大惨事スーパーロボット大戦  Z After 天獄戦争 Muv-Luv   作:溶けない氷

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感情で追加される特殊能力

バルゴラ 一人分身
ガンレオン Lvをあげて物理で殴る
リブラスタ 時を止める!(借金は止まらない)
ジェニオン ??????

どこの冥王の次元連結システムかな?


第29話 ドーバー基地にて

「ったく、何だってんだここの医者どもは。

人の事を珍獣か何かみたいに扱いやがって」

ドーバー基地の医務室から食堂へと向かう傍シンジにこぼす竜馬。

「竜馬さん、どこか悪かったんですか?」

「んなわけねぇだろ、心臓に毛が生えてるって言われちまったくらいだ」

当たり前といえば当たり前の答えだ。

「シンジ、お前の方も疲労だけだと。たっぷり食って力つけとかないからそうなるんだぞ」

 

竜馬と違い、シンジは極々一般的なホモ・サピエンスだと診断された。

エントリープラグから竜馬に引っ張り出されたシンジはドーバー海峡での間引き作戦に参加していた母艦にゲッター、13号機共々収容された後でこのドーバー基地へと移送された。

 

 

そう言っているうちに食堂へと到着した二人。

「おーっす、ってもう昼食時間は過ぎちまったか。

ま、シンジ。とりあえず飯食ってお前の13号機とゲッターを見に行こうぜ」

 

そう言って食堂のトースト、ベーコンエッグと言った朝食をとると適当に席に座る。

 

「13号機・・・・また、乗らなくちゃいけませんか」

 

「・・・そうか・・・乗りたくねぇか、じゃゲッターにでも乗るか?」

 

「い、いえ。乗ります!13号機乗りたいなぁ!!」

ゲッターに乗った日には悪魔のような肉体を持たないシンジは即死してしまうだろう。

実験機段階で軍のパイロットを次々と病院かあるいは地獄に送り込む殺人機。

それがゲッターロボなのだから。

 

「?まぁ色々あったが天獄まで付き合ってやった相棒だ。

俺とゲッターみてぇにな・・・・

そう、俺も一時期ゲッターにはもう乗らねぇ・・・そう決めた時期があった」

 

 

「竜馬さんが・・・ゲッターに乗らない・・・」

 

シンジには正直信じられなかった。目の前の男は自分とはあまりにも対照的で乗りたくないなどという弱さなどとは無縁の男にしか見えないのだから。

 

「ゲッターのもたらす恐るべき未来・・・だが號に諭されたのさ、

ゲッターに従うんじゃない、ゲッターと共に生きるってことをな。

シンジ、お前もそう気付いたからこそ真化を受け入れたんじゃねぇのか」

 

「エヴァに従うんじゃない・・・エヴァと共に生きる・・」

 

「ま、結局はお前の決めることだ。他人がとやかく言うことじゃねぇ」

 

「僕が・・・決める・・」

この星のお世辞にも美味いとは言えない合成食品だったがシンジはそんなことも気にならないほど考え込んでいた。

あの赤い世界ではここ以上に食糧事情は貧弱だったのもあるが。

「ところでここの飯まずいな」

竜馬は文句タラタラのようだ。

暗黒大陸では狩りをして新鮮な獲物にありつき、その後は蒼星でも有数の豊かな日本で用務員をしていたので舌が肥えてしまったらしい。

 

 

一方で

 

「司令、この2機の巨大戦術機が横浜基地の新しい切り札ということですが・・・」

 

ドーバー基地の格納庫でもZ-BLUE所属の大型特機のブラックと13号機をMSサイズの戦術機格納庫では収納しきれなかっため現在は(悲しいことかな戦死者の為に)空になっている格納庫に更に横にしてやっと収納できた。

司令官は2機の巨人機の威容に目を奪われる。

余りの巨体のため、衛兵を配置して一般兵士の目線を遮ろうとしているがここは国連基地。

確保した部隊が西独部隊であったため西独の空きのハンガーに入れたがその巨体はありとあらゆる国籍の部隊から丸見えになっている。

それでも未だにソ連の影響の強い東欧国籍の整備員にいじくり回されなかっただけマシだろう。

(東欧の部隊は未だにソ連の影響下にある、出来上がった体制は体制自体を守るのだろう・・・)

「司令、ご覧の通りこちらの黒い機体とあちらの紫色の機体・・・

いずれも戦術機のコンセプトからはあまりにも逸脱しており、到底この世のものとは思えません」

見上げるとそれだけで威圧感のある二本角の黒い悪魔と紫の一本角の

 

「全く・・・・横浜の女狐め・・・とんでもないことをしでかしおった・・・」

本人が聞いたら全身全霊で否定しそうな誤解をされている先生だった。

 

「詳細はお手元のレポートにプリントいたしましたが、

とてつもない出力を叩き出す未知の動力源に既存のいかなる物質よりも強靭な素材が装甲に使用されています」

 

「ふむ・・・・ところで、こいつを戦術機に応用できるのかね・・その、既存のだが」

「いえ、あまりにも未知の部分が多すぎるため・・・・どのような理屈で動いているのかも不明なのです」

 

「では・・・こいつをそのまま量産するとしたら?」

 

「これを?いえ、そもそも戦闘機動時の加速度にすら人間では耐えられません。

強化装備を着用したエリート衛士でも一瞬で失神するでしょう」

 

ブラックゲッターの叩き出した超機動を映像で解析した結果

”ビッグベンから生身で飛び降りる程度には安全”

という安全設計だと判定された、慣性制御などという洒落たものは勿論ついていない。

「では・・・・こいつの衛士はどんな化け物なのだね」

顔を引きつらせながら技術者に問いかけると

「そう!それが正に生命の神秘!ご覧ください、この衛士の身体能力を!

人間というよりは虎かライオンに近い構造の骨格!

更に肉体の全ての構造が極めて理想的な対G構造を形成しており、人間とは思えません!

日本人らしいのですが・・・いや、正に東洋の神秘というやつですな」

(違います)

嬉々とした表情でブラックと竜馬について語り出した技師にうんざりする基地司令であった。

 

 

一方でこの黒い機体を見上げる少女衛士がいた

「”黒い二本角”に”紫の一本角”か・・・」

少女は思う、この2体の巨人のような力さえあれば”あの時”祖国が蹂躙されることもなかったのではないかと。

「この2機の衛士・・・二人とも清十郎と同じ日本人だって話だっけ。

会えるかな」

かつて共に戦った頼りなかった少年にどこか似た少年と、殺しても死ななそうな男。

イルフリーデ少尉は機体にそして衛士に興味を持った。

彼女だけではない、この基地にいるものならばたった2機で万単位のBETAを殲滅した機体に興味を抱いた。

あるものは

「資本主義者共がでかような新兵器が開発されていたとは・・・これでは、東側のひいては我々の発言力が・・・なんとかしなくては」

あるものは

「英国にあれだけの新兵器を開発する余裕があったとはな。

予想外だが、これをうまく利用すれば忌々しいアメ公の戦後の影響力・・・ある程度は抑えられるか?」

あるものは

「この曲線、そして粗野に見えて芸術的な直線!今まで見たどんな戦術機とも違うけど・・

これはこれでいけるわ!」

と写真をパチパチ撮りまくる西独の少女衛士がポニーテールの同僚と憲兵に止められていた。

こんなでかいものを担ぎこんでおいて軍事機密も何もない。

 

その頃竜馬とシンジは

「あ、これ美味しいですよ」

「本当だな。合成食品とは聞いてたが結構食えるもんだな」

軍事機密をほったらかして食事中だった。

 

 

ラーカイラムの格納庫でナイジェル中尉がアストナージからジェスタに採用された

「ええ、新型OSの採用で”普通”のMSの反応速度は従来より3割上がってます。

ですけど無理はせんでくださいよ、もう最新鋭機じゃないんだから」

MS技術の開発スピードは・・・異常だ。

特機並みの大型化路線が既に行き詰まり、小型化が必要とされる中で次々と新技術が開発され新型が開発される。

結果として部隊かなり旧型・それなりに旧型・少し旧型・新型・最新鋭機体・次世代の最新鋭機が同居する状況は珍しくない。

 

「・・・・その言い方だと”普通”じゃないMSはどうなるんだ」

ナイジェル中尉は目の前でガンダムが日常的に超常現象を引き起こす様子を間近に見てきたため

最近はついていけない気分だ。

最早、あれは魔法だとかオカルトだとかそういう部類なんではないだろうかと思っている。

大体、サイコフレームとかあれ何なんだ。

最近は”次元力なら仕方ない”の一言で色々とうやむやにされている気がする。

いや、御使いや神と戦っておいて今更なんだが。

「知りませんよ。ハードの性能の方がついてこれないアムロ大尉を比較に出す方が間違ってるんです」

νガンダム、時空震動以来の歴戦の古兵。

未だに最強の一角であることは間違いないが既に開発から2年の月日が経ち旧式化は否めない。

新技術を採用し、より洗練されたMSが試作機として開発されているらしいが・・

「さてと・・・セツコ少尉のバルゴラの最終チェックでもするかねぇ・・・」

ほとんどの人間は忘れているかもしれないが次元力を応用した機体は自分の意思を持つ(ユニコーン等)勝手に進化したり(ゲッターロボ)時空を制御したりする(グレンラガン)。

その事を考えれば次元力を高度に応用したサイデリアルの技術がふんだんに使われたバルゴラはユニコーンやバンシー以上に現時点でラーカイラムに搭載された機体の中では謎の機体だ、こまめなチェックは欠かせない。

ただ、周りの特機が異様過ぎて地味に見えるだけで。

 

 

Z-Blueロンド・ベル隊の2隻、ラーカイラムとネェル・アーガマは蒼星のゲート付近でかきあ・・・・結集したZ-Blueの精鋭部隊と共に合流し新しく出現した星への使節として出発する。

連邦軍が大規模な部隊を動かせないのは未知の星に侵略者と間違われることを恐れる慎重論が議会で主流となっているためである。

予算不足だったり軍が戦争で半壊状態だったり、金が無いのもあるが。

しかしながら一隻にMS母艦と戦闘艦の両方の機能を集中させるというWB以来の思想はこのような状況に合致していると思われる。

砲撃機能と輸送機能をそれぞれ違う艦に分担させるという思想も連邦軍では根強くあった。

旧世紀の空母機動艦隊の宇宙版であり、艦隊決戦にはこちらの方が遥かに理にかなっている。

しかしながら空母役が奇襲で沈むと高価なMSが一網打尽にされてしまう。

機動艦隊を編成する程の大規模な戦闘には向いているが規模が大きくて編成に時間がかかる。

MSが常に不足気味で結局母艦の定数を満たすだけの予算が下りない。

実際にそれ以降の戦いを見れば時空震動以来、艦隊決戦など滅多に起こらず奇襲や強行偵察、潜入と言った小規模な(スパロボ世界観で小規模)戦いが連続して起きた事を考えれば

どちらかといえば旧世紀のヘリコプター搭載護衛艦の流れをこの2隻は汲んでいるのだろう。

連邦軍に膨大な予算と人員が認められればジオンのドロス級MS母艦のようなものが復活するかもしれない。

ありえないと思うが。

 


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