大惨事スーパーロボット大戦 Z After 天獄戦争 Muv-Luv 作:溶けない氷
CC「大丈夫だ。お前は死なない(多分)」
たけちゃん「マジっすか!」
ゼロ「よし!キリコ、パトリック少尉、CC、白銀少尉は小隊を組んで帝国軍の援軍に向かってくれ!」
たけちゃん「よっしゃぁ!俺たちは死なねぇー!」
BGM(鉄のララバイ)
一方で戦闘中の横浜基地はクロウがいるにしても苦戦中であった。
横浜基地に到着まで最短コースで20分
「よし、当初の計画通りイカルガは後方で待機、ダナンはミサイルで援護してくれる。
MS2機はガンダムチームの支援に
その他はBigと3の火力を軸に横浜基地の直掩に回る。
特に戦車の嚙みつき攻撃と突撃級の体当たりには注意しろ。」
各艦のパイロットルームに出撃準備命令が下される。
実際問題として発艦の直前のこの時間が最も危険なのだから緊張が走るが
伊隅ヴァルキリーズは再び困難な状況に陥っていた。
最初の8分間はあの謎の戦術機の援護のおかげでろくに接敵することもなく乗り越えられたのだが
CPから継戦できないという報告とともに5機のうち4機が撤退してしまったのだ。
そうなってからは火力も減衰し、ただでさえ砲弾の足りない日本の現状から敵BETAとの接近戦を強いられてる。
このままではいずれ死者が出るだろう、そうなれば今までのBETA戦のように戦力の低下が死者の増加という
負のスパイラルを呼び、戦線が崩壊してしまうだろう。
イカルガ ブリッジにて
ダナンとの作戦ではまずは空中機動が可能なイカルガから小回りのきく小型機が発進先制して基地の直掩に回る。空中の安全が確保されたならばダナンからAS隊をロケットで緊急射出し展開する。
GNドライブ搭載MS隊は空中航行が可能な点からガンダムチームと合流し進軍してくるBETAの分離殲滅戦に参加。
3とBIGは火力の軸として移動要塞的な役割を果たすことを期待されている。
まずは小型機を中心とした部隊が横浜基地の周囲に展開する。
と言っても、小型機中心それも援護行動の打ち合わせもしていない2隻の艦載機では下手に行ってもこの星の人形中型機動兵器、戦術機と足並みが合わないことも想定されていたことから独立して遊撃に当たることを事前に横浜基地に通達していた。
常識から言えば、戦場に2つの指揮系統が存在することになりこんな事を横浜基地が受け入れたこと自体が驚きだが、
逆を言えばそこまで追い詰められているということだろう。
「ゼロ、勝算はあるのか?」
キリコが聞くが
「無論だ。ナイト・オブ・ゼロ、異能生存体、Mrネゴシエイターがいるのだ。
これで勝てなかったら奇跡を起こす男の二つ名を返上しなくてはな。」
「私たちはおまけか?」
CCが聞くがそれはさらっと流すゼロ。
「ま、イカルガもレストアが終わったばかりで本調子じゃないしね。
あまり無茶はせんでおくれよ。
ランスロットとドッグなら直せても、人間は死んだら治らないんだからね。」
流石はラクシャータ博士、人間としてできることしか求めない人道的科学者というだけはある。
まぁ『Z-Blueの人間』が基準になるのでロイドと同じくらい無茶を要求することには変わらないが(竜馬レベルの限界しか求めてない)
一方で横浜基地司令部
「司令、国籍不明の浮遊艦から入電です。
これより戦線を抜けた4機に代わって援軍が向かうそうです。」
4機の超戦術機が抜けた時は肩を落としていたラビノダット司令はその報告を受けて顔に喜色を見せる、オペレータの茜少尉から4機の直掩が抜けたとの報告が入った後は残った一機が奮闘してくれていたものの被害が介入前とは比べようもなく増えることを示す報告が次から次へと入ってきたのだ。
それでも大型種を打ち減らしてくれたお陰でそれ以前の対BETA戦闘の悲惨さから比べれば比べようもなく好調だと言えたが。
なまじあの超戦術機の戦果を見せられた後だとどうしても悲惨な戦闘に見えてくる。
あの超技術で作られた謎の援軍の機体が更にきてくれるというのなら
自分の首を差し出してもいいという気分になっている。
イカルガ 格納庫にて
「Bigと蜃気楼の火力で基地正面での迎撃戦闘に当たる。
スザクとキリコはタッグを組んで基地周辺に接近する敵の遊撃に当たれ!
イカルガを危険にさらすわけにはいかん。CCは後方の本艦の直掩に回れ!」
「了解だ、坊や。もっともあんな非常識な連中と一緒だと言われても困るからな。」
「キリコ、そういえば君と連携して戦うのって久しぶりだね。」
「そうだな、だがKMFとの連携は慣れている。」
「えーとさ、ゼロ。私とソーダは?」
「おい!俺はコーラs、じゃなくてマネキンだっての!」
「GNドライブ搭載のブラスタEs改とGN-XⅣはガンダムチームとともに基地から離れた地点で横浜基地に向かうBETAの分断殲滅に向かってもらう。
基地への圧力を分散させる重要なミッションだ。
くれぐれも慎重にな。」
「任せとけよゼロ!この次元獣バスターにかかれば軽いもんだ!」
「なぁに!この幸福のマネキンがついてるんだ!大成功間違いなしよ!」
(だから余計に心配なんだが・・・・)
A小隊
ヴァルキリー4:風間 祷子
榊 千鶴
珠瀬 壬姫
鎧衣 美琴
援軍
ランスロット・アルビオン:
枢木スザク
バーグラリードッグ:
キリコ・キュービィー
支援砲撃
蜃気楼 :ゼロ
援軍の理由
(首相の子息つながり)
そんな中、茜からこちらの方に援軍が向かうとのことだった
だが、援軍と聞いて期待していたのだが目にして失望する。
きたものといえば奇妙な外観の小型機が2機。
これでは足手まといにしかなるまい。
「通信、聞こえますか?こちらはイカルガ隊のスザク機です。
これより貴軍の援護に回ります。」
斑鳩?五摂家の私兵だとでも言うのか?なら機械化歩兵どまりというのもわかる。
何が援護だというのか、あの超戦術機をよこしてくれと叫びたくなる。
「機械化歩兵は基地内で小型種を相手にしろ!あの数の戦車級を相手にするのは無理だぞ!」
白い方は派手なカラーリングで機械化歩兵に匍匐飛行機能でもつけたのだろうか、兵器というよりは騎士の甲冑に翼をつけたような印象を受ける。
緑の方はいかにも兵器で重装機械化歩兵の新型といったところだろうか?
「ご心配なく、あの手の化け物は慣れてますから。」
「スザク、俺が先行する。」
そう言うと白と緑の機械化歩兵はこちらに向かってきている戦車級の群れに向かっていった。
「あいつら!度胸がいいのか馬鹿なのか!?」
「化け物退治も慣れたものだ。」
緑の歩兵からそう呟く声が聞こえる、そう言いながら肩と腰からのロケットを発射、その間にも肩の搭載砲で要撃級に砲撃を加えるがその精度には目を見張る。
一発一発が急所に直撃でもしたのか次々と要撃級がバランスを崩して倒れる光景を信じられないとでも言うように見る。
「ゼロ、敵の前衛の足止めはできた。」
ドッグは既に撃ち尽くしたロケットランチャーを捨てている。
大型の突撃級や要撃級を肩部キャノンで足を撃って転倒させ、小型種は30mmマシンガンの単射で無駄弾を使わずに素早く正確に接近する戦車級を一発で仕留めていく。
水月はその腕前もさることながら接近する戦車級にパニックを起こさずに冷静に、射撃するバーグラリードッグに目を見張る。
(なんて奴、歩兵があんなに正確に射撃できるなんて!!)
実際、今までの戦場でも歩兵はおろか戦車、戦術機に至るまでBETAの前に恐怖して弾をばらまいて弾切れでやられるという例は枚挙にいとまがない。
冷静に撃つ、という行為は基本の基本であってもあそこまで徹底してしかもBETAの前で行える人間がこの世界にどれだけいるんだろうか。
(新型の高性能FCSでも積んでるってこと?)
もちろんドッグにそんな高級なものが積んでるはずはない。
ドッグの射撃が信じられないほど正確な一方で白い機械化歩兵の機動はもはや常識の埒外だった。
(か、かっこい)
珠瀬 壬姫少尉は目の前で繰り広げられるアルビオンの空中機動に釘付けになっていた。
戦術機にも3次元機動は可能である。
それは同じ訓練隊のタケルが行っていたように。
だが、実際には機体、衛士にも負担がかかる上レーザー種に狙われれば撃墜確実の機動を実践する人間などいない。
だが目の前の白い歩兵は凄まじい機動で鋭角に飛び、謎の粒子砲でBETAを次々と消しとばしている。
「そこの機体!今のうちに補給して戦線を立て直すんだ。」
と、大暴れしている白い歩兵から通信が入る。
見ると、小隊員の機体は全て既に残弾が4分の1ほどになってしまっている。
「し、しかし。それではあなた方が!」
小隊長が応答する。
そう、あんな小型機ではすぐに残弾が尽きてしまうということは歩兵の装備についての講習で知っている・・・が
「心配は無用だ。補給が終わるまでくらいなら持ちこたえられる。」
「僕たちが抑える!もう!誰も死なせたくないんだ!」
緑の機械化歩兵は冷静に、白い機械化歩兵はまるでおとぎ話の主人公のように答える。
(や、やっぱ かっこい)
・・・・・
「キリコは引き続いて小型種を近づけるな!スザク、蜃気楼の観測データを送る!13秒後に3時の方向に最大出力で打ち込め!」
「了解、最大出力で先制する!」
そう言ってヴァリスをチャージし、発射態勢に入るとゼロが指示してからきっかり13秒後に突撃級が射程内に入ってきた・・が次の瞬間には足元を消し飛ばされて前衛がことごとく地に倒れる。
「射角・方位よし、全て計算通りだ。拡散構造相転移砲発射!」
随分と不遜な男の声が無線から入ったかと思うと突然、粒子が目の前のBETAに雨あられと降ってきてあっという間に前面に展開していたはずのBETAの弱点、上部に次々と直撃し全滅させる。
前面に展開していた師団規模のBETAが一瞬で半壊した光景はもはや呆れるしかない。
「フハハハハハハ!こうも計算通りだとは呆気ないものだ!」
入ってきた音声が、なんというか傲岸不遜な悪役の高笑いのような・・・・
聞いていると指揮官らしいが有力武家の若様というのはみんなあんな感じなんだろうか・・・・
「す、すごい。」
「うん、機械化歩兵であそこまでやるなんて・・米軍の新型?」
「っ!A小隊員!機械化歩兵でもあそこまでやれるんだ!
私たちがぼやぼやしてどうする!」
『『『りょっ!了解っ!』』』
気を取り直したA小隊は残ったBETAに発砲し始めるがさっきの謎の拡散攻撃で損害を受けたBETAは明らかに動きが鈍く36mmを適当に撃っていても積み重なった死骸や動けないBETAのせいで後続が詰まって面白いくらい当たる。
(これなら・・・いける?みんな生き残れる?)
あの超戦術機が援軍に来てくれたお陰で全員が既に死の8分間を超えることができている。
そして今もなお所属不明の歩兵のお陰でここの戦線を盛り返していられる。