大惨事スーパーロボット大戦  Z After 天獄戦争 Muv-Luv   作:溶けない氷

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実は横浜基地編の主人公はエスターだという可能性が・・・

にゃんにゃん娘「エスター・エルハス!恋も仕事も一生懸命!
次こそあの唐変木に振り向かせてみせる!」

お姉ちゃん騎士「クロウ・ブルースト!私(の騎士としての誇り)に傷を付けておいて・・・責任を取ってもらうぞ!」

お狐博士「おやおや。モテモテだねぇ、どうするんだいトライアングラー改めスクエアラー」

揺れる天秤「俺は・・・俺は・・・ウワァァァッァァ」

揺れる天秤がクロウの心に応えて進化する!


第28話 進化するマシン

「ところで・・・・博士、お聞きしたいことがあるのですが

この緑色の機体なのですが

 

帝国からの技術者の一人が指差したのは横浜基地に廃棄されていた

スコープドッグだ。

アストラギウス銀河100年戦争では累計1億台以上が生産された傑作機。

今もバトリングの聖地シンジュクでは殆どがこの機体で行われ新日本でパーツの生産が続いている。

言って見れば使い捨ての機体。

生産性と攻撃力に全振りした結果少しの被弾も命取り。

「ああ、こいつね・・・・・」

香月博士も声を濁らせる、技師も映像を見ていたのだからわかるのだが地球の技術力で再現できそうな技術で作られてるということはわかる。

問題は中の人間が再現できないというだけで、というか死ぬ。間違いなく死にまくる。

「30mmケースレス機関砲,ロケットランチャーに軽量なガトリング砲

電磁投射機構を応用した無反動砲。

大したものです、小型の機体ながら米軍の戦闘ヘリ並みの火力を有しています」

 

そういう前向きな評価をされたが

 

「しかし装甲は一般的な防弾鋼で厚さは軽装甲車並み、

おまけに高度な電子火器管制装置も見当たらない・・・

一体彼らはどんな軍事思想で機体を設計しているというのですか?

恐ろしく高度な技術で作られた戦術機があるのはわかります・・・

ですがこれは明らかにローテクです、ローテクすぎるのです」

 

実際には地球とは真逆の軍事思想を持ったアストラギウス銀河の機体なのだが

確かにATとMSを同時に運用するというのではハイ・ローミックスにしても差がありすぎる。

 

一方でフランス

 

「シンジィ!いい加減目ぇ覚ませぇ!」

ゲッターロボが容赦なく13号機をぶん殴る。

勢い余ってATフィールドを貫くが特殊装甲が沢山あるので多分大丈夫だろう。

現に吹き飛ばされた姿勢を空中で転換、吹っ飛ばされた先にいた要塞級をATフィールドでミンチにしながら足場にしそのまま跳躍しブラックゲッターに反動を逆に生かして殴りかかる。

既に喧嘩が始まってから十五分が経過したにすぎないがエヴァの光線とATフィールド、竜馬のところ構わずぶん投げるトマホークとスパイクで周辺には2匹の鬼の喧嘩に巻き込まれたBETAの大群が次々とうず高い死骸の山を気づいていく。

だが竜馬は計器の異変に気付く。

今まではゲッタービームの影響で濃かったゲッター線量が13号機が暴走してからというもの

大気中の濃度が急激に下がり始めているのだ。

これが意味するものは一つ

「13号機がゲッター線を取り込んでるのか。

成る程な、成長期ってわけか。シモンといいシンジといい余程ゲッター線が気に入ったらしいな。ならなぁ!ゲッタァァァビィィィム!」

そう言うなり炉心出力を最大に設定してゲッタービームを13号機に向けて最大出力で発射。

旧式のゲッター線炉とはいえ普通ならばメガトン級の爆発が起こってもおかしくないはずだったが

13号機はATフィールドを展開、ゲッタービームを包み込むようにして吸収し始めた。

「どうだぁ!寝る子は育つだ、腹一杯になるまで食ってもう寝ろぉ!」

だが、今の13号機に旧式とはいえ竜馬が発するゲッター線全てを呑み込む能力はなかったのか

ドワォとプラズマ爆発を起こした。

ここから100kmは北方に位置していたツェルベロス大隊はBETA活機もオペレータからの大規模な爆発警報によって地面に伏せて

今までで最大級のゲッター線爆発によって緑色の光が周辺を照らしたかと思うと今度は未だ無事だったBETAも爆発に巻き込まれ粉微塵になるか、高濃度のゲッター線によって融解していった。

「やれやれ、本当に教師ってのは・・・・・大変な仕事だな・・・」

ゲッター線エネルギーをほぼ使い果たし、膝をついたブラックゲッターの中で一人呟く竜馬。

世間一般の教師という仕事は断じて違うと思うのだが

同時に13号機もエネルギー吸収の後の爆発で吹き飛ばされ活動を停止した。

 

 

かくして英仏独合同での間引き作戦は損害0でありながらBETA8万以上の壊滅という大戦果を上げることになった、だがこの立役者の一方は失神・・・・・

もう片方は・・・

「さてと、シンジを引っ張ってさっさとイギリスに向かうか」

ゲッターの片手で13号機を担ぐと飛んで行った。

 

一方で英国 首相官邸

 

「首相閣下、欧州連合軍がヨコハマからの情報にあった例の2機の回収に成功した模様です」

 

トーマス・ブライアン首相は国防省からの情報を受けて頭を悩ませていた。

「まさか、成功するとは・・・一体どんな魔法を使ったのだ、あの魔女は」

常識から考えて、地獄と化した欧州それもど真ん中から生還するなど絶対にありえない。

人類ができることといえば沿岸地方での間引きが精一杯。

大規模再上陸と将来的な欧州奪還に備えた国連大西洋方面第1軍ドーバー基地群の精鋭といえど

現状維持で手一杯なのが現実で、奪還など夢物語だと皆気づいている。

そんな中もたらされた戦況を一変させうる戦力がよりにもよってヨコハマの手の者とは

オルタネイティブ4の成果だとしたらあまりにも突然で意味がわからない。

「首相閣下、ヨコハマの魔女の思考はあまりにも我々とかけ離れているのは知っておりましたが、まさか戦略兵器を事後承諾で地球の裏側で実戦投入するなどとは情報部も掴めておりませんでして」

本人が聞いたら全身全霊で否定するような誤解が英国でも広まっているらしい。

お狐博士ならともかくヨコハマの女狐にとっては甚だ不本意な誤解にちがいない。

「これは一体・・・・」

写真に写っているのはブラックゲッターと13号機だが確かに2機ともこの星の人間が考える

戦術機とはおおよそかけ離れた風貌をしている。

「写真から推定される全長は通常の戦術機の2倍以上。

接触した国連軍がすでに確保し、衛士2名をドーバー基地の病院に収容。

内1名は意識不明とのことです」

 

後の一名はそのまま再出撃しても平気なくらいピンピンしていたが。

 

「そうか・・・・まぁ米国に先んじてヨコハマの新兵器を確保したのが国連なのを幸いとしよう」実際、2機が米国に確保されていたら米国は2機の機密を独占しようとしていただろう。

国連軍の所属ということならば何と言ってもドーバー基地を提供しているのは英国なのだ。

嚙める余地は十二分にある。

「それと・・・・フランス政府も例の2機に関して積極的に情報開示を求めております」

この件は

「フランスが・・・・成る程な、2機が戦闘したのは自国領なのだからこれはフランスの管轄だと言いたいのだろう」

戦闘した場所でフランス・確保した部隊で西ドイツ・確保された場所の英国・そして全体に及ぼす影響力で米国。

竜馬とシンジは権謀術数渦巻くど真ん中に降りてしまったようだ。

「んなくだらねぇもん、俺が叩き壊して進むまでよ!」

この男・・・実際に神を叩き殺してからというもの全く懲りてない!

 

一方でドーバー基地の医務室

 

「これ・・・・・人間の骨格ですよね・・・」

「ああ、そうだ。例の巨人機の一方の衛士の健康診断で撮ったCTスキャンモデルだが・・・」

目の前に映し出された骨格モデルは人間のものだ、間違いなく。

「この脊髄、どちらかと言うと、虎かライオンのような大型肉食獣に近いですね・・・

博士、彼は・・・あの衛士は本当に人間なのですか・・・」

どうやらゲッターロボを操るには人間は従来考えられていた方向よりも斜め上に進化する必要があったらしい。

 

一方で横浜基地

 

「そうか、タケル・・でぶっちゃけ聞くが・・・お前何者だ?」

「え、な、何者って・・・・・」

「あ、それ。アタシも聞きたかったんだ。

アンタって、なんか違うと薄々感じてたんだけど・・・・」

3人が残ったPXで詰め寄られるタケル

(この感じ・・・似てるな・・・アイム・・・いやアサキムか・・)

(うん、こいつ何か変だな〜って感じてたけど・・・そうか・・こいつは!)

まさか自分が異世界から来た人間だということがバレかけている!?

夕呼先生からは正体を明かすなとは言われていただけに大いに焦った武だったが次のエスターの言葉に救われた。

「わかった!実は武、あんたって・・・」

「え、ええとですねぇ・・・」

「あんな綺麗所に囲まれて窮屈な思いしてんだろ!いやぁ〜アタシの目から見ても可愛い子多いからにゃ〜」

エスターのずれた着眼点に今回は救われた武だった。

「そ、そうなんすよ〜。いやぁ男一人ってのは意外に肩身が狭くってぇ〜」

(・・・・・まぁいいか・・)

クロウは何故かこの話に突っ込むと自爆しそうなのでそっと席を立った。


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