大惨事スーパーロボット大戦  Z After 天獄戦争 Muv-Luv   作:溶けない氷

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ゼロやスメラギさんのシリアス具合と、エスターとたけちゃんヒロインズのにゃんにゃん具合の落差っていいよね。


この星のまずは今日のために

 

「ふん、どの程度かと思ったが・・・・竜馬よ、一つ賭けをしようではないか」

 

「賭けだと?」

 

「儂が勝ったなら、お主とそこな池に浮いておる小僧の二人が儂の弟子になり流派・東方不敗に入門するのだ」

シンジはまだ池に浮いていた。

死んではいない

竜馬直伝ゲッターパイロット養成特訓を受ければ彼も地球を守るゲッター戦士として立派に育ってくれるだろう。

え、彼はエヴァに乗るだろって?

この程度で死にようならそこまで、ここで死なせてやる方が親切というものだ。(隼人並みの感想

 

「で、俺が勝ったら?」

 

「お主に流派・東方不敗が最終奥義 石破天驚拳を授け、そこな小僧を一人前のガンダムファイターに鍛え上げてやろう」

泣き虫ドモンをあの通り鍛え上げた東方不敗マスターアジア、実力もさることながら人に教える才能も折り紙つきである。

 

つまりどっちにしろシンジが流派・東方不敗に入門は確定らしい。

シンジの希望通り確かにもうエヴァに乗らずに済むだろうが、何かが決定的に違う。

 

「基本的には・・いいぜ。だが名前がな・・・」

「うむ?」

「俺が習得するのは星をも砕く石破ゲッター天驚拳にするぜ!」

星ならもうすでに斧で砕いてるからいいじゃん

「ふ、その意気やよし!行くぞ竜馬よ!ガンダムファイト!」

「レディィッー!」

「「ゴォッッー!」」

ちなみにこの二人、どちらも機体には乗っていない。

さすがにマスターガンダムVSブラックゲッターロボが本気で戦ったら英国が壊滅しかねないのでそこは常識を効かせてくれたのだが身体能力の方は常識外の二人。

だがこの二人を遠くから監視していたドーバー基地の西欧及び東欧、そしてアメリカの監視者にはとんでもない映像が流れることになった。

曰く、コマ送りにしてもフレームレートが追いつかないほどのスピードで動くので瞬間移動にしか見えない。

飛び上がったと辛うじて確認できたら50mの高さのビルの上で殴り合いをしていた

ビルを蹴り飛ばした、演習場に放棄された標的の戦車の残骸を掴んで投げた。

何も無いはずの宙を蹴ってありえない軌道でビルの上空で殴り合いをしていた、その度に衝撃波が発生しカメラがぶれる・・・

 

 

 

 

「で、以上があの連中の”お仲間”・・・異世界から来た人間のお仲間ってわけだけど・・」

「えーと、これって合成?特撮?あっドラゴソボールの実写映画とか・・」

たけちゃんは

「何を言ってるか相変わらずわけわからないけど、まさか・・・あんたもああいうことができるとか・・・無いわよえぇ・・・」

香月博士はチラと白銀の方を見て映像の中の老人と青年に重ね合わせる。

なぜ飛び上がった後、空中で軌道を変えられるのか?なぜ手のひらから光線が飛び出したり、そこらへんの布で鋼鉄を斬り裂けるのか?

「いやいやいやいや!俺は日本人で地球人で普通の高校生ですから!ネメック星人やスーパーヤサイ人でも無いですからね!」

一生懸命に首を横に振って自分が一般人であることを強調する。

異世界の平和で豊かで今の地球人が夢にも思える素晴らしい世界で生きていた、ただのお茶目な高校生。

映像の中では結局、老人がビルの上から青年を次のビルに叩きつけてビルごと木っ端微塵に粉砕した図で終わっていた。

・・・・はっきり言って実弾を装備した戦術機同士の実戦でもここまで演習場が破壊されることはないだろう。

PC画面に送られて来た映像やデータはドーバー基地に一応収納されたブラックと13号機の画像やデータと一緒に送られて来たものだった。

結論から言えばこの2機に関してドーバー基地の英国主体の技術陣が国連軍として調査した結果は

 

”はっきりとわかった事といえば人間が乗る機体だということだけ”

”黒い機体の表面は一種の形状記憶合金と細胞のハイブリッドともいうべき物で構成されている”

”紫の機体は一切の機械らしきものが見当たらない、まるで人体のようだ”

そして確保した国連からの結論はこうだ。

現在の技術力の延長がどうこうというよりはあまりにも、今の人類の思考からかけ離れた存在。

例えていうなら人間とBETA並みに作りがかけ離れており、何の参考にもならない。

(人類とBETA並みに・・・か)

『香月博士の天才ぶりには英国の科学者一同、敬服いたします』という

実に余計で非現実的な添えられた最後の文章には

「あたしじゃないわよぉぉぉぉ!あんたらの中で私って何よ!?」

という理不尽なキレ方をしていたが。

 

ゼロ・スメラギ

 

BETAとは何か?

簡単に言えばロボット、あるいは

そう、BETAに戦術があると“思い込む”のは間違いだった。

BETAには戦術も戦略も無い、あるのは目の前にある(それが人類からみて水平だとは限らない)資源を粉砕し、選り分けて回収し、宛名を貼り付けて工場に送付すること。

今まで人類はBETAとの戦いを死闘と感じていたろうが、それは地下という資源が豊富なアタリの鉱脈からあぶれた余剰機械の効率的運用の一環でしかない。

そう、BETAはそもそも戦ってなどいなかった。

そして人類もまた、BETAのみと戦ってはいなかった。

金床と槌理論では在来兵器と戦術機・ヘリコプターなどの機動兵力でBETAを翻弄し、粉砕する戦術が取られるはずだった。

では問題は?

在来兵器はBETAと戦うためにはできていないということだ。

例えていうならマラソンランナーに障害物競走

スメラギさんの簡単な分析では

金床となるべき戦車(人類のだ)の問題は突撃級と呼ばれるBETAの正面装甲を一撃で破壊できず、重い装甲を装備しているため突撃級は無論、戦車級から逃げ切ることができず無為に撃破されてしまっている。

解決策・装甲は戦闘中の衝撃波から乗員を守る程度の軽装甲(視界を確保するため大きい防弾ガラスの窓があれば望ましい)にし120mmよりも大口径の140mm以上を装備。

大口径砲を撃ちながら相手の白兵戦距離から逃げる、大昔の駆逐戦車のコンセプトを復活させるべき。

 

某CB技術者からの反論

問題点・人類相手の戦いにはまるで役に立たない。薄い装甲は戦術機の36mmでも歩兵の迫撃砲でも軽く貫通してしまうだろう。

この惑星の住人は人類同士の戦争がBETAを追い出した後に(”キリコが死ぬくらいありえそうなことだ”という一文が追加されている)発生することを予測しており、この役に立たないこのようなコンセプトの兵器を製造するかどうかは疑わしい。

またこのコンセプトが発揮される戦域は広い幅の取れるユーラシア大陸であり、物理的に追い詰められた人類に空間を活かしての縦深防衛行動は不可能です。

今から作ったとしても何の役にも立たないでしょう、ご愁傷様です。

 

ゼロもスメラギさんも頭を抱える状況だろう、どんなに頑丈なつっかえ棒があっても崩れかけのビルを支えることはできないのだ。

 

世界総生産に占めるアメリカの割合は現状で70%ですが、BETA戦争後の(そんなものがあったとして)それは85%にまで上昇するでしょう。

公式の資料を一読しただけでもこの星の指揮系統の乱れっぷりがわかる。

BETAに対して各個の国が相争いながら応戦し、その余剰戦力を国連に委託する。

そう揶揄されても仕方がない。

「この星の現状を変えるには、まずは我々が”誠実な仲介人”であることを行動によって証明しなければなるまい」

「その為には活動の根拠地が必要だが、この星の・・・というかこの国の人間が納得してくれるのか?」

戦闘力では秀でているが、数が少ない。

補給を断たれるか行う余裕が無い程の数に物を言わせた波状攻撃で削られるのはZ-Blueの前身のZEXISで痛い目にあっているからな・・・

Z-Blueの戦略を大まかに決定づけるゼロ・スメラギ・テッサ大佐・オットー艦長・ブライト艦長の現時点での目標は

 

1:各国の政治とまではいかないまでも指揮系統の統合 

地球では地球連邦という理想的まではいかなくとも、統合された政府があった。

 

2:Z-Blueの全線域でのフリーパスと要請すれば現地の司令官の全面的な協力が得られること。

最高司令官はクロノの息がかかっていても、現場指揮官はかなり協力的だった。

戦時中の混乱ということを差し引いてもだ。

 

3:惑星上の人がいる場所ならばどこでも補給が可能な体制

皮肉なことに、サイデリアルの潤沢な補給基地がZ-Blueの行動には大いに役に立った。

対して、この星の国連軍という組織は要するに各国の余剰兵力の捨て場とも揶揄されるほどで最大の問題は自前の予算を持たないという点にある。

この点では香月博士は全くあてにならないだろう。

フリードリヒ大王が喝破したように、補給物資がなければガンダムだろうとも鉄屑にならざるを得ない

連邦政府に打診してみても良いが、まず間違いなくいい顔はされないだろう。

補給!補給がなければ何もできないのは天獄戦争で嫌という程味わったでは無いか!ブラックマーケットでモビルスーツが購入できるならそれでもいいだろう!

(実際に購入できたのが、地球が大魔境と揶揄されるところなのだが)

 

3:以上の二つを実現するためにはこの星で最大の(というか唯一まともな国家体制が残っている)アメリカと話をつけ泣けねばならない。

そこまでまとめたところでゼロは香月博士にアメリカ合衆国大統領と話がしたい、と一度話をつける必要があると思った。

本人が聞けば苦笑せざるを得ないだろうが。

 

現状での”ニホン”の防衛力は関西以西疾患以前の3割といったところ、それも数字の上の話だ。

Z-Blueの対応で、かろうじて佐渡島からの侵攻は抑えられ、ついでにハイブも消し飛んだ。

だが、それだけだ。

後方には中国大陸の膨大な資源を次から次へとBETAに変換するハイブが存在している。

その先にはユーラシア全土に散らばったハイブだ。

それらがなだれ込んで来ればZ-Blueといえどm守りきれるものでは無い。


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