【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

43 / 89
前回出没してたキラーマシンの代わりですが、その強さはまだレベル表記しません。
あと、新年あけましておめでとうございます。


第四十二話

この日、ルウィーを中心にゲイムギョウ界に激震が奔った。

人間以外のあらゆる動物は本能のままにルウィーから逃げ出し、ダンジョンの奥地へと引き籠る吸血鬼は階級を問わずに狂喜乱舞した。

 

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!!』

 

「GURUAAAAAAAAAAAAA!?!?」

 

「―――――――――――――――!?!?」

 

その中心地である世界中の迷宮では、色素が抜け落ちたような銀髪と右の肩口に矢が刺さったままあらぬ方向へと捻じ曲がり、掌は親指以外の全ての指を無くしている腕を振り乱し、血を滴らせながら狂ったように暴れ回る悪鬼が頑丈なダンジョンの壁や床をぶち抜いて、そこに居た大量のモンスターやそれを狩りに来ていた冒険者達を殺し続けていた。

 

「コヒュ―――」

 

「GYUUAAAAッッッッ!!??」

 

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!!』

 

ある冒険者は逃げる間もなく首を掴まれて頭から闇に呑まれて融かされ、偶々そこに居た中位危険種(封印サレシ厄災)は翼を使って飛ぶ事で難を逃れようとするものの、空中でその翼を突如現れた闇によって融かされ、落下した所を比較的損傷の少ない右の拳を振り上げた悪鬼によって胴を覆う鱗をぶち抜かれ、胴の中に入った拳を起点に闇を発生させられる事で内側から融かされると言う悪夢を味わうだけであった。

 

『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!!』

 

そして周りから獲物(破壊するモノ)が無くなると、悪鬼は()()()()()()()()()場所から離れ、眼に映るモノ全てを融か(破壊)して行った。

 

 

「『…え…ザッザザ…け、ん……と、…ギギ…を、…ジッジジジし…る』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。私が付いていながらこんな失態を……」

 

「いや、仕方ないわよ……誰にだって失敗はあるんだし」

 

「そうです。あなざーさんが奇行に走るのなんて今更ですし、はくちゃんがそこまで気にする事ないです」

 

(うぅ、気遣いが心に刺さります)

 

前に見た全力疾走の三倍は速い勢いで走って失踪したアナザーさんを、ルウィーの街中で見失った私は、ルウィー教会の応接室(執務室はミナ教祖が倒れたので宿舎の用意が出来るまでここで待機との事です)でネプギアさん達に合流した私は、どうしてあの程度の事が防げなかったのかと心底反省している真っ最中です。

 

「……でも、アナザーさんは一体何処に行ったんでしょうか?」

 

「そうですね。あなざーさんは無茶苦茶はしますけど、約束は破ったりしないですし……」

 

ネプギアさん達は、失踪したアナザーさんの行方を気にしていますけど……残念ですが、北西の方向に物凄い勢いで向かって行った事以外はさっぱり分かりません。

 

(……けど、彼は彼で意外と信用されてるんですね……嬉しいです)

 

「……………………(ポチポチ)」

 

ええ、ええ、アナザーさんはアレで意外と誠実なんですよ。

普段は障害とみなせば誰でも何でも殺して排除しようとしますけど、嘘は吐かないので約束さえしてくれれば殺さずに収めてくれる事はありますし、出来ない約束はしませんし。

 

(……まあ、約束してくれてなかったらダメな時もありますけど、その辺は私の今後の努力ですよね)

 

「…………(ポチポチ)」

 

……っとまあ、それはさておき

一体、どうしたと言うのでしょうか?

 

「…………あ」

 

「アイエフさん、どうしたんですか?」

 

「…………あいつ、なにやってんのよ……!?」

 

…………なんでしょうか?すごく嫌な予感が……

 

「この辺にいるオトメちゃん達にメールしてなにか困った事はないかって聞いたんだけどね……居たのよ」

 

「居たって…誰がですか?」

 

「…………アナザーの奴、世界中の迷宮付近で周りのモンスターを血祭りに挙げながら見るからにボロボロの黒っぽい人とガチバトルを繰り広げてる……」

 

『……はい?』

 

あぁ、やっぱり…………

 

「じょ、冗談よね?」

 

「……幾らなんでもこんな時に冗談なんて言わないわよ…………ここの女神候補生が浚われてて大変な時に、アイツは一体なにやってんのよ……!?」

 

「え?ルウィーの女神候補生の方が浚われてるんですか!?」

 

え?……一体、何時の間にそんな事に……!?

 

「ああもう!その話は道中でじっくりと「……あのー」……なによ今度は!?」

 

「あの、西沢教祖から貴女方へ伝えろと言われて来たのですが……」

 

慌てて教会から出て行く準備をしていたアイエフさんは、突然……いえ、ここの職員の方ですし、突然と言うのも難ですけど……突然、西沢ミナ教祖からの伝言を持ってやって来た職員の方に呼び止められていました。

 

「なに?私達は急いでるの。話があるなら手短に「ああ、それなら問題ありません。浚われた女神様達の居場所が判明しましたので、救助の依頼に来ただけですので」……それで、何処よ?」

 

「はい……場所は世界中の迷宮です!どうか、ロム様とラム様をよろしくお願い致します!」

 

それだけ言って、返事も聞かずに(いえ、どっちにしても請けますけど……いいんでしょうか?)ルウィー教会の職員の方は部屋を出て行ってしまいました。

 

『………………はああああああああああああああああああ!?!?!?』

 

『……………………』

 

(さ、最悪です)

 

い……急がないと…………間に合わないかもしれませんけど、最悪の場合、安否の確認だけでもしないと…………

 

 

こうして、私達は世界中の迷宮へと向かって全速力で向かって行くのでした。

 

(……と、とにかく、女神候補生の方の無事を祈りましょう!なんかダメそうな気がしますけど、最初から諦めては助かるものも助かりませんしね!)


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。