【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血 作:APOCRYPHA
なお、番外編の枠に夏祭りのおふざけ企画を挙げています。前編ですが、良ければどうぞ
ミッドカンパニーの通路半ばにして、運良く冒険者(漆黒人機軍に勧誘したら日本一と言う黒いライダースーツを着ている紺色の髪をしたヒーロー志望の《少年》が新たに入団したので、新たに《魔勇士》のコードを与えて銀に任せた)の救助によって脱出に成功していたユニ達と合流した私達は、ユニを除けば比較的情報の整理が巧いだろう『プラネテューヌの諜報員』アイエフからミッドカンパニーの外で詳しい話を聞き、情報の確認を行っていた。
「……成る程、それで無事だったのか」
「ええ……所で、アナザーの奴はやっぱり……」
「あぁ、お察しの通りとだけ答えておこう」
そう、私が答えると、アイエフは頭痛を堪えるかのように、双葉のリボンがトレードマークな茶髪の頭を抱え始めた。
まあ、それも仕方がないだろう。詳しい被害を確認した訳ではないが、アナザーがミッドカンパニー入り口で犯罪組織相手に叩き出した大規模な破壊活動を見た私としては、同情の念を禁じ得ない。
「…………」(ムスッ)
しかし、私としては
(……ふむ、一体何が原因で機嫌を損ねてしまっているのだろうか?)
最悪な事に、思い当たる節が欠片も存在しない。
我が至高の女神が妹御を非常に大事にしていたのは周知の事実であり、もしも知らぬ間に妹御を傷付けていたのだとしたら、我が至高の女神からの失望は決してあり得ぬ未来ではない。
もしもこれが基で怒りを買い、死を命ぜられたならば私は喜んで死のう。元よりこの生涯は余生のようなモノであり、私は至高の女神に仕えたその時から命も能力も何もかもを我が至高の女神ノワール様に捧げているのだから…………
だが、失望されて
「…………(…………分からぬ。一体私は捕虜になって疲れているだろう妹御にどのような失態を犯したのだ……!!)」
「…………(……後々、国際問題になったりしないわよね?いや、冗談抜きに……)」
「……ム~~……!!(何でアイツはアタシには何にも聞かないのよ……!?アタシだって当事者の1人なのよ!!)」
そして、気が付けば私は隣のアイエフと一緒になって頭を抱えていた。
そんな入り口のほのぼのした雰囲気と反比例するかのように、ミッドカンパニーの奥地での空気は最悪の一途を辿っていた。
「アアアaaaaaAaAaAAああアアアア!!」
「ギャハハッハハハアアァァ!!!!良いね良いねェ!最ッ高じゃねェかァァ!!」
「……
「ぎゃあああああ!!?危な……危な!?!?」
紅い血の障壁がアナザーとイヴェルトを覆う中で、暴走するアナザーがイヴェルトを殴り、イヴェルトは深紅の血に塗れながらこれまでの人生で殆ど負った事がないダメージに歓喜して殴りかかり空振っている。
そして、紅い壁の外からイヴェルト諸共に
…………まあ、そんな事はギョウカイ墓場の隅にでも棄てておいて
現在、犯罪組織の手で要塞として改修までされたミッドカンパニーはダンジョン化して以来、初めて崩壊の危機を迎えていた。
アレイストのクソ野郎が来た時には、つまらねー仕事だと思ってたが…………
「AaAaAAaaaaaアアアアアアアあああアアアアアアアアアアアァァァァァァッァァあぁぁaaaaa!!!!!!」
「ぎゃっははははハハ!!最ッ高にハイってヤツだオラアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!」
「
背後ではアレイストのクソ野郎がオレ諸共に大規模魔法をぶち込んで来やがるが……所詮は雑魚だ。その程度の魔法ではオレや目の前のコイツを殺す事なんざ到底不可能だな。
寧ろ、あんなチンケナ魔法よりも目の前の好敵手からの血に塗れた拳の方が何十倍も効いていやがる。
「アぁ……何時以来だろうなァ?!この最高の気分はよォ!!?」
「オオオオオおおoooooooooオオオオオオオオおおおォッォォォォォォぉぉ!!!!」
「だろうなァ!知るわきゃねえよなテメエがよォ!!ギャハハハハハハ!!!!」
何時の間にか背後から飛んでくる鬱陶しい炎系魔法は消えてたが、オレはそんな事はどうでもいい!もっとオレを愉しませろやゴラアアアアアアアアアアアア!!!!
…………なんだこの状況は?
私―――否、俺はこの状況に対して折れそうな心を保護する為か、何時の間にか防御魔法以外の魔法の行使を全て停止し、現実逃避を始めていた。
正直、『私』と言う仮面を維持するのも放棄するのは、犯罪組織の大隊長に昇って以来初めてではなかろうか?
―――回想―――
「
私の放った白い焔は、先程放った爆裂魔法と同様に、
しかし、イヴェルトは言うまでもなく、
その
犯罪組織内で大隊長一の……不本意ながら私の上司であるトリックに匹敵する防御力を持つとは言っても、格上のマジックや四女神一の破壊力を持つ俺の出身国であるルウィーの女神ホワイトハート辺りなら傷付ける事は十分に可能だろうし、イヴェルト自身も弱かった時はエンシェントドラゴンに殺られかけた事もあると口走っていた事もあった。故に、そこは良い。
しかし………
「
「オオオオオおおおおおおooooオオオオオオooooおおおおおoooooォォォおぉぉ!!!!」
「っらあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私が試しに放った貫通に特化した雷撃魔法は、激突する
多少は焦げ臭いので、効果が無い訳ではないようだが……こちらに向けて血の散弾が跳んでくる辺り、範囲攻撃ではなかった為にその膨大な質量から雷撃魔法は当たらなかったのだろう。
―――そう、思っていたのだが
「く……ククク………なんてザマだ。この程度で犯罪神を潰そうと考えていたのか?私は………………」
防御魔法による結界を削られながらも、血の散弾を防ぎ切った私の視界が雷撃魔法によって空けられた孔から見えた紅い塊の中身である
―――回想終わり―――
「ギャハハ……ゴフッ……ま、だ…まだァ……!!」
「Aaaaaa」
「…………潮時か」
どうにか俺が
先程空けた穴から見えた限りでは、全身から血を流していたイヴェルトの状態を見るに自力での逃走は不可能だろうし、そもそも転移魔法自体が発動に数秒程の時間が必要なのだ。
その隙を餌も無しにあの紅い化け物が見逃すとは思えない以上は、紅い化け物の領域に取り込まれているイヴェルトを助けている余裕など存在しない。
幸いにもイヴェルトは頑丈なので後数分なら持つだろう。
ならば、囮として紅いナニかの内部に居るイヴェルトを盾にしつつ下っ端を回収して逃走するのが現状での最善手か?
そう、逃走の手段を考えていた私だったが―――
「ふむ……妙に帰りが遅いと思えば、このような状況になっていたか」
(………神はまだ私達を見棄ててはいなかったらしい)
巨大で重厚な純白のボディを見付けた私は、大して信じてもいなければ、恐らくは破門されているだろう故郷の女神ホワイトハートでもなく、ましてや原作を見た限りでは信者に破滅は与えても絶対に恩恵は与えないだろう犯罪組織の神である犯罪神マジェコンヌの事を思い、皮肉にもそんな事を考えていた。
アナザー達の状態
アナザー:LV122→LV125(×2~5)
侵蝕レベル5
LV:625
現状での上限。この状態になると、侵蝕レベル4の時はどうにか出来ていた敵味方の判定さえも出来なくなり、破壊を撒き散らす化け物のような状態になる。
イヴェルト:LV85→LV91
アレイスト:LV60→LV65
下っ端:LV9→LV21
なお、イヴェルトがアナザーの血を浴びてるのに状態異常にかかってないのは……端っから狂ってるのが原因ですね。良くも悪くも精神攻撃ですので、最初から狂ってたり精神力が並外れて強靭だったりするとバーサークの付与は無効化されます。
そして、身体強化も理性を代償にした一種のドーピングのようなものなので、自動的に無効化されます。
因みに、日本一をグロウが少年と言ったのは単純に間違えただけです。主に胸と服装とヒーロー志望で