ZOIDS ~Inside Story~   作:砂鴉

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第四章 後書き

 こんにちは。

 作者の砂鴉です。

 

 『ZOIDS ~Inside Story~』の第四章『魔獣覚醒編』を読んでいただきありがとうございます。

 

 さて、今回は第四章『魔獣覚醒編』の後書きとなります。本編のネタバレしかありませんので、ぜひ第四章を読んでからこの先をお読みください。

 毎度のことですが、作者の趣味趣向をぶっちゃけ、その上、言い訳を垂れ流し、トドメに需要があるかどうか不明な毎度おなじみ誰得コーナーです。

 ま、もう恒例行事ですよね。これが楽しみな読者の方も……いたら嬉しいなって思います。

 それではやっていきましょう!

 

 

 

 では、まず謝罪から。

 第三章完結より一年三ヶ月もお待たせし、誠に申し訳ございませんでしたぁっ!!!!

 活動報告でもグダグダと言い訳してましたが、生活の変化等々でここまで遅れたのでは断じてありません。

 ぶっちゃけ、ちょっと執筆意欲が低下した時期がありまして、それを引き摺って書くのが遅れたと言うのもあります。また、もう一つ、アニメGF編は、実際執筆に取り掛かってみて、裏話を作り辛いというのが良く分かったと言うのも一つです。

 と言いますのも、GF編って一つ一つのストーリーがぶつ切りにされてる気がするんです。その中に少しずつ伏線が盛り込まれ、そしてデススティンガーの復活を機にそれが爆発する。表ではレイヴンのジェノブレイカーの暴挙が取り沙汰される中、裏ではひっそりとヒルツが暗躍を続ける。ファントムの案件だったり、Zi基金の一件だったり、性能に頼り過ぎたラルフ少佐のことだったり(笑)……。GFとなったバンの忙しい日々とジェノブレイカーの対応に追われる面々を描写する中で、少しずつヒルツの目的が明かされていく……。

 

 はっきり言って長いです。当初から30話くらいに抑えようと考えていただけに、GF編はあまりにも長かったんです。本作に描くに当たって、原作での描写は最小限にとどめたいと言うのが私の書き方でした。なので、本作では多少なりとも展開を速めました。そもそも、メインはローレンジ達ですしね。

 結果、アーバインはいつの間にかライトニングサイクスに乗り換えて、トーマは存在が良く分からない状態になってたりしました(汗)。最終的に大物感出してたヒルツも関わらないまま片づけられましたね。デススティンガーすら、描写外で決着つけられましたし……。本作は裏話なので、勘弁です。

 アニメの重要イベントはことごとくカットです。それが第四章を書ききった私の所感でした。

 実は少し消化不良だったりします。第三章を私好みに爆発させ過ぎましたかねぇ。あれに霞んでしまってるような……。

 

 

 

 さて、内容についての補足に着いて入っていきましょうか

 

 最初に本章のローレンジから。

 かなりヘタってます。

 自分から傭兵団を立ち上げたと言うに、その頭領という立場、加えて押しかけ弟子の師匠、本編では描写が少ないですが傭兵団で保護した孤児たちの親代わり……などなど多大な重荷を背負い込んだ結果、相当に疲れ果てています。そして、そんな状態のローレンジに追い打ちをかけるようにフェイトとリュウジが独立行動。特にフェイトの方に至っては、いつか離れればならないと思いつつも、実際にその時が来ると不安で、自分が要らない存在に成り果ててしまったのではと思い込んでしまって……。

 今回はローレンジの内面の弱さに焦点を当てています。家族を、故郷を全て失ったと言う経験、もう一度得た家族――兄弟弟子を再び散らしてしまった、そんな過去が彼に『失う恐怖』を残していました。

 ってのを表現したかったんですよね。

 

 ヒルツについて。

 GF編の黒幕であるヒルツは、ぶっちゃけ原作では何をしたかったのかよく分からない愉快犯だったと私は感じていました。最終的にデススティンガー完成からデスザウラー復活が目論見だったようですが、その動機が良く分かりません。デスザウラーを復活させて何をしたかったのか。

 本章を執筆するに至って、ヒルツの思惑はいくつか考案していました。

 一つ。そもそも最初からデスザウラーの意志に操られ、デスザウラー復活のために画策していた案。

 二つ。ヒルツはデスザウラーから別れた意志であり、半身のような存在である。

 三つ。何者かに教えられたデスザウラーという存在に惚れ込み、真の姿が見たかったためだけにデスザウラー復活を計画した。

 

 最終的に採用したのは三つ目の案でした。ヒルツはザルカによってデスザウラーに関する知識を身につけ、研究者としてデスザウラーに興味を持ったがためにその探求に全てを捧げた。デスザウラーの復活により自分の身がどうなろうと全く気にしていなかった。そんな設定となりました。

 二つ目の設定はなかなかいいかなーと思ったのですが、そうなると「アァンビエントォォオオオオオオオ!!」がある意味デスザウラーの心の叫びとなるのです。威厳台無しじゃないですか。それにヒルツの古代ゾイド人としての発言やアンビエントの存在等々との違和感が生じてしまうので、この設定は没となりました。

 

 本作におけるヒルツは研究者です。ゾイド戦はぶっちゃけ素人同然。劇中での戦闘もデススティンガーの戦闘力に感けただけ技術も何もあったものではないとしています。ヒルツの株を上げるなら、実際は一般兵クラスの乗り手としての実力はあったかもしれません。ですが、相対するのは一般兵どころか超一流クラスのバンやアーバイン、レイヴンであって……。まぁようするにデススティンガーの性能がバケモノだったということです。

 

 コブラスについて。

 ローレンジの宿敵枠であるコブラスは、本章にて新たな設定を明かしました。星史観測者(ヒースレコーディアー)です。

 惑星Ziで起こった出来事を全てオーガノイドのフェニスの中に記憶として残し、次の世代に受け継いでいく。古代ゾイド人のオーバーテクノロジーの一つです。その中の平和を望む記憶が、コブラスの本来の意識と反発して彼を苦しめていた……と。

 まぁ、それではっちゃける辺り、コブラスも戦闘狂の一人なんですけどね。そんなコブラスの新たな機体――バレバレだとは思ってますが――と彼本人の暴挙はこれからも本作を振り回してくれることでしょう。

 ところで、コブラス・ヴァーグって名前、実は由来があります。私としては彼の本心に繋がるような由来を使ったつもりです。割とありきたりな方法でつけてますので、気になったら調べてみてください。物語の完結まで答えるつもりはありませんが。

 ヒントは……アニメゾイドに登場したキャラクターです。

 

 鉄竜騎兵団について。

 本章では出番が少なかったですね。

 鉄竜騎兵団にとって本章は苦難の章でした。第三章で信頼を勝ち取った彼らですが、皮肉にもそのための行動によって新たな疑惑を浮上させております。しかも、これがかなり根深い。帝国と共和国に関わらない、外部からの介入が予測されますねぇ~(すっとぼけ)。

 

 第四章は、第三章と同じく、私にとって雌伏の章です。この先の物語に必要となる伏線をたっぷり盛り込んでおります。というか、伏線を張るために第四章を使ったつもりです。そのため、第四章を一つの物語とするには少し疑問が残る出来となりました。その分、次回以降は楽しみにして下さい。読者のみなさんが目を離せないような怒涛の物語を仕上げて見せますので!

 

 オリキャラについて

 本章投稿以前に行いましたオリジナルキャラクター募集企画。そのキャラクターたちはどれも魅力的で、是非とも本作に盛り込ませていきたいと考えています。第四章では内一人が抜きんでた形で登場しましたが――ご安心を、他のお三方のキャラクターも、次章ではしっかり物語に食い込みます。彼らがそれぞれ、輝くようなシーンを構想済みです。お楽しみに!

 活動報告の方に質問があったので、この場を借りて返答とさせていただきます。

 

 

 

 さて、今回の後書きはこんなところで。第四章の補足がほとんどでしたね。

 

 そして、恒例の勝手にハーメルンに投稿されてる二次創作をおすすめしようぜ、のコーナーです。これこそ需要有るのか不明な気がします。基本ゾイド作品を紹介しているので、拙作に目を通す方々なら御存知のものばかりでしょうから。

 

 本日は『あかいりゅうじ』さんの作品、

 『ゾイドバトルストーリー異伝 ―機獣達の挽歌―』です。

 読んだ瞬間――正確には第一章を読み終えたところで私は思いました。「この作品には、勝てねぇ……」

 小説なんて人それぞれの感性なんで、勝敗とかある訳ないんですけどね。この作品には、私は到底及びません。状況描写とか、キャラクターの心理描写とか、それを盛り立てるストーリーとか、どれも完成しきってると感じました。

 二次創作として、原作の裏側を描いてる点は私も同じ(かな?)と思いますが、だからこそ圧倒されました。第三章の絶望的状況とか、マジ私好み、目が離せないよ……。

 失礼、紹介になってませんね。

 この作品は新ゾイドバトルストーリーを原作としてるお話です。バトストを知っている方ならその世界に引き込まれること間違いなし、バトストの世界観が完璧に描かれていると言って過言ではありません。

 加えて、あかいりゅうじ様の言葉の使い方も、最初は「ん?」ってなりましたが、今は作品の特徴としてすっかり定着してます。すんなり受け入れられました。

 是非とも、ご一読ください。

 

 

 

 それでは、次回予告にて締めたいと思います。以前活動報告にてバラしてるのですが、ともかく次回もお楽しみに、では……ヴォルフ・P・ムーロア陛下、お願いします。

 

 

 

 ヴォルフだ。

 私たちは、これまで多くの苦難を乗り越えてきた。設立時、父上が掲げた大望を、私たちが望んできた理想郷を作り上げるため、今日まで艱難辛苦の日々を送ってきた。だが、それももう終わりだ。ついにこの時が来たのだ。

 ……だが、まったく度し難いな。私たちの前にはまだ、最後の壁が立ちふさがっている。

 テラガイスト。お前たちはなぜそうまでして、歪んだ結末を望むのだ。なぜなのだ。私たちは、同じゼネバスの民であると言うに、どうして意志を食い違わせねばならないのか。私たちも、そしてお前たちも根幹にある望みは、ゼネバス帝国の復活ではないか。

 

「なに、望むところだ。俺様たちこそが最強の部隊、見せつけてやろうではないか。連中に、なぁ!」

 

 ウィンザー

 

「大将。俺らは、あんたを信じてる。あんたに夢を見て、共に来たんだよ。これからもな」

 

 エリウス

 

「敵は、かつてないほどの規模でしょうね。負けることの許されぬ戦い。でも、もう誰一人として、欠けません。それが、私たちの決意です」

 

 サファイア

 

「戦争、か。ゾイドの本能が最も刺激されることだろう。ワタシの研究もな。ヴォルフよ、大いに、ワタシを活用するがいい」

 

 ザルカ

 

「私は、あなた様に忠誠を誓いました。決して、失われることの無い忠誠を。このズィグナー、最後まであなたのお供を致します」

 

 ズィグナー

 

「たかだか一人の奴隷に過ぎなかった僕が、どこまでお役にたてるかは解りません。ですが、僕はローレンジ師匠の弟子です。師匠の名に恥じぬよう、戦います!」

 

 リュウジ

 

「もう、守られるのは終わり。これからは、わたしも戦うから。わたしは、あの暴風(ストーム)の――ロージの妹なんだからね!」

 

 フェイト

 

 

 

 そうだ、私には、まだ頼れる仲間たちがいる。たとえ地獄への道だろうと、共に歩んでくれる仲間がいる。地獄を飛び出し、私たちの楽園(エデン)へと旅路を共にする仲間が。

 

 だから、行こう。これが私たちの、大望への――最後の戦いだ!

 

 次回『ZOIDS ~Inside Story~』第五章、亡国再誕編。

 

 さぁ行こう。我らの国を、この手に!

 


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