【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

30 / 89
と言う訳で、今回からリーンボックスでの一幕です。
…………まあ、そこまで長くなる訳ではありませんけどね。多分


第三章~緑と白のララバイ~
第二十九話


飛行機に乗ること数時間

俺は今、出来れば絶対に来たくなかったリーンボックスに居た。

 

「…………」

 

「どうしたの?随分と静かじゃない」

 

黒いのの妹…………ユニだっけ?まあ、黒いのの妹でいいか……面倒臭いし

黒いのの妹が声をかけてくるが、正直俺には気にしている余裕がない。

今も、何処から溶人熱光線が飛んでくるのかと冷や汗が止まらない。

 

「………………」

 

「ちょっと!無視は良くないと思うんだけど!?」

 

黒いのの妹が騒いでいるが、そんな事は後だ。

とにかく今は、無駄に特徴的な戦闘用に改造されている修道服を着込んだ銀髪を探し出して、視界に収めるのが最優先事項だ。でないと(俺の)命に関わる。

 

…………本当なら不意討ち気味に叩き込まれる攻撃に対して近くの人間を囮寄せしても良いのだが、アレの攻撃は人間程度では壁にもならん。寧ろ、一瞬で溶けて(俺への)被害が増すのが落ちだ。

 

「………………」

 

「ユニ、そっとしておいてあげなさい」

 

「なんでよ!人がせっかくしんp……気にしてあげてるのに、無視は流石に酷くない?!」

 

「ユニちゃん……落ち着いて、目立ってる……すごく、目立ってるから」

 

「………………あ」

 

(そうだな。お陰で余計に見付け難くなったぞ。うん)

 

荒ぶる黒いのの妹をアイエフが止め、ネプギアが説得した事でやっと落ち着いたらしい黒いのの妹だったが、俺としては手遅れ感が満載だ。

周囲からの視線が集まり過ぎている所為でどの視線が正解なのかがさっぱりわからん。

 

『ピンポンパンポーン♪』

 

そんな時だった。軽快な音が鳴ると同時に、不愉快至極極まりない仕打ちが行われたのは…………

 

『えー、リーンボックス空港をご利用のお客様、迷子のご案内っちゅ。えーっと……アナザー、ハク様がお探しっちゅよ。直ちにリーンボックス空港の迷子センターまでお越しくださいっちゅ!』

 

『ピンポンパンポーン♪』

 

そして、軽快な音が鳴り終わると同時に、周囲からの視線が生温くなったのを感じた。

 

「…………えっと、アナザーさん、昔リーンボックスでなにをしたんですか?」

 

「アナザー、お呼びみたいよ。行ってきなさい」

 

「あなざーさん、迷子だったですね。お迎えが来てるみたいですから、早く行ってくるです」

 

「じゃあ、アタシ達は教会に行って挨拶をしてからクエストを受けて修行でもしましょうか」

 

「おー!」

 

それぞれ言いたい事を言うと、空港の出口に向かってさっさと行ってしまった。ふざけるな。

 

(まさかの着いて早々に迷子呼ばわりか…………やっぱり、リーンボックスなんぞ来るんじゃなかった)

 

ああ…………不幸だ。

 

「……仕方ない、行くか」

 

こうして、俺は(無視したら何されるか分からないから)仕方無くリーンボックス空港の迷子センターにトボトボと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ピンポンパンポーン♪』

 

軽快な音楽が鳴り止むと同時に、おいらは耳に当てていたイヤホンとマイクを取って後ろへ振り返ったっちゅ。

 

「ワレチューさん、お疲れ様でした」

 

「いやいや、ハク様の為ならこのぐらいはお安い御用っちゅよ!」

 

振り返った先には、緊急で運び入れたVIP用のソファーで寛いでいるちょっと変わった服装なおいらの雇い主……と言うよりは、パトロンのハク様がいるっちゅ。

正直、出会いこそあんまり良くなかったっちゅけど、ハク様がここのマスコットに斡旋してくれたお陰でマスコットに成れたっちゅしね。今となっては良い思い出っちゅよ。

 

「いいえ、アナタもお仕事があって大変でしょうし、教会として今度なにか埋め合わせをしようと思いますから、楽しみにしていてくださいね」

 

「了解っちゅ!ハク様も、無理はせずに頑張って下さいっちゅ!」

 

「ええ、それでは…そろそろ時間が来そうですし、私はこれで」

 

そう言うと、ハク様は迷子センターの待合室に入って行ったっちゅ。

 

「……けどまあ、大丈夫っちゅかね?この国は」

 

正直言うと、おいらはそれだけが心配っちゅ。

…………まあ

 

「おいらが気にしてもしょうがないっちゅよね。おいらに出来るのは日々の仕事をただ頑張る事だけっちゅし」

 

取り敢えずは、次の迷子の連絡が来るのを待つっちゅよ。

 

 

しかし、この数十分後……おいらは運命の出会いをするのをまだ知らなかったっちゅ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ここか」

 

ネプギア達と別れて数分後、俺はリーンボックス空港の迷子センターの中にある待合室の前に立っていた。

正直、扉越しに気色悪い光の気配が漏れ出ていて、非常に気分も悪く(気分は良く)精神的な正気(狂気)ドリルで削岩するように(水で泥を流すように)削って(洗い流されて)逝く感じがして、かなり気怠い。

 

「…………早い所終わらせて合流するか」

 

途中でデカイネズミを見た気がしたが、俺は知らんしどうでもいい。

嫌な事は手短に済ませるに限ると言うし、俺は全神経を前方の視界に集中させながら扉を開いた。

 

「…………あら?」

 

「…………………………………………」

 

バタン!!

 

(…………は?何この状況????)

 

…………なんか、目の前の扉を開いたら着替え中らしいハクが居た件について

ここ迷子センターの待合室だよな?!なんであいつこんな所で着替えてるの?!バカなの?(俺が)死ぬの?

思わず全力で閉めたわ!え?なんで呼び出されたの俺!?!?

訳が分からん。とにかく、俺は融かされる前ににg「あのー、別に怒ってないのでそこで待っててくれて結構ですよ?」…………………………これは、逃げたら殺される。

 

(…………仕方ない、ここで待つか)

 

そして、ハクの奴が扉から出て来たのはその数分後だった。




……因みに、ワレチューのお話はこの章の何処かでやります?(疑問形)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。