【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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かなり時間が掛かった……やはり、時間は有限(何を今更)
これからも時間が掛かるでしょうけど、なんとかして書き上げたいものです。


第六十六話

時は少し遡り、アナザーがネプテューヌと言い争っていた最中

 

「犯罪神マジェコンヌが、復活しました。急いでギョウカイ墓場(ここ)から避難しますわよ」

 

「えっ」

 

ハクを見付けたベールは、口にした言葉だけ聞けば驚いているように聞こえるものの、表情は微笑みで固定されているハクに避難を呼び掛けていた。

 

「さっ、急ぎますから急いで変身しなさいな」

 

「………………」

 

しかし、避難を呼び掛けられたハクの様子が少しだけ可笑しかった。

表情こそ微笑んでいるが無言で両手に異能の光を灯しており、握り締めている右の拳は心なしか周囲の空間が歪んで見えていた。

 

「……ハク?」

 

「………………」

 

そんなハクの様子に気が付いたのか、ベールはハクの顔を覗き込んで様子を伺うが――――

 

「……姉さん、避難の件は丁重にお断りします」

 

「は?」

 

―――唐突に避難はしないと宣言したハクの言葉を聞いて、間の抜けた声を出して呆けたのだった。

 

「ど、どう言うつもりですの?」

 

「どう、と言われましても……言葉通りですが?」

 

ベールは動揺して吃りながらもハクにその意図を尋ねるがハクは普段通りの表情を一切崩す事なく、まるで近所のコンビニにおつかいでプリンを買いに行く某女神候補生のような軽い雰囲気で死地に残る(避難しない)と宣った。

 

「姉さんも分かっていると思いますけど、女神が矛も交えずに敵前逃亡なんてしても良いことはありません。シェアは減るし増長した犯罪者が暴れ出すしで大惨事しかないのですから」

 

「うぐっ……敵前逃亡…………って、まさか貴女…!?」

 

「はい。その反応は少々気になりますけど、時間がないのでスルーしますね。これから復活した犯罪神を征伐しに出掛けなければなりませんし」

 

……いや、それ(避難しない)よりも尚悪い事に、犯罪神に戦いを挑む(死にに行く)とハクは宣ったのだった。

 

「ダメですわ!勝てる訳がありません!!」

 

「ええ、ですから姉さんはどうぞご自由に?私は私で犯罪神を征伐しなければなりません」

 

逃げる間際に復活した犯罪神の力を感じていたベールはそんな無謀な突撃を止めるものの、ハクはその制止を気にもせずにその辺の瓦礫の山から鉄パイプを数本程束ね無理矢理巨岩に突き刺して失った大剣の代わりに大槌を造り上げた。

 

「ですから、他の方達と共闘をすれば少しは活路も見出せる筈ですわ」

 

「……ふむ、及第点、と言った所ですね。後は―――――」

 

最早ハンマーを通り越して単なる岩塊と言っても良い手製の大槌を振るい、幾本も束ねるように突き刺した鉄パイプが軋みながらもどうにか耐え切ったのを確認したハクは、そのまま大槌を肩に担いでベールが飛んで来た方を見た。

 

「―――――見付けました…けど、こ、れ…は…………」

 

「あの、聞いていますの?ハク?」

 

『「…………………」』

 

そして、瞳から光(ハイライト)が消えた状態で俯き沈黙したハクの様子を心配してか、隣に寄り添ったベールが声を掛けるものの、ハクは何の反応も示さない。

 

『「認識情報確認、error、error、error、再三のerrorに伴い、認証手段の変更を開始―――類似するデータを検出、グリ――――ト・――――に35%の類似パターンを確認」』

  

 

「ハ、ハク?一体何を言っていますの?」

 

それ所か、声を掛けたベールを何の感情も籠っていない実験動物を視るような無機質な眼差しで謎の発言を繰り返し

 

『「――――――ハートへの同調率0.000000000005%未満と判定、認証を完了――――器としての適合は認められず、新たなる「見付けたぞ」ううつつつツわわワワわワわわワワヲをヲをヲを―――――――――」』

 

 

――ボンッ!!

 

「「えっ」」

 

突然上空から現れたアナザーによって、謎の発言に壊れたCDのような震えが発生し、脳が処理落ちした事で止まった(気絶した)のだった。

 

「…………丁度良い。どうせこいつは勝てないと確信していても犯罪神に挑むだろうし、このまま連れて行くとするか」

 

「あ、でしたらわたくしが連れて「お前は止めておけ」き……えっ」

 

「全く、何故俺がこんな事をせねばならんのか……」

 

それを幸いにと、不満気な顔をしたアナザーはハクを背負ってネプテューヌと言い争っていた場所に歩き出すのだが、不満タラタラなアナザーはハクを運ぶのを代わると言ったベールを素っ気なく一蹴して運んで行く。

 

「あの、不満なら代わって「黙れ雑魚」……………」

 

そして、ハクを運ぶのを代わると申し出たのに罵倒付きで断られたベールは、若干殺気を滲ませながら苦虫を噛み潰したような表情をしてアナザーに着いて行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

こうして、犯罪神に対する戦力がプラネテューヌの教会に集まった。

しかし、プラネテューヌの教会に集った者達は、この選択肢こそが地獄への片道切符だった事をまだ知らない。




とんでもなく時間が掛かりましたが、止める心算は有りません。
仮に辞めるとしたら、失明したり両腕を亡くしたりあの世へ逝った時だけです。(なお、視力はかなりヤバイ)

mk2ないしRe;Birth2も残す所後二章分です。
さて、その後は……まあ、VないしRe;Birth3でもやるとします。(なお、その後はVII)

無印ないしRe;Birth1は……気が向いたら番外編とは別枠を取ってやるかも(気が早いわ)

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