【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血 作:APOCRYPHA
「では、御武運をお祈りしています」
「お姉様の事を頼んだわよ!」
とても
そこに俺が転移させられる直前に聞いたのは、そんなイストワールと知らない誰かの声だった。
(アア、しかし、本当に)
何だろうか?この
ギョウカイ墓場の空気を吸うだけで、心が
「……残骸の山、か」
しかし、不思議だ。
一度も来た事のない場所でこんな事を言うのも変だが、故郷に還ってきた?或いは、母親の胎の中で揺蕩う胎児にでもなったような……とにかく、不思議で仕方のない感覚だった。
…………だが
「なんですか!ここは!!」
「ちょっとハク?!急にどうしたのよ!?」
「どうしたもこうしたもありません!有り得ません!何なのですかこの最低最悪な世界!!女神を馬鹿にしてるんですか!?」
「お、落ち着いて!落ち着いてください!」
「落ち着く?!ネプギアさん!よくこんな最低な世界を許容できますね?!」
「ケンカはダメです!」
……どうやら、ハクはこの
アイエフやネプギア(ついでにコンパ)の制止を振り切り、左手に物質化した大剣を持って大暴れしていた。
「て言うか!こんな最低な世界に姉さんを捕らえるなんて!!最悪です!最悪過ぎます!!犯罪組織は何を考えてるんですか!?」
「あの、私も最近まで捕まってたんですけど……」
「ネプギア、言ってもムダよ……」
「ハクちゃん……こわい……(ぶるぶる)」
「最低です!最低です!!最低です!!!」
(……喧しい奴だ)
まあ、手当たり次第に溶解光線を撃たないだけ良しとしよう。
あんな危険極まりないビームを撃って
だが、筋力でも上がったのか、剣先から十数メートル先の瓦礫の山が吹き飛ばされている上に、何をどうやればこうなるのか、馬鹿デカい刀身の刃を叩き付けられた筈の大地は切断される事なく、小さなクレーター(但し、人間が数人ぐらいは入れる)を生成していた。
(……と言うか、どうやって刃を大地に叩き付けてあのサイズのクレーターを作っているんだろうか?)
刀身が地面に埋まるならまだしも、あのサイズのクレーターを造れる筈がないのだが……
「…はあ……はあ……こ、こんな場所にこれ以上
「ちょ、場所は分かっt「今行きます!!」……なんで、こうなるのかしら……?」
そんな事を考えている内に、一通り暴れて落ち着いたハクは息を整えながら、捕まっている駄女神達を探してものすごい勢いで突撃して行った。
「アイエフさん!早く追いかけないと!!」
「……そうね。行きましょうか…………私としては、アナザーの方が暴走しないか心配してたんだけどね…………」
そうして、ハクが向かって行った方にアイエフ達が行こうとした矢先の事だった。
「皆様揃い踏みで、飛んで火に入る夏の虫とはこう言う状況を指すのでしょうか?」
「リリス、そう言ってやるな……奴らも何かしらの勝算程度は用意して来たのだろう」
「確かに、その可能性は無視出来ませんね!流石は勇者様です!」
目の前に白いロボットと白い女の二人組が立ち塞がったのは―――
「……あんた達、犯罪組織の関係者か何か?」
「悪いけど、アタシ達はこれから「女神共を解放しに来たのだろう?」っ、お見通しってワケね!」
アイエフとウニ……違った、ユニが白い二人(?)組に邪魔だとでも言おうとしたのか、そのまま出鼻を挫かれ臨戦態勢に入った。だが、今のこいつらにアレの相手は不可能だろう。
「……そう血気に逸るな。オレ達の目的は貴様らではない」
「ええ、わたくし達としては、そこな紅毛の悪魔さえ置いて行くなら貴女方は素通ししても良いと考えておりますので」
その証拠に、あの白いロボットは前に俺が斬られた時は一応構えていた大剣を持ってすらいない。
腕を組んで仁王立ちとまではいかないが、それでも
『……………………』
(……まあ、そうなるだろうな)
白い女の方は知らんが、何処までも違和感しか感じない、正義の味方と言わんばかりの風体をしている白いロボットの方は、俺自身も良く憶えているとも
白い女の紅毛と悪魔と言うキーワードから、一瞬も迷う事なく全員が俺を見た事に思う所はあるが、そんな些事などどうでも良い。
「……俺を置いて先に「さ、ここはアナザーに任せて先に行きましょうか」い、け…………」
「そうですね。それが一番です」
「お姉ちゃん!今行くから、もう少しだけ待っててね!」
「ごーごー♪」
「……♪(びゅーん)」
「イエーイ♪RED.ちゃんが一番乗りなのだー!」
(………………解せぬ)
……まあ、良い。
全員から何の躊躇もなく置いて行かれたが、邪魔な足手纏いを手間なく引き離せたと思えば、気にする事は何もない。
『………………』
心なしか目の前の敵からさえ若干同情的な(?)眼差しで見られている気もしなくないが、恐らくは気の所為だ。
向こうが言ったのだから、こうなる事を見越しての言葉だったのだろうと俺は思う。
「……ふぅ……」【ア…―♪】
あの日以来、心臓の付近で煮え滾る黒の力を意識する。/何処からともなく、ノイズの混じった女の声が聞こえる。
「……さあ、終焉を与えようか」【嬉しいわ?哀しいかしら?愛しいアナタ、始源のカイナにおいでなさい?】
そうして、俺の意識を激痛が襲う。/はじめてノイズが完全に消え失せた女の声を聞いた。
「『あアアaaAaAAアあアアアあアアAaAアあアaアアあアアアあアアAAアアaaアaaAaa!!!!』」
「っ!?」
「…………(ぱくぱく)」
そうして、誰とも知らない女の意思のようなナニかが俺の意識に混ざると共に、周囲には全てを終わらせる闇が溢れ出すのだった。
「『…………さあ、終わらせようか……』」
一方でその頃
ギョウカイ墓場の奥に向かって全速力で走っているハクは、途中に居たモンスターやジャンクの山を薙ぎ払い、吹き飛ばしながら、捕らわれた姉の女神達を探し続けていた。
「ああもう!!何処に居るんですか姉さんは!!!!」
その表情はニコニコと笑っている普段では考えられない程に嫌悪で歪み、上位の危険種である八百禍津日神が泡を食って逃げ出す程の殺気を撒き散らしている。
「気持ち悪い!!本当にもう!!なんなんですか此処は?!」
だがしかし、ハクにとって
「さっきから変身しようとしても変身できないし!挙句に浄化作業も出来ない!!もう訳が分からないわ!!」
……そう、実の所、ハクは
ただ単純に、何故か女神化する事が出来ず、己が異能が使えなくなっていたに過ぎない。
「此処には、間違いなくシェアエナジーが漂っているのに……ゲイムギョウカイだって、他所の国に行ってもある程度の時間は女神化出来る筈なのに……なんで!!」
そうして、これまでの経験にない現象に対する困惑と不安から、何処へともなく叫ぶハクだったが、その叫びに対して答える者が居た。
「さて…な。我が主である犯罪神様は、その答えを持ち得ない」
「へへっ♪マジック様、コイツ、能天気に1人で来やがりましたね♪」
それは、鎌を構えた彼岸花のような姿の女―――マジックと、全身から小物臭を漂わせているネズミを象った鼠色のパーカーを着た、鼠色の肌をした女―――下っ端の二人組だった。
「ッ!?!?」
―――――ブチッ
そして
「アアあぁァァぁァあアアアァぁァあアァあアァぁァぁァァァぁァあアァァァァ!?!?!?!?」
その何かは、ギョウカイ墓場に来た時からハクが感じていた異能が阻害されるような感覚を突き破り―――否、普段の限界とも言えた右手からと言う制限さえも突破して、変身前であるにも拘わらず全身から異能の光を辺り構わず撒き散らして喉が裂けるような甲高い叫びを挙げながら、ハクは両手に大剣を握り締めてマジック達の居る場所に目掛けて凄まじい勢いで突撃して行ったのだった。
……うーん、元々はもっと簡単な内容だったんだけどな……どうしてここまで複雑な話にしたんだか……
単純に自分の技量が追い付かない……
つ元々(アナザーだけ入れて基本的に原作沿いにするだけ。敵の塵際などに要らん事を言わせて引っ掻き回す感じ?明らかに駄作まっしぐら)
つ現在(アナザー以外にも色んなものが入り乱れてグチャグチャ。アーカムだってここまで酷くない……のかな?)
……いや、どっちも駄作じゃん!?(ノリツッコミ)
今と元々の予定だと、一体どっちがマシだったんだ……orz