転生、魔法諸々のある地球(微妙に違うが)   作:たぬたぬたぬき

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第17話

 

心臓がバクバクして来た。

 

ようやく完成した魔法。

 

単なる物体の転送から始まり、生き物やクローごにょごにょまで使ってほぼ完璧に安全性まで確認済みのものだ。向こうの観測もしてあり……久し振りに故郷の風景とか見たらかなり泣けちゃったなぁ。

 

思わず新入りに泣き付いてしまった。なんだか父親、父さんを思い出した……そういえばあいつ何歳なんだろうか。おっさん臭くはなかった気がするんだけど。

 

ちゃんと鼻水をつけた服は後日弁償して新しいのを送っておきました。

 

 

 

まずは一人で。

 

存分に回数を重ねたので不安はないのだが……緊張がすごい。まだ世界を飛び越えてもいないのに手足が痺れてる感じがする。今の状態、絶対この魔法を使うことなんて出来なかったろうな…大人しく俺をメインから外しておいて良かった。

 

緊急用のデバイスも持ったし、夢見魔法も準備オッケー。

 

後は…娘達に勇気を貰って……ぎゅー。

 

これで準備完了、いってきます。

 

 

 

ふおおお。

 

何か凄い、凄い懐かしいのにちょっと違う。脳みそから鼻自体が肉体ごと替わってるからなのか街の匂いが同じなのに違う。懐かしい人に会った時に、あれ、この人こんな顔だったっけ、もしかして人違いなんじゃ…みたいな。自分でも何を言ってんのか分からなくなってきた。

 

視線も低くて違和感があるけど懐かしい。たしか小学生の頃とかがこんな感じだった気がする。そりゃ40、50cmも縮めば世界も変わるよなぁ。

 

んでもって……クソ、くそくそくそくそくっそ懐かしい、実家。

 

まだ何年も離れてないのに目元が熱くなって来る。あー、俺ってまだまだ子供なんだなぁと馬鹿みたいな感想が思い浮かぶ。

 

マジでやばい、涙が溢れてちょっと喋るの無理、嗚咽とかめっちゃ苦しいわ。うあー…これしばらく行けないかも。近付いただけでこれとか涙脆すぎ。

 

シミュレーションしてた感じで全然進めらんない。こう、チャイムを鳴らして出て来た親を見て泣いて、どうしたの、ごめんなさい…みたいな。

 

んな訳ないだろ……見知らん外人が来て泣いたらビビるわ。家に上げるのも戸惑うしえっと……ってなるだろ、いや俺今は子供だし上げては…いやいやいや、逆に上げづらいか、今のご時世なら。

 

あー……とりあえず一時徹底。これは逃げじゃないから、落ち着く為だから。ああ、娘やツンデレっ子の体温が恋しい。抱き着いて思いっ切りぎゅーってしたい。こいつじゃいまいち甘え甲斐がないからな…。

 

ん、ホテルに直接転移しよ。本当にこういうのは無駄に有能だなお前。

 

 

 




こんなんだったっけかな。

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