ハイスクールD×D ―史上最強の存在―   作:黒鬼

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『挑発? いいえ、素ですが』

 

 

 

 

 

ソファに座っているリアスと、その隣に偉そうに寛ぐアホウ鳥。

 

 

俺のレンや黒歌に手を出そうとしたこの馬鹿はどうやって殺ろうかな?

 

 

刺殺?惨殺?狂殺?銃殺?圧殺?撲殺?絞殺?斬殺?

焼殺?毒殺?挟殺?滅殺?溺殺?萎殺?渇殺?消殺?

 

楽に死ねると思うなよ? 

 

 

何故か俺の隣ではイッセーが青い顔で震え上がっていた。

 

 

 

どうしたのイッセー? 怖くないよ?

そう微笑みかけてやるが……、

 

 

「ヒィィィィィィィィィィィィィ!!!」

 

 

と部屋の端で頭を抱えて震えながらうずくまった。

アーシア(そう呼ぶように言われた)も涙を流している。

……何で?

 

 

………あ、殺気漏れてた。

何か喉渇いた。 ん、朱乃が焼き鳥にお茶出してる。 

他人の芝は青く見えるというが、人が茶を飲んでいるとコチラまで飲みたくなってくる。

詰まる所、俺も飲みたいのだ。

 

 

「おい、人間風情があまり調子に「朱乃、俺も喉渇いた。お茶頂戴?」…おいッ!」

 

『ププッ!』

 

 

何で皆笑ってんだろうか?

よく分からん奴らだ。

グレイフィアの方を見ると、アホウ鳥の方へ視線を向けている。

リアスの婚約者(笑)が震えていやがる…。 コレはまさか……?

しまった、俺としたことが、ちと配慮が足りなかった様だ………。

 

 

「トイレなら我慢するなよ、膀胱炎になるぞ?」

 

『アハハハハハッ!』

 

 

皆大爆笑。 もうワケ分からん。

グレイフィアも肩を震わせて笑いを堪えている。

俺は何か間違っただろうか?

 

 

「殺してやるッ!」

 

 

ん、何か炎を纏いだした金髪ホスト崩れ。 フェニックスの業火(哀)ってか?

ま、アレだ。 他人の女に手ぇ出そうとした落とし前は付けさせてもらうか。

売られた喧嘩は高価買取返品不可ってな。 

 

 

奴は殺気と魔力の波動を俺に向けている。

コチラも相対しようとソファから立つ。

 

 

「トキ様、ライザー様、落ち着いてください。

 これ以上やるのでしたら、私も黙って見ている訳にもいかなくなります。

 私はサーゼクス様の名誉の為にも遠慮はしないつもりです」

 

 

そう言ってグレイフィアが介入してくる。

この娘は……、俺の事舐めてんのか?

 

 

「……最強の『女王』と称されるあなたにそんな事言われたら、俺もさすがに怖いよ。

 バケモノ揃いと評判のサーゼクス様の眷属とは絶対に相対したくないからな」

 

 

アホか。 グレイフィア程度、俺にとっては何の抑止力にもならねぇぞ。

この娘はよくよく理解してる筈なんだが……?

 

 

「オイオイ、心外だぜグレイフィア。 お前如きがこの俺を止められるとでも?」

 

 

威嚇の為に、ちょいと魔力を開放してやる。

大丈夫、ほんの少しだから。 超微量だから。

建物や空間が壊れる心配は無いよ。

 

 

――ズンッ!――と、重りがのしかかった様に体を傾けるアホウ鳥。

かなり驚いている。

だが、この魔力と闘気の重圧の中でグレイフィアは少し笑っていた。

 

 

まるでこの状況を待っていたと言わんばかりに………。

 

 

そしてグレイフィアは俺に近づき、こう言った。

 

 

「もちろん、トキ様に勝てるなどと思えません。 なので、こうします…」

 

 

俺に抱きついてキスをするグレイフィア。

なんか舌まで入れてきた!?

相変わらずこの舌技…、鈍ってはいないようだ。

そして………。

 

 

Oh…、俺の胸板で形を変える巨大な二つのマシュマロが俺のBeetを熱く……。

 

 

――ゾクッ!!!!!――

 

 

………このえげつない程の重厚な殺意の波動は……、レンだ。

 

 

ヤバイ。

ヤバイ、コレハヤバイヨ、ボクシンジャウヨ。

 

 

クソッ! 考えやがったなグレイフィア!

これじゃあそこのアホウ鳥を相手にしてる場合じゃね……、え?

 

 

何で黒歌と白音は闘気を、朱乃は雷と金色のオーラを、

リアスは紅い滅びの魔力を纏ってんの!?

 

俺じゃねぇよ、グレイフィアだよ。

 

 

……あの、何でグレイフィア離してくんないの?

何で抱きしめたままなの?

俺がもう闘りあう気が無いの分かってんだろ!?

 

 

何で顔赤いの? 

何で気持ち良さそうに目ぇ細めてんの? 

何で俺の胸に頬すり寄せてんの?

 

 

木場、助けてくれ!

そう目を配らせるが……、

 

 

――ニコッ――

 

 

はい、頂きました。イケメンスマイル☆

 

 

『僕には無理』だと!?

そんなもんやってみなくちゃ…、あぁ、無理か。

 

 

こうなりゃイッセー! 助けてく……。

 

 

……お前、今ならアホウ鳥倒せるよ。

だって殺気が魔王級超えてるもん、レン並だもん。

 

 

そういえばレンは……。

 

 

ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!

 

 

完ッ全にブチギレていらっしゃる! 目が虚ろなんですけど!?

何か笑顔だもん! 寒気と悪寒の止まらない笑顔だもん!

尋常じゃない量の魔力と闘気で創り出された包丁が右手に握られてるのは気のせいだと思いたい!

アレ、多分神でも一撃で滅ぶぞ!?

いくら俺でも痛いぞ!?(←化物)

 

 

「お…、おい、グレイフィア。

 お互いが平行線で話が進まないんなら、何か解決策とか妥協案があるんじゃないのか!?」

 

 

露骨でも何でもいい。

俺はまだ『生』というものを実感したい…。

 

 

「あ、そうでした」

 

 

おいコラ。

 

 

サーゼクスやグレモリー卿もこの事態は見越していたんだろう。

レーティングゲームでケリをつける事になった様だ。

 

 

「なぁ、リアス。まさか、ここにいる面子がキミの下僕なのか?」

 

「トキとレンと黒歌以外はそうよ。だとしたらどうなの?」

 

「これじゃ話にならないんじゃないか?

 キミの『女王』である『雷の巫女』ぐらいしか俺の可愛い下僕に対抗できそうにないな」

 

 

これだからアホウ鳥だと言われるんだ。

相手の力量を正確に見極める事すら出来んなど、半人前以下である。

どうせフェニックス家特有の『不死性』という才覚の上に、胡座をかいていたんだろう。

戦闘技術などというものは皆無だと思われる。

まさしく『温室育ちのお坊ちゃん』だ。 

努力もせずに勝ち抜いて来たせいか、舞い上がっている。

こういう男を『滑稽だ』と世間は笑う。 どうせ負けたら挫折するほどの軟弱者だ。

今現在冥界に居るウチの可愛い息子には近寄らないでもらいたいと願うばかりだ。

 

 

アホウ鳥が指をパチンと鳴らす。

すると部室に刻まれた魔法陣が発動し、15人の女悪魔が現れる。

 

 

「お、おい、リアス…。 そこの下僕くん、俺を見て大号泣してるんだが…」

 

「その子の夢がハーレムなの。 きっと、ライザーの下僕悪魔達を見て感動したんだと思うわ」

 

 

イッセー君や、TPOはわきまえようぜぇ……。

 

 

そんなイッセーを見て、アホウ鳥の眷属共が不満を漏らす。

 

 

「きもーい」

 

「ライザー様ー。 このヒト、気持ち悪ーい」

 

「ホント、マジで死ねばいいと思う」

 

「この世界に存在して欲しくありませんね」

 

「頭がクルクルパーにゃん」

 

 

「おい、トキ! お前も男なら…、漢なら分かるだろうがッ!? 

 それとレンちゃんと黒歌さんヒドくねッ!?」

 

 

そんなイッセーの虚しい叫びを余所に、

アホウ鳥が俺たちに見せつけるように下僕とディープキスし始めた。

 

 

「お前らじゃ、こんなこと一生出来まい」

 

 

――プチン――

 

 

そんな音が聞こえた気がした。

 

 

何の音だ? 

てゆうかさっき俺にグレイフィアがキスしてきたの見てたろ。 もう忘れたのか?

若年性アルツハイマーなら医者にでも診てもら「あむッ……、はぁ…んッ」……ん?

 

 

目の前にはレンの可愛らしい顔。

どうやら唇を奪われたようである。

 

 

ふむ、俺にこんなこと出来まいと言った事を否定するためにという意味合いと、

あのアホウ鳥がレンの事気に入った様子なんで、

ここはレン自身がその自分がバカにした男のモノというアピールと牽制という感じか?

 

 

あの何かキレた音はレンの琴線に触れた音か…。

 

 

「レンばっかズルいにゃん。 私も…、んッ…」

 

「あらあら、なら私も参加させてもらいますわ」

 

「…私もトキさんとキスしたいです」

 

 

あらら、俺って大人気ですか?

コレは興奮してきましたよ?

MeのMy Son☆がハッスルして

WRYYYYYYYYYYYYYYY!!!しそうです。(←意味不明)

一通りキスされた後、焼き鳥に向かってドヤ顔しながらここで一言。

 

 

「あ~、出来たみたいだが?」

 

 

リアス、グレイフィア、そんなに睨むな。

それとキスしてきたGirls。

そんな『してやったり☆』みたいな挑戦的な視線を送るんじゃない。

後で大変なの俺なんだから。

 

 

「……トキッ…、貴様だけは許さんぞッ…!」

 

 

イッセー、怒る相手違う。

 

 

そうして『赤龍帝の籠手』を展開して突撃してくる馬鹿一人。

もう対応がダルイんで、軽く蹴り上げる。

天井に頭が突き刺さり、プラーンってな感じでぶら下がる。

何かの装飾みたいだ。 それも恐らく呪われた奴(笑)。

アーシアがアセアセしている。 多分どうすればイイのか分からないんだろう。

見てる分には面白い。 何となく癒されるのである。

 

 

このアホウ鳥嫌いだ。 俺もレーティングゲームに参加しよう。

リアス達だけじゃ100%負けるのは目に見えている。

それに本人の了承無くソイツの将来を決めるような事は許せない上に見過ごせない。

俺はそんなん大ッ嫌いなのである。

 

 

「グレイフィア、俺もレーティングゲームに参加するってサーゼクス達に言っとけ」

 

『ッ!?』

 

「し…しかし、それではゲームの意味が…」

 

 

まぁ、グレイフィア達は俺の実力の程を知っている。

だから勝負の意味が無くなってしまう。

だが、そんなもんは俺にァ関係無い。

 

 

俺はグレイフィアに近づき、抱き寄せながら耳元で囁いてやる。

 

 

「なぁ、グレイフィア…。 イイだろう? 俺が出ても。 

 お前からサーゼクス達に口利きしてくれないか?」

 

 

 

フッと首元に息を吹きかけながら言ってやる。 優しく、撫でる様な声で。

顎に手を添え、こちらを向かせて目を真っ直ぐ見つめる。

 

 

 

「は、はい……」

 

 

 

顔を真っ赤にしながら俯き、小さく頷くグレイフィア。

見たか、コレが俺の最終手段、『O☆NE☆GA☆I』である。

もうグレイフィアが可愛すぎる! お持ち帰りしたい!

 

 

そんな感じで10日後という事に決まったレーティングゲーム。

焼き鳥が俺らに修行の期間を与えたようだ。

馬鹿め、俺が鍛え上げて改造して改良して改善しまくってやる。

この俺に喧嘩売った事を後悔させてやろうじゃないか……。

 

 

その前にオカ研ガールズの怒りを何とかしないと俺の命がヤバイよね?(汗)

 

 

 

 

 





次回はグレイフィアとの馴れ初め。

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