【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血 作:APOCRYPHA
ゲイムキャラとの会話………要らなかった……だと………………orz
side アナザー
「さて、ここだ」
俺は、現在割と感慨深い思いを抱いている。
理由は単純
三年近く続けていたゲイムキャラ防衛を完了したからだ。
幾ら俺が400年生きていようが、変わり映えのしない日々の消化は非常にキツイ……退屈過ぎて死にかねないからだ。実際問題、永く生きた
勿論、それなら辞めればいいと言う者もいるだろう。しかし、これは俺のプライドの問題なのだ。
なんせ、俺は『約束』してしまったのだから………
『二年半前』
当時、女神達がギョウカイ墓場に捕らわれた事を偶然にも聞いた俺は、非常食も兼ねた移動手段である血の池に乗って今後の事を考えていた。
と言うのも、俺は女神と無暗に人間を襲わないで教会から回される強力なモンスターを討伐すれば女神の血を貰う契約をしていたからだ。
その上で、得た死体からどれだけ大量の血を持って行っても自由と言うオマケ付きで
だからこそ、あの駄女神がとっ捕まった事を聞いた俺は、これからどうするかを考えなければならなくなった。
と言うのも、俺はあの駄女神が嫌いではないが……特に好きと言う訳でもない。あくまでも契約によって互いを律して利用し合うだけの関係だったのが大きい。
勿論、乞われれば犯罪組織撲滅でもマジェコンユーザー殲滅でも協力はしただろう。しかし、あいつ等は俺に何も言わずに犯罪組織に特攻を仕掛けている。
………まぁ、返り討ちに遭っている以上は栓無き事だが……何をすればいいかの指示さえ忘れるとは思いもしなかった。
お陰で俺はこうして何をするかを考える必要に駆られている。
ゲームは………面倒だ。そこまで興味が湧かん。
モンスター狩りは……散々狩ったが、プラネテューヌのは弱いし血も不味い。教会から紹介される程の危険種ならともかく、そこ等の雑魚は不味過ぎる。
なら、素直に別の国に行けと言われそうだが……他の国は俺の入国許可を発行する際に、女神か女神候補生が一緒でなければ面倒な手続きが発生するから却下だ。
例外はルウィーぐらいだろうが、あそこは
そんな風に、半年間延々と考え込んでいた俺は気が付けばどこぞの工場の奥地に居た。
「………って何処だ此処は!?」
当時、考え事に没頭し過ぎた影響で道を憶えていなかった。
しかも、非常食兼乗り物の血は飲み干していた為に消失。故に、新しく血を確保するまでは歩きだ。
………まあ、んなもの使わなくても俺自身が走った方が速いのだが……面倒だろう?
誰にともなく言い訳をしていた俺だが、暫く工場内を歩いていると、なんかよく分からんが一枚のディスクを寄って集って大の大人が殴り倒しているアホみたいな光景に遭遇した。
「へへっ……こいつを破壊しとけば俺様は組織で幹部になれるぜェ……!!」
「ヒャッハー!!出世の為に、ゲイムキャラは消毒だァー!!」
『………』
(…………どうしよう?もの凄く帰りたい)
その光景は、どう見ても世紀末なモヒカン共が一枚のディスクを殴って出世がどうとか言ってる明らかにヤバイ薬をキめたかのようなアレな光景である。
「………うむ、どうしようもないアホなチンピラ「誰がアホなチンピラだゴルアァ!!」………面倒だなオイ」
なるべく小声で喋っていたが、どうやらアホなチンピラと言う単語に反応したらしく、こちらに襲い掛かってこようとしていた。
「アァン?誰がアホなチンピラで社会のクズだ!アァ!?」
「殺っちまいましょうぜ!アニキ!!」
「おうともよ!!このガキには社会の厳しさってヤツをよーっく叩き込んどかねぇとなァ!!」
「ギャハハハハ!!お代はテメエの持ちもんと命で勘弁してやんよォ!!」
(いっそ、清々しいぐらいのチンピラだったが……どうやら敵らしいのでブチコロシは確定だな)
そして、チンピラA……アニキとか呼ばれてたゴミは俺に向かって拳を振り被り、襲い掛かって来た。
他のチンピラはそれをニタニタと無性に気色悪い笑みを浮かべながら眺めている。
「………滅殺を開始」
「ヒデブッ!?」
俺は、拳を振って来たチンピラAの下に回り込み、顎の辺りへ体内から引き出した血で作った刃を刺して、そのまま股下まで一気に斬り割いた。
「………穢い」
しかし、流石はゴミ虫とでも言えばいいのか……斬り割いて溢れた血は、腐ったような臭いがする程に不味そうで、俺はこのチンピラAに接触した俺の血を含めて、俺から切り離して遠隔操作する事に決めた。
「ヒィィ!?化け物!?!?」ドスッ
「逃げろ!逃げろぉ!?!?」ザシュッ
「死にたくねェよォ!??!」ブチッ
そんな言葉を聞きながら、俺は目の前のチンピラを殺し回った。
あるチンピラは矢の様に形状を変えた血で心臓と脳髄を射貫き
その反対側のチンピラは首を刎ね
最後のチンピラは、両方の三匹のチンピラから奪った血で全身を覆い、圧縮して殺した。
「…………さて、出口でも探すか」
『待って!』
「ぬお!?なんだ?誰か居るのか?!」
当時、チンピラを血祭にしたので誰も居ないと思っていた俺は、何処かで聞いた気がする声が聞こえて動揺してしまった。
別にどうと言う事でもないのだが、そんな動揺をうっかり興味と間違えた俺は、その声の言い分に耳を傾けていた。
要約するとこうだ。
①自分はゲイムキャラと言い、目の前のディスク(紫色)である。
②先程のチンピラ達のような連中が所属している犯罪組織に狙われてる。
③とっ捕まってる女神達が来たら誰であれ力を貸すから
………面倒臭そうだな。
『今、面倒臭いとか思いましたね?一応、あなたにとってもメリットはある筈ですが?』
「心を読むな……それで、メリットとは?」
『はい……具体的には、暇が潰せますよ?』
………こいつ、何で俺が暇だって分かったし
『こんな所まで来る人なんて暇人以外に居ませんから………まあ、先程のモヒカン達も暇人だったようですが』
…………アレと同列の扱いは不愉快だな。しかも、また心を読んで……
『いえ、顔に出てますから………それで、どうしますか?』
「………まあ、いいか。うむ、引き受けてやるよ」
『それはどうも……取り敢えず、これで死なずに済みそうです』
俺は、それから今日に到るまでずっと……このディスクの防衛に従事するのだった。
『さて、では行きますよ』
「何処に?」
『取り敢えず、安住の地を探してですが?先程のモヒカン達が消えたポイントとして探しに来られては面倒ですし』
「…………それもそうだな」
…………色々な話をしながら暇を潰して
『回想終わり』
『では、女神候補生ネプギア―――この激動の時代に貴女が何を成すのか……或いは、どのような秩序を齎すのか………何処かで愉しみに待っていますよ』
「はい!」
『最後にアナザー………平和になったら一緒にゲームで遊ぶとしましょう』
「「「え?」」」
「ああ、良いからとっとと雲隠れしておけ……ぶっ壊されたくはないだろう?」
『はい……では、また今度』
それだけ言って、ゲイムキャラは身体(?)を粒子に変換し、別の亜空間へと移って行った。
(今度会ったら絶対に白黒付けてやる………)
(……ねぇ、ゲイムキャラってゲーム出来たの?)
(さ……さぁ?どうなんでしょうか……?)
(さっぱりですぅ)
その後、暫く余韻に浸っていた俺は教会への帰りの道中にアイエフとコンパから三年間も行方知れずだった事と、犯罪組織の人間を無残に殺した事でお説教があったのは言うまでもない。
第一章~血塗られたマーチ~完
因みに、第一話でアイちゃん達が言ってたアナザーの痕跡は回想に出て来たチンピラ達やそれ以降の防衛で襲ってきた軍団長~下っ端及びモンスター達だったり………
参考に、モヒカン達のレベル
チンピラA:25
チンピラB:17
チンピラC:16
チンピラD:19
………弱いとかショボいとか言わんであげて!Aだけは中堅冒険者(成りたて)に相当するレベルなんです!それを犯罪組織のシェアで強化してるから、実質的には中堅冒険者でも上位に相当するんです!
………カタログ上の強さは、ですけどね。
因みに、大隊長(仮)ならシェアの強化抜きで上級冒険者の上位相当ですけどね。具体的には英雄級に片足突っ込んでます。
蛇足ですが、犯罪組織に捕まる前の女神達のレベルおば
ネプテューヌ:120(600)
ノワール:119(595)
ブラン:115(575)
ベール:116(580)
ネプギア:25(75)
()の中は、変身後のレベルです。それぞれの強化倍率は、女神が5倍で女神候補生が3倍ですね。