【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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誤って原文そのままに投降してた……orz
修正済み。


第四十四話

ルウィーの教会から出て数十分

ルウィーの女神候補生の方を救出する為に大急ぎで世界中の迷宮へ向けて全力疾走した私達は、目的地である世界中の迷宮から後数キロメートル程の地点で足留めを食っています。

 

ただ、一応断っておくなら、その足留めは決して犯罪組織から刺客が差し向けられたとか、そう言う話ではなくって…………

 

『殺!殺殺殺、殺!殺殺殺殺殺殺殺!!!!』

 

「『とう……しジジジジッじょうほガガガガくガガッ……ふよ……ザザきギギギギう』」

 

『……………………』

 

…………黒い甲冑を纏っているアナザーさんと全身がボロボロな銀髪の人の戦いが近場(5km先)で展開されている影響で、周辺の道が悉く崩壊していたんです。もっと言えば、地面には幾つも巨大なクレーターが出来上がり、周囲の山はインフレの進んだバトル漫画の如く上から半分ぐらいが消し飛ばされて、残された土台の部分が哀愁すら漂わせていました。

 

「…………あなざーさんって、こんなに危なかったんですか?」

 

「……いえ、私の記憶が合っているなら、私が女神化して戦えば五分に戦えるので、拳のぶつけ合いで衝撃波が出るぐらい強くはなかった筈ですけど…………」

 

コンパさんは何故か上を見て、遠い目をしながら呟いていました。

けれど、そんな筈はありません。少なくとも、殴り合うだけで衝撃波が出るような拳のぶつけ合いが基本なら今の私では勝てませんし……それに、そもそもアナザーさんの筋力は本来あそこまで強くありません。

戦ってる銀髪の人は知りませんが、何故かノイズが走って二重に声が聴こえるアナザーさんの筋力は本来なら私よりも低い筈ですし、その私だってどう頑張っても200mmの鉄板を素手で破れる程度です。

幾ら私でも拳を振るった余波だけで山が吹き飛ぶ衝撃波は流石に……今度、どうやったのかを聞いてみるべきでしょうか?

 

『え?』

 

「な、なんですか?皆さんいきなり私の方を見て……ちゃんとあっちを見てないと、いざと言う時に命に係わりますよ?」

 

そんな時、何でかは知りませんけど、ネプギアさん達は私を見て変な声を上げたのです。

正直、可笑しな事を言ったつもりはないのですが……なんなのでしょうか?

 

「……え、あの子、……見え……?」

 

「さ、さ………聞いて……」

 

「…ら、……が聞いて……」

 

「は…!?無………!」

 

「言い出し………、諦め…」

 

「……ああもう、分かった、分かったわよ!」

 

そうして少しの間、皆さんは円陣を組んで内緒話をしていたのですが……話しが纏まったのか、その中からユニさんが出て来て、私の前に立ちました。

 

「…………あのさ、ハク」

 

「はい。なんでしょう?」

 

そして、言い難そうに言葉を詰まらせると、意を決したような表情をして、こう言い放ちました。

 

「……アンタ、アレが視えるの?アタシにはただ単純に空の上で血生臭い紅と蒼の塊と嫌な感じがする黒い塊が激突してるだけにしか見えないんだけど…………」

 

「…………はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、ハク達が呆然としている間に、アナザー達の闘いは終わりの時が近付いていた。

 

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!!』

 

「『…ザザザ…しゅつジジジッ……クセスけ…をたいギギッギギギギッしゅうをザザザッザザッザザッそくしま……ジジジッ』」

 

静かに空へと浮かび上がった銀髪の男は、ボロボロの左腕をだらりと垂らしながら頭上へと右腕を掲げ、闇そのもののような漆黒の球体を発生させている。

その球体は何処までも再現なく増大を続けており、それは荒野のように成り果てた大地より、先程までの争いで発生した巨大な瓦礫を上空へと吸い上げ、球体へと触れた瞬間ジュッ!と言う音を立てながら呑み込んでいた。

その様は、もしもあの球体が大地へと直撃しようものならルウィーはもとよりプラネテューヌ、ラステイションが在るこの大陸そのものを完全に消し飛ばしかねない程の凶悪な威力である事を伺わせる。

 

逆にアナザーはと言うと、これと言って特に変化が有った訳ではなかった。強いて言うならば、全身を覆っている黒い血はとうとう頭部を覆うようになり、明らかにアナザー自身の肉体が保有している血液の総量を上回る量の血が溢れ出てその全身を覆っていると言う事だが……それ以外の部分では何処までも自然体であり、目の前で行われている膨大なエネルギーのチャージにさえ然程の関心を持っていないようであった。

 

…………そう、まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言わんばかりに………………

 

『殺!!!!』

 

「『母なガガガッアクセザザザザザッ、前方ノノノノネスジジジジジジックワーアアアアアアアアアアうしジジジジジジッークネスギギギギッ』」

 

そうして一定の区切りでも出来たのか、黒い球体の膨張が止まると同時に銀髪の男は目の前で立ち止まっているアナザーに目掛けて、桁外れのサイズにまで膨れ上がった黒い球体を投げ付けた。

 

それに対して、アナザーは右手を黒い球体に向けて突き出し―――――

 

 

【……(ゲート)解放…強制連行……開始】

 

 

――――何処からともなく現れた光り輝く円環に吸い込まれ、桁外れのサイズにまで膨れ上がっていた黒い球体諸共に何処へと消え去ってしまった。

そして…………

 

「え?」

 

「な、なんでアタシ達まで……!?」

 

「吸い上げられてるですー!?わたしはごみじゃないですよー?!」

 

「あっはははは!RED.ちゃん空を飛ぶの巻きー!!」

 

「…………あぁ、結局、こんなオチなんですね……」

 

「…………(……懐かしい。なんで、先程までの争いが、今、目の前に広がっている光が、感じた事も無い筈の、母の腕に抱かれたかのような懐かしさを感じているのでしょうか……?)」

 

……アナザー達の殴り合いによる巻き添えを受けないで済んだギリギリの地点に居たネプギア達の頭上にも同じような円環が現れ、アナザーと銀髪の男と同じ様に吸い込んで行ったのだった。

 

『………………』

 

その後に残されたのは、アナザーと銀髪の男が暴れた結果、無数の生物が動植物問わずに死に絶えて荒れ果てた大地と崩れ去った山ばかりであった。

 


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