大惨事スーパーロボット大戦  Z After 天獄戦争 Muv-Luv   作:溶けない氷

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クロウ「へぇ・・・これがタケミカヅチか・・・」
タケル「出自によって色と性能が違うんですよ。」
クロウ「へぇ・・・ってことはこの紫の奴くらいになると地球を破壊しちまわねぇか?」
タケル「・・・いえ・・・」
刹那「陸戦兵器にそこまでは非常識だ。」
タケル「そ・・・そうですよね!」
刹那「精々、月を両断出来るくらいだろう。」
タケル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

クロウ 紫の武御雷=将軍専用=聖王機ジ・インサーくらい凄い
刹那  紫の武御雷=国王くらい偉い人専用=ラスボス=リボーンズガンダムくらい強い


第10話 戦乙女達と天上人達

「データ、ちゃんと取ってるんでしょうね?」

「は、はい!全て録画しております!」

香月副司令に言われて涼宮 遙中尉は慌てて記録メディアをチェックする。

それというのも眼前で繰り広げられる光景はそれまでの訓練や実際の戦闘の映像とはおおよそかけ離れていたものだったからだ。

今までは人類側がどれだけ奮闘しようと数の暴力の前に押し潰される。

そんな悲惨さが当たり前だった。

だがこと、この戦場に至っては状況が全く違う。

オレンジの大型戦術機?が発射したハサミ?のようなミサイルのようなものが堅牢極まる突撃級の甲殻を熱したナイフでバターを切るようにやすやすと切り裂く。

緑色の戦術機から飛び出したなぜか浮遊する粒子突撃砲?が正確に次々と要撃級を撃ち抜いていく。

紫の巨大な粒子砲を背負った戦術機の火力の前にBETAは大型・小型を問わず近づくこともできずに蒸発していく。

それら異形の戦術機も目立つが中でも目を引く・・・・というか早すぎて目が追いつかないのだが青と白の戦術機と銀色の戦術機の行動はそれら前者よりも遥かにぶっ飛んでいる。

青白は展開した浮遊体の間に入ったかと思うと消えて、次の瞬間には光線級や重光線級といった人類にとっての最大の脅威を切り刻んでいた。

銀色の方はまだ、常識の理解の範疇らしいが電磁砲?の威力は要塞級の群れが一発で消し飛び、空飛ぶわけのわからんリングから発射されるこれまたわけのわからん攻撃でまとめてBETAが掃討される。

それを次々と繰り返されたおかげで戦場での戦術機の機動の枷が解かれ

生存性の向上につながっていることに異論はない、

というか部隊の中にはまともに戦からずぼけっとつっ立っているだけの機体すら散見される。

それでも損害が無いのはひとえに突然乱入してきた超戦術機軍(仮称)のおかげだ。

あんな常識はずれの方法でBETAの駆逐ができるなら人類はここまで追い詰められてない。

というか、あんな超兵器を建造できるなら地球にBETAを降り立たせることすら無かったろう。

(一体、何なのあの連中?)

そう考えてソレスタルビーイングと云う意味について考える。

(天上人ねぇ・・・まさか神様の使いってわけじゃあるまいし・・・

だとしたら考えられるのは宇宙人・・・・)

とはいえ宇宙人なんてものがこの星ではまずBETAを意味する以上

目の前の超戦術機とは全く繋がらない。

(いずれにしろもっとしっかりとしたコンタクトをひと段落したらとらないとね・・・・)

 

不知火の中で白銀 武は目を文字通り見張っていた。

彼だけではなくA-01全員そうだということは通信からもわかる。

「すげぇ!マジすげぇ!」

こっちの世界に来てから久しぶりにはしゃぐ

戦術機に乗ってからというものの、元の世界のバルジャーノンとは違う点ばかり目に付いていた。

所詮、あれはゲームでしかなく本当じゃない。

ところが目の前で繰り広げられる光景はゲームよりも遙かに凄まじい空中機動を行う機体ばかりでレーザーが掠りもしない。

はっきり言って目が追いつかない、ぶれて分身しているように見える。

「あ、ああ。そうだな・・・」

なぜか部隊長のまりもちゃんは呆然としているが・・・

 

と、CPの遙から通信が入る。

「戦場での光線級の全滅が確認されました!

高度300までの安全化に成功!」

戦術機の大敵、光線級の全滅という信じられない知らせ。

通常であれば戦場で高度を取るなど狂気の沙汰で

訓練でも、そんなことをしようものなら即座に叱責が飛ぶであろう。

だが今のこの状況を見れば疑いようもなく、飛び回る超戦術機に向かっての

レーザー照射が確認できないことからも真実だと伺える。

 

 

・・トレミー2 ブリッジ

「ラッセ!2時の方向に砲撃を集中。」

「あいよ!スメラギさん!ミサイルの集中砲火を喰らえ!」

「スメラギさん!射程内のレーザー種の全滅を確認したです!」

「了解!フェルト、国連軍にレーザー砲の全滅を通達。

空中機動が可能よ!GN粒子の散布具合は?」

スメラギさんが最も気にかけるのはGN粒子の濃度、これが一定濃度を越えればこの星の軍用機のレーダーに深刻な影響が出るだろう。

そうなれば横浜基地の直掩に回れるのはGNドライブ非搭載のクロウのリブラスタT一機のみとなる。

(GN粒子を拡散しないように戦うなんて、今までに無かった環境での戦闘・・・これはZ-BLUEの他の機体も同様だけど思ったより苦労しそうね。)

「ダメです、スメラギさん!BETA群はなおも横浜基地に向かって前進中です。

ガンダム、リブラスタには向かって行きませんです!」

(想定が甘かった!?資料ではBETAは最も高度な電子機器を搭載した機体に向かっていく傾向があるはず。

目標はガンダムではなく、あくまでも横浜基地そのものか・・・

となるとかなり厳しい戦いになるわね・・・)

「フェルト、横浜基地に撃ち漏らした小型種・中型種に注意するよう連絡して。」

 

と言っても横浜基地にしても小型種に対して無反応というわけではない。

それどころか大型種が全てソレスタルビーイングに打ち取られた現状は当初予想された状況よりはるかに易しいと言える。

『ヴァルキリー1、 Fox3!』

『ヴァルキリー2、Fox3!』

1、速瀬 水月と2の白銀 武のコンビネーションで今、撃破したのは要撃級一体。

光線級全滅という知らせを受けて武は今お得意の3次元機動で敵を撹乱し空中から攻撃、その着地の隙を早瀬がカバーしていた。

「シロガネぇ〜!あんだけ着地時の周辺は事前に確認しろって言ったのにまた後先考えず突っ込んだわねぇ〜!」

「す、すみません!中尉。」

「ま、いいわ。今凹まれてもどうしようもないしね・・・・」

いつもだったらこんな凡ミスが命取りになりかねない

ましてや今回のBETAの中には新たに発見された駆逐級や破壊級も含まれているのだから、出撃前からA-01には悲壮な雰囲気が漂っていた

が、今回に限ってはそれは問題にならない。

何故か?全面で他の戦術機の機動が霞んで見える大活躍を謎の4機の戦術機が実演しているからだ。

そして一方の銀色の一機はというと

「行くぜ、とっておきのコンバットパターンだ!」

横浜基地に接近しつつあった大型ライノダモンもどき

黒の地球では破壊級と呼ばれていたBETAと戦っていた

「円の動きで追い込む!」

円運動で大型ゆえに小回りの利かない破壊級の足を止めて集中砲火

「締めは俺自身が弾丸だ!」

スフィアの大出力に任せての突撃で戦艦の主砲の直撃でしか効果がない重装甲に巨大な風穴をあける。

「へ、次元獣バスター相手に次元獣もどきじゃ相手になんねぇな。」

「クロウさん!そっちに今度はディノダイモンもどき向かったです!」

「とと!勝利の余韻に浸る暇もないってか?」

再び飛び上がってBETA退治へと向かうクロウ。

 

一方で刹那は

「刹那さん!戦域一体のレーザー種の殲滅を確認したです!

BETAは引き続き東京・町田市の穴から出現中!」

今までにソレスタルビーイングの殲滅したBETAは戦闘開始6分で2万に及ぶ。

宇宙空間ならば反応弾等の大量破壊兵器の集中放火が可能だったが地上で使うわけにいかず思ったように戦果が上がらないのも事実だった。

 

(このまま、戦闘を続ければじり貧になる・・・・

この星の人間の戦力も続かない・・・なら!)

「スメラギさんに!ここから佐渡島までの直線距離上の人口分布度合いをデータで送ってくれと基地に伝えてくれ!」

「刹那!何をするつもり!?」

「相手の本拠地、佐渡島の中枢を切る!

ライザーシステム準備!」

ELSクアンタの超GNドライブが唸りを上げ準備をする。

最大出力なら、地球程度の小型惑星なら真っ二つにできる程の出力が出るが今回はかなり控えめにするつもりだ。

(この星への被害は、最小限に抑えなければ!)

ELSクアンタのライザーソードが黒の地球で振るわれようとしていた・・・・


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