【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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……ヤベエ……ちょっと冗談抜きにストーリーが思い浮かばない……orz


第五十八話

「『…………さあ、終わらせようか……』」

 

そう言ったアナザーの周囲には、全てを塗り潰さんと言わんばかりに黒い靄が漂い、アナザーの姿を見え難くしていた。

 

「な…なんだ!なんなのだ?!キサマは!!」

 

そんなアナザーに対して、ブレイブは声を荒げて問い掛ける。

 

「『お前にその答えが必要なのか?』」

 

「ぬうっ?!」

 

その問いに対して、アナザーは普段の血の弾丸とは違う、黒いナニかを撃ち込む事で返答とした。

 

「あ…あぁあ……」

 

ブレイブの隣に居たリリスは、アナザーのあまりにも禍々しい姿に対して本能的なナニかを揺さぶられているのか、顔の左側を抑えながらブレイブに寄り掛かる。

 

「『……シネ』」

 

「うおっ!?/きゃあっ?!」

 

アナザーはその一瞬を突いてブレイブとリリスが重なるような軌道で黒い弾を撃ち込んだが、それはブレイブが自前の身体能力を用いてリリスを抱え、瓦礫以外は何もない横に跳んだ事で回避した。

 

だが―――

 

「『バカめ!引っ掛かったな!』」

 

―――それを回避される事を視越したアナザーは、ブレイブが跳んだ方から―――つまり、アナザー自身も操っている血も基点とする事なく、虚空から数発の黒い弾を一瞬で発生させて撃ち込んだ。

つまり、今のアナザーにとっては場所の座標さえ知覚出来ているのなら、1つの戦場の全てから何処にでも黒い弾を発生させ、それを撃ち込めると言う事なのだろうか?

 

「勇者様危ない?!」

 

「ぐおおおおおおおっ?!」

 

しかし、ブレイブの反応速度は流石とでも言うべきなのか、リリスの叫び声に反応すると同時にその黒い弾を愛用の大剣に焔を纏わせて両断した―――

 

「そんなっ?!」

 

「なん…だと…………」

 

―――結果、両断した大剣は纏った焔諸共に熔けて半ばから折れて行った。

 

「『|っ…だから、俺がその程度の罠しか張っていないと思っていたのか?《墜ちなさい?落ちなさい?オチナサイ?堕ちなさい?》』」

 

その結果、理解の範疇を超えた事態によって混乱しているブレイブ達に対して、アナザーは右眼の血管が破裂したのか、白目を紅く染め、血の涙を流しながら、同時に纏う黒い靄の総量を増やして行く。

 

「くっ…ここまで、か……」

 

「『さあ、終わりの時g――――』」

 

そうして、アナザーが早急に止めを刺そうとブレイブの周囲に大量の黒い弾を出現させた時だった。

 

「『―――なん―、――まァッ……?!?!』」

 

急にアナザーが右手で頭を抑え出すと同時に―――

 

「『GgaAaaAaAAアあアアあAAaaaaAAアaaaアアあアアAaAアあアaアアaaaaaaaaあアアアあアアAAアaaaアaaアaAAAAaAaa!?!?!?!?』」

 

―――急に叫び出し、黒い靄を衝撃波の様に周囲へと撒き散らし出したのだった。

時折、靄の隙間から見える姿は眼から血を流していただけだった右半分が、皮膚は爛れ肉も崩れ、骨が剥き出しになっていたかと思えばまた次の一瞬では、先の惨状が幻だったとばかりに元の状態にまで戻っている。

 

「な、ナニが起こっているのでしょうか……」

 

「……さて、な……!」

 

撒き散らされる黒い靄を、時に魔力弾で防ぎ、時にはブレイブの肩にある砲撃で相殺しながら、回避し続ける事暫く

 

「『………………』」

 

黒い靄が無くなった先には、最初の時と変わらない、右眼の血涙さえ無い無傷のアナザーの姿が在った。

 

『…………』

 

しかし、ブレイブもリリスも、そんな無防備な状態のアナザーに対して、言いようのない不安と恐怖を感じて攻撃に移れないでいた。

 

【……………………】

 

そうして、場が膠着状態になっている中、アナザーの側に動きがあった。

 

「『……アハァ♪』」

 

基本的に(暴走時以外)表情の変化に乏しいアナザーが、急に無邪気な子供のような笑顔を浮かべ―――

 

「『アハハっ♪アハハハハハ♪アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ♪♪♪』」

 

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおっ?!?!/きゃあああああああああああああああっ?!?!」

 

―――周囲へと無差別且つ大量に、先程ブレイブの大剣を溶かして半ばから溶断した黒い弾を弾幕の如くばら撒き出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方でその頃、アナザーを置いて(囮にして)捕らわれた女神達の救出に向かったネプギア達一行は―――

 

「お姉ちゃん!?」

 

「ネプ子!今助けるわよ?!」

 

―――ネプテューヌを始めとする四人の女神達を見付け出して、アイエフが各国で事前に用意していたシェアクリスタルを統合して作り出した大きなシェアクリスタルを翳していた。

 

「(私が)ノワール様(に縛られたい)……」

 

「お姉ちゃん……」

 

『う、ぅう……』

 

そのシェアクリスタルの光に照らされ、四人の女神達を縛っていた黒いコードのような紐がゆっくりと溶け出した。

また、眠りに就いていた女神達の意識も徐々に戻り始め、悪夢に魘されるかのような表情で唸り声を挙げていたが―――

 

「っ!?危ない!」

 

「イィヤッッハアアアアアアアァァァァ!!!!」

 

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアッ?!?!?!」

 

―――しかし、突如としてシェアクリスタルを掲げているアイエフに目掛けて髑髏の意匠が施されたハルバードが叩き落とされた事で、シェアクリスタルの光は一時的に中断する破目になったのだった。

 

その容赦の無い不意討ちに対して、辛うじて直撃を避けたアイエフは遠くへと吹き飛ばされながらも受け身を取って膝を付く。

 

「まだまだまだまだまだまだまだまだまだァッ!!!!!!」

 

「させるか!!」

 

更にそこから、黒いロボット――ジャッジはアイエフ目掛けてその巨大なハルバードを振り回して追撃したが、その追撃はグロウが死ぬ気で受け流した事でアイエフからは逸れ、アイエフ(とシェアクリスタル)にトドメが刺される事は回避した。

 

「――ぐぬぅ……?!」

 

「グロウ?!」

 

……だが、ジャッジの追撃を受け流したグロウは、そのあまりの威力に対して完全に威力を殺し切る事は叶わず、受け止めた刀は砕け散り、右腕はあらぬ方向へと捻曲がってしまっていた。

 

「ア…クッ……じょぉ……」

 

「……絶対絶命って奴かしらね?」

 

しかも、そこへ更に黄色い恐竜人形の出来損ないのような姿をした者が現れた事で、ネプギア達は敗北同然の状況へと追いやられて行ったのだった。




えー、マジでなんか誤解されそうだからここで書いときますが、今回、別にアナザーが強くなったんじゃないです。

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