【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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…………今回、自分でも何やってんだろうって感じのオチになってます。


第三十五話

アイエフ達がこの雪崩が頻発している雪山から避難した後も、アナザーとハクの2人は空中で熾烈な争いを続けていた。

 

「ウォ雄悪汚惡男魚隕塢夫生淤将乙士!!!!」

 

「まだです。まだわたしは倒れる事は出来ません」

 

暴走したアナザーが、謎の発生方法で歪みブレたような声で雄叫びを挙げながらハクに突撃したかと思えば、ハクはその突進を左手の神器(ルミナス・ライト・セイヴァー)でもって防いだ。

 

「浄化の光よ!ハァ!!」

 

「ッッッッ!?!?」

 

そうしてアナザーをギリギリまで引き付けながら、ハクは女神であるにも拘わらずその身に宿す異能(煌めきの浄光)を右手から放ち、その破滅的な熱量を内包した光をバランスを崩しながらもどうにか回避したアナザーへ、肉斬り包丁が離れた事で自由となった左手のL.L.S.(ルミナス・ライト・セイヴァー)を持って斬り掛かった。

 

「くっ、相変わらずで安心しましたよ」

 

「邪a!!!!」

 

しかし、アナザーは足と背中で凍結してしまっていた血液を操作し、バランスを崩した状態のまま加速して強引に上空へと浮上する事で、ハクの細腕に似合わぬ剛腕から振るわれるL.L.S.(ルミナス・ライト・セイバー)を回避したが、その強引な回避によって内臓を傷付けたのか口内から血を吐いていた。また、アナザーは吐いた血をそのまま針のように形成して射出する事で、L.L.S.(ルミナス・ライト・セイバー)を振り切って無防備なハクへと反撃した。

 

「この程度じゃ、倒れません」

 

「餓亞亜鐚錏阿會椏襾閼亞亜鐚錏阿會椏襾閼!!!!」

 

だが、ハクもまたアナザーと殺し合えるだけの怪物だけあって、振り切ったL.L.S.(ルミナス・ライト・セイバー)へと光を纏わせながら更に逆の方向へ強引に振り戻し、氷漬きながら翔んでくる血の針を蒸発させて防ぎ切っている。

戦況は膠着しており、ハクは単純に性能的な面で己を上回るアナザーを倒す事が出来ず、逆にアナザーはハクの煌めきの浄光(クリーンライト)による、防御をぶち抜き回避さえも困難な光速のバ火力を越えられないでいた。

 

「錏破、錏破破破破破破破破破破!!!!」

 

「っう!?ハァ!!」

 

そして、そんな膠着状態も終わりを迎えようとしていた。

 

「腐鵜憂優紆、斑有迂羽夘嫗兎侑宇于!!」

 

「ハァ…ハァ……」

 

終わりの原因は、体力的な限界だった。

そもそも、普段からクエストマラソンで鍛えているハクは元より、保有している異能の関係上、肉体的な疲労を感じ難いアナザーでさえ、体力の限界とは無縁でいられるものではない。

……まあ、空中で何十合も巨大な両手剣をぶつけ合い、(ハクにはあまり自覚は無いが)お互いに殺傷力が高い能力を振るいながらもそれを回避し続ける事を強要されている状態だったのだ。それも仕方がないのかもしれない。

 

「餓亞亜鐚錏阿會椏襾閼亞亜鐚錏阿會椏襾閼!!」

 

「次で、決めます」

 

そして、決着の時は来た。

 

「雄悪汚惡男魚隕塢夫生淤将乙士!!!!」

 

アナザーはその身に宿す異能『鮮血の狂喜(クレイジーブラッド)』で先程殺し、支配した吸血鬼(ヴァンパイア)達の雪に混じった血や、事前に支配していた為に雪に混ざらなかったが余りの低温から半ば凍り付いていた血液を強引に操作し、鋭く脆い氷の蒼い矢尻や丸く蒼い氷球をハクの正面を除いた全方位へと配置していた。

そして、血を射出していない正面もアナザー自身もその手に持った巨大な肉斬り包丁を両手で構えて突撃の構えを見せている。

 

「浄化の光を!!」

 

一方でハクも、普段は右腕だけで放っている煌めきの浄光(クリーンライト)を身に纏うプロセッサユニットの頭部ユニット(Head)背部ユニット(Back)で増幅させながら左手を経由する事で、両手で構えた神器であるL.L.S.(ルミナス・ライト・セイバー)へと収束させて行く。

その熱量は通常の比ではなく、ハクの肢体を薄い光の幕が覆うと同時に、神器であるルミナス・ライト・セイバー(L.L.S.)でさえも赤く変色したかのように見える程の熱量によって、それなりに離れた雪に覆われている筈の地上の雪はそのまま蒸発さえ出来ずに消し飛び、その下にある大地はまるで荒野にでもなったかのように乾燥し切っていた。

当然、その規格の莫大な熱量を至近距離で浴びている凍っていた血液の矢尻や球体が無事で済む筈もなく、その全ては跡形もなく消し飛んでしまっている。

 

「■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

そして、消し飛んで逝った血液よりは遠いと言っても、地上よりは間違いなく近くにいるアナザーが無事で済む筈もなく、暴走していたアナザーは急激な気温と体内にある水分量の変化によって意識を落とし、声になっていない声を挙げながらそのまま地上へと墜落して行った。

 

「……あ、こ…れ、自爆……技で、した……………………」

 

……………自分の放とうとした技に周囲の酸素の殆どを使ってしまい、墜落したハクと共に




と、言う訳で、うっかり自爆技かまして勝利寄りの引き分けを掴み取っちゃったハクちゃんでした(意外とポンコツ?)

あ、これ、ハクのステータスとかです。


アナザー:LV130(×2~5)→LV150(×2~5)
侵蝕レベル4(暴走)
LV520→LV600


【ハク:LV150(450)→LV155(465)】
筋力:S+ 耐久:A
敏捷:S  魔力:A+
幸運:A+ 異能:S+




…………まあ、足りないレベルはステータスで補ってたって事で(そもそも、ハクの異能って戦争向きなアナザーと違ってガチな戦闘向きですし)

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