【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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今回は、色々訳の分からない展開をぶち込んでみました。
なお、アナザーがネプギアからどう思われてるのかもちょっとだけ入れてみてます。


第二十八話

ああ……憂鬱ね。

……いきなりなんだって?そうね。ごめんなさい。

今はちょうど、ラステイションのゲイムキャラと交渉中なんだけど…………

 

『ふん、お前達がこの条件を呑めないと言うのなら、私もお前達に力を貸す事は出来ぬ』

 

「だから、なんでそんな事をしなくちゃいけないんですか?!理由を教えてください!」

 

『言えぬ』

 

……交渉は難航しているわ。主に、ゲイムキャラの無茶苦茶で意味不明な条件の所為で

 

「……せめて、理由ぐらいは聞かせてくれないかしら?じゃなきゃ、私達だってどうしようもないと思わない?」

 

『生憎だが、理由は断固として言えぬ』

 

…………強情なディスクね。

 

「そう、生憎と、私達だって理由も解らずに仲間を殺せと言われてはいそうですかとはいかないのよ」

 

『ならば、引き下がるが良い。そのぐらいの温情は持っているつもりだ』

 

「ッ!?」

 

コイツ……足元を見て……!!

 

『…………だが、私も鬼ではない。お前達がどうしても出来ぬと言うのならば、妥協案ぐらいは出してやろう』

 

「なんでしょうか?」

 

『…………なに、そう難しい話ではない』

 

「ッ!?コンパ!ここは一旦『遅い』……」

 

私は、急激に変化したゲイムキャラの雰囲気になにか嫌な予感を感じ、急いでコンパを連れ逃げようとしたんだけど……

 

『……そう、難しい話ではない。私があのクソ野郎(バケモノ)を破壊するまでの間、私に身体を明け渡せと言うだけの話だ。あのクソ野郎(バケモノ)を破壊した後は、その身体も返還してやるし力を貸す事も約束してやろうではないか!アッハハハハハハハハハハハハハ!!!!』

 

「「……………………………………」」

 

逃走は間に合わず、ゲイムキャラの高笑いを最後に私の意識は急速に眩しい光の中に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『行くわよ!/行きます!』

 

変身した高揚感のままに、棒立ちのアナザーさんに無数のエネルギー弾を撃ち込んでいく私とユニちゃん。

 

「ユニちゃん、力を合わせて!」

 

「こういうのも悪くないわね!」

 

「…………いや、しかし」

 

煙が晴れ、相変わらず無傷なアナザーさんは私達なんか眼中にないみたいな感じで考え事をしながらなにかを呟いていますが、そっちがその気なら、私だって……!!

 

「………………いっそ、そうしてしまおうか」

 

「「いっけえええええええええええええええええええええええええええ!!!!」」

 

ユニちゃんと手を合わせながら並んで周囲への防御を棄て、撃ち込まれるお水の弾に耐えながら、合わせた掌に集束したプラネテューヌとラステイションのシェアエナジーを融合させて直線状に放ちます……!!

 

「……む?……………………あ、ちょっとヤバ……?!」

 

アナザーさんに直撃したシェアエナジーのビームは、凄まじい爆発と共に周囲の木々を吹き飛ばし、ついでに私達も吹き飛ばされながらもその中心部分には凄まじいエネルギーが渦巻いているのでした。

 

「はあ、はあ……やった?!」

 

「ちょっ?!ユニちゃん、それやってないフラグだよ!?」

 

「……あ」

 

そして、うっかりフラグを建てちゃったユニちゃんがやっちゃったみたいな顔をして、土煙の上がっている爆心地を見てるけど…………

 

「…………お前達、本当にこの鍛錬の意義を察せなかったのだな」

 

「「……………………」」

 

そこには、大きな怪我こそありませんでしたが、見える範囲だけでも身体中が火傷や煤に覆われたアナザーさんの姿がありました。周囲に有った大量の水は、跡形も無く蒸発してしまったみたいです。

 

「…………まあ、いい。この威力の攻撃が出来るなら十分だろう……鍛錬はこれで終わりだ」

 

そう言って、アナザーさんは教会がある方向へ1人で帰って行ってしまいました。

 

「…………えっと、鍛錬の意義ってなによ?そんなのあったの?」

 

「……さあ?なんだろうね?私もてっきり、何も考えずに戦えば強くなるみたいな考えだと思ってたし…………」

 

結局、訳が分からない事ばかりでしたが、これだけの力が有ればお姉ちゃんを助けられると思うと、嬉しくて仕方ありませんでした。

 

 

 

【ピコーン♪ネプギアとユニはスペリオルアンジェラス(未完)を習得した】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍛練が終わった夜

ラステイションの教会に用意された一室で、俺は寝台に寝転がって鍛練の最中に感じた疑問を纏めていた。

 

…………しかし

 

「…………くぁ」

 

……眠い。非常に眠い。

頭も上手く働かないし、起きているのも限界だった。

 

「…………今日はもう寝るか」

 

そう思って床に就こうとしたその時だった。

 

バタン!!

 

「…………む?」

 

「「………………」」

 

急に扉が蹴り開けられ、その扉の向こうには鍛錬の始まる前にゲイムキャラとの交渉に向かったアイエフとコンパの2人が居た。

 

「(……いや、流石にこれだけ時間があれば決裂であれ締結であれ、結果は出ているのだろう)…………それで、どう言った用件だ?」

 

そう思った俺は、比較的話し易いアイエフに声をかけてみたが…………

 

「「……………………」」

 

「…………おい、聞こえているのか?」

 

なんの反応もない。

こんな事は今まで…………いや、そう言えば駄女神(ネプテューヌ)に悪戯で就寝前を邪魔された事があったな。その類か……?

 

「…………用が無いなら自室に戻れ。俺は眠『シャア!!』…………何のつもりだ?」

 

いきなり武器を構えて襲い掛かって来た2人を見て、俺は非常に困惑していた。

確かに、これまで散々無茶はやってきたが、この局面で襲われる謂れはない。

これまでにはっきりと記憶している範囲で殺したのはモンスターか犯罪組織に与するゴミだけだ。その辺はこいつ等も把握している筈だし、理解できない程幼稚でも愚かでもない筈だと、俺はそう認識していたが…………

 

「シッ!」

 

「ジャ!」

 

「………………まあ、いい」

 

説教を垂れる程度なら駄女神(ネプテューヌ)の手前、色々と我慢してやっていたが……物理的に殺しに来ると言うなら知った事ではない。血祭りに挙げてやろう。

 

「ギャ」

 

「ギィ」

 

武器を構えて襲い来る塵共(アイエフとコンパ)を力尽くで跳ね返して壁に叩き付け、俺は体内に粒子として変換し収納している愛用の剣(肉切り包丁)を取り出し、壁に叩き付けられて気絶している2人を叩き斬る為に大きく振り上げた。

 

「死にたいと言うなら是非もない。せめてもの情けだ。お前達は2人纏めて殺して(掃除して)やr「ダメーー!!嫁を殺すなんて、絶対に認めないんだからー!!」邪魔をするな!!」

 

「きゃっ!?……やったな!もう許さないんだから!!」

 

肉切り包丁を持った腕に纏わり付いてきたアホを振り払い、全力で床に叩き付けたが、それでもなお、足に絡み付いてしつこく食い下がって来るアホを振り払おうと、俺は力の限りに絡み付かれた足を振り回した。

 

「邪魔だ!なんの心算だ貴様!!」

 

「この娘達はアタシが嫁候補にずーっと狙ってたんだから!これ以上酷い事するなら、このREDちゃんが許さないんだから!!」

 

ああ、本当に鬱陶しい。

しかし、そう呑気にアホな会話をしている暇はない。

 

「ギ……ィ、ィ」

 

「ク……」

 

どうやら、この騒ぎで連中は意識を取り戻したようだ。

しかも、こちらが状況を理解できないアホに絡まれているのを良い事に武器を構えて突撃の構えを見せている。

 

「とにかく!絶対に放さないんだからね!」

 

(……仕方ない。始末するか)

 

『シネエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!』

 

大きな声を上げて突撃して来た塵屑に対して、俺は盾にするように足にしがみ付く頭の軽いアホを、回し蹴りの要領で塵屑共の武器へと叩き付けた。

 

「え……」

 

『ギシャァ……………………』

 

「ふん、これで邪魔物は消えた。これから存分に…………ん?」

 

しかし、どう言う訳か様子がおかしい。

先程の様子であれば、カタールを肉壁の足に当てて血飛沫と共に弾き飛ばし、注射器の針を尻に突き刺して動きを封じた程度であれば、即座に態勢を立て直して再度襲い掛かって来る筈だが…………何故か連中は完全に困惑したような表情で呆然と突っ立っている。

 

「私達は……一体……っ!?なによこれは?!」

 

「あ、ああ…あああああああ!!だ、大丈夫ですか!?今手当てをするです」

 

(……どう言う事だ?)

 

明らかに様子がおかしい2人を見て、俺もただ困惑するばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『クソ!あのバケモノが!!』

 

あの最低のクソ野郎(アナザー)を抹殺するのに失敗した私は、最終手段としてゲイムキャラにのみ…………いや、●●▲●●にのみ許された聖域に退避して、再起を図る為に力を蓄えていた。

 

『なんなの!?あの強さは……!!遥か昔のあの時以上じゃない?!』

 

訳がわからない!昔のアレなら、あのレベルの実力者2人が完璧に連携をすれば殺れる程度の力だった筈だ!断じて、ああやって一蹴出来る程の力は持っていなかった筈……!!

確かに、●●▲▲▲▲▲▲▲だった頃に比べれば私も弱くなった!だが、アレにとって、あの時からまだ200年しか経っていない筈!?

 

『……一体、何が遭ったと言うの?私は、私の復讐さえ果たせないと言うの……?』

 

認めない……!!認めてなるものか……!!

●●▲▲▲▲▲▲▲だった『紫の』は宛にならない。●●▲▲▲▲▲▲▲だった『白いの』は数年前に犯罪組織の手で破壊されてしまって『紫の』に汚染されている。●●▲▲▲▲▲▲▲だった『緑の』は呼び掛ければこちらに付くかもしれないが、候補生の小娘に掌握されてしまっていて最近は連絡も付かない。

 

『諦めない……私は私の民だった者達の為にも、私はあの最低のクソ野郎(アナザー)だけは絶対に赦さn【クスクス……ざーんねん♪あなた(アンタ)の復讐劇はこれでお仕舞いですよー?】……ッ?!誰だ!!』

 

思わず私が周囲を見回すと、一ヶ所だけこの光輝に満ちた神聖なる完全な世界に相応しくない、暗く、深く、穢らわしい闇が発生していた。

 

【ひっどーい♪(アタシ)の事、ずーっと見てた(監視してた)癖に~?】

 

『お前は……何故だ?!何故、お前がここにいる!!』

 

あり得ない……ここは現代の女神如きが自力で訪れる事は叶わない、神代の聖域だぞ!?

なんとか行き来が出来ていた私達の代だって、機械の補助がなければ下界との行き来も叶わなかったのに、何故お前がここにいる……!!

 

『何故、お前がここにいる!ネプギアァ……!!』

 

闇から現れたのは、今の下界を治める女神パープルハートの(予備)の姿だった。

 

【あらァ?ひょっとして(アタシ)が判りませんか~?まァ、あれから随分時間も経っちゃいましたしね~♪】

 

あり得ない程の濃密な闇を纏った紫の候補生は、そう言って可愛く小首を傾げながら、隠しきれない……いや、隠す気もない嘲りが、三日月型に吊り上がった口元に顕れていた。

 

(…………いや、違うのか?)

 

紫の候補生はあの最低のクソ野郎(アナザー)と共に入国した時点で監視していたが、これ程の密度の闇を内包した気配などなかったし、そもそも紫の候補生は14歳位の少女だ。

しかし、目の前のこいつはどう見ても18歳程だ。明らかに一部の容姿が違う。

 

(…………一体、どうなっていると言うのだ)

 

【ん~♪まァ、良いでしょう。要件は簡単ですし、手短に片付けて(アタシ)から外れましょうか】

 

そう言いながら、目の前の異物の姿が掻き消え

 

『……………………は?』

 

私は、私の意思を保存した器たるディスクが砕け散った音を聞いた気がした。

 

【さ~て、使えない駒は始末しましたし、後は後始末(隠蔽)をして事実を捩曲げたらコレクションの整理整頓に戻りましょうか♪】

 

そんな言葉を最後に、私は私である意思を砕かれ、この世界から完全に消滅した。

 

【…………あ、このディスクは要らないし、ギアかウニにでもくれてやるとしましょうか……邪魔ですし♪】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ~~~~!!!!」

 

良く寝た。

アイエフとコンパに頼んで夜中の奇襲をして貰ったが、やはりダメだな。事前に奇襲があると判っているとどうにも緊張感に欠ける。

 

しかも、事情を知らない外野が乱入して来て大騒ぎだ。恐らく、今後二度と建物内で奇襲に対する鍛錬をやる事は無いだろう。

 

(……まあ、そんな事はさておくか)

 

「これが…私……?」

 

「へえ……確かに、結構強くなるじゃない」

 

「これで、ネプ子達の救出に一歩近付いたわね!」

 

「わたし達もパワーアップしましたし、ねぷねぷや女神さん達の救出目指して、いっきますよ~♪」

 

何故か、俺だけは適性が無かったらしく力を得る事は叶わなかったが、ゲイムキャラはネプギア達以外にも力を与え、俺以外の面々は程度の差こそあれ、集団としてみれば大幅なパワーアップをしていた。

……まあ、力を与え過ぎたらしく、ゲイムキャラは人格が休眠しているらしいが、その辺の詳しい事は知らんし興味もない。ただ、先日行った水弾幕の鍛錬は必要なかったのかもしれないと、俺は思った。

 

(……まあ、本来の鍛錬の方向性ではなかったが、その内役に立つ事もあるだろう)

 

取り敢えず、問題があるとすれば、数時間前に急遽リーンボックスに行く事が決定してしまった事だな。

 

(………………やだなー。アイツに遭うの……消し炭にならないように全力で防御しよう)

 

………………リーンボックス逝きだけはどうにかならないものだろうか?

 

「アナザーさん!リーンボックス行きの席が取れましたよ!!」

 

「…………………………ええい!わかった!わかったから引っ張るな!!(鬱だ……)」

 

非常に憂鬱だが、アイエフになにか吹き込まれたらしいネプギアに引き摺られ、俺はリーンボックス逝きの飛行機(何故か貸し切りだが)に乗り込んだ。

 

「さあ!リーンボックスでも、頑張って修行するわよ!ネプギア!!」

 

「うん!頑張ろうね!ユニちゃん!!」

 

(…………ああ、だから貸し切りなのな…………あの変質者が……余計な真似をしてくれたものだ)

 

俺は、無駄に蒼く晴れ渡った大空にグロウが無駄に良い笑顔でサムズアップしている光景を幻視した。果てしなく不快だった。




と、言う訳で……今回でラステイションのお話は終わりです。
多分、次のお話辺りはリーンボックスにでもいるんじゃないでしょうか?



今回出た登場人物達の強さ。
こんな感じの推移です。

『鍛錬開始前→鍛錬終了→ゲイムキャラの力を貰った後』

ネプギア:LV29(87)→LV40(120)→LV50(150)
ユニ:LV28(84)→LV40(120)→LV50(150)


『最初→ゲイムキャラから洗脳時→ゲイムキャラに力を貰った後』
アイエフ:LV20→LV80→LV60
コンパ:LV17→LV77→LV57


アナザー:LV125(×2~5)→LV130(×2~5)
RED:LV15→LV16

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