【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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さて、やっと五章が始まりました。
…………まあ、ルートの関係上最も短い(これまでが長かったとは言っていない)章になる……筈……多分


第五章~呪いの剣のファンタジア~
第六十七話


四女神を救出し、ギョウカイ墓場よりイストワールの力で帰還したネプギア達

吹き飛ばされたノワール達とハクを背負ったアナザーとも合流したネプギアは、プラネテューヌの教会で他の教祖達の主導で行われている何かを知っているらしきアナザーへの尋問に立ち会っていた。

 

「……さて、何から話してやろうか?」

 

「なら、何故今まで犯罪神についての情報を秘匿していたのかを聞かせて貰おうか?」

 

「そうか、生憎だがそれについては俺にも解らん。なんせ、犯罪神が復活する直前まで犯罪神(それ)関連の情報が封印されていたみたいでな」

 

「ならば、その封印を施した輩への心当たりh「ある訳ねえだろう、そんなもん」……そうか」

 

まずはラステイションの教祖ケイとグロウがアナザーに犯罪神の情報を秘匿していた理由を聞くが、アナザーは封印の理由や原因に関しては不明と答えた。

 

「だが、何故犯罪神について知っているのかは答えられる」

 

「へえ、そう……なら、教えて貰おうじゃないの」

 

それによって疑惑の眼差しが強まるが、補足するように犯罪神について知っていた理由を開示する。

 

「単純な話しだな。前回の犯罪神討伐に俺が関与していたからだ」

 

『はっ/えっ?!』

 

結果はイストワールを含めたほぼ全員から有り得ないものを見たような表情を向けられただけだったが、アナザーは気にした様子は一切見せずに言葉を続ける。

 

「言っておくが、イストワールが前回の犯罪神復活のデータを見付けるのは不可能に等しい。なんせ、それで先代のパープルハートが討たれて100年近くは眠っている筈だからな」

 

「……はい。()の意識は確かにネプテューヌさんの顔を見た時から持続しています」

 

「だろうな。それでも過去の記録(ログ)を漁れば出るかもしれんが、犯罪神が完全復活を遂げるのには間に合わん」

 

そう言ったアナザーは、やや芝居掛かったオーバーな身振りで壇上に上がった。

 

「俺が知る限り、犯罪神を降す術はたった2つだけ」

 

「2つもあるんですか?」

 

「そうだ。まず1つ目は想いの力を束ねて叩き付ける事……だが、これは前回の犯罪神を封じたと言う結果を出したものの実行した先代女神をも死に追い遣った」

 

「それは、なんと言うか…」

 

「封印出来ても死ぬとは、なんとも割に合わない話ですわね」

 

犯罪神を倒す術が2つあると聞いたコンパが意外そうな声を上げる。

しかし、それを実行すれば死ぬと聞いた他の女神達やアイエフは、微妙そうな表情で壇上のアナザーを見上げた。

 

「そうだろうな。これは俺としても推奨はせん……2つ目は単純だ」

 

そんな微妙そうな雰囲気を肯定したアナザーは、次の手段を告げる前に数秒程瞼を閉じて間を空ける。

そうして、未だに左手と同化している状態だった禍々しい紫色の刃を頭上に掲げ――――――

 

「この魔剣ゲハバーンに、女神の命を与える事――つまり、実質的な守護女神(ハード)戦争の再開だ」

 

――――――とんでもない爆弾発言(仲間割れの推奨)をしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この魔剣ゲハバーンに、女神の命を与える事――つまり、実質的な守護女神(ハード)戦争の再開だ」

 

『………………』

 

「ふざけんな!!」

 

「どのみち死ぬんじゃない!!」

 

そのあんまりな発言に一瞬だけ空気が凍り付いたかと思えば、次の瞬間には壇上に居るアナザーに向かってブランとノワールの怒号が響き渡る。

こっそり周囲を見ると、ベールやリーンボックスの教祖さんを始め、ブランの妹のロムちゃんラムちゃんにルウィーの教祖さん、ユニちゃんも尋常じゃないぐらいの殺気やら嫌悪感みたいなのを発して、普段はぱっと見残念イケメンなオーラを纏ってるグロウも残念オーラと面の皮が分厚過ぎて微妙に分かり難いけど、微妙に殺気みたいなのが漏れ出てる。

アイちゃんやコンパなんて、失望や怒りが見え隠れしてるぐらいだし

 

(……ま、まずいよコレ…アナザー、わたしが居ない間にナニしたの?尋常じゃないくらい嫌われてるんだけど……)

 

特別変化が無いのはラステイションの教祖さんとベールの妹のハクちゃん位で、いーすんからは悲しみみたいな色が溢れている。

 

(え、えーっと、こんな時に最適なボケは……)

 

昔から人の気持ちが色として見えてたのに対してこれまで後悔した事は無いけど、周囲からもの凄い量の殺意やら嫌悪やら憎しみやら怒りやらの負の感情が溢れ出してるのを見たわたしは心底後悔した。

 

「なにを言うかと思えば……少なくとも、俺が知る限りで魔剣以上の術はない。あるのは封印して全滅するか殺して一人か二人生き残るか……たかがそれだけだろう?」

 

ただ、一番危ないのはこの一触即発を通り越して一触爆裂魔法な雰囲気を気にすることなく、寧ろこれこそが正しいと言わんばかりに―――昔、一度だけリーンボックスで見た事があるベールの狂信者さんみたいな自信とか歓喜みたいな色を纏ってるアナザー自身だった。

 

「…………成る程、確かに合理的だね」

 

「……教祖、貴様もか」

 

「まさか、ボクは推奨はしないけど手段の一つとしてはありだと言いたいだけさ」

 

(あ、あばばばばばば……?!すっごい不穏だよ?!どうする、どうするわたし!こんな時こそ渾身のボケを……!)

 

そんなアナザーに賛同とも取られかねない事を言ったラステイションの教祖さんが分厚い面の皮を若干ぶち抜いて殺意を滲ませた残念イケメンのグロウに殺意を向けられている現状に慌てて、わたしが渾身のボケを披露して場を和ませようとした時だった。

 

「ま、まあまあ、みんな落ち着いて、どんな時も優雅に「一応断っておくが、俺とてプラネテューヌの女神と教祖には決定権を譲ってやるとも……当然、他の術があると言うなら付き合ってやるのも吝かではない」赤い服のあご髭おじさんも言って…………………えっ」

 

『…………………………』

 

その瞬間、周囲から『使わないよね?』と言う無言の威圧感と共に地味に殺気みたいなのが乗った視線を向けられたわたし達は、予想外の状況に固まった。

 

「や、やだなー…アナザー?冗談も程々にね?ほら、みんなも落ち着いて落ち着いて!そんなのつk「…一日だけ、考える時間をください」な、い…………」

 

(ね、ネプギアーーーーー!!)

 

まさかのネプギアの使うかもしれない発言にアナザーの時とは違って戸惑いみたいな色が多かったのは幸いだけど、これはヤバイ、ホントのホントにヤバ過ぎだよ……

 

「好きにすると良い。だが憶えておけ…今や時間は俺にとっても有限で、そう長くはないと」

 

そう言ったアナザーは早々にどっかに行っちゃうし……これから、本当にどうしよ?

 

復活した犯罪神に対抗する為の話し合いの結末に、わたしは不穏な雰囲気を感じつつ、これから色々考えるだろうネプギアの方向性をどうにか穏当なものへ誘導する為にギャルゲーの超難関ヒロイン攻略張りに頭を使うのだった。


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