贖罪のゼロ   作:KEROTA

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絶対凱歌EDGAR―10 天異魔剣

 

 ──『黒幇(ヘイパン)』。

 

 かつてヨーロッパを震撼させた犯罪組織『カラマーロ』の壊滅以降、急速に勢力圏を拡大した中国発祥の多国籍マフィア。今や裏社会の最大手と言っても過言ではない彼らは、下請けや傘下まで含めれば、まさに星の数ほどの組織を抱えている。その中でも、『猛毒部隊(ポイズナス)』は特に裏社会で恐れられている組織の一つだ。

 

 “金になるなら何でもやる”をモットーとする黒幇が、『殺しのビジネス』のために立ち上げた粛清部隊。その名が示す通り、構成員は全員が直接攻撃型の猛毒生物をベースに闇MO手術の被験者。

 

 特に指揮官たるガンボルド・ゲレルの手術ベース『シドニージョウゴグモ』は、霊長類に高い致死性を発揮する猛毒、クモの代名詞と言える頑丈な糸、ベース生物大の時点で人間の爪を貫通する牙と、極めて攻撃的な特性を持つ。

 

 加えてゲレル自身も、傭兵あがりの殺し屋という経歴もあって戦闘経験は豊富。αMO手術やESMO手術を受けた規格外達に埋もれがちではあるものの、彼女もまた痛し痒し(ツークツワンク)に相応しい実力者の一人である。

 

「が、ァ……ッ!?」

 

 ──そんなゲレルの口から、苦しげな声がこぼれた。

 

 原因は、彼女の首に組み付く屈強な男の腕だ。

 

 リア・ネイキッド・チョーク──俗に裸絞めと呼ばれるその技は、完全に決まった場合、対象は約7秒で酸欠によって意識を喪失し、戦闘不能状態に陥るためだ。これほど速やかに決着が着くにもかかわらず、後遺症はほとんどない。

 そのため、総合格闘技ではしばしば「シンプルにして究極のフィニッシュホールド」とも称される。

 

「こ、のッ……!」

 

 ゲレルは背後の敵に腕から生えた毒牙を突き立てようと試みる。しかしそれを見越していたかのように、彼女の腕に触腕が絡みついた。その拘束は柔軟ながらも強靭で、一切の抵抗を封じる。

 

「ッ……!」

 

 こうなっては最早、彼女に打つ手はなかった。ツノゼミの気門と開放血管系を駆使して失神までの時間を遅らせるが、それも悪あがきにすらならない。

 

「畜、生──……」

 

 数十秒の後、ゲレルの体からぐったりと力が抜けた。彼女の意識の喪失を確認し、戦いの勝者──スレヴィン・セイバーは彼女の首から腕を外す。その額には汗が滲み、息は乱れていた。

 

「クソッ、しんどいったらねぇ……」

 

 悪態をつきながらMO手術被験者用の手錠を取り出し、スレヴィンはテキパキとゲレルを縛り上げていく。

 

 ──想像以上にギリギリの戦いだった。

 

 グッドマンを狙った奇襲に始まり、単純な武装である重火器、糸を使ったブービートラップ、部下の猛毒部隊隊員との連携攻撃。想像以上に体力を浪費させられ、持ち込んだ弾薬類も半分以上消耗させられている。

 

「よし、こんなもんだろ」

 

 手近な柱にゲレルを縛り付け、スレヴィンは立ち上がる。手早くクリアリングを済ませると、彼は素早く戦場を後にする。

 

(──任務はほぼ完了した)

 

 廊下を駆けながら、スレヴィンは思考する。先ほど、秘匿通信用の端末に情報が入った。猛毒部隊の追撃から逃がした大統領とその妻子が、ホワイトハウス地下の大統領危機管理センターに無事退避したとの一報だ。

 第二次世界大戦時に建設された避難シェルターは、ホワイトハウス内で最も安全な退避場所。ひとまず、彼らの安全は確保されたと見ていい。

 

「あとの問題は──」

 

 

 

「──ああ、お前が生き残れるかだ」

 

 

 

 廊下の先から響く声。足を止めたスレヴィンは、即座に進行方向へと銃を向ける。ひりつく沈黙の中、靴音と共に声の主が曲がり角の先から姿を見せる。

 

「先ほどぶりだな、スレヴィン・セイバー。その命、(もら)いに来たぞ」

 

 ──シド・クロムウェル。

 

 猛獣の如き騎士が、彼の前に立ちはだかる。その手中には、へし折れたはずの刀身が元通りに修復された西洋剣が握られている。

 

「……出やがったな」

 

「クカッ! 人を妖怪か化け物のように言う。なんだ、怯えているのか?」

 

「馬鹿言うんじゃねぇ」

 

 そう言い返すスレヴィンの頬を汗が伝った。シドの言葉は、当たらずと言えど遠からず。スレヴィンは彼に怯えてはいなかったが、彼を強く警戒し(恐れ)ていた。

 

 ──スレヴィンがシドと対峙したのは二度。U-NASA襲撃と、先のグッドマン救出作戦だ。

 

 一度目は碌に抵抗もできず封殺された。二度目は完全に不意を突き、それでもなおシドに傷を負わせることすらできなかった。

 

(どう見積もっても、実力は幹部(オフィサー)クラス。真っ向勝負で勝てる相手じねぇ)

 

 無論ゲレルを下していることからも分かる通り、スレヴィンも弱くはない。ただし、彼自身の強さはあくまで一般的な戦闘員の範疇にとどまるもの。はっきり言って、正面からの打ち合いで勝てる可能性は非常に薄い。

 

(だが──奴のベースは概ね当たりがついた)

 

 スレヴィンは眼前の敵へ目を凝らす。

 

 鋭く尖った歯に顎から下の部位を覆う重厚で滑らかな皮膚、そして服の背中側を突き破る背びれ。純白という色こそ見慣れないが、スレヴィンはこれによく似た人為変態を行う人物を知っていた。

 

 ──ジャレッド・アンダーソン。

 

 スレヴィンが管理するU-NASA寮の寮生であり、二年後に控えたアネックス計画のクルーの一人である。その手術ベースは”シャチ”──海洋における生態系の頂点に君臨する、海棲哺乳類だ。一度目にしたジャレッドの人為変態後の姿と、今のシドの姿には共通点が多かった。

 

()()()()()()()()()()()()……あの剣が歯を充填するタイプの専用武器と考えれば、サメの線が濃厚か? なんにせよ、勝機があるとすればここだ)

 

 スレヴィンは目を細める。

 

 彼が候補に挙げた生物は、いずれも索敵で真価を発揮する感知型の生物だ。致死毒を出すわけでも、糸を出すわけでも、電撃を放つわけでもなく、手足再生するわけでもない──戦闘員のベースとしては穏当な部類に入る。

 

 対しスレヴィンのベース生物たるマダコは、単純な身体スペックの底上げに加えて、触腕や墨など戦闘にも応用が利く能力を多数備えた水中のスペックホルダー。

 加えてスレヴィン自身も、今回の作戦には万全の装備で臨んでいる。猛毒部隊との戦闘で消耗したとはいえ、彼が所有する文明の利器はシドにとって無視できない脅威だろう。

 

(ベースと装備の優位、ここを突いて食い下がる)

 

 撤退は許されない、更に言えばするつもりもない。この男は、取り逃がすにはあまりにも危険すぎる。刺し違えてでも、今ここで倒さなくてはならない。

 

「──来いよ、蜂の巣にしてやる」

 

「クカッ! そうこなくては」

 

 スレヴィンの啖呵に口角を釣り上げ、シドは剣を下段に構え。

 

「──簡単に死んでくれるなよ?」

 

 次の瞬間、猛獣が如き騎士が大地を蹴る。

 

「オオッ!」

 

 すかさずスレヴィンは、構えたマグナムの引き金を引く。両腕と三本の触腕、合わせて五つの銃口が一斉に弾丸を放ち始めた。

 

 火力に物を言わせた制圧射撃──それが、スレヴィンの選んだ戦法。

 

 銃が効きにくいテラフォーマー相手を想定しているだけあり、彼の銃である『M500』の破壊力はずば抜けている。50口径という、下手なライフルよりも巨大な銃口。そこから放たれるのは、『貫通』ではなく『粉砕』に特化したホローポイント弾。

 

 リボルバーの装填数5発×5丁=計25発。そのうちの一発、たった一発を当てるだけでいい。それだけでこの戦いは決着が着く。元軍人として訓練も経験も積んでいるスレヴィンにとって、わけもない勝利条件だ。

 

 ──()()()()()()

 

「冗談だろ……!?」

 

 爆音とマズルフラッシュの中、スレヴィンは驚愕する。その視線の先には、弾丸の雨を掻い潜ってこちらへと近づくシドの姿があった。

 

「クカカ! どうした、俺を蜂の巣にするんじゃなかったか!? そら、間合いに入ったぞ!」

 

 シドが剣を振るうと同時、触腕の二本が宙を舞う。取り出したトンファーでの防御がもう少し遅ければ、そこにスレヴィンの首も混ざっていたことだろう。

 

「威力と数で俺を殺し切る算段だったようだが、詰めが甘かったな」

 

 必死の形相で刃を食い止めるスレヴィンに、シドは凶猛に笑った。

 

「リボルバー式は撃鉄を起こす手間の分、隙が生じやすい。俺に言わせれば、あんなものは弾幕ではない。ただの盲撃ちだ──おっと」

 

 銃声。シドが首を傾げれば、顔の真横を熱風と鉛玉が通過した。カランと薬莢が転がる音に、スレヴィンの舌打ちが混じる。その背後では、蛸の触腕の内の一本が構えたM500が銃口から硝煙を燻らせていた。

 

「そこは当たっとけよ……!」

 

「この程度で出し抜かれては、奴の騎士は務まらんのでな」

 

 廊下という狭い空間での、5丁もの銃を用いた連射。ならば、()()()()()()()()()()──決して見当違いな判断ではない。むしろ、妥当ですらあった。

 

 だが、今この瞬間に限っては見通しが甘かったと言わざるを得ない。『妥当』『定石』……そんなもので殺せるほど、エドガー・ド・デカルトの騎士という肩書は甘くない。

 

「とはいえ、純粋な手数の多さに再生能力。何より、俺を止めるほどのパワー……厄介だな」

 

「どの口が……」

 

 ──押し返せない。

 

 スレヴィンの予想に反し、鍔迫り合いは拮抗していた。タコの筋力による迎撃、その威力は常人なら腕の骨が砕けてもおかしくないもの。それと真正面から打ち合うシドの姿に、スレヴィンは奇妙な焦燥を覚えた。

 

 それはそう、致命的な何かを見落としているかのような──。

 

「このままでは埒が明かんな」

 

 耳に届いたその声に、スレヴィンの思考が現実へと引き戻された。

 

「ここはひとつ、削り殺すとしようか」

 

「あ?」

 

 疑問の声を上げたスレヴィンの目が、ある変化に気が付く。シドが持つ西洋剣、その刃先に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 こんなもの、さっきまではなかった筈──その思考にスレヴィンが至ろうとした、刹那。

 

 刃の群れが、チェンソーのように高速回転を始めた。

 

「!?」

 

 驚愕するスレヴィンの鼓膜を、けたたましい音が劈いた。それは凶刃の回転駆動音であり、スレヴィンの得物が削られる音でもあった。

 

「う、オォッ──!?」

 

 咄嗟に力の重心を逸らし、剣撃の軌道上から逃れる。彼を突き動かしたのは、状況理解ではなく生存本能。彼が飛び退いたのと、真っ二つになったトンファーが床に転がったのは同時だった。

 

「ハァッ、ハァッ……!」

 

 死線から逃れたスレヴィンの体に、滝のような汗が噴き出す。心臓が早鐘のように鳴っていた。

 

「クカカ! 青ざめたな、スレヴィン・セイバー。余程肝を冷やしたと見える」

 

「っ……確かにな」

 

 悪戯に成功した子供のように、しかしその何十倍も凶悪に笑うシド。動揺を押し殺し、スレヴィンは辛うじて言葉を紡ぐ。

 

「変形する剣なんてもんが、まさか現実に存在するとはな。M.(モザイク)O.(オーガン)H兵器(ハイブリッド)ってやつか?」

 

「惜しいな。少し違う……いや。この場合は足りないと言った方が正しいか」

 

 シドは見せつけるように、チェンソーのように変形したその剣を掲げた。刀身の側面が光を反射し、そこにスレヴィンの顔が映り込む。

 

「M.O.Hの技術も使われている、とは聞いているがな。()()()()()()()()()()()()()()()()──もっと醜悪で、より狂気的なものだ」

 

 シドが言い切ると同時、彼の手中で剣が音を立て始める。先の奇襲が頭をよぎったスレヴィンは、警戒を極限まで高め──。

 

 

 

『う、うウぅ……()()()()()()

 

 

 

「──は?」

 

 ()()()()()()()()()、スレヴィンの思考は真っ白に染まった。その眼で、凶器は壊れたビデオテープのように断末魔を奏でる。

 

『たべ、たったタたべない、デくレェェ!』『ヒ、やメろハなセぇ! クるナく、ルなア゛!』『死にたクなイよォ』『マ、まテあギゃあ』『ギャあアあア』『イっ、いやだ! イヤダぁぁァアあああァあア!!』

 

『あっ』

 

 不意にピタリと、煩わしい音が止んだ。異様な静寂があたりを包み──数秒の後、()()()()()()()()()()()()()

 

『…………あはっ』

 

 その裂け目からはみ出したのは、舌のような物体だった。およそ無機物に存在するはずのない器官を使い、剣は刀身に付着したスレヴィンの血を舐めとる。

 

『キャハッ』

 

 ぶるりと、刀身が震える。裂け目からは透明の液体が滴り、ホワイトハウスの床に小さな水たまりを作った。

 

『 ギ ャ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! 』

 

 そして響き渡る、怪音。歯肉を思わせる下品な赤、歯牙を思わせる黄ばんだ白──それらを剥き出し、西洋剣の形をした『ナニカ』はゲラゲラと嗤う。

 

「品のない女だろう?」

 

 呆れたように嘆息し、シドは続ける。

 

「槍の一族に渡された変則駒(フェアリーピース)枢機卿(カーディナル)』は、対国家を想定した生物災害だった。一方、こちらの変則駒(フェアリーピース)元帥(マーシャル)』は()()()()()()()()()()()()()

 

 そして彼は、言葉を失ったままのスレヴィンに淡々と告げた。

 

「アダム・ベイリアルが造り出した新種の生命体、『生きた魔剣』──それがこの武器の正体だ」

 

 

 

 

 

 

 黒陣営変則駒(フェアリーピース):対有機生命体決戦兵器 “元帥(マーシャル)

 

 

 

 

 

 研究登録ナンバー 第841号

 

 

 

 

 

 研究責任者:アダム・ベイリアル・■■■■■

 

 

 

 

 

 研究正式名称──

 

 

 

 

 

『最強の魔剣作ったったwww』

 

 

 

 

 

 研究成果物:アダム・ベイリアル謹製『刀剣型人工寄生生命体』

 

 備考:やんちゃな せいかく。

    2610ねん7がつ18にち

    かせいのラボでアダム・ベイリアルがつくった。

    きりきざむこととくいころすことがすき。

 

 

 

「生きた剣だと……!?」

 

「信じ難いか? 無理もないがな。初めて聞かされた時は、俺も普通に引いた」

 

 だが、とシドは続ける。

 

「この剣に自我があるのは見ての通り。油断するとこちらを侵食して乗っ取ろうとする、とんだじゃじゃ馬だが……あの狂人どものお手製だけあって、性能は本物だ」

 

 そこで一度言葉を切り、シドは剣先をスレヴィンへと向けた。

 

「まずこいつは、他生物の血肉を取り込んで刃を成形する。早い話、敵を斬れば刃毀れや折損は勝手に直るというわけだな。そしてこの性質上、元帥(マーシャル)は──()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そして次の瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「っく──!」

 

 半ば直感による回避行動が、スレヴィンの生死を分けた。心臓を狙った刺突は彼の左肩を貫通するに留まり、紙一重でその命を繋ぎとめる。その様子を見たシドは意外そうに「ほう」と声を漏らす。

 

「今のを避けるか、いい反射神経だ」

 

 ──が、詰みだな。

 

 と、眼鏡の奥で殺し屋は目を細める。

 

「外れないだろう? 剣がお前の体内で、”返し”を作ったからだ。釣り針のようにな」

 

 体内で枝分かれした刃が、拘束から逃れようとするスレヴィンを阻んでいた。加えて彼を貫いた刀身は更に後方へ伸び、その切っ先を何mも先の壁に突き立てている。標本箱にピン止めされた昆虫さながら、彼の身体はその場に縫い留められていた。

 

「だったら──!」

 

 が、スレヴィンの目から戦意の火は消えていなかった。彼は剣を引き抜くことを早々に諦め──

 

「っぐ、ああああああああ!」

 

 ――固定された肩ごと、自らの肉を引き千切った。

 

「! そう来たか!」

 

 微かな驚愕とともに喜色を浮かべるシド。強引に脱出したスレヴィンは、そのままシドの懐へと飛び込んだ。

 

(ここだ! 今この瞬間だけ、奴は剣を使えない!)

 

 長すぎる刀身は引き戻すのに時間を要する。そしてこの距離まで近づいてしまえば、シドの斬撃よりスレヴィンの関節技(サブミッション)の方が速い。

 

「もらった──!」

 

 再生が完了した二本の触腕が、両サイドからシドへ迫り──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 ” 天 異 変 態 ” 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「が、はッ──!?」

 

 まずスレヴィンが感じたのは、異様な灼熱感。次いで鈍い痛みが脳に到達すると同時、彼は口から血を吐いた。

 

「話は最後まで聞くものだ、スレヴィン」

 

 何が起きたのか理解できていないスレヴィンの耳元で、シドは諭すように語り掛ける。

 

「『自我を持ち、形状を自由に変えられる剣』。その程度の兵器が、国を揺るがす生物災害と同等に扱われると思うか? 元帥(マーシャル)はもう一つ、別の生態を持つ」

 

 彼はそういうと、スレヴィンの腹から左腕を引き抜いた──ハチの腹部を思わせる形状に変異した、その左腕を。

 

「この剣は取り込んだ遺伝子を保存・増幅し、宿主へと受け渡す……ここまで言えばわかるか?」

 

「! まさか……!」

 

「クカッ! 察したようだな」

 

 瞬間、スレヴィンの脳裏に浮かぶ最悪の予想。それを肯定し、シドは無慈悲に宣告した。

 

 

 

「──()()()()()()()()()()宿()()()()()()()()。それがこの元帥(マーシャル)の最大の特性だ」

 

 

 

 ──魔剣を魔剣たらしめる、最悪の機能を。

 

 





【オマケ】

アダム「元帥(マーシャル)の正式名称は『血肉を吸って刀身充填! 変化自在の刃でどんな獲物もバッサリカット! 取り込んだ遺伝子を使って、誰でも気軽に天異変態! 自我を乗っ取られる感覚まで楽しめちゃう、新感覚の汎用専用武器!(矛盾) ※メーカー小売り希望価格:988万米ドル』だよ!」

エドガー「長い」


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