【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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第四十九話

白の女神が治める国に在るからか、矢鱈と白い雪原が在ったこの結界の内部だったが、そこは今、あちこちに大穴が空いて土の色が剥き出しになり、白塗りの陶器のような景色(何処となく不愉快な光景)は|白い鍍金が剥がれて土色が溢れ返った穴だらけの見るも無残な景色《何故か悲しくなる光景》へと変わり果てていた。

 

『殺ッッッッ!!!!』

 

「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」

 

ズゴオォオオオオオオオオオォォォォォォン!!!!!

 

しかし、今はそれ処ではない。

両腕が使えないにも拘わらず、矢鱈と俺を狙ってくる敵は、大地を踏み締めて突進してくる度に大地を砕き、ロケットもかくやと言う勢いで俺に向かって突撃して来る。

それをどうにか避した俺だが、当然、そんな一撃をまともに受ければ命はない。恐らくだが、その破壊力はハクの拳を無防備に受けた方がマシに思える程だろう。

 

『殺!!殺殺殺!!!!』

 

「うげ……」

 

しかも性質の悪い事だが、アレは俺が触れたら命は無いだろう出力の――恐らくは、アレの固有能力だろう球体の闇を浮かべ、己の体積を嵩増ししながら同時にその危険度を高めている。

 

「チッ……なんだってんですかってんだ……なんでこんな危険物に狙われてんですかー俺は…………この数日何が遭ったよ」

 

突撃してくる闇と敵をどうにか回避して先程まであの闇が当たっていた大地を見た俺は、あの闇の在った場所から一直線にくり抜かれて消滅している大地の溝に、アレの危険度の見立てを急速に高めていた。

 

「たく…………あがっ!?」

 

【……そうか、お前はあの■■を選ぶか…………】

 

極め付けはこれだ。

誰かわからない(とても悲しくなる)が、赤紫色の髪をした(ネプテューヌを彷彿とさせる)女が悲しそうな、そして、全てを諦めたような表情をしながら左の視界を覆って、なにかよく分からない事を宣っている。

 

言葉にすればそれだけだが、それだけの映像と音が、脳への過剰な負担にでもなっているのか、左側頭部が割れそうな勢いで激しく痛み、心臓は今にも破裂しそうな勢いで、激しく脈打っていた。

 

(なんだこいつは……誰だ?なにが言いたい?)

 

【アナザー…ならばお前は、■○○このゲイムギョウ界○■○○】

 

だが、どんな理由があっても戦いの最中にそんな動作をして(頭を抑えて)良い訳もなく―――

 

『殺!!!!』

 

「ガフッ―――――?!?!?!?!」

 

―――突撃して来た敵に正面から衝突して、俺は血を撒き散らしながら彼方へと吹き飛ばされたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『殺ッッッッ!!!!』

 

「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」

 

ズゴオォオオオオオオオオオォォォォォォン!!!!!

 

アナザーさんを囮にしてエグゼドライブ一斉掃射を入れようと言う方針になったこの戦いですが、轟音が響き渡る中で皆さんが限界まで力を高めている最中、私は1人、内心頭を抱えながら女神化だけはせずに力を高めていました。

 

「一斉に行くわよ!」

 

『はい/ええ/うん!』

 

(……どうしましょう?私、エグゼドライブは持っていないのですが…………今更そんな事を言って空気をぶち壊しにする訳にもいきませんし……)

 

ああ、本当にどうしましょうか?ネプギアさんもユニさんも、ロムちゃんラムちゃんも女神化して力を溜めてますし……かと言って、私が女神化して力を溜めても自爆にしかなりませんし…………

 

(そもそも、必殺技なんて無くても問題が無かったのが不味かったのでしょうか……大抵のモンスターさんは殴っただけで消えちゃいますし)

 

今も力だけは溜めてますけど、女神化しなくても私があんまり力を溜めてると爆発しちゃうから危ないんですよね……見てもらった科学者さん曰く水蒸気爆発がどうとか言ってましたし…………

 

そうやって、轟音の中で色々と考え込んでいた最中でした。

 

『殺!!!!』

 

「ガフッ―――――?!?!?!?!」

 

アナザーさんのお腹に怪物さんが激突して、口から血や内臓の一部らしきものを撒き散らしながら、アナザーさんが遥か彼方へ吹き飛んで行ったのは…………

 

けれど、アナザーさんを吹き飛ばした代わりにものすごい勢いで跳ね回っていた怪物さんは停まりました。

色々散らしながら飛んで逝ったアナザーさんの為にも、今ここで……!!

 

『殺!殺!殺!殺!殺!!!!!!!!』

 

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

「…………今!!」

 

『やああああああああああああああああ!!!!』

 

アイエフさんの号令で、全員のエグゼドライブが勝利の雄叫びを挙げていた怪物さんへと一斉に叩き込まれました。

 

「「行くです!!/墜ちなさい!!」」

 

コンパさんとアイエフさんが腕を掲げると、円形に砕けた大地の中心にいた怪物さんは、最初に上空から降って来た巨大なハートに押し潰され、ハートが弾けた衝撃で元々千切れかけていた左腕は肩の半ばから刺さっていた矢諸共に完全に千切れてしまいました。

 

「追加よ!耐えられるかしら?!」

 

更に、その上から巨大な隕石を模した赤い力の塊が叩き落とされたのですが、不意討ちで叩き付けたハートと違い、素早く大地へと配置しされた黒い塊が上方向へ腕のように変形し、隕石を模した赤い力の塊を押し止めてしまいました。

 

「「カチンコチンに凍っちゃえ!/本気の攻撃……!!」」

 

そうして、ラムさんロムさんの掛け声で上から来る力の塊に黒い塊で形成した大きな腕で抵抗している怪物さんの周りの空気が凍り付き、腕のような形状になっている黒い塊以外を固めてしまうと同時に、上空から赤い力の塊を無視して小さな青い光が8つ、腕を無くしているからかぎこちない動きをしていますが、氷塊の中で固められながらも下半身の力だけで己を閉じ込めている氷塊を強引に砕きながらこちらへと向かって来る怪物さんの周りを囲むのでした。

 

「ノーザンクロス!」

 

そして、凍り付いた怪物さんの周りを囲んでいた8つの青い光が二組の十字の形状となり、一方が半ば凍り付いている黒い巨腕を砕き、もう一方が氷を砕きながら怪物さんを打ちのめすのでした。

 

「「目標確認!!/これが私の全力全開!!」」

 

けれど、そこまでしてもなお生き残り、氷を砕く青い光の十字を肩から黒い塊を形成して生やした8本の偽腕を用いて、十字を発生させている四隅の光点を握り潰す事で無理やり消し去った怪物さんは、上から来る隕石を模した力の塊が墜ちる範囲から素早い動きで離れ、こちらへと向かって来ます。

 

「「いっけえええええええええええええ!!!!」」

 

しかし、そんな怪物さんに対してネプギアさんとユニさんは、それぞれの武器を怪物さんの方向へ向けて、一斉にそれまで溜めた力を解き放つ事で濁流のようなビームを放ち、怪物さんを所々焦がしながら先程隕石を模した力の塊が墜ちた場所にまで押し流すのでした。

 

「え、えっと……と、とりあえずすごい浄化ビーム!!(適当)」

 

「……?!…………これで、私の使命は終わらせる―――エンゼルアロウ!!」

 

そんな最終決戦のような雰囲気の中、結局エグゼドライブが無い事を伝えられなかった私は、それっぽい事を言えて、実際にそれらしい必殺技だろう光の弓矢を放ったエルマさんと共に(エルマさんから無言でそんな名前?!って言いたげな顔をされたのは内緒です!)、私は右腕から、力を溜めていた分、何時もより太く、密度も高い浄化の光を放つのでした。

 

『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

そうして、そのまま無防備に光に向かって突っ込んで来た怪物さんは、先程までの奮闘が嘘であるかのように、一瞬で蒸発して、黒い靄として消えて逝くのでした。

 

「………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わ、e…壊すr……

 

『殺ッッッッ!!!!』

 

「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」

 

ズゴオォオオオオオオオオオォォォォォォン!!!!!

 

GAI唐存財、カイ非……をSAI介SU……

 

『殺!!殺殺殺!!!!』

 

「うげ……」

 

今乃siki■の籠WO海HO…………WAREわワRe……satu、、、、石よRIのが…………

 

「チッ……なんだってんですかってんだ……なんでこんな危険物に狙われてんですかー俺は…………この数日何が遭ったよ……たく…………あがっ!?」

 

奈にHU明吾知無SUI……は吾必滅

 

『殺!!!!』

 

「ガフッ―――――?!?!?!?!」

 

HAハはハHAHAHAHAHAハハハはははははははhAははHAHAHAHAHAHAHAはははははは?!?!?!

 

『殺!殺!殺!殺!殺!!!!!!!!』

 

ヤTTA!YATTA!殺Tた!!

我獄闘逃!死於!シ汚!紫詩子師市使誌士……………………NA是?

 

(我滅否疑?偽疑擬欺犠戯偽疑擬欺犠戯偽疑擬欺犠戯偽疑擬欺犠戯偽疑擬欺犠戯偽疑擬欺犠戯偽疑擬欺犠戯偽疑擬欺犠戯―――――)

 

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

我滅死掃滅!滅滅滅滅滅滅滅滅滅!!!!

 

『やああああああああああああああああ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

『やああああああああああああああああ!!!!』

 

意識だけは完全に目覚めた我が始めに聞いたのは、懐かしい声達の合唱であった。

 

「「行くです!!/墜ちなさい!!」」

 

そこから不意討ち気味に上から降って来るハートの直撃を受けた我の左腕は、根元から千切れ飛んで何処かへと消えて逝った。

 

『殺!』

 

それによって完全に両腕を亡くした我は我を圧し潰す巨大なハートに対して、残った両足を背中の側へと叩き込む事で強引に霧散させた。

 

「追加よ!耐えられるかしら?!」

 

そして、我を圧し潰す巨大なハートが霧散すると同時に、上空から巨大な隕石のようなものが降り注いで来たが、それは我を生かす忌々しきこの加護が勝手に造り上げた腕が下から支える事で訳なく受け止めてしまうのであった。

 

(あァ、忌々しキあの気狂イメ……なぜ、素直ニ我を吾をワレヲ)

 

「「カチンコチンに凍っちゃえ!/本気の攻撃……!!」」

 

あの忌々しき気狂いへの憎悪に燃える我の祈りを、嘗て滅殺してしまった―――否、滅殺した守護女神が聞き入れてくれたのか、我の周囲をそれなりに強力な氷の魔法が覆い、空気諸共固める事で、両足の動きを完全に停止させてしまうのであった。

 

「ノーザンクロス!」

 

そこから更に、凍らない範囲をうろついていた蒼い光が8つ、それぞれ4つずつが我と我の腕の代替の上部分に集まると、その光は氷塊ごと凍て付き強度を損なっている我の腕の代替を砕き、我自身をも打ちのめすのだった。

 

(だガ、この程度デhA足りヌ……我を我が我に我へ更にもっと強烈な)

 

しかし、これでは決定打足り得ない。

事実、我を流れる黒い力は、根元から砕けそうな脚を皮だけ強引に再生させ、完全に砕けた骨や千切れて失った筋肉の代用を務める事で我から支配権を完全に奪い去り、肩から無くした腕の代わりだと言わんばかりの8本の腕で蒼い光を全て握り潰しながら、凍り付いた周囲の空気を砕き、上から落ちる隕石から逃れようと懐かしい声の主達(嘗て滅ぼしたあいつら)の元へと強引に突き進んで行く。

 

「「目標確認!!/これが私の全力全開!!」」

 

そうして、嘗て我が我となる少し前に滅殺した女神にそっくりな少女とその親友に良く似ている少女は、彼女達に良く似ている武器のエネルギーを限界まで充填したのだろうか?桃色と青白い(どこまでも懐かしい)光の力を一斉に撃ち込んで、我を先程の場所にまで押し戻して行く。

 

「「いっけえええええええええええええ!!!!」」

 

そうして、完全に元の場所にまで押し戻された我は、全身を先程の光線で消失させられそうになっていたのだが―――何処までもしぶとくしつこい黒い力はそれを許さずに永らえさせ、再度の突撃を強行する。

 

―――そして、初めての事だった。

 

「え、えっと……と、とりあえずすごい浄化ビーム!!(適当)」

 

「……?!…………これで、私の使命は終わらせる―――エンゼルアロウ!!」

 

黒い力が、あの白い女の右腕から出ている光に対して、初めて逃避の意志を見せたのだ。

先程までは強引に、我の抵抗の意志を無視して突撃をさせていた黒い力は、まるであの光だけは受けたくないと言わんばかりに横へ逸れようとする。

 

(―――だが、逃さん――――――)

 

しかし、当然我がその好機を逃す筈もなく、我は、この意志を呑まれて幾万の歳月の中で、初めて得た希望の為に、最後の力を振り絞って器の統率権を奪い去り、あの眩い光へと、そのまま突撃を開始した。

 

『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

(ああ、熱い―――しかし、やっと、やっと……我は……る)

 

そうして、薄れ行く意識の中で黒い力の断末魔を聞きながら、我は、永き時の果てに得た、唯一の救い()を得るのだった。




……さて、どうでも良いかもしれませんが、怪物としか呼ばれてない奴のレベルとステータスでも表記します。

【怪物(仮):LV40000】
筋力:EX 魔力:E-
耐久:EX 幸運:-EX
敏捷:EX 異能:-


…………はい。こいつ、実は素で犯罪神より強いんです。実際に殺し合えば犯罪神が瞬殺されるぐらい
一応、あの結界の中限定ですが、ステータスこそあのままですけど、レベル的には4000にまで落ちてます。でなければ絶対に勝てません。

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