大惨事スーパーロボット大戦  Z After 天獄戦争 Muv-Luv   作:溶けない氷

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竜馬「インベーダーもどきども!皆殺しにしてやるぜ!ゲッタァァァビィィィム!」
ドワォ
竜馬「チッ!一応手加減して撃ったが・・・この程度で地形が変わるたぁ意気地のねぇ星だ!」
こんなことになる前に釘を刺しておきましょう。


第19話 竜馬が来た!

一方で戦闘が終わり、万が一の用心のためにも機密が漏れることを恐れて

プトレマイオス2のブリーフィングルームに会談に出席する予定の

スメラギ・ゼロ・ロジャーそして刹那と主なパイロット達が集まっていた。

横浜基地から一時離れたのには残存している光線級への警戒もあるが

この星の人間を未だ、完全に信用する気にはなれないというのがZEXIS出身のメンバーの意見でもあった。

これがZEUTHのブライト艦長や連邦軍の正規軍のオットー艦長なら愚直にそして誠実に対応したかもしれないが反政府組織のZEXISは違う。

まず、疑い情報を収集しそれから行動するというのが基本だ。

「以上がこの星のデータベースから僕とヴェーダで拾い上げた大まかな情報だ」

「ティエリア、この情報にはどれだけの機密情報が含まれているのだ?」

ゼロが疑問を呈するが・・・

「心配はいらない、ここにある情報は国連の公式ネット上の公開されている物ばかりだ。もっとも、この星はデータベースが貧弱なのでこの程度の質しかないが」

互いに信頼しあうことが前提の会談を前にヴェーダであなたの星のネットワークをハッキングしてました、では印象が悪いだろう。

ゼロがギアスを封印することを決めたように、ティエリアもまたヴェーダへの過度の依存を封印したのだ。

そこにあった資料は実に簡素なものばかりだったが

「やれやれ、この星でも人類は一致団結どころか酷い足の引っ張り合いに終始しているな。」

ゼロの意見も尤もだろう

「ゼロ、こういうとき皇帝シャルルならどうしたんだろうね・・・・」

エスターは故郷を次元獣に滅ぼされた過去があるからこそこういう対応しかできない人間に不愉快を覚えているのだろう

「・・・・・・公開された資料では、早乙女研究所やスコートラボ、光子力研究所などに奴は第3国経由で多額の資金援助をしていた。

奴を認めるのは癪だが、異種に対抗する力を育て自分なりに世界を良くしようとしていたのは確かだろう」

「マジかよ、あのぐるぐるロールおっさんがねぇ」

クロウが自国の皇帝への敬意が見えないように、軍事国家ブリタニア・ユニオンでも皆が帝政派というわけではなかった。

確かに蒼の星の人類が拙いとはいえ素早く地球連邦を成立させ次元獣、インベーダーといった人類に対する脅威に立ち向かえたのは彼のカリスマ性が大きい。

彼がいなければ地球連邦の成立が遅れ、異種への対処の遅れは被害を拡大させたろうという意見もある。

「無論、その過程でやったことが許されるわけではないがな・・・」

目的が手段を正当化する、だがこの星の連中がやっていることは手段を選んで目的選ばずも甚だしい。

異種をわざわざ地球上で迎撃する?インベーダーや宇宙怪獣を地球上に引きずり込んで迎撃しようなんて考える奴がいたか?

時々防衛線を突破されたり、こっそり侵入されたことは置いておくとして。

・・・・というか異星技術獲得の為ってなんだ、どう見ても宇宙生物だろ。

あいつらが機械を使ったり作ったりするとでも思ったのか?

「ミス・スメラギ、貴女の予想では人類側がこのままの体制で異種をこの星から追い出せると思うか?」

「・・・既に初手でバランスは向こうに傾いてる。このままではどうやっても人類滅亡は避けられないわ。」

戦術予報士の中立的意見でもこれである。

「そのことに関して皆に伝えなければならないことがある」

刹那は月の上位存在との失敗に終わった対話によって得られた情報を提示した。

 

「ふむ、この情報では箒型の命令系統のトップが上位存在だということか・・

この上位存在を叩ければ異種は対応能力を失うが・・・」

「このデータを踏まえた上でのシミュレーションでも厳しい結果だわ。」

 

だが、スメラギの示した予想はそれでもなお厳しいものだった、

カシュガルハイブを電撃的に奇襲、上位存在を破壊した場合

当初の予想では人類はユーラシア大陸の沿岸部の幾つかのハイブを向こう十年以内に少なくとも8つは破壊しうるという予想図が示されていた。

だが、そこから雲行きが急に怪しくなる。

「やはりな、ここからBETAが急激に盛り返してきている」

「この星の人間は初戦であまりにも国力を使いすぎたのよ。

言うなれば体力切れで、構成臨界点を迎えるのが十年後という予想」

そこからは悲惨な予想図しか示されなかった、奪還した大地にはBETAが再び押し寄せ再びハイブが建設される。

上位存在が消えたため計画も戦術もない、ただ内陸のハイブが抱えるBETAが増えすぎたからイナゴの群れのように空いた土地に移動する。

たったそれだけで戦力を使い果たした人類側の防衛線は波の前の砂の楼閣のように崩れ去っていく。

やがて奪還した土地もBETAの勢力図に戻り、その勢いのままユーラシア反抗の拠点でもある日本・イギリスも陥落しアフリカにBETAが文字どおりなだれ込む。

「加えて言うけどこれは最も楽観的に見積もっているわ、人類同士の足の引っ張りあいなし。

ユーラシアが奪還されるにつれて予想されるのが人類同士の土地とG元素をめぐっての争い」

「G元素? 」

「ティエリア、説明をお願い。」

「G元素とはあの異種のハイブ内に貯蔵されていた特殊な物質で、これを使うことによって重力制御などが行えるらしい。

恒星間航行船やG弾と呼ばれる大量破壊兵器に転用することが可能だが、後者は使用地で発生した重力異常により半永久的に不毛の大地になるらしい」

ティエリアがモニターに出した映像には98年の明星作戦で使用された G弾の威力が写っていた。

「効果的には小規模なZONEの暴走に似ているが、まさか大気圏内で使用するとはな」

ゼロが忌々しげに呟く、そもそも月面で異種相手に白兵戦を展開するなどゲッターロボ並みのとんでも超兵器でもない限り無理に決まっている。

この星の機動兵器のスペックを公開されている範囲で見たが、どう考えても核より効果的とは思えない。

わざわざ重力の井戸の底から原始的な化学ロケットで人間と兵器を月まで持ち上げて戦う意味が全くわからない。

 

「難しいところね、この星は」

『スメラギさん、お電話が入ってますです!竜馬さんです』

突然、ブリッジに竜馬からの電話が入ったという報告がミレイナから入った。

「竜馬から?回して」

ブリーフィングルームの映像に竜馬の映像が映る。

『おう!スメラギさん、それにゼロも久しぶりだな!』

なぜかゲッターのコクピットで忙しく操縦をしている竜馬だが

背景からはグシャやベキといった不穏な効果音が流れてくる。

『次元の中を真ドラゴンで航行してたら急にブラックゲッターと一緒に、変な砂漠みたいなところへ放り出されてよ!シンジも一緒だ!』

『お久しぶりです、皆さん』

プラグスーツに身を包み、エヴァ13号機を操縦しているシンジの顔が別のモニターに映った。

「シンジ君!今どこに?」

『それが・・・あの後、僕の世界のネルフに戻ろうとしたら急に変な砂漠に時空震動で跳ばされて・・・カオル君もアヤナミもいないし・・・』

『で、訳が分からずうろついてたら俺のゲッターの信号をキャッチして合流したら、変な化物共に襲われて今応戦中ってわけだ!』

更に別のモニターにゲッターのカメラから見た外部映像が映る。

「これはBETA!ミレイナ、竜馬とシンジ君が今どこにいるかわかる?」

『出ました!今、竜馬さんとシンジ君はこの星のフランスのノルマンディー地方にいるです!』

ノルマンディー地方、そこはBETAと人類側の最前線の一つ。

どうも竜馬という男は常に爆心地にいる運命にあるらしい。

あるいは竜馬が爆心地なのか。

『チッ!相変わらずデタラメな世界だぜ!どうする?ミレイナから聞いたが日本に当たるとこにいるんだって?どうする?こいつらぶっ殺しながらそっちに合流してもいいんだがシンジが持たねぇ!』

「竜馬、とりあえずイギリスに向かって!そこならまだ人間側の領域よ。

こちらから連絡して丁重に扱うよう頼んでおくから!

あなたはともかくシンジ君は只の人間だから無茶させちゃだめよ!」

『俺の心配は無しかよ!そんな可愛げの無さだから嫁の貰い手がいないんだぜ。

よしシンジ、ついてこい!イギリスまで行くぞ!』

といったところで連絡が切れる、だが竜馬なら心配はいらないだろう。

誰も心配していない、シンジが現れたと聞いて宗介は心配したが竜馬に関しては

「そうか」

の一言で皆済ませた。それくらい頼もしい男なのだから。

「ミス・スメラギ。想定外だが早めに会談を始めよう。

イギリスの方が心配だ、間違って竜馬を攻撃してしまったら・・・」

ゼロの立てた恐ろしい予測が現実になってしまったらイギリスは壊滅するだろう。

ここは一刻も早くこの事を国連軍の香月博士を通じて知らせてもらわねば・・・

このような思考の元、彼らの会談は始まることになる。


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