大惨事スーパーロボット大戦 Z After 天獄戦争 Muv-Luv 作:溶けない氷
ジリリーンジリリーン
ロッチナ『もしもし』
ギルガメス『あっ、ロッチナくん?あの例の惑星ね、タイムリミットが来ても見込みなしとなったらバララントと共同で恒星間ミサイル撃ち込んで破壊するから。
それじゃ、今からバララントに宣戦布告するからね』
民間人への配慮:0 流石はマッポー多元世界である
カルロ・ゼン氏のルナルナターニャが人道的で常識的に見えてくる
殴りあいながら敵と同盟!エゴのためには惑星も消しとばす
多元世界の政治は複雑怪奇
「では、ロッチナ中佐。
この未確認惑星に関しては連邦は極力“善意ある中立を守るべき”だと?」
戦役後の未曾有の大混乱の後に地球連邦は次元振動後の次元を超えたある程度の連立した新地球連邦政府として発足した。
その結果、大統領が3人もいたり議会がバラバラだったり野党と野党と与党と与党がそれぞれの議会ごとに政権争いをしたりとどの地域が戦後の美味い汁を吸うかで大いに揉めた結果として
利益に預かれなかった連中がザンスカールやコスモバビロニア主義に走ったりした。
地球連邦の政府が次元修復が起ころうと、天獄戦役が終了しようと
実権を握っているのは相変わらず士官学校学閥の
官僚と軍高官であることに違いはない。
連邦政府の構造は地球が宇宙人に占領されたり、神が死んだ程度では揺らがなかった。
今は新たに現れた第4惑星についての報告を再就職した情報部のロッチナ中佐からの意見具申を元に作成している。
ちなみに民主議会は次のオリンピックの会場誘致の賄賂問題で野党が与党を叩いていた。
つまりなんの役にも立っていない。
『はい、彼らの生態はまさに人間そのものです。
ゆえに戦後に彼らは全く我々と同じように間違いなく内紛を始めるでしょう。
あるいはギルガメスとバララントのように、あるいは統合政府とウィンダミアのように』
「理由は?」
『まぁいわゆるイデオロギー闘争というものです、よくあることですな。
違いは政治的な妥協点を見つけることが困難な事くらいですかな』
「彼らは核を使うかね?」
『既に次元兵器の量産に成功したのです、彼らがたかが核の使用を躊躇う理由がどこにありますか?』
「我々は援助すべきかね?」
『ある程度は、彼らは間違いなく自惑星の統一戦争を始めるでしょう。
ですがその政府が連邦政府に合流する可能性は限りなく0かと』
「確かにな、どこの馬鹿が宇宙人と同盟を組むのか?」
「我が軍にはサイデリアルに寝返った部隊がいましたなぁ、あれは准将
あなたの派閥の部隊では?」
「ふん、あれは現場の将官の裏切りにすぎん。さっさと銃殺刑にしてやったわ」
「随分と手際の良いことで、噂ではあなたと彼らの繋がりを暴露されるのを恐れたためとも…」
「どこにそんな根拠が!」
『まぁまぁ皆さん、過ぎた事をうだうだと言っても仕方ないでしょう
それよりここに大まかなプランがあります、皆様の満場一致でこのプランに沿った政策を連邦政府は取ることになりますが宜しいですかな?
お手元の資料を』
1:現在の当該惑星における勢力はバァル9:人類1
2:人類の勢力はアメリカ8、その他2
3:その他で最大の勢力はソビエトと呼ばれる共産主義と呼ばれる宗教を信奉する部落国家である
4:共産主義主義勢力が地上からバァルが一掃された場合にはアメリカに対する勢力均衡を取り戻すために核兵器を使用する可能性が極めて大である
5:ゆえに連邦政府の優先順位は
1:コロニーにおける叛乱勢力の鎮圧
2:木星圏における叛乱勢力の制圧
3:統合政府との軍事的歩調の調整
4:市民への利益誘導
であり
当該惑星においては何らかの利益を得ることは考えるべきではない。
ゆえに彼らのバァル戦争を技術的に支援することはあるが、予算のかかる物資的・人材的な支援は行わない。
「ふむ、まぁいいだろう。どの道技術水準は彼らも人類である以上向上することは避けられん。
だが、連中の武器が我々に向く可能性は?」
『彼らと連邦政府の中枢との距離はフォールドには近過ぎ、通常航行には遠過ぎます。
さながらジャブローのオフィスとジャングルの中のような関係ですな』
居合わせた高官の中には苦いものを噛み潰したかのようなしかめっ面をした者もいる。
そもそもがティターンズの解体にともなって、いかなる魔法を使ったのか連邦軍に舞い戻ってきた官僚だ。
『ああ、失礼。ですが、彼らと“良い関係”を築きたいのですよ。我々新参者には実績というものが足りていませんでしてな。
よろしければこの件は、我々新規参入者に任せていただけませんか?』
新参者というのはロッチナのようにギルガメスやバララント、あるいはネオジオン軍やサイデリアルといった他の軍や敵軍から連邦軍に転職してきた者達の事を言う。
いついかなる次元でも上手く立ち回れる奴が出世するのが世の常というが、敵軍から寝返るのは日常の常識範囲内である。
連邦軍の将軍の一人が威圧感を出しながら、冷徹な目で
「ロッチナ」
『はっ』
「裏切るなよ」
上司に頭を下げながら内心では下を出すロッチナ中佐であったが
この狐と狸の化かし合いでは今の所は高官連中の方が有利である。
連邦政府は再編が終わってなお、中身はどす黒い妖怪変化が跋扈する伏魔殿であることに違いはない。
そう捨て台詞を吐いて連邦軍情報部と官僚達とのホロ会議は終了した。
(さて、生き残るのは俺かお前らか。だがキリコ、いやZ-Blueに怯えるあんたらじゃまず無理な話だな)
端から見れば
この時、ロッチナの頭には予算と人材をある程度は(と言ってもこのBETA事件に割かれたリソースは連邦軍全体の予算から見れば微々たるものであったが)
自由にできる権力を手に入れられた後にどのような行動を取るかの道筋があった。
(Z-Blueが最初に到達するというのは流石に予想外…いや連中の特殊性を考えれば予想できて当然だったか。
私も随分と勘が鈍ったものだ)
ロッチナは地図を開き、第4惑星の大まかな戦略図を俯瞰する。
(もはやこの星は駄目だな、だが限られたリソースだ。
有効資源はアメリカに集中させるとして物にするまではお人好しのZ-Blueに矢面に立ってもらおう。
彼らなら、資源の損失を最小限にしつつ最大の効果も上げてくれるだろうしな)
技術はアメリカに、補給物資はZ-Blueに
それぞれを必要なところに最大の貸しと共に売りつけるのがロッチナのえぐいやり方であった。
(この私が連邦政府の狸どもから追われた時の一時の避難所くらいにはなるか)
実に身勝手な理由での”手助け”である。
(…馬鹿どもは彼らもバァルか内紛で“自滅”すると考えているだろうが、私の為にもそうなってもらっては困るのでな)
ロッチナのプランはZ-Blueに当面のバァルを始末させる
そして次の人間同士の戦争では自分と通して提供した各種の新技術によってアメリカの全面勝利という形で惑星を統一させる予定であった。
言って見ればアメリカの延長という形での連邦合衆国であり、そこに自分の息の根がかかったものを仕込んでおく。
これこそが、どこの次元はおろか統合政府にもサイデリアルにすらパイプを持つ男の処世術であった。
この生き汚なさこそZ-Blueの面々が彼を毛嫌いする理由だろう。
(ソ連…解体、中華人民共和国…解体、イギリス…平和的併合、フランス…消去
ドイツ…消去、日本…解体)
ロッチナにとって、もはや勝ち馬以外は不要である。
その頃
エスター「おーいタケル、ゲームしようよ」
たけちゃん「おっいいぜ、へへゲームに関しちゃ自信あるぜ!」
たけちゃん:常識的なコントローラー持ち カチャカチャカチャ
エスター:コントローラーACV持ち カチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャ
クロウ:「エスターは人類種の天敵だった!?」
おまけ
サナリィ「これが人類の希望 ガンダム F91です!」
連邦軍「よし!これで…スペースノイドを叩けるな!」
日本帝国「えーと、うちへの援軍は?」
連邦「ありません、BETA?技術はあげるから自力でなんとかしてね。
これからうち、内紛で忙しいから」