大惨事スーパーロボット大戦 Z After 天獄戦争 Muv-Luv 作:溶けない氷
ガンダム世界は量産機の性能が凄すぎて殆どの人間がついていけないからじゃないかと思う。
人間辞めなくちゃ
Vに真ゲッターか・・・チェンゲチームはZでやりたい放題だったんで、久しぶりに新ゲッターロボが来るかと思ってたんですが。
え、もっとやりたい放題になるって?
スパロボだから
暴走した拾参号機に対する竜馬の感想。
「ったく、何やってるんだ この忙しい時に」
そんな竜馬の心配もよそに近づくBETAを片っ端からそのATフィールドで切り裂いていく13号機。
雄叫びをあげながら暴れまわる13号機だが、その叫びに反応し更に大量の母艦級が次々と出現する。
これまでにこの地球では母艦級を肉眼で確認できた人間はいない、つまりそれほどまでに13号機を脅威と認識したのか・・・
だが・・・・・
『グォォォォォ!』
雄叫びをあげ、地響きをあげながら出現した母艦級に超音速で速度で迫った13号機は次の瞬間にATフィールドを展開、刃のように展開させ一体を輪切りに、さらに一体を上下からフィールドで挟み込んでぺしゃんこにした。
「チッ、たかがバケモンに呑み込まれた程度でパニクりやがって。
しっかりしろぉ、シンジ!テメェはそんなヤワなタチか!」
だが13号機はそんな竜馬の呼びかけも無視しひたすら手近なBETAをなぎ払い
引きちぎり、そして・・・・・・
「何!化け物を喰ってやがるのか、こいつ」
目の前でバラバラにした母艦級を何かを求めるように貪る13号機。
「こいつ・・・・成る程な、これも生きたマシンってわけか。
化け物はぶっ殺す!シンジはぶっ飛ばして正気に戻す!
へ、生徒で苦労するなんざ俺もスズネ先生みたいになってきたな」
だが、13号機が次の瞬間目を光らせ竜馬に向かって光線を発射したことでぶん殴って正気に戻すというプランは修正されてしまった。
「何!こいつは!」
13号機が発射した光線はゲッターが0.1秒で音速を超えることによって辛うじて回避に成功したものだった。
外れた光線の巻き添えを食って全長1kmを超える母艦級が蒸発、強烈なプラズマ爆発を引き起こす。
まるで・・・・・
「この威力・・前にぶっ殺した骸骨仮面並か・・・今時の子供ってのはキレると手に負えねぇ
ってのは本当だな」
今の光線の威力はかつて竜馬も光線した第14使徒ゼルエルにも匹敵した
18層の特殊装甲を一撃で粉砕した光線の破壊力はおそらくはコロニーレーザーにも匹敵するだろう。
再登場した時にはストナーサンシャインの一撃で蒸発させたが、シンジが乗っているしこれは真ゲッターではない。
この時のプラズマ爆発にはドーバー海峡を隔てたイギリスでも観測できた。
「チッ、ゲッターにも匹敵するエヴァたぁな。
ネルフもとんでもねぇもん作りやがって」
更に手をまるで鞭のように伸ばしてゲッターに4本腕を加速させ超音速で殴りかかる13号機。
それを同じく超音速で避ける竜馬、空振りになったパンチが地面を打つたびに巨大なクレーターが出来上がる。
ATフィールドの破壊力と超高速を合わせたパンチはそれだけで小型戦術核並みの破壊力を持っているが
「戦い方はまるでなっちゃいねぇな、来いよシンジ。
喧嘩の仕方を教えてやる」
そう言ってゲッタースパイクで正面から殴りかかってきた13号機の拳を・・・
「うおりゃぁぁぁぁ!」
普通に殴った、拳と拳がぶつかった衝撃波で周囲に寄ってきたBETAが粉微塵に消し飛ぶが、二体はそんなことお構いなしに殴り合う。
「効かねぇぞぉ、シンジ!!」
一瞬の隙をついてゲッターが13号機のATフィールドごと殴り飛ばす
「モーションは大振りのテレフォンパンチ、リズムはバラバラ。
腰も入っちゃいねぇとは、全然効かねぇぞぉ!」
ブラックゲッターも2、3発殴られたが体を捻って衝撃を逃がすことによって殆ど無傷であった。
この星でも剣術を修練した衛士は体捌きから戦術機にかける負担が小さいらしいので理論的にはほぼ同じだろう。
並の機体ならば13号機のパンチの核爆発並の衝撃波で爆散するが空手の有段者は衝撃を受け身で最小化できる。
2体の鬼の喧嘩はまだ始まったばかりだ。
だが、既に周辺はビームと光線の破壊の余波で灼熱地獄へと変貌していた・・・・・
一方でスメラギさんとテスタロッサ大佐
「・・・そうですか、やはり我々の武力介入無しには人類種の逆転劇などありえない・・
それがヴェーダとスメラギさんの一致したご意見なのですね」
「ええ。結局のところ、この星の屋台骨はアメリカ合衆国ですが
全てのデータはそのアメリカの後方支援能力すら臨界点に達しているという
事を示しています」
スメラギさんがヴェーダで収集した情報はこの星ではイノベイドが存在しないこともあり
更に情報化が十分とは言えないことから完全に信用できるものではないが
「この国の現況はどのようなものでしょう?」
「この国に継戦能力は最早ありません、このままでは同スケールの次の侵攻には到底耐えられないでしょう」
BETAというのはソ連・中国が核兵器を使用した焦土作戦を取っても結局は止められなかった様に極めて核爆発に対し耐性が高い。
従来の大量破壊兵器は意外にも効果が少ないし、連続して使用すれば地球はあっという間に人間が住めない星になってしまう。
宇宙のBETAが資源回収に着陸した惑星には金星の様に超高圧・超高温の惑星もあれば
逆に大気がなく恒星からの強力な放射線が降り注ぐ水星もある。
はたまた超音速のハリケーンが吹き荒れる海王星もある。
そのような極限環境に耐えるように創造主が設計したBETAにとっては
核兵器程度は今までの自然環境に比べれば優しい物だろう。
・・・・・今までZ-BLUEが戦ってきたトンデモ超生物の例を考えればこれから先、
どんどん強化新型が投入される可能性もあることを考えると・・・・
「頭が痛くなってくるわね・・・」
刹那によれば彼らの宇宙には更に戦闘用に設計された、いわば軍用BETAもいたとのことだから
油断はできない。
あれら次元獣もどきもそうで、例えていうなれば零細企業が給湯室の火事や空き巣対策に消防車や警備員を配備しないようなものだったが、人類種の抵抗が今までよりも(おそらくは戦術機の投入と高性能化で)高まったことにより、専門の職種を増やしたようなものだ。
「刹那によれば地球上に展開しているBETAは作業用にしか過ぎず”戦闘”は考慮されていないそうよ」
問題はこの地球だけではない、連邦軍がこの事を知って異次元生物からの侵略にどう反応するか・・
「・・・・・・・極めて憂慮すべき情報ですが、蒼星連邦軍の重陽子ミサイルを満載した砲撃艦隊が発進体制をとったようです」
テスタロッサ大佐によれば
かつて真ドラゴンが復活した際には連邦軍は”全く”躊躇わずに自星に重陽子ミサイルを投下し新世界大陸に次元断層を生じさせている。
あの時は危うく地球がゲッター線汚染されるところだった。
「彼らにとっては所詮、他人の星だということね・・・・」
この星にしてもアメリカはカナダに戦略核を打ち込んでいる、同じ人間はしないという保証にはならない。
「スメラギさん、大統領がどれだけ軍部を押さえこめるかは我々Z-BLUEにかかっています」
テスタロッサ大佐の言葉は今のソレスタルビーイングにとっては皮肉な状況だろう。
連邦政府打倒を掲げたテロリストが今は一転連邦の為に動いているのだから・・・
一方で帝国の技術陣は
「これが・・・・例の宇宙人から提供された主機か・・」
横浜基地に到着した巌谷中佐が目の前にしたのはソレスタルビーイングから提供されたGNドライブ[T]。
横浜基地に現れた謎の部隊の話は国連軍の戦闘データを通して各国に既に共有されてしまっている。
当然の事ながら技術陣として帝国のを招くことになったわけだが本来は国連の夕呼としては自分の手持ちのカードを開示することには躊躇いも覚えたが、これ以上Z-BLUEに借りを作るのも危険と判断。
かといって独力で解析しようにも余りにも体系が違いすぎて理解するには時間が足りない。
それならばと思い切って個人の伝手だが帝国の応援を仰ぐことにしたのだ。
「そうです、詳しいことはこの本に書いてありますが戦術機を根本から変えうる技術だとご理解ください」
そしてGN-XⅣのカタログデータと横浜基地防衛戦で見せたパトリック少尉のGN-XⅤの戦闘映像を見せる。
少尉のVはコアブロックシステム採用の後継機なので厳密には違うが。
現状でラザフォード反応によらない防御フィールドの展開、
突撃級の外殻をバターのように切り裂く粒子長刀に粒子銃
映像でも見せたレーザーすら回避する極めて高い機動性
攻・防・走の全てで既存の戦術機を遥かに圧倒する性能を見せつけた存在。
それがGNドライブ搭載MS、まさに宇宙人の戦術機。
この超兵器と連邦のエースパイロットをもってしても平凡だというのだから
Z-Blueがいかにとてつもないかお分かりになるだろう。
さらに言えばブラスタEs改はあちこちに捨てられた
GN-XⅣの残骸から回収したパーツをニコイチ・サンコイチしたものをポン付けして出来上がった。
そんな廃物利用でお世辞にもZ-BLUEのパイロットとしては一軍とは言えないエスターでも
要塞級多数撃破というスコアを残せる超高性能機を作り上げたトライア博士。
彼女もまた、Z-BLUEの人間だということだろう。
「だが・・・・このスペックが本当だとしても
いきなり戦術機に取り付けて実戦に投入できる機体が作れるものでもあるまい。
重量バランス・出力調整・武器とのマッチングなどなど
機動がそもそも根底から変わるのだからOSだって完全に別物になる」
巌谷中佐の指摘も尤もだろう。
それに関しては夕呼も考えなかったわけではない、だがあの女性指揮官から
『ええ、でもバッテリー駆動の機体を改造しただけで実戦に投入した例もありますから
多分、そんなに手間は要りませんよ』
という恐ろしい言葉を聞いてしまった。
聞かなかった方が良かった・・と後悔するがもう遅い。
帝國の技術陣が不慣れなのもあるが、元々イオリア・シュヘンベルグが設計したGNドライブとADMSはそもそも融和性が高い。
だからこそビリーが急造したGNフラッグは正常に動いたし
(エースパイロットが乗って吐血する程のGがかかったり
実質ビームサーベル一振りという武装が”正常”かどうかは疑問だが)
GN-Xへのパイロットへの移行もスムーズに済んだ。
これに対しMSと戦術機ではそもそも生まれた星からして違う。
操縦系統もソフトウェアも戦術ドクトリンもかけ離れていると言えば、
この2種を融合させようという試みがどれだけ険しい道かは容易に想像できるだろう。
さらに言えば戦術機のフレーム強度の問題もある。
そもそも人間が耐えられる以上のGに戦術機は耐えられない。
機体が耐えられても中の人間が耐えられないのでは意味がないので、
戦術機の限界は軽量化の為にも連続して耐えられるのは旋回時にかかる9G程度。
これでも機体と人間にかかる負担は半端なものでは無いが。
これ以上の負荷がかかったらフレームが歪んだり亀裂が入るので、
X線検査の上でオーバーホールが必要になってしまう。
これに対し、トールギス等に代表されるZ-BLUEのMSは加速だけで15G以上というトンデモなく凄まじい負荷がかかる。(ちなみにF-22は燃料満載で1.14G)
つまり静止状態から加速して2.2秒で音速に達するという化け物で、これで飛んだり跳ねたり曲がったりアクロバット戦闘機動をしたり白兵戦をしたら死人が出ない方がおかしい。
『必ず死ぬ筈だ!人間ならば!』
トールギスは別格とはいえ・・・・いや結構普通な気もするが・・・・
MSがいかにとんでもない強度と出力を持っているかお分かりになるだろう。