ハイスクールD×D ―史上最強の存在―   作:黒鬼

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あー、スランプ気味。
自分でもよく分からなくなってきた。


『過去と覚悟』

 

 

 

天月 刻SIDE

 

 

 

 

 

俺らが部室に転移すると、部員共は驚愕した。

 

まぁ、立場的に宿敵とも言える側のシスターを、

俺たちが連れ込んだのだから当然といえば当然か。

 

 

「トキ、何でその子を連れてるのかしら?」

 

 

こめかみをヒクつかせながら俺に問うリアス。 おー、怖(笑)

 

 

「んー、この娘イッセーを庇ってたし。 敵対意識はねぇんだろうと思って。

 それにこの娘も神器を持ってる、それも結構な代物を」

 

『ッ!!!』

 

 

あ、吃驚してる。

 

 

「……それは何かしら?」

 

「『聖母の微笑み』」

 

「――ッ! 種族を関係なく治療できるという、あの……」

 

 

眷属にすればお得だろうね。 こいつら攻撃力はなかなかだが、防御、回復がなぁ…。

 

 

「部長! お願いします! アーシアは悪い娘じゃないんです!

  確かに俺ら悪魔にとっては敵サイドかもしれません。

 でも、アーシアは俺を庇ってくれました! この娘は敵じゃありません!!!」

 

 

イッセーの必死の懇願。

イッセーが自分を庇ってくれた事に感激しながら悪魔にビビるとか…、器用だなこのシスター。

 

 

「………シスター・アーシア、あなたは何故協会を追放されたの?」

 

 

まぁ、まずは事情を聞くわな。 

もし悪魔に恨みがあって、寝首をかこうとしてんなら側には置けない。

自分の過去について触れられた瞬間、暗い表情を見せるシスター。

 

 

だが、ここで自分の素性を隠しては信頼を得ることは不可能。 

その事をちゃんと理解しているらしく、重い口をようやく開く。

 

 

そして彼女の口から語られた過去はなかなかヘビーなモノだった。

 

 

 

 

なんでも、治療の力を天より授かった彼女はすぐに聖女として祭り上げられたらしい。

だが、ある日突然、その人生のターニングポイントが訪れる。

大怪我をした悪魔を発見してしまったのだ。

 

 

彼女はその性格から、その悪魔を見殺しにすることができずに、

自分達の敵ともいえる悪魔を治療したのだ。

そのことが教会側にバレて、まるで掌を返したように『魔女』だと蔑まれ、追放されたらしい。

それで堕天使連中に拾われて今に至るというわけか。

 

 

う~ん、世間の厳しさを知らないのかねこの娘は。

社会の荒波は辛いよ?

俺も部下共に『暴れ過ぎですッ!!!』って、いっつも怒られるもん。

 

 

まぁ、辛かったんだろうけどさ、もう少し考えようよ自身の立場。

でも、神は死んじゃったかんなぁ。 そりゃ加護も無いわな。

仕方ないっつう部分も多少はあるか……。

 

 

あ、リアスはどうにかして自分の下僕に出来ないか考えてるよ。

まぁ、希少な能力だしなぁ。

この娘も平気で自分の欲の為だけに人間を殺したりするような連中とは

一緒に居たくないみたいだしな。

 

 

「なぁ、トキ! お前めちゃくちゃ強いんだろ!? 

 だったらアーシアを…、友達を助けるのを手伝ってくれよ!」

 

 

イッセーはそう叫ぶ。 他人任せかよキミィ…。

 

 

「頼む! 俺に出来ることなら何でもする。だから……」

 

「あのなぁ、イッセー。 話を聞くに、その娘は身寄りがないんだろう?

 もし俺が今回の件を何とかしたとして、その後はどうするつもりだ? アテがあるのか?

 まさか、目先の事だけしか考えてなかったとかじゃねぇよなぁ?」

 

「そ、それは……」

 

 

言葉に詰まるイッセー。 どうやら、まだ事の重大性を理解してないようだ。

 

 

「図星かい。 しかも、その娘の神器はレア物だ。 

 ソイツを狙って誰かが襲ってくる可能性だって十分考慮できる。

 お前は守れるのか? 最後まで面倒見れるのか? 

 エサも散歩も全部お前が責任持たなきゃいけないんだぞ?」

 

「兄さん、最後の方がペットの話になってます」

 

 

あり? おかしいな。 いつの間に……。

 

 

イッセーは一度俯くが、今度はその瞳に光を宿して俺を見る。

覚悟を決めた奴の眼である。

 

 

「後の事は俺が全部何とかする! 俺はまだ弱いけど、アーシアを守れるように強くなる!

 だから頼む、トキ! 今この時だけでいい。 力を貸してくれ!!!」

 

 

こういう奴は意地でも言った事を貫くタイプだ。 単純、詰まるところは馬鹿。

まぁ、正直こういう馬鹿は嫌いじゃない。

最近じゃこういう純粋な馬鹿はそうはいない。 ひと肌脱いでやってもいいかもしれないな。

 

 

「その言葉、忘れんなよ? 男に二言は無しだ。 死んでもその娘を守れ。 出来るな?」

 

「お、おお!!!」

 

「よっしゃ。 んじゃ、いっちょ殺ってきますかぁ」

 

 

堕天使共は廃教会にいる。

はぐれエクソシストの気配も多数感知できてるし、まず間違いないだろう。

レンがアザゼルの野郎に聞いた所、この街にいる堕天使は独断行動らしい。

それは『神の子を見守る者』は一切関与していないということだ。

なので、こちらで処理してもいいという事らしい。

らしいといっても俺が、「現存する堕天使を根絶やしにすんぞ☆」と脅したからだが。

 

 

「ちょ、ちょっとトキ!?」

 

「おお、言うの忘れとった。 アザゼルのアホに確認はとってある。

 どうやら末端共の独断行動らしい。 処理も俺らがやってもいいってよ」

 

「そ、そうなの?」

 

 

そうだぞ~、とリアスの頭を撫でる。 

あまり撫でられる側にいないせいか、顔は赤いが気持ち良さそうだ。

 

恥ずかしいケド、ちょっと心地いいというジレンマですか、可愛いよね。

 

 

「って、、止めなさい!」

 

 

怒られました。

 

 

リアスに怒られた事もあるが、

レン、朱乃、黒歌、白音の眼が怖くなって来たので、俺はリアスの頭から手を離す。

 

 

「よっしゃ、イッセー行くぞー」

 

「え!? 俺も!?」

 

「あったり前田のクラッカーだバカ野郎。 何で俺だけ頑張らにゃならんのだ」

 

 

そう言って俺は襟首を掴み、イッセーをひこずって行く。

結局、俺、イッセー、白音、木場の四人で廃教会へ、レンと黒歌で部室にてアーシアの護衛。

リアスと朱乃であからさまな待ち伏せしてるおバカな堕天使2匹を担当することになった。

 

 

ぶっちゃけ廃教会に行くのは俺一人で十分なんだが、

ここら辺でイッセーの『赤龍帝の籠手』を覚醒させておきたい。

みんなまだ『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』だと思ってるしな。

いつまでもソレだとドライグが不憫すぎる(笑)。

 

 

ま、俺もいるんだし何とか覚醒もするだろ。

んじゃ、サクッと殺りますか。

 

 

 

 





次回は教会カチ込み編。
半分はギャグ。


お楽しみに。

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