ハイスクールD×D ―史上最強の存在―   作:黒鬼

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えー、作者の醜い妄想回となっておりますがご容赦を。


『噛み合う歯車』

 

 

 

 

 

ホントに俺はレーティングゲームに参加可能なんだろうか?

まぁグレイフィアが言えばサーゼクスは断れない筈だ。

いつも仕事抜け出してグレイフィアに迷惑かけてんだから。

 

 

 

 

 

 

思い起こせば、かなり昔になる。

グレイフィアとの出会いは。

 

 

先の三大種族の戦争によって、四大魔王は死亡した。

まぁ、その時に神も死んでるんだが、それはタブーってことなんで、一先ずそれは置いといて…。

 

 

当時、冥界では新たな魔王を輩出しようとする新魔王派と、

前魔王の血族を魔王にしようとする旧魔王派が対立していた。

 

 

ある日、『天月』に極秘依頼が届いた。

『暴動を起こした旧魔王派を最小限の被害で鎮圧して欲しい』と。

この依頼を寄越したのはサーゼクスだ。

 

 

サーゼクスを筆頭に、旧魔王派を制圧していくのに俺も協力していたのだが、

『敵軍大将と思われる輩の身柄を拘束した』という知らせが入り、俺達は自陣に帰還した。

その敵軍大将(仮)がグレイフィアだったのだ。

 

 

なんでもグレイフィアの一族、ルキフグス家は旧魔王に仕えてた一族らしく、

その時の暴動の主犯格なんじゃないかとか何とか…。

俺は何となくその捕虜に会ってみたくなり、地下牢に隔離されていたグレイフィアの所に赴いた。

 

 

時間制限などが煩わしかったので、看守を気絶させればグレイフィアにかなり警戒された。

「看守まで気絶させて、私に何をする気ですか?」と。

「時間に気兼ねする事無く、ジックリお話してみたかっただけ」と答えると、

ひどく不可解に思っている顔をしていたのを記憶している。

 

 

警戒を解くためにも、拘束具などを全部外してやり、こちらが丸腰だということを伝える。

そして俺が何者なのか、目的は何なのか、何故此処に来たか等を説明。

 

 

その後は向こうの話を聞いてみるる。

 

 

まず、旧魔王派には穏健派と過激派があるらしい。

今回の暴動は過激派の独断行動だというではないか。

グレイフィアは穏健派のトップで、完全にグレイフィアはこの暴動を止めてる側だったのだが、

捕まってしまったらしい。

 

 

『これ以上どちらの被害も出したくない、同じ種族同士が争うのは間違っている』

と真剣に俺に訴えるグレイフィア。

その瞳に曇り等無く、心拍数や体内の氣の流れに乱れも見られない。

俺は彼女の言葉を信じた。

 

 

「何故そんな簡単に信じられるのですか?」と問われたが、

「俺は疑うよりも信じる方が好きだから」と返すと優しく微笑んでくれた。

その笑顔は何とも言えぬ程、綺麗だった。

 

 

面会を終え、彼女の言うことをサーゼクス含める新魔王派の上層部に説明した。

だが、頭の固い老害共が信じようとはしなかった。

その上、彼女のその綺麗な容姿から、奴隷にするとか馬鹿を抜かす奴もいた為、

思わず『天月』でグレイフィアの身柄を確保。

奴隷なんかにすればまた暴動起こる上、何よりグレイフィアが可哀想じゃないか。

 

 

ということで、今回の報酬はグレイフィアの身柄ということで無理矢理話をつけた。

ゴチャゴチャほざく馬鹿もいたが、

「文句が有るなら、今度は俺ら〝天月〟と殺り合うか?」と殺気を放てば事なきを得た。

 

 

天月家の当主である俺の命令は、一族にとっては絶対である。

その命を賭してもその命令は順守されなければならない。

ソレが絶対不可侵の掟であり理由は単純明快、当主は最強だからだ。

逆に言えば、最強でなければ当主にはなれない。

天月では力こそが正義、力こそが全てだ。

その為、天月の名を連ねるものに雑魚はいない。最低でも上級悪魔レベルばかりだ。

その代わり、数は少ないが。

 

 

そんな〝天月〟とは殺り合いたくはないのはどの勢力も同じである。

さっきのケースのように、ネームバリューだけで脅すことも少なくない。

 

 

そんなこんなでグレイフィアは名目上人質という形で、

新魔王であるサーゼクス&グレモリーに仕えてもらっている。

俺ら天月の中に入れるのは危険すぎるということで、

形式上は俺が引き取り、グレモリー家に人材派遣しているという形だ。

 

 

旧魔王派にとってグレイフィアは重要人物だったこともあり、

お互いに手出し禁物という形で収めてもらった。

停戦の証ってことでその時サーゼクスの『女王』になった。

 

 

グレモリー家は優しく、かなり手厚く歓迎してくれたようだ。

俺からも口利きしていたのもあるが、本来情愛が深い一族だ。

ビクビクしながら連れてこられたのに、

すごく優しく盛大に歓迎されてグレイフィアは泣いていた。

皆、予想外の反応でオロオロしていた。

 

 

「敵なんかいねぇよ、皆家族みたいなもんだ、安心しな。

 人質なんてのは外面だけだ。何かあったら俺に言いな、またいつでも助けてやるから」

 

 

そう言ってやれば、俺に抱きついて何度も御礼を言いながら泣いていた。

それから皆ともイイ感じで溶け込んで行って、そんなに苦労は無かった様だ。

 

 

ちょっと月日が経って、サーゼクスがグレイフィアに告白しようとしたら、

まさかの俺がグレイフィアに好意を伝えられた。

なんでも俺の傍は安心できるらしい。

敵対していたが助けて優しくしてもらって好きになってくれたとか。

それを知ってサーゼクスは身を引いてくれた。奴にはその点は感謝せざるを得ない。

 

 

しかし、あの時のグレイフィアの可愛さったらないね!

これまた俺の周囲を取り巻く事情を説明したのに、

 

『そんなことはどうでもイイんです。あなたがあなただから私は好きになったんです。

 その周りの事なんか関係ありません。私はあなたが好き、愛している。

 それだけでは不満ですか?』

 

 

と微笑みながら言われた。

そんな事言われちゃあ、惚れない漢なんていないだろう。

思わず抱きしめてしまった。 

それから月日を更に重ね、グレイフィアをベッドの上で美味しく頂きました。

 

 

『初めてなので、その……、優しくして下さい……』

 

 

なんて潤目&上目遣いで言われて、俺の理性は大気圏を突破した。

 

 

もうそれからはグレイフィアも積極的に迫って来てくれる。

護るべきモノが増えてこちとら大変だが、なかなか悪くない気分だった事を今でも覚えている。

 

 

 

 

 





次回から修行突入。

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