





『最強の片鱗』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その手には吸い込まれるほど美しい光を放つ刀身を持つ大太刀。  

その躰には赫紅と漆黒を基調とした和を感じさせる衣。

その姿は銀色の髪を靡かせ、爛爛と輝く蒼洸の(まなこ)で敵を見抜く華麗なる立ち振る舞い。

 

 

――綺麗――

 

 

私がトキを見て、感じ、思った事はこの言葉に尽きた。

 

 

「バ、バカなッ! 我がフェニックスの炎をその身に受けて、無傷だとッ!?」

 

 

それはトキだから仕方がない。 そうとしか言えないのだから。

私達もトキの底知れない力など計り知れないのだ。

 

 

マストを倒した時だって、

『死ぬ程手加減しまくったのに、つまらんかった…』とシュンとしていた。

その姿にキュンとしてしまった私は女として仕方ないと思う。

でも………。

 

 

………全力の彼に勝てる存在なんているのかしら?

 

 

「き、貴様ッ! 一体どんなトリックを使った!?」

 

「トリックもクソもねぇよ。 テメェが俺よりも弱い。ただそれだけのことだろう?」

 

 

さも当たり前のことの様に言うトキ。 だが、確かにそれを言えるだけの力がある。

彼にとっては常識の様なモノなのだろうか?

 

 

「さぁ、第2ラウンドと行こうぜ」

 

 

トキの持つ大太刀の刀身が、トキの言葉に呼応するように輝く。

あの刀……、聖剣の様な雰囲気だ。

神刀か何かかしら? コチラも見ているだけで体中に悪寒が走る。

でも、普通の聖剣とは何かが違う……。

神々しくも、禍々しい。 そう表現するのが一番近いと思う。

 

 

ライザーもトキの持つ刀を危険だと判断したらしく、すぐさま攻撃に打って出る。

まさに怒涛の猛攻とも言える攻撃。 数も威力も攻撃範囲もさっきとは桁違いだ。

 

 

コレが……、ライザー・フェニックスの本気………。

私ではまず勝てないだろう……。 悔しいけど、認めるしかない。

 

 

そんなライザーの攻撃をヒラリヒラリと…、まるで蝶が舞っているかの様に避けるトキ。

その姿に私は魅せられてしまう。

『剣舞』という言葉がこれ程まで似合うのは、トキぐらいのモノだろう。

 

 

トキもライザーの猛攻を潜り抜け、攻撃に転じる。 

ライザーもトキの刀から避ける……、()()()()()()……。

 

 

――ザシュッ!――

 

 

「グゥッ!?」

 

 

小気味良い音と共にライザーの左肩が切り裂かれた!?

どういうこと!?

余裕で躱せた太刀筋だったのに……!

 

 

「い、今のは……!? 

 …いや、それよりも…、その刀、光とは別の聖なる力が込められているな…。

 一体何をしたッ…!」

 

 

左肩を手で抑え、憎らしげにトキを睨みつける。

よく傷口を見れば、血が流れている!?

不死のフェニックスを傷つける刀、そして謎の聖なる力……。 

トキ…、あなたは一体……。

 

 

「悪魔は聖なる力系は苦手だろ? 

 だから刀身に光の力やら聖なるオーラやら神通力やらを纏わせといた」

 

「神通力だとッ!? 神の持つ力の一つだぞ!? 何故一介の人間である貴様が扱える!?」

 

「知るか。 やってみたら何か出来た」

 

「…無茶苦茶だ……」

 

 

気持ちは分かる。

 

 

トキの力はデタラメ過ぎると常々思うわ。

もうトキなら何をしても不思議じゃないわね。

 

 

「この…、化物めッ…! 

 それだけ強い力を纏わせているなら、その武器を壊されればパワーダウンは免れまい!」

 

 

そう分析したライザーは、莫大な炎を圧縮してトキに打ち出した!

ただでさえ〝地獄の業火〟と謳われるフェニックスの炎をあれほどに圧縮されれば、

並の武器では耐えられない!

 

 

超圧縮された炎の弾丸が迫り来る中、トキは微笑を崩さない。

そしてその刀を一振り薙ぐ。

その挙動だけで数多の炎の弾丸は、いとも簡単に消え失せる。

 

 

「なッ!? ならば…!」

 

 

驚きながらも次の手に移るライザー。 流石にゲーム経験者なだけはある。

行動が迅速だ。

全身に膨大な量の炎を纏い、突撃する。

その姿はまさに巨大な火の鳥だ。

 

 

威力の高い攻撃で一気に決めるつもりのようだが、いくら炎を放ってもトキには届かない。

あの刀にあっさりと切り裂かれ、消失する。

トキの異常な程の力を纏わせても何の支障もなく、あれほどの熱量にも耐えうるあの刀は……?

 

 

「クッ! 何なんだその刀は!?」

 

「〝妖刀村正〟が一振、『天狼(てんろう)』。

 その美しき刀身はその名の通り『天狼星(シリウス)』の輝きの如し。

 この刀は見る者を魅了し、その切れ味に断てぬモノ無し。

 そう言い伝えられてる代物だ」

 

「な、何故それほどのモノを貴様が所持しているッ!?」

 

「あのなぁ……、口ばっか動かさずにちゃんと闘(や)れ、よ!」

 

 

トキが刀を振るう。

すると刀から斬撃が飛び出すが、あまりの速さにライザーも避けきれず、右腕が吹き飛んだ。

 

 

「安心しやがれ、光系統の力は抑えてやった。

 後で『フェニックスの涙』でも垂らしときゃあくっつくだろ」

 

 

吹き飛んでいった右腕を見ながら言うトキ。

もしトキが光の力を使っていれば、切り飛ばされた右腕は跡形もなく消滅していただろう。

 

 

片腕になってもライザーは炎を溜め、トキに放つ。

『攻撃は最大の防御』という言葉があるように、トキに攻撃する間を与えないつもりのようだ。

それでも……、全くもって意味を成さない。

致命傷どころか、掠り傷一つ、火傷の一つも出来ていない。

 

 

トキは避けることすら煩わしいのか、全ての攻撃をまともに喰らう。

だが、無傷。

これには流石のライザーも狼狽え始めた。

焦りも動揺も隠せずに、唯々…、一心不乱に炎を放つ。

 

 

トキの持つ刀に切り裂かれ、トキの纏う闘気に阻まれ、炎は虚しく消えていく。

 

 

静かに、それでいて着実にライザーに歩み寄ったトキは刀の柄で殴りつけ、

峰打ちで吹っ飛ばす。

ライザーはされるがままになっている。

意気消沈と言ったところか……。

 

 

相手が何をしているか分からない。 

自分の攻撃が何一つ効かない。 

此方は満身創痍、向こうは無傷。

戦意を喪失しても無理はない。

 

 

「……もうちょい粘ってくれるかと思ったんだがな……。 正直期待外れもイイとこだ」

 

 

其処らに落ちている石を見る様な視線だ。

 

 

ライザーに完全に興味を失ったトキ。

最早何て言えばいいか分からない程に圧倒的な『強さ』。

(トキ)が完全にこの空間(ば)を支配している。

 

 

「この遊びにも飽きが来た。 そろそろ終わりにしようや」

 

 

そう言って刀を振りかぶるトキ。

するとライザーは慌てて声を挙げる。

 

 

「ま、待て! わ、分かっているのか!

 この婚約は悪魔の未来のために必要で大事なものなんだぞ!?

 お前の様な何も知らない人間の小僧がどうこうするようなことじゃないんだッ!」

 

「悪魔の未来? 俺ァ人間だ。ンな事ァ知ったこっちゃねぇんだよ」

 

 

トキは刀の峰を肩に乗せ、淡々と言葉を吐き出す。

 

 

「俺が最重要視するのは当人の意思、想いだ…。

 お前は、グレモリー家次期当主でも、純血の上級悪魔でも、魔王の妹としてでもなく……、

 一人の女として、リアスの事を考えた事があるか?」

 

「ふざけるなッ! そんなモノの為にお前はこの縁談を邪魔したと言うのかッ!?

 物事の優先順位も分からない、その上部外者であるお前が出て来る幕じゃ無いんだよッ!!!」

 

 

そんなモノ………。

私の……、私の気持ちはそんなに軽視されるモノでしか無い……?

 

 

私の心がライザーの言葉によって悲しみに暮れる中、トキは静かに目を瞑った。

 

 

「………そんなモノ……ね……。 分かった…、シメと行こうや」

 

 

トキの言葉と共に、『天狼』に莫大な闘気が纏う。

混じりっ気無しの純粋な、それでいて肉眼で見えるほど濃厚で膨大な闘気。

いや、アレは最早……、覇気と呼べる位の迫力である。

 

 

――トキが私の為に怒っている――

 

ライザーの言葉は私を深く傷付けたが、

それ以上に今この瞬間、トキが私の為だけに怒っている事が嬉しい。

我ながら現金なモノだ。

 

 

トキは氣を纏わせた『天狼』の刀身を、根元から刃先まで指で拭う。

切っ先をライザーに向けて、構える。

 

 

そして………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無明神風流殺人剣(むみょうじんぷうりゅうさつじんけん)――〝みずち〟――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、大気が止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやもうホント申し訳ない。
思いつかないんだもん。

えー、次回はケリがつきます。
お楽しみに。

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