【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

63 / 89
第六十二話

幕切れは、とても呆気ないものだった。

 

「インフィニットスラッシュ/N.G.P!!」

 

「ネプテューンブレイク/プラネティックディーバ!!」

 

「認めぬっ!?…こんな結末、認められるわけがっ【――――】ぎィアぁ…?!……ぐわあああああああああああああああ!?!?」

 

光の柱が建ったのと同時に、目覚めた四女神と新たな力を得た四人の候補生達の手(……)で犯罪組織の黒いロボットは爆散し―――

 

「ハードブレイク/ノーザンクロス/アブソリュートゼロ!!」

 

「スパイラルブレイク!!」

 

「アックククク……我が人生に一片の悔いなああああし!!!!…………って、なんとーーー?!?!」

 

「くっ……ここは一旦、避難するしか……!?」

 

―――また、それと同時に倒された黄色い恐竜人形のようなロボットは、最後の瞬間だけ急に中身が入れ替わったかのように雰囲気が変わったものの半壊状態で機能を停止し、蒼いローブの男は転移魔法で何処へ消えた。

 

「勝った…?……勝ちました!私、勝てたんですね!?」

 

「イエーイ♪わたし達の大勝利♪」

 

「そうね…ネプ子達が目覚めてくれなかったら、きっとヤバかったんでしょうけど……」

 

「でもすごいです!あの時は黒いろぼっとさんだけでも逃げるので精一杯だったのに、今度は勝てたです!」

 

その結末(勝利)に、少しずつ実感していったらしきネプギアは満面の笑みを浮かべ、変身を解いたネプテューヌと抱き合いながら歓喜し、アイエフやコンパもそれに同意するかのように笑みを浮かべる。

 

また一方で、なにか言いたそうな表情のユニは、非常に緊張しながらノワールの元へと小走りで駆け寄った。

 

「あ、あの…」

 

「…ユニ……随分と、時間が掛かったみたいね。正直、もっと早く来てくれると思っていたわ」

 

「ご、ごめんなさい!?アタシ、まだ全然お姉ちゃんみたいには…」

 

そんなユニに対して少々気怠げな雰囲気を出しながら皮肉な言葉を放ったノワールは、自分のお尻をチラチラと気にしながら、普段の勝ち気な雰囲気が消失しておどおどとした雰囲気になっているユニに笑みを浮かべて一言多い台詞と共にありがとう、とそう告げた。

 

「なにを謝っているの?あれだけ時間が有ったなら当然だけど、大分成長はしてるじゃない。ありがとう、助かったわ」

 

「う…うん……けど、お姉ちゃん…」

 

そんなノワールに対してやっと安心したような表情を浮かべたユニは、未だにノワールのお尻を気にしながら気にしていた疑問を投げ掛ける。

 

「?なによ?」

 

「あ、あの、お尻…」

 

「これは気にしなくて良いわ」

 

「あ、そうなんだ……」

 

しかし、ノワールの気にしなくても良いと言う発言によって、感動的な筈の場面に不釣り合いな変なものを見たような、それとも自分の常識(7年間の蓄積)が間違っていたのか……そんな心境が窺えるような微妙な表情を浮かべて、ノワールのお尻をチラチラと見ていたのだった。

 

『……………………』(ぷるぷる)

 

…………微妙に震えながらも、ノワールに近寄った途端とても神掛かった鮮やかな滑らかさで椅子となったグロウを――――

 

「ねえねえ!お姉ちゃん!」

 

「ダメよ…」

 

「わたくしの妹は、何故ここに居ないのでしょうか……」

 

―――なお、その近くには二人の妹の視界をうs…もとい、大きくない身体で抱き締めて強引に塞いでいるブランと、自分の妹だけがこの場に居ない事に対して何処となく別次元の因果らしき何かを感じながら独りでしょんぼりしているベールの姿が在ったとか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネプギア達が姉の女神達と再開し、救出の喜びに高揚していた(但し若干二組は除く)少し前、ブレイブによる自爆特攻で出来上がった大穴の底

 

「『……最悪』」

 

そこには、自爆したブレイブの残骸である装甲の一部を踏み躙りながら、煤に塗れて不快気に顔を歪めているアナザーの姿があった。

 

「『あの雑魚端末が……よりにもよって自爆とかふざけてんの?嘗めてんの?テメエ如きが自爆した所で、(アタシ)が死ぬ訳ねえだろうが虫けらが』」

 

煤に塗れているアナザーは怒りの儘に自爆したブレイブを侮辱しながら足元の残骸を踏み潰した。

 

「『えーっと……これじゃない……これは少な過ぎ……』」

 

そして、一通り罵声を浴びせ尽すと唐突に黒い靄に右腕を突っ込んで何かを探し始めた。

 

「『……有った!』」

 

目的のものが見付かったらしいアナザーが黒い靄から腕を引き抜くと、黒い靄からは腕と共に本来ならばこのような場所には存在しない上位危険種の中でも最上位に位置し、時に上位の女神や長く生きた真祖でさえも喰い殺しかねない八垓禍津日神が現れた。

 

「『ふん!』」

 

『Gyurororororororororororororororororo?!?!』

 

そんな危険な存在をアナザーは、赤子の手を捻るかのように容易く腕一本で首を捩じ切り大量に流れ出る血を支配して行く。

 

「『……まあ、これだけあれば十分でしょう』」

 

そして、流れ出た大量の血を周囲に浮かべたアナザーは血抜きを終えても消える気配のない八垓禍津日神の死骸を片手で軽く投げ棄てると共に、支配した血を自身の頭上に浮かべ、支配を解除した。

 

「『ふんふんふ~ん♪』」

 

そのまま、全身の煤を落とす為だけに八垓禍津日神から搾り取った血を全て使用した後だった。

 

「『…………あ‟?』」

 

「『……何、■の力を使ってんだ………あのクソガキが……』」

 

先程までの機嫌の良さそうな雰囲気は何処に行ったのか、煤に塗れた時よりも顔を顰めながら、底冷えのするような怒りと憎しみを声に滲ませて、アナザーは北東の方角に顔を向けた。

 

「『……仕方ない、か……』」

 

それから少々名残惜しそうに自分の身体を見たアナザーは、黒い靄を全身から吸収すると共にそのまま気絶して倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四女神が目覚め、女神候補生達が新たな力に目覚めていた際

 

「…………浄滅、開始」

 

身体へ纏っていた光を消し、悪魔のような姿になったハクは表情1つ変えずにそう言うと、両手で持った神器の大剣に黒が混じった光を纏わせマジックに目掛けて斬り掛かる。

 

「ぬ、おぉお!?」

 

右、上、下、左、突き、払い

時に不可能な筈の軌道を力業で強引に放ち、幾度も繰り出される大剣の乱舞に対して、マジックは薄皮一枚を切られながらも防御と回避を繰り返した。

 

「………………」

 

「こ、の……調子に、乗るな!?」

 

そして、防御と回避の合間に反撃を繰り出すも、ハクは強引な力尽くで大剣を引き戻して弾き返す。

その力は変身前は愚か、前の天使を模したような姿のそれさえも凌駕しており、黒が混じった光を大剣に纏わせている事もあって、魔王のようなナニかを連想させられた。

 

そのような攻防を数分程繰り返していた時だった。

 

「……………………」

 

「ハア……ハア……グッ…………」

 

そこには、息1つ乱さずに無表情で立つハクと、片膝を着いて息も絶え絶えなマジックと言う構図が出来上がっていた。

 

「ふ、くふふ……まさか、貴様に……このよう、な…才が有ったとは、な……」

 

「……浄滅を執行」

 

ハクの放つ黒の混じった光に焼かれながら、マジックは嘲笑うような声色で毒を吐く。

 

「貴様は、そう遠くない時に破滅を迎える……」

 

「浄滅……」

 

黒が混じった光を左手に集束させてマジックの頭に右手を向けたハクは、肩で息をしている確実にしとめる為か、光の集束を続けて出力を増幅していく。

 

「何故なら……」

 

「消えなs―――」

 

『ぐちゃっ』

 

そんな時、何かが潰れたような音がして、ハクの右手に集束していた光が喪失した。

 

「「…………は?」」

 

その状況には、ハクだけでなく敵である筈のマジックさえも驚愕した。

何故か、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「………………ごふっ」

 

それを認識したハクは血を吐くと共に、前向きに倒れ伏した。

 

「………………一体、何があったと言うのだ……」

 

あまりにも訳が分からない状況に終始困惑していたマジックは、女神(?)化がゆっくりと解けながら胸元から大量の血を垂れ流しているハクを一瞥し、破損したプロセッサユニットをシェアエナジーで修復して先程爆発があった方へと飛んで行ったのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。