大惨事スーパーロボット大戦  Z After 天獄戦争 Muv-Luv   作:溶けない氷

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F-22 ステルス戦術機
エスター「ふーん、でもGN粒子やミノフスキー粒子散布状態じゃステルス意味ないじゃん。
それに有視界前提の戦闘だっていうなら、このアクティブステルスで歩兵や戦闘車両相手はどうすんの?
そもそも人類相手なら戦術機じゃなくて飛行機とミサイルが相手に出てくるよね。
BETAを相手にするのが前提の戦術機で人間を相手にするというコンセプトに無理があるじゃん。」
開発陣「・・・・」


第16話 ウルズ隊

一方でB小隊

 

「それにしてもこいつらきりが無いねぇ。」

マオ少尉が制圧射撃をしながら散開したM6部隊に次々と指示を出していく。

電子戦に特化したマオ機だが相手がいわば生体ロボットのBETAではインベーダ戦と同じように味方機への正確な前線位置・情報での支援が主な任務になる。

小型の機体にとっては要撃級・突撃級の一撃は致命傷になりかねない。

ゆえにマオ機の正確な射撃管制支援によって正確に急所を狙い

接近戦に持ち込ませずに撃破・あるいは行動不能に持ちこむことが重要になってくる。

「情報にはあったが、でかい奴相手に57mmじゃチョッチきついぜ。

万丈さん、頼んます!」

流石に57mmでは炸裂徹甲弾で足を狙う足止め以外に有効な手段をM9では持たない。

「僕の出番が回ってきたみたいだね、出ろ!ザンバー!」

どこから飛び出たかザンバーの一撃で突撃級の群れを切り裂いていくダイターン3。

その動きは120mと言う巨体にも関わらず人間のように軽やかだ。

そもそもあの巨体でバク転や空中3回転捻りといった、体操選手並みの超運動が可能な機体なのだ。

宿敵とも言えるメガボーグにしてもそれは同様だった。

それに比べればルーチーンワークしかできない作業用機械に過ぎないBETAの動きなど止まっているも同然。

時々、思い出したように撃ってくるレーザー種の攻撃はダイターン・ファンで防ぐ。

「おっと、お返しだよ。サン・レーザー!」

とばかりに負けじと光線級をレーザー砲で消し炭に変える。

「流石だな、快男児!まさにアバレンボーショーグンだな!」

とは戦車級をまとめてロケットランチャーで消しとばしながらM9の武装をフルに使いながら小型種中心に40mmと12.7mmで次々と駆逐していくM9隊を指揮するクルーゾー大尉。

 

B小隊 不知火

 

宗像 美冴

涼宮 茜

御剣 冥夜

彩峰 慧

 

援護 

ダイターン3:快男児 破嵐 万丈

M9 :クルーゾー大尉 マオ少尉 ウェーバー曹長

ARX-8: 相良軍曹

M6 :2機 無人

「軍曹、ラムダドライバの使用を推奨します。」

「いつまでもインチキに頼るわけにはいかん、エネルギー消費が大きすぎて継戦能力にも問題がある。」

弾切れになった165mmデモリッション・ガンをパージしたレーバテインだが、

お得意の機動力を活かしその活躍に陰りが見えることはない。

群がってくるBETA群をお得意のボクサー2と補助腕の40mmで次々と撃ち抜いていく。

「・・・・ラムダドライバがインチキなら、Z-BLUEの他の機体はどうなるんです?」

なぜか夕日を背にしてザンバーで要塞級をまとめて真っ二つにしているダイターン3をカメラに捉えながらアルが質問する。

「一緒にするな、お前はASだ。ガンダムでも特機でもスフィア持ちでもない。」

「了解、ASの本分を尽くします。」

ダイターンが中心となって大型を撃破、その周りをTDD隊が撃ち漏らした小型種を相手取る見事な特機+小型のミックス戦法を見せる。

瞬く間に周辺には撃破された異種の死骸がうず高く積まれる。

「こちらはミスリル隊のクルーゾー大尉、そこの機体。

応答されたし。」

 

『何なの、この部隊』

A-01は特殊任務を受け持つ香月博士の直轄部隊。

その機密性ゆえに表沙汰にはできない任務を実行することもある。

だが、目の前に展開した部隊は正直常識がどうこう以前に巨大な巨人戦術機とかどうなってるんだとか足の裏から砲弾を発射するとか、あれだけ巨大でハンマーで接近戦(あの巨体での近接は戦術機にしてみれば十分遠距離でもあるが)とか何考えてんだとか思考をまとめようとしている宗像中尉でもあったが、今は目前のBETA群に87式突撃砲の36mmをお見舞いしながら3名の部下の少女たちに指示を出しつつ応戦していた。

もっともBETAは殆どがこっちを無視してあの巨人に突っ込んでは正しく撫で斬りにされていったが。

目立たないがあの6機の小型戦術機部隊も恐るべき物だ。

ずんぐりムックリの小型機は動きこそ悪いが連携がしっかりとれているのか

一糸乱れず動く。

他の3機も黒い機体を中心に格段の活躍を見せているが

特に別格なのは4本腕の小型機だろう。

確かに戦術機でも補助腕を使って4丁の突撃砲で戦うとい衛士はいないわけではない。

それをしないのは単純に使いこなせる人間がごくわずかしかおらず無駄に弾をばら撒いて弾切れでやられるからに他ならない。

だとしたら目の前の4本腕の小型機の衛士は相当の熟練者なのだろう。

謎の援軍のおかげで実戦が事実上、初めてという小隊員に欠員無し。

奇跡的といってもいい、が一体どこの所属だというのか。

 

『こちらはミスリル隊のクルーゾー大尉、そこの機体。

応答されたし。』

目の前の機体、おそらくは小型機部隊の隊長から通信が入る。

「こちらはA-01 B小隊の宗像中尉です。援軍感謝いたします。」

小型機隊の隊長が大尉ということだが戦場ゆえ簡易な挨拶にする。

『こちらはダイターン3の援護で小型種を中心に対応する。

そちらのとの連携には不慣れゆえ、各個に対処することを許されたい。』

「了解しました!B小隊、大型種は大型戦術機に任していい。

訓練通り落ち着いてやれ!」

部下の3機から了解の応答が届く。

3人のバイタルも始まった前よりも落ち着いているほどで、予想された過酷な戦場とは程遠い。

これならシミュレーターの方がよっぽど難しい、今までの戦場に比べれば天国みたいなものだろう。

その余裕のせいか3機とも向こうの方をチラチラと気にしているのが嫌でもわかる。

まぁ余裕ができるのはいいことなんだろうが・・・・

 

「軍曹、この星の機動兵器4機の性能を記録しました。」

向かってきた突撃級の甲殻に飛び乗り、空中捻りをしながら脆い背面にボクサー2をぶち込んだ相良にアルが報告する。

宗介は自分とARX-8を凡人と凡庸な機体と表現するが、この機動はこの星の衛士が目の当たりにしたら目を疑うだろう。

まさかあの突撃級の運動エネルギーを脚部の柔軟さを生かし、

自らの運動エネルギーに変えるなど普通は思いつかない。

思いついてもやらない。

というかできない、普通に押しつぶされる。

「後にしろ!全く倒しても倒してもキリがないな!」

もうすでにダナン隊だけで3000近いBETAを屠っているはずだが一体どこから湧いてくるのかキリがない。

BETAは高度な機械に強く惹きつけられる習性がある。

この戦場でアルとラムダ・ドライバ搭載機は比較的高度なのだからBETAを惹きつけて当然と言える。

人格を持ったAIとラムダ・ドライバが『比較的高性能な機械』になるところが蒼星の恐ろしいところだが。

『軍曹、このペースでは当部隊の弾薬は後10分で切れると推定されます。

イカルガに補給に戻ることを提言します。』

この場に補給装置を持った機体がいないことが悔やまれる。

この星の弾薬とは規格が合わないASは一番近くとも後方で待機しているイカルガまで戻らなければ補給ができない。

大急ぎで戻って2.3分

補給に4分

それから戻ってくるのにまた2.3分だと考えると10分は戦線に穴が開くことになる。

『全く、AGのレスキューユニットを曹長殿の機体にでも積んでおくべきだったな。』

『おい!俺を弾薬持ち係にするつもりかよ!』

次元科学を利用したレスキューユニットは、

武器弾薬エネルギーパックをワープさせて運ぶ上に

簡易修理機能まで機体に持たせるという

とんでもスペックの装置だった。

『なら後10分以内にここの化け物を片付けるよ!

気合い入れな!野郎ども!』

と、言っているところへ今度はライノダモンもどきが2体も進撃中という報告が上がる。

横浜基地にしてみれば一体だけでも大パニック状態の破壊級が2体

なるほど、こっちに砂煙をあげてついでに戦車級や小型種、似たような性能の突撃級まで踏みつぶしたり体当たりで押しのけたりしながら突っ込んでくるのは正しく蒼星でありふれたライノダモンもどきだろう。

『一体は僕が相手しよう、伸びろ!ジャベリン!』

ダイターンが相手にとって不足はないとジャベリンを構える

 

『大尉!破壊級相手にその機体では無理です!こちらの突撃砲で集中射撃を』

この星の小隊長が気にしてくれるが、無駄に負担をかけるわけにはいかない。

我らがウルズ隊はこの程度の敵で作戦に齟齬をきたすほどヤワではない。

『行くぞ!ウルズ隊、フォーメーションであのパチモンを狩る!』

『こちら2、ダナンに支援射撃を要請!』

『6、ポジションについた!偶には俺も乱れ撃つぜ!』

『7より各員、俺が脇腹を突いて仕留める!』

ウルズ隊もフォーメションを組んでいままさにBETAでは強敵の部類に入る破壊級と死闘を始めようとしていた。

 


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