大惨事スーパーロボット大戦  Z After 天獄戦争 Muv-Luv   作:溶けない氷

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エスちゃん「見える、あたしにも敵が見える!」
『コクピットへの直撃、行動不能です。』
エスちゃん「・・・こんなこともあるよね。」


第8話 イカルガとTDD

ソレスタルビーイングチーム

・母艦

プトレマイオス2

・艦載機

ELSクアンタ

ハルート

ラファエル

サバーニャ

リ・ブラスタT

 

地球連邦  Z-BLUE 交渉人部隊

構成機体

 

・母艦

イカルガ(ゼロ)

TDD(テスタロッサ大佐)

 

・艦載機

イカルガ組

蜃気楼(ゼロ)

ランスロット・アルビオン(スザク)

ランスロット・フロンティア(CC)

バーグラリドッグ 複数(キリコ)

GN-XⅤ(パトリック少尉)

Big O(Mrネゴシエイター)

 

TDD組

M9(マオ少尉、クルツ曹長、クルーゾー中尉)

M6(無人機)

レーバテイン(宗介軍曹)

ボン太くん(予備機)

ブレイブ(グラハム少佐)

ブラスタEs改(エスター)

ダイターン3(破嵐 万丈)

 

(Bigや3がどこにどうやって入っているかは気にしてはいけない。)

 

太陽系内 イカルガ 格納庫

「いいのか、キリコ。フィアナを置いてきて。」

ゼロが格納庫でバーグラリードッグの調整を行っているキリコに問いかける。

「問題ない。」

「そうか。」

多くは語らない、長い付き合いで互いに問題ないことは解り合っている。

魔王になろうとした男と神を殺した男。

お互い全く違うようで似た者同士。

 

「おいゼロ。ブリッジに通信が入ってる」

元気よく格納庫に入ってきたCCがゼロに呼びかける。

 

「そうか、ではな。これから戦闘になったらまた頼りにさせてもらおう。」

「皆の後ろくらいは守ってみせる。」

「へへ、相変わらずのドッグ乗りだな!不死身の男!

いい加減、あんたもMSに乗り換えてみたらどうだい?」

格納庫に置かれたGN-XⅤからキリコに話しかけてきたのは同じく不死身(現・幸せ)の異名を持つ

パトリック少尉だった。

「慣れた機体だ。それに性能自体も質のいいパーツが手に入りやすくなったから上がっている。

問題無い。」

だが、ドッグの装甲は防弾鋼とはいえわずか14mm。

黒の地球の技術でも重機関銃ならギリギリ防げるか防げないかという程度でしか無い。

データにもあった闘士級程度ならともかくそれ以上は・・・・・

「ま、あんたなら問題無いわな。」

パトリック少尉は肩をそびやかして納得する。

要塞級よりも巨大な大型次元獣や宇宙怪獣にミケーネ神、果ては御使の兵器すらもATで沈める男には無用の心配というものだろう。

「それはそうと、新型シミュレーターの調子はどうだい?

MSのデータも入ってるっていうから使ってみたが妙な感じだよな、あれ。」

格納庫の隅に置かれた一見すると椅子のような簡単なシミュレーターを指している。

今はスザクが使っているが、

「インターフェースの違う機体でも脳内の記憶領域と接続することで

実戦さながらの練習が実機なしでもできる。

だが俺には合ってないらしい。」

そこへ同じくランスロットを弄っていたCCも話に加わる。

「Gがかからないんじゃ所詮はアナハイムのオモチャだろ。

それに脳に直接情報を送り込む感じはどうにも好きになれん。

それはそうとグラハムはどうした?一緒じゃないのか?」

「少佐なら向こうの艦にいるぜ。クルーゾー中尉と個人的に話があるってさ。

それにしてもCCがあの少佐を気にするとはねえ。」

「何、あいつは見てて飽きないからな。

全く、長く生きてるが今は本当に飽きない時代だよ。」

 

 

・太陽系内 イカルガ ブリッジ

ブリッジではプトレマイオス・イカルガ・TDDの3隻の代表者がフォールド通信会議を行っていた。

「では、ミス・スメラギ。ソレスタルビーイングはこれより黒の地球での日本の戦いに武力介入すると?」

ゼロが予想されたより早い決断に驚く。

「ええ。データをそっちに送るけど、この状態が続けば間違いなくこの国は持たない。

そうなれば何もかも手遅れになるわ。」

「なるほど・・・・しかし戦力的には大丈夫なのか?

いくらガンダムチームにクロウがいるとはいえ5機では…」

「あら、こっちも無茶はしても無理はしないつもりよ。それに無茶な戦いをくぐり抜けてきたのはお互い様でしょ。」

「ふっ、道理だな。了解した、では我々も明日に到着次第直ちに日本地区へ降下

ソレスタルビーイング隊、及び日本軍の援護を行う。」

「我々SRTチームも、もとより戦闘を覚悟してきています。

問題はありません。」

(予想された展開の一つではあったとはいえ早いな・・・・)

「テスタロッサ艦長。現有戦力での対異種戦闘、および現地国家との交渉について協議しようと思うのだがよろしいかな?」

「ええ、構いません。よろしいですかMr破嵐にMrネゴシエイター?」

「僕も構わないよ。人々の脅威を打ち破るのがダイターン3だからね。」

「私も異論はない。人間相手ならようやく交渉の出番もあるだろうからね。」

Z-Blueでも数少ない人間相手の交渉を得意とする二人をわざわざ翠の地球から呼び寄せたのには理由がある。

決して話の都合上とかそういうことではない。

「私としては今の所、その星の代表となりうるのは国連だと思っている。

日本での戦闘を終了させた後に現地の国連職員を通じて早速コンタクトを取ってもらえるように

計ってもらえると助かるのだが。」

Mrネゴシエイター・ロジャースミスの出した案は実にオーソドックスな物だ。

「その件に関しては全員賛同でよろしいかな。

セオリー通りだが、実際彼らがどの程度の支援を受け入れるかが問題だな。」

ゼロの疑問ももっともだ。破界戦役ではさんざ利用された挙句に

連邦成立の暁には用済みとばかりに使い捨てにされたZEXIS時代の苦い記憶もある。

「その星では三十年以上も異種との戦争が続いていることから、

彼らが支援を欲しているのは事実でしょう。

ですが支援は欲しいが口は出してほしくないというのも彼らの本音でしょう。」

テスタロッサ大佐の言うことも一理ある。

事実、面子のために外部からの支援を断って自力で何とかしよう

あるいは攻撃を受けた隣人を助けるどころか漁夫の利とばかりに、

更に追い落とそうという醜い人間の業は

破界戦役、再世戦役でも嫌という程見てきた。

「確かに、そういう事もあるかもしれない。

だが僕らはそんな事を乗り越えてきたんだ。

大丈夫、やっていけるさ。まずは目の前のことに集中しないとね。」

万丈の出した答えは、実際に交渉する前から心配しても仕方ないというもの。

「そうだな、私の経験から言っても相手との信頼関係を築く前から

交渉についてあれこれ考えてみてもうまく行きはしない。」

「それもそうだな、Mrネゴシエイター。

では次に異種戦闘だが当初の計画通り太平洋に着水、

以後は水上を航行しながら日本を目指すでよろしいかな?」

「結構です。ダナンでの援護はアンチビームミサイルを中心にしつつ同時に水中の異種を迎撃ということでよろしいですね。」

ダナンは潜水艦としては大型だが母艦としては小型の部類に入る。

何より他の艦とは違って大気圏内航行ができないというのが大きな弱点にもなっている。

だが裏を返せばZ-Blueでも数少ない水中戦のできる母艦でありその特性上

黒の地球の科学技術力では探知も撃破もほぼ不可能という強みにもなる。

(BETA戦争の影響で対潜水艦技術はさして進歩していないと推測)

こうして艦長会議での方針は決まった。

 

・黒の地球に到着次第、対空レーザーに注意しつつ太平洋に降下

イカルガの輻射障壁で降下中のダナンをカバーしつつ大気圏に突入すること。

ダナンはトレミーやイカルガのようなバリア非搭載のため注意!

・日本に到着後は艦載機を発進させソレスタルビーイングの援護に回る。

 

・・・・・・

 

・ダナン 格納庫

「んにゃぁ〜!また負けた!」

格納庫のシミュレーターでまた唸っているのはブラスタのセールスマンのエスターだ。

無理なレベルの設定で負けたのだからもっと下げればいいものをこれで18回連続失敗となっている。

「エスター、自分の力量に合ってないレベルに挑戦し続けても意味はない。

ここはもう少し中級者向けのステージでだな・・・・」

宗介が自らの体験談を踏まえながらエスターに指導している様は兄と妹のようで

周りの野次馬連中のマオ少尉、クルツ曹長にも好評のようだ。

「宗介が兄貴分じゃ、あの子も苦労しそうだけどね。」

「あいつも先輩風が板についてきたもんだ。苦労して高校ライフに付き合った甲斐があるってもんだな。」

 

シミュレーターのシートではエスターが

「何回やってもアムロ大尉に勝てないよぉ〜」と嘆いているが

何回かやって勝てたら大したものであろう。

「あまり熱中するのも考えものだぞ、少女よ。

疲れた状態で挑んでは勝てるものも勝てんし、得るものも少ない。」

そういうグラハム少佐とクルーゾー中尉はこれからマッチングを始めるようだ。

「いいのかね中尉。ASの火力でMS相手は厳しいのではないかね?」

確かに少佐のブレイヴに対してM9は小型であり火力も実弾のみということもあって

戦力的には不利な面が否めない。が、例えそうであったとしても言い訳にはならない。

戦場でこっちがATであっちが戦艦だから任務失敗しましたなどとは通じないのだ。

「少佐、ASにはASの戦い方があるんですよ。

ASは戦い方次第ではそこらのMSには負けませんよ。」

「面白い、だが我がブレイヴは『そこらの』ではないぞ。では改めて感じさせてもらうぞ。

貴官のアートな戦いかたというものを!」

そう言ってシミュレーターに入っていく二人。

「熱血だねぇ、あの二人。どうだい宗介、エスターの調子は。」

自室で休むと出て行ったエスターを見送ってマオ少尉が尋ねると

「エスターの腕前は確かなものだ。流石にZEXISで鍛えられただけはある。

もっとも相手の設定がアムロ大尉や赤い彗星では食いついていくだけで今は精一杯だがな。」

「いやいやトンデモニュータイプ相手についていけるってだけで大したもんだろ。

あの子もイノベイターに覚醒しつつあるんじゃないか?マジで。」

マオ少尉が設定を見てみると・・・

「アムロ大尉のνにシャア大佐のサザビー・・・刹那のクアンタにカミーユのZにヒイロのゼロ!?

あの子・・・どんだけトンデモ超人軍団と戦ってんだい。」

「あの子なりにZ-Blueについて行きたいってことなんだろうな・・・

健気だねぇ、あの子に慕われるクロウも幸せもんだ。同じ貧乏くじ同盟として祝福したくなるよ。」

「なんだい、結局同盟認定してるじゃないか。

これで黒の地球でクロウ・ロックオン・クルツでトリプル貧乏くじ再結成だね。

あと必要なのは青山とデュオとミシェルと・・・。」


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