【更新停止】紅次元ゲイムネプテューヌ 深紅の呪血 作:APOCRYPHA
side ネプギア
「それじゃあ私、お仕事貰ってきますね」
そう言って、私、ネプギアはアイエフさん達と別れてギルドのカウンターに向かって歩き出しました。
(…………でも、なんでアイエフさんはあんなにも話を教祖さんから外そうと必死になってたんだろう?)
そして、考えるのはアナザーさんと一旦別れてから、ギルドに辿り着くまでのアイエフさんの言動だった。
正直、あんなアイエフさんは見た事がないから、少し心配だ。
(ここの教祖さんって、一体どんな人なんだろう……?)
ドンッ
「「きゃっ?!」」
そんな事を考えながら歩いていたのがダメだったんだと思う。
私は、目の前を歩いている女の子に気が付かずに正面からぶつかって、転んでしまった。
「いたたたた……もう!気を付けなさいよ!!危ないじゃない!」
「ご、ごめんなさい!!」
私は、凄い剣幕で怒られたものだからつい謝ってしまっていた。
うぅ……ちょっと怖いよ……
「ちょ……そんな泣かないでよ!アタシが泣かせたみたいじゃない!」
「う…うん。ごめんね?私、考え事をすると外が目に映らない性質みたいで………」
「……ううん、アタシこそ、考え事をしてたから……ちょっとイライラしてたみたいなの。ゴメン」
そう言って、目の前の女の子は、クエストのカウンターへと向かって行った。
………クエストのカウンター?
「あなたもお仕事を貰いに来たの?」
「そうよ。アタシはアイツを一日でも早く追い抜かないといけないの……!!」
そんな感じで燃えている女の子だったが、私の言い回しに思う所でもあったのか、意外そうな顔を向けてこう返してきた。
「『も』?…………アンタもクエスト受けに来たの?」
「うん。そうだよ」
「ふーん………大丈夫なの?まだ子供なのに」
酷い言われようだった………否定し切れないけど。
正直、独りだったらアナザーさんの方が普通に強いし…………あれ?
「それを言ったらあなただって子供じゃない」
「アタシはいいの。これでも結構強いし………それに、アンタってなんでか鈍臭い印象があるのよね?」
「そんな?!」
正直、普通にショックだった。そして、自分自身でも否定し切れないのがキツイ。
「まあ、そんな事より、アンタはなんでクエストなんて?」
「そんな事って…………街の人を助けて、少しでも女神のシェアを回復させるためだよ」
「うわ、優等生発言。アンタって結構生真面目なのね。」
「えええ?そ、そんな。真面目で何が悪いの?」
どうしよう………更にショックだよ。
私が、二重のショックに耐えていると、目の前の女の子はいきなり笑いだして、謝ってくれた。
なんでも、同じぐらいの年代の子と話すのが久しぶりだったから口が軽くなっちゃったみたい。
確かに、私も久しぶり……っと言うか、周りが大人ばっかりで、こう言った経験は初めてだったので、割と新鮮だった。
「ねえ、アタシはユニ。アンタは?」
「ネプギアだよ。よろしく、ユニちゃん」
「ネプギア、ね。ねえ、折角だしさ、これから一緒にクエスト行かない?」
すっごく嬉しい提案だった。
折角友達になれたんだから、もう少し一緒に居たかったからだ。
「うん!いいよ。一緒に行こう!」
「じゃあ、行きましょう!」
そうして、私達は一緒にクエストを請ける事になったのでした。
side out
side ユニ
「へえ、それでギルドでお友達になったんですね」
リビートリゾートに来たアタシ達は、途中に出くわすシカベーダー改やヤンキーキャットを殲滅しながら奥に奥にと進んで行く。
しかし…………
「なーんだ。そっちは1人でクエストしてる訳じゃないのね?まあ、しょうがないか。アンタ超弱そうだし?」
アタシとしては、もう少し強いと思ってたんだけど……?
勿論、現状では変身しない場合、三対一で戦えばアタシが負けるのは認める。悔しいけど、多勢に無勢ってやつだし
ただ、一対一ならネプギア達の誰と戦っても、変な油断さえしなければ変身するまでも無く勝てる。
「そ、そんなこと…!ま、まあ…確かに強くはないけど……」
「あー……面倒くさいから落ち込まないの。現状でアイツと比べるのは間違いよ」
(……アイツ?)
アイツって誰だろう……?
アタシとしては気になるけど、多分、ネプギア達の保護者かと思い、深くは気にしない事にした。
(だって、アイツに勝てる人類なんて各国に1人ずつ居るかどうかだから……!!)
少なくとも、少しだけ見た感じだとネプギア達の強さはパーティーで冒険者達の中堅処が精々だし、大方上級冒険者の誰かに師事して修行中なのだろうと思い、アタシはスルーしておく事にした。
「さあ!4人がかりならこんなクエスト楽勝でしょうし、ぱぱっと終わらせちゃいましょう!」
そして、アタシ達はリビートリゾートの奥地を目指して行くのでした。
side out
side Free
「ミラージュダンス!」
「魔界粧・轟炎!!」
ネプギアは、手に持っている白い棒状の物体からビーム状の刀身を出し、ボスリザードに高速の剣舞を叩き込む。
そして、それによって出来た隙を突いてボーンフィッシュが突進してくるのを、アイエフが魔界粧・轟炎による火柱で周囲に居た雑魚諸共蒸発させる。
それを観ていた周囲のモンスター達は、勝てないと悟ったのか2人の傍を全力で離れ出したが……
「逃がさない!」
「行っくですよ~♪」
それを、ユニとコンパが見逃す訳も無く、狙撃銃による三発の銃弾と巨大な注射器による攻撃で、カブリカエルやシカベーダー改などの雑多な雑魚は敢え無く殲滅されてしまっていた。
「ふふん♪楽勝楽勝♪」
「やったね!ユニちゃん♪」
「当然よ!あんな雑魚に殺られるアタシ達じゃないわ」
ネプギアとユニは、機嫌良さげにハイタッチを決めて、新たなモンスターを探し始める。
そんな様子を見ていたアイエフとコンパは、苦笑しながらもどこか微笑まし気にそれを眺めていた。
「この短時間で急に仲良くなっちゃって……」
「そうですねぇ……微笑ましいです」
そして、2人は先へ行くネプギア達を追う為に、歩みを進めるのだった。
「よぉ!ラステイションの女神候補生と……その他諸々!!」
しかし、リビートリゾート奥の方から、粗暴そうな声が掛けられた事により、そんな平穏で楽しい時間は終わりを告げるのでした。
side out
side ユニ
「よぉ!ラステイションの女神候補生と……その他諸々!!」
(っ!?またこいつ?!)
アタシは、数日程前に遭遇して、辛くもグロウと退けたこいつの声を聞いて、動揺が隠せない。
「今日はテメエの保護者は居ねえのかァ?あんときガタガタ震えて何も出来なかった雑候補生さんよォ!?」
「っ?!」
否定できない……確かに、アタシはあの時、アイツの援護さえ出来ない程の力の差から、何も出来なかった。
下手な事をすると、変身してもなお、目で追えない程の高速で戦っているアイツに弾を撃ち込みかねなかったから…………でも
「そう言うアンタは、あの時あの場で誰の手で海に落とされたのか……もう忘れちゃったの?随分と空っぽな頭よね?」
「あァ!?」
幸いにも、こいつの足は遅かったので、
そうしたら、足場が蒸発したのにこいつは蒸発しなかったけど……足場が蒸発したおかげで、こいつは下の海へと落ちて行った。
「……お知り合い?」
「ええ!こいつはマジェコンヌ四天王直属の幹部よ!」
「……まァ、いいかァ…オレの名はイヴェルト!ジャッジ・ザ・ハード直属の大隊長ってヤツらしいが……んなもんどうでもいい!オレを愉しませろやアアアアァァァァァァ!!」
「っ!?散開して!こいつは足が遅いわ!!」
そして、戦いの火蓋は切り落とされたのでした。
………以上!後編に続きます。
今回出たオリキャラは……一部を紹介場所に入れときます。
そして、来週の金曜日に発売するドラクエヒーローズ2を買うので、更新は困難になるもよう。
………眼球が生きてるといいなぁ。
因みに、ネプギア達のレベルはと言うと……
ネプギア:LV16(48)→LV21(63)
アイエフ:LV12→LV18
コンパ:LV9→LV15
ユニ:LV23(69)→LV24(72)
ですね。ダンジョン中のモンスターをパワーレベリング紛いの状態で狩り倒してたので、ネプギア達のレベルは相当上がってました。