【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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なお、次回は五十六話のIFです。
そっちは番外編置き場に投稿するので、良ければどうぞ


第五十六話

早朝、日が昇る少し手前にプラネタワーへと辿り着いた俺は、魚の骨が喉に引っかかったような……美味いと思っていた天然ものの人間の血が、実は人工の養殖もので微妙な味だったような……そんな微妙な気分でイストワールの元へと向かっていた。

 

「…………ああ、気分悪い……」

 

しかしまあ、何なのだろうか?この微妙過ぎて絶妙に不快な気分は

俺は犯罪神など知らないし、犯罪組織と言う名称自体、何となく聞いた覚えがあるような気がする程度のものだ。

 

「……だが、妙に引っ掛かる……」

 

あれだけ気分が高揚していた時の言葉だ。

もしも知る限りで一番強い者を引き合いに出していたのなら、それは駄女神(ネプテューヌ)を中心に一致団結したシェアも万全の四女神全員か、全ての女神を■●、■■の■●■にした上で、全てのシェアを奪い尽して唯一国家の女神となった●●●●か―――――

 

「――――いや、俺はなにを考えている?」

 

オカシイ。本格的に記憶が狂っている。

少なくとも、俺はパープルハートを中心に一致団結したシェアも万全の守護女神達などは見た事は無いし、ゲイムギョウ界ではここ数百年の間で単一国家など存在していない。

 

だからこそ、知る限りではそんな知識は無い筈なのに…………

 

「…………なら、この妙に具体的なシュミレーションは……いや、そもそも、この単一国家の女神は―――」

 

『まあ、時間まであと少しありますから、それまで待っていましょう?』

 

「っ!?」

 

唐突に聞こえて来た何処となく不快だと感じる声に気が付けば、何時の間にか俺はイストワールのいる謁見の間の扉の前に1人で立っていた。

 

「…………そう、俺は今日、あの駄女神(ネプテューヌ)を捕獲しに行く為に歩いて来たのだった。そんなどうでも良い事など、考えている必要はない」

 

そう、その為にワザワザレンラクマデヨコシテ、ココマデキタンダ……イマハトニカク、ダメガミのカクホヲ―――ソレイガイノコトナド、イツダッテカノウダロウ?

 

「【ダッテオレハ……エイエンナノダカラ…………】」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、アナザーがイストワールを目指してプラネタワーの内部を進んでいる頃

 

「ねえ、まだなの?」

 

「もう少しです。もう少しだけお待ちください」

 

「あなざーさん、遅いですねぇ……」

 

プラネタワーの謁見の間では、ユニやネプギア達がイストワールの横に在る大きな機械―――敵の本拠地であり、女神達が捕らえられたギョウカイ墓場へと向かう為の転送装置―――の前で、まだかまだかとアナザーの到着を待ち構えていた。

 

「ふむ、()()によると、もうそろそろ到着している時刻なのだが……」

 

「まあ、時間まであと少しありますから、それまで待っていましょう?」

 

ハクがそう言った矢先の事だった。

 

「『…………モドッタ』」

 

謁見の間の扉が開いて、虚ろな表情をしているアナザーが入って来たのは

 

「遅かったじゃない。アナザー、アンタ以外は全員準備できてるのよ?」

 

「『……ソウカ、ソンナコトハドウデモイイ。イクナライクゾ』」

 

「ちょっと!一番遅れておいて仕切らないでよね!」

 

「『ソウカ……』」

 

しかし、どうにも様子がおかしい。

何故か喋り方は片言だし、心なしかアナザーの声とは別に、少女のものと思われる声が微かに聴こえてくる。

 

「……あの、本当に大丈夫なのですか?体調が優れないなら、別にもう1日ぐらい待っても「『っ、ヒウヨウナイ』」……そうですか?心なしか何時もより不健康そうですけど……」

 

それに加えて、普段ならハクが寄ってくる事に対して口で嫌がっている割りには警戒が緩いのだが、今はハクが近くに寄ってくる瞬間に近寄って来た分だけ正確に距離を取り、限界まで手を伸ばしても絶対に触れる事も触れられる事もないような絶妙な距離を維持し続けていた。

 

「えー、では、みなさん、準備はよろしいですか?」

 

『はい/はいです/はーい/うむ/アア/……(こくこく)』

 

そうこうしている内に、転送装置の準備が整い、後はイストワールがスイッチを押すだけとなっていた。

 

「では、御武運をお祈りしています」

 

「お姉様の事を頼んだわよ!」

 

そうして、ポチッとスイッチが押されると共に、やる気に満ちたネプギア達は転送装置によってギョウカイ墓場へと転送されて行った。

 

「『………………ニィ』」

 

そんな中でアナザーだけ、まるで全てを嘲笑うかのように目を伏せて口の端を吊り上げながら、不穏な雰囲気を纏って転送されて行ったのだった。




誤解のないように何度でも言いますが、アナザーはグロウから連絡用の端末なんて受け取っていませんし、そもそも連絡なんてしていません。

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