【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血   作:APOCRYPHA

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最近、暑苦しくて暇なのでマインクラフトを始めてみました。だから何とか言われそうですが、それだけです。


今回は、アナザーの暴走に頭を痛めるアイちゃんとネガティブ?なネプギアのお話です。
結局、アナザーが見付かるまでのお話はやりませんでした。


第二十二話 改善後

…………頭が痛い。

それが、ミッドカンパニーから助け出された私達の感想だった。

 

ラステイションに助け出されてから暫く、獣か何かの雄叫びみたいな咆哮が響き続けていたミッドカンパニーが静かになったので、状況を探る為に漆黒人機軍の人と協力してミッドカンパニーを探索し、奥地で何故かプカプカ浮いてる下半身がないアナザーが見付かった。

 

訳が分からないけど、これで詳しい事が解ると思い、近くに在った下半身をどうにかくっつけようとしながらお説教混じりに色々と問い質した訳だけど…………

 

「……本当に、何も憶えていないのか?」

 

「ああ、さっぱり全く分からない。と言うか、どうして俺は腰から叩き斬られてるんだ?」

 

「いや、知らないから」

 

…………これだ。

 

どうにもミッドカンパニーに辿り着いた辺りから記憶がないらしくて、一体どうして上半身と下半身が腰の辺りから斬り別けられてるのかとか、そもそも何があったのかとかが全て謎になってしまった。

因みに、ネプギアはバイオレンス過ぎる光景(下半身がないアナザー)を見てまた気絶したわよ。私?…………この位で気絶してたらキリがないわとでも言っておこうかしら(震え声)

 

(……と言うか、どうして上半身と下半身が別れてたのに生きてるのかしら?)

 

「ふむ……まあ、先にお帰り戴いたユニ様と、捕らわれた女神候補生一行が無事だっただけ良しとしよう。漆黒人機軍、撤収だ!」

 

『Yes, sir!』

 

そう言って、漆黒人機軍の面々は、ラステイションの方角へと撤退して行った。

……グロウ以外

 

「……さて、これからの方針についてだが」

 

「ああ、そう言えば、お前も付いて来るんだっけ?」

 

「うむ、その事だが……」

 

(…………なんだがさらっと私達の同意もなく話が進んでいる気がするけど、実力は私達よりも上みたいだし、仲間になってくれるなら心強いから、一旦スルーするわ)

 

実際、感じる気配からして私とコンパが束になっても勝てないでしょうし

…………そう思ったんだけど、事態は結構ヤバイみたいで……

 

「すまんが、私はこれからこの事件の隠蔽と捏造に掛かりきりだろう。暫くは傷や疲れを癒す為に逗留してくれても構わぬが、仲間になるのは当分不可能だ」

 

「…………?そうか、好きにすればいいと思うが」

 

(……あー、それもそうよね。確かにこれは拙いわ)

 

記憶が無いアナザーは理解していないようだけど、確かに今回の戦いはやり過ぎてたわね。

幾ら女神を人質にしたから言って、女神様一行のメンバーが犯人グループ相手に降伏勧告も無しにいきなり大虐殺をやらかすのは……あまり褒められた事じゃないわ。

 

(……まあ、とっ捕まってた私達が言えた事じゃないんだけど)

 

幾らアナザーだって、せめて私かコンパのどちらかが居ればまだ暴走なんてせずに言う事を聞いてくれてたでしょうし

 

ただ、この事実が大々的に漏れると一般人から非難轟々で女神のシェアが大暴落するのは目に見えているわ。

実際、犯罪組織の構成員とは言っても、元は一般人が近年の貧困から抜ける為に犯罪組織に入ったって人も大勢いるだろうし…………まあ、幸いにもミッドカンパニーに配置された敵の大部分はここで始末した訳だし、後は現場を秘密裏に処理すれば……まあ、大丈夫でしょう。多分

 

「私としては、ルウィーよりも先にリーンボックスの女神候補生に協力を仰ぐ事を奨めよう。もしも先にリーンボックスへ向かうのならば、私の方からも向こうの教祖へ根回しをしておく」

 

「………………」

 

「……確かに、それもそうね」

 

気絶したネプギアを背負った私を見てリーンボックス行きを勧めてくれたグロウの言う通りかもしれないわね。

 

アナザーは物凄く嫌そうな顔をしてるし、今回は私達にも問題があったにせよ、流石に次暴走されたら私達じゃあ手に負えないわ。

 

「あの~、なんでリーンボックスなんですか?」

 

「ああ、コンパは知らないのね」

 

まあ、この辺の情報はある程度の立場や許可が無いと閲覧できないし、コンパが知らなくても無理はないか

 

「ふむ、では後日、資料を届けさせよう。暫くはラステイションの教会でゆるりと休むがよい」

 

「私の方からも簡単になら説明しておくわ」

 

「そうしておいて貰えれば助かるな」

 

「アイちゃん、ありがとうです」

 

「いいのよ、気にしなくって……資料を見た方が詳しく書いてるんだし、本当に簡単な概要を教えるだけなんだから…それじゃ、教会へ向かうとしましょうか…………あ」

 

教会へ向かおうとした私は、よくよく考えたらこのままじゃあ街に入れない事に気が付いた。

 

「所でアナザー、アンタはどうするの?」

 

「…………何がだ」

 

「いや、万が一応急処置した下半身が街中で取れたら大騒ぎになるわよ」

 

「………………………………そうだった」

 

私がそう指摘すると、アナザーはちょっとポカーンって顔をしてすっかり忘れてたと言わんばかりに頭を抱え出したわ。

 

「一応、この場でも大量の血かそこそこ強力な回復魔法を掛ければ修復は可能だが…………出来るか?」

 

「悪いけど、私はそこまで強力な回復魔法は使えないわ……コンパはどう?」

 

「ごめんなさいです。わたしもまだ、そこまで強力な回復魔法は使えないです」

 

(本当ならRED.にも聞いた方が良かったんでしょうけど、話が意味不明な方向に拗れる気がして、先に帰ったユニに付いて行って貰ったのは早計だったわね)

 

多少は後悔してるけど、もうどうしようも無いわね。

仕方なく、私とアナザーでちょっとモンスター狩りに行って血を集めようかと思った所で、グロウからこんな提案があった。

 

「一応、そこに装甲車を用意してある。教会に帰ればラステイションで指折りの治癒魔法使いも詰めている筈だから、そこで治して貰うが良い」

 

「そうね。それなら下半身が街中で取れても騒ぎにならないでしょうし、そうしましょうか……いいわね?アナザー」

 

「…………ああ、別に構わん」

 

「では、付いて来るが良い」

 

こうして、ラステイションの教会までグロウが用意していた装甲車で向かい、教会に詰めてるって言う治癒魔法使いの手でアナザーの上半身と下半身は再度くっついた訳だけど…………結局、アイツの上半身と下半身をあんな風に叩き斬った犯人は判らないままだった。

 

けどまあ、よっぽどキレイにスパッと斬れていたらしく、くっつけるの自体はそこまで難しくなかったのは、唯一幸いと言ってもいいんじゃないかしら?

正直、一緒に旅をするのにデュラハンみたいなのと一緒って言うのは流石にちょっと困るし……まあ、この場合は首なしじゃなくって腰なしなんだけど

 

(…………腰なしって、腰抜けみたいでそれはそれでなんか嫌な表現ね)

 

「……ぅ、うぅん…」

 

おっと、ネプギアが気絶から回復したみたいだから、ここで私の視点は終わりよ。

……でも、トラウマになってなければいいんだけど

 

 

 

 

 

「……ぅ、うぅん…」

 

……ここは?

確か、私は……ゔっ!?

 

「ゔぇ……」

 

思い出しました。

確か、私は……

 

「ちょっと!大丈夫なの?ネプギア!!」

 

「だ゛、だ゛い゛じ゛ょ゛う゛ぶ゛で゛ず゛」

 

「いや、全然大丈夫そうに見えないから!ほら、エチケット袋」

 

「あ゛り゛が゛と゛う゛ご゛ざ゛い゛ま゛す゛」

 

気持ち悪い……それだけが、今の私を支配する唯一の感情でした。

 

「大丈夫なの?」

 

「…うっぷ……はい。なんとか」

 

「とにかく、無理しちゃダメよ。なにか食べたいものはある?して欲しい事は?」

 

「……あの、少し、話を聞いて貰ってもいいでしょうか?」

 

「ええ、いいわ。何の話し?」

 

「はい…………」

 

 

 

――――これまで私は、言ってはなんですけど結構いい暮らしをしてたんだと思います。

 

候補生とは言え、同じ女神が絡まない限り滅多な事では死なない―――いいえ、殺されない力を持った身体と、生活に困る事は無いだろう環境

 

勿論、危ない事は在りました。

でも、お姉ちゃんに助けて貰ってどうにかなっていたので、死ぬなんて思いもしなかったし、犯罪組織が台頭して守護女神戦争(ハード戦争)が中断になってからは、ますます死ぬなんてあり得ないなんて思いは強くなっていったんです……勿論、犯罪組織の四天王の人にあっさり〆られたお姉ちゃん達を見て、死ぬなんてあり得ないなんて思いは恐怖に取って代わられてしまいましたけど

 

ただ、アナザーさんと再開する直前に遭遇したあのおかしなフェンリスヴォルフを倒してからは、あんな光景(お姉ちゃん達の敗北)はただ少し油断があっただけで、シェアさえ戻ってくれればあり得ない…………心の何処かに、まだそう言った慢心のような考えがあったんだと思います。

 

そして、そう言った考えは、下半身が斬り離されていたアナザーさん(お姉ちゃんと同じかそれ以上に強い人)を見た時に、全て砕けました。

 

正直、言ってはなんですが、アナザーさんの事は苦手です。

何時もムッとしてて怖い顔だし……モンスターは倒せたのにキツイ事言われた事もあるし

 

けど、守護女神戦争(ハード戦争)が中断されて数ヵ月の間、お姉ちゃんと一緒に各国を回ってたアナザーさんの戦いを見て、この人は何が遭ってもまず死ぬ事はないんだろうなって思ったんです…………思って、いたんです。

 

 

「あっはは、こんな話なんてされても困りますよね…………ごめんなさい。少し、1人にして貰ってもいいですか?」

 

「……ええ、分かったわ」

 

私がそう言うと、アイエフさんはお部屋の外に出て行ってくれました。

それを確認した私は、お布団を頭にまで掛け直して、アイエフさん(人間)の前では抑えていた感情が堰を切ったように溢れて来ました。

 

「うぅ…恐い……恐いよぉ…お姉ちゃん」

 

———助けて、お姉ちゃん




…………はい、ガクブルギアちゃんな今回でした。

ぶっちゃけると、今回のは完全に独自解釈です。
女神って、同じ女神を除くと基本的に脅威になる敵がほぼいないみたいですし……流石に危険種や接触禁止種の集団に襲われたらヤバイっぽいですが、逆に言えばそう言った状況にならない限り、命の危険はほぼないと捉えています。

幸いにも、マジックに四女神があっさり〆られたので、自分が死ぬ可能性が一切ないとは思っていませんが、それでもシェアがなかったから負けたのであって、シェアさえあれば負けなかった位には思っていました。

そんな風に思ってる時に、自分より強くてシェアも万全な時の姉と同等以上の強さの持ち主(アナザー)が死んだとしか思えない状態(上半身と下半身が斬り離されてる)で見付かったら、そりゃあ怖いと思いませんか?

そりゃあ、ユニちゃんなら外的要因による死に抗う為に空回りしながらも努力して最終的に自分の糧にしそうですけど、ロムラムやネプギアだと、基本的に死が理解出来ないか死の恐怖に震えるかのどっちかだと自分は思っています。

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